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「ストレスとニキビ」についての記事まとめ

2024/03/16

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【おでこと顎ニキビ】大人ニキビの特徴と治療

大人ニキビに悩む女性

美容と精神的なストレスを左右する重要な問題であるニキビは、単に思春期の象徴としてだけではなく、大人においても深刻な悩みの種となっています。顔面や頚部、そして体幹にまで及ぶ面皰(白ニキビ等)や炎症性病変(赤ニキビ等)が、ニキビ特有の症状として現れます。ニキビは思春期に限定された皮膚疾患であると考えられがちですが、実際には多くの大人、特に女性においては思春期を過ぎても悩まされる「大人にきび」が存在します。この記事では、おでこや顎によくできる大人ニキビがなぜ発生するのか、その特徴は何か、そして最適な治療法について、深く掘り下げて考察していきたいと思います。

大人ニキビとは

大人ニキビは、学術用語では「Postadolescent acne」と称され、思春期を過ぎた後も続くニキビのことを指します。この用語を日本語に訳せば「思春期以降のニキビ」となりますが、専門的な日本語の医学用語は存在しません。医学界においては、Postadolescent acne(大人にきび)を25歳以上の人々に発生する尋常性痤瘡(ニキビ)と定義しています。統計的には、男性よりも女性の方が大人にきびに悩まされるケースが多いことが知られています。これはホルモンバランスの変化、生活習慣、ストレスレベルなど、様々な要因が複合的に作用していると考えられています。また、おでこや顎が大人ニキビの好発部位とされています。これについては後に詳細に解説します。

参照元:

Adult Acne Versus Adolescent Acne: A Retrospective Study of 1,167 Patients

女性の大人にきびの実態

顎にきび

女性のにきびは、年齢によってその発症傾向に顕著な差異が見られます。女性のニキビは、年齢が上がるにつれてにきびの有病率が減少する傾向が明確に確認されています。統計によると、16歳の時点で被験者の約70%がにきびを経験しており、これは思春期の特徴とも言えます。しかし、18歳を過ぎると、にきびの有病率は徐々に減少し、20代女性では約半数、30代では4分の1、そして40代では10%以上の女性が依然として臨床的に重大なにきび(顔の片側に4個以上の炎症性病変または面ぽうが存在する状態)に悩まされていることが分かっています。一方で、閉経を迎えるとにきびの発生頻度は大幅に減少し、51歳以上の女性では臨床的に有意なにきびの発生率は5%未満にまで下がることが観察されています。

参照元:

Acne vulgaris in women: prevalence across the life span

女性の大人ニキビのメカニズム

女性の大人ニキビは、その発生メカニズムにおいて他のニキビと共通する要因が複数存在します。ニキビ病変の形成には、皮膚の局所的な変化が大きく関与しており、その主要な要因として毛包の角化異常、過剰な皮脂分泌、アクネ菌の増殖、そして炎症の4つが挙げられます。これらのプロセスが複雑に絡み合い、大人ニキビの形成に至ります。特に、過剰な皮脂分泌と毛包の異常な角化は、白ニキビや黒ニキビと呼ばれる面皰(コメド)の形成に直接的に寄与しています。面皰はニキビの最も初期的な病変であり、その形成過程はニキビの発展に重要な役割を果たします。さらに、この面皰(コメド)が破裂したり、過剰な皮脂によりアクネ菌が増殖したりすると、結果として炎症性病変として知られる赤ニキビや黄ニキビが発生します

大人ニキビの原因

大人ニキビの発症要因に関しては、現在も完全な解明には至っていませんが、複数の要素がその原因として考えられています。特に女性における大人ニキビの発症には、アンドロゲン(男性ホルモンの一種)の増加、月経周期の変動、喫煙、そして化粧品の使用が密接に関連している可能性が指摘されています。

■アンドロゲン

アンドロゲンは、皮脂の産生を促進し、皮膚の皮脂腺の成長を刺激する役割を担っています。一般に男性ホルモンとして知られるアンドロゲンですが、女性の体内にも存在し、そのバランスが重要です。近年の研究では、大人ニキビを持つ女性の中でアンドロゲンレベルが顕著に上昇しているケースは比較的少ないものの、アンドロゲンの増加が引き起こす他の症状、特に脱毛症が注目されています。高アンドロゲン血症という状態は、女性における内因性の疾患や、外因性の要因によって引き起こされることがあります。内因性高アンドロゲン血症の最も一般的な原因は多嚢胞性卵巣症候群ですが、遅発性副腎過形成、卵巣の肥大症、卵巣腫瘍や副腎腫瘍なども原因となり得ます。一方で、外因性高アンドロゲン血症は、ステロイドの投与やテストステロンの補充によって起こり得ます。また、黄体ホルモンのみの避妊薬(抗アンドロゲン作用を持つエストロゲンを含まないもの)がニキビの発生に寄与する可能性も研究によって示されています。内因性高アンドロゲン血症は比較的な珍しい疾患ですが、ストロイド内服やピルは日常において使用している可能性がありますので注意が必要です。

■生理周期(月経周期)

大人ニキビと生理(月経周期)の関係性については、多くの女性がその相関を経験的に認識していますが、実際に統計的な裏付けが存在します。様々な研究がこの関係性を明らかにしており、大人ニキビを持つ女性の中には最大83%が生理前にニキビの再燃を経験していることが分かっています。さらに別の研究では、18歳から44歳の大人ニキビを有する女性41人のうち、63%が生理前に炎症性病変の数の増加を示し、存在する炎症性病変の数は25%増加していたと報告されています。生理前の肌の変化におけるメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、一つの仮説として、生理前の期間中に毛穴の毛乳頭開口部のサイズが小さくなり、皮脂腺内での皮脂の蓄積が増加することが、生理前(月経前)の炎症の原因となっている可能性が指摘されています。

参照元:

Quantitative documentation of a premenstrual flare of facial acne in adult women

■喫煙

近年、女性における大人ニキビと喫煙との関連性についての研究が積極的に行われています。これらの研究によると、特にニコチンが大人ニキビの発生要因である皮脂の過剰産生や角化異常に対して影響を及ぼす可能性があると指摘されています。また、喫煙によるストレスの増加や体内の抗酸化物質の減少も、皮膚の炎症やニキビの悪化に関与しているとされています。このように、喫煙は女性の大人ニキビの発症や悪化に影響を与える重要な要因の一つとして認識されています。

参照元:

Acne and smoking

■化粧品

化粧ニキビ、すなわち「acne cosmetica」とは、化粧品や毛髪製品の使用に起因するニキビの形成を指す医学用語です。化粧ニキビは、化粧品に含まれる特定の成分が毛穴を塞ぐことにより生じると考えられています。この結果、皮脂や汚れが毛穴内に蓄積し、炎症を引き起こすことがあります。特に、油性や重いテクスチャの化粧品がこの種のニキビの形成に寄与することが一般的です。

■ストレス等、その他の要因

大人ニキビに影響を与える可能性のある要因は多岐にわたります。特にストレス、食生活、遺伝的な背景などは、大人ニキビの発症に関与しているとされています。女性の大人ニキビに関する一つの症例対照研究では、ニキビを有する女性248人と対照群270人を対象に分析を行いました。この研究では、思春期ニキビの既往歴、家族歴、妊娠歴の有無、多毛症、オフィスワークに従事していること、心理的ストレスの高さ、さらには果物、野菜、魚の食品の1週間の摂取量の少なさなどが、大人ニキビと関連していることが示唆されました。また、ある調査では顎ニキビのある女性は会社員として就業していることが多く、日々のストレスレベルが高いこと、仕事自体が心理的ストレスになっていることが高いことも明らかになっています。しかしながら、これらの結果を裏付けるためには、さらに多くの研究が必要とされます。

参照元:

Adult female acne and associated risk factors: Results of a multicenter case-control study in Italy

大人ニキビの特徴

■発症時期

大人ニキビ、特に成人女性におけるその発症時期は、二つの主要なパターンに分類されます。第一に、最も一般的なのは思春期ニキビの持続型、すなわち「持続性ニキビ」です。このケースでは、思春期に始まったニキビが成人期に入っても引き続き続いている状態を指します。これに対して、第二のパターンとしては、「遅発性ニキビ」と呼ばれる、大人になってから新たにニキビが発症するケースがあります。現在のところ、持続性ニキビは遅発性ニキビよりもはるかに一般的です。研究データによれば、成人になってから初めてニキビが発症するケース、すなわち遅発性ニキビは全体の約10~20%程度に過ぎないとされています。

■ニキビの種類

女性の大人ニキビは、その種類において思春期のニキビと多くの共通点を持っています。一般的に、これらのニキビは面皰(白ニキビ)と炎症性にきび(赤ニキビ、黄ニキビ、紫ニキビ)の両方を呈することが多いです。面皰のみ、あるいは炎炎症性にきびのみが発生するパターンは比較的珍しいとされています。大人ニキビの発生部位としては、顔が最も一般的ですが、頸部や体幹にもしばしば病変が見られます。実際に、大人ニキビを持つ女性の約50%には体幹にも病変が確認されているという研究結果もあります。また、一般に女性の大人ニキビの重症度は軽度から中等度の範囲に収まることが多く、炎症性ニキビ(赤ニキビ、黄ニキビ、紫ニキビ)の数が多い場合は稀であるとされています。

■大人ニキビの分布

女性の大人ニキビには、その分布によって2つの主要なタイプが存在します。

白ニキビ多数タイプ:このタイプでは、特に顔の上部やさまざまな部位に白ニキビ(面皰)が多く見られます。このタイプの特徴としては、炎症性のニキビ(赤ニキビ)が比較的少ないことが挙げられます。白ニキビの分布パターンは、顔全体ですが、特におでこなどの顔上部に顕著に見られることが多いです。大人にニキビとして「おでこのニキビ」を悩む女性が多いですが、これはこの「白にきび多数たイプ」に分類されます。

白ニキビ

↑白ニキビ

顎ニキビタイプ:こちらのタイプは、顎周りや口の周辺、フェイスラインなど、顔の下半分に炎症性病変(赤ニキビ、黄ニキビ、紫ニキビ)が現れることが特徴です。この分布がどのようにしてこのように生じるのかは、現時点では明確には解明されていません。ある研究では、顎ニキビのある女性は、会社勤務している率が高く、日々のストレスレベルが高いと報告し、仕事の心理的ストレスが大人の顎ニキビの要因になっている可能性が高いとあります。従来、女性の大人ニキビは顔の下部、特に顎に集中する傾向があると考えられていました。しかし、最近の研究によると、顎に限局したニキビを持つ女性は全体のわずか11%に過ぎないことが明らかにされています。

赤ニキビ

赤ニキビ

大人ニキビの診断

大人ニキビの診断は、主に患者の肌の状態を視診することによって行われます。ただ、稀ですが、アンドロゲン亢進症の可能性が示唆される身体的な徴候が見られる場合には、追加の検査が推奨されます。アンドロゲン亢進症は、女性において過剰なアンドロゲン(男性ホルモン)の影響が見られる状態を指します。この状態が疑われる場合、特徴的な徴候として以下のような症状が挙げられます。

・毛深さが増す

・男性型脱毛症(AGA)の兆候、例えば前頭部や頭頂部の薄毛

・クリトリスの異常な肥大

・月経周期の不規則性や月経不頻度

・不妊

・多嚢胞性卵巣症候群

これらの症状が見られる場合、血液検査を含むより詳細な検査を行い、適切な診断と治療方針を立てることが重要です。アンドロゲンレベルの異常は、大人ニキビの根本的な原因である可能性があり、それに応じた治療が必要となります。

大人ニキビの鑑別診断:類似疾患との区別

大人ニキビの診断においては、顔に発生する他の疾患との区別が非常に重要です。特に成人女性の場合、以下の疾患がニキビと似た臨床的特徴を示すことがあり、慎重な鑑別診断が求められます。

■酒さ

この一般的な炎症性疾患は、顔面中央部の炎症性丘疹、膿疱、毛細血管拡張、または紅斑を特徴とします。面皰がないことが多く、顔面中央部に特に現れることからニキビと区別できます。

■口囲皮膚炎

若年女性に好発するこの疾患は、口周囲に小丘疹の集簇を形成します。特徴的なのは、口唇の朱縁に隣接する皮膚が通常は影響を受けない点です。眼周囲皮膚炎としても現れることがあります。多くの場合、慢性的なステロイドの外用で発症します。

■その他

須毛部仮性毛包炎、薬剤性ざ瘡、痤瘡摘出(行動障害の一種)、細菌性毛包炎、フルンケル症(せつ)、好酸球性毛包炎、摩擦性ざ瘡、顔面播種状粟粒性狼瘡なども鑑別診断において考慮すべき疾患ですが、これらは比較的稀であるため、ここでは詳細には触れません。

大人ニキビの治療

大人ニキビの治療では、保険診療の範囲内で主に内服薬や外用薬を用いた薬物療法が行われます。この治療は思春期のニキビ治療と基本的には同様です。しかし、大人ニキビの特徴の一つとして、その悪化のスピードが早いことが挙げられます。したがって、初期段階での積極的な治療が推奨されます。私は初期段階からアグネスをおすすめします。アグネスは1回の治療でニキビを治す治療で、治療部位からはニキビの再発も起こりません。早い段階での積極的な治療が炎症による色素沈着や瘢痕形成を防ぐ鍵となります。具体的には、皮膚科で処方された薬による治療が1ヶ月経っても改善が見られない場合、次の治療ステップ、すなわちアグネス治療に進むことが重要です。大人ニキビは、炎症が進行すると跡が残りやすく、それらはニキビが治癒した後も長く影響を与えることがあります。そのため、薬物療法に比べて侵襲性が高くとも、初期から効果的な治療法を選択することが望ましいと考えます。これは、炎症を伴うニキビが、マイルドな治療中に悪化する可能性があり、瘢痕を残すリスクがあるためです。手遅れにならないためにも、治療は最初から最も効果的なアグネス治療を検討すべきだと思います。

アグネスの治療前後

大人にきびの後遺症

大人ニキビの後遺症として、炎症性ニキビの治療が成功しても、炎症後色素沈着や瘢痕形成といった問題が長期間にわたって患者を悩ませることがあります。特に、クレーター状やアイスピック状のニキビ跡、また皮膚の陥没を引き起こしたニキビ跡は、見た目にも非常に目立ち、患者の日常生活や心理的な健康に影響を与えることがあります。これらのニキビ跡の治療においては、「サブシジョン」という手法が推奨されます。サブシジョンは、皮膚下の繊維組織を切断することでニキビ跡を目立たなくする治療法で、特に深いクレーターや陥没を起こしたニキビ跡に対して有効です。

大人にきびのスキンケア

大人ニキビに悩む女性たちから頻繁に寄せられる質問の一つが、適切なスキンケア方法についてです。重要なのは、ニキビの病変部を摘んだり潰したりする行為を避けることです。これは瘢痕形成のリスクを高める可能性があります。代わりに、肌に優しい洗顔方法の選択が推奨されます。また、日々の保湿剤の使用により、皮膚の乾燥を防ぎ、炎症を抑制する効果が期待できます。スキンケア製品や化粧品に関しては、一般的にニキビ治療の専門医の多くは、ニキビ患者に「非面皰誘発性」および「非アクネジェニック」と表示された製品(保湿剤、クレンジング剤、化粧品など)の使用を推奨しています。これは毛穴を塞ぐ成分を含む製品の使用を避けることを意味します。さらに、メイクアップの一環としてファンデーションを使用する場合、油分を含む製品よりも「オイルフリー」の製品の選択が好ましいとされています。

大人にきびの予後

大人にきびは、年齢とともにその有病率が徐々に減少する傾向にあり、これは自然治癒の可能性があることを示唆しています。しかしながら、特に女性の場合は、長年にわたってにきびに悩まされることがあります。成人女性を対象に行われた調査研究によれば、にきびの平均発症年齢は16歳であり、患者は平均して約20年間にきびの症状に苦しんでいることが報告されています。また、妊娠が大人にきびに及ぼす影響については個人差があります。にきびは妊娠中に改善することもあれば、変化がないこともありますし、場合によっては悪化することも報告されています。これらの変動は、妊娠中のホルモンバランスの変化や体のストレスレベルなどの要因によって引き起こされる可能性があります。このように大人にきびの予後は様々であり、長期にわたるケースも少なくありません。

大人ニキビのよくあるご質問

Q:ストレスでおでこがブツブツするのはなぜ?

A:そのブツブツは白ニキビである可能性が高いです。大人ニキビはストレスで発症することが多く、おでこは大人の白ニキビの好発部位となるからです。

Q:彼氏にニキビはうつりますか?

A:ニキビは人に移りません。ニキビの原因となるアクネ菌はそもそも皮膚の常在菌であり、すでにすべての人に皮膚に存在する菌だからです。

Q:ストレスによるニキビの位置はどこですか?

A:ストレスによる大人ニキビは顔のどこにでもできる可能性はありますが、特におでこに白ニキビが多発しやすく、また、顎に赤ニキビができやすいとされています。この理由は不明です。

まとめ

この記事では、しばしば顎ニキビやおでニキビとして発生する大人ニキビの原因と治療方法について詳細に解説しました。大人ニキビの具体的な原因は現在も完全には解明されていないものの、月経周期、喫煙、ストレスが発症や悪化の要因として考えられています。治療方法としては、迅速かつ再発の少ない「アグネス」と呼ばれるニキビ治療が特に注目を集めています。アグネスによる早期治療開始は、ニキビによるストレスの軽減に寄与し、炎症後の色素沈着や瘢痕の形成を防ぐ上で最良の選択です。本記事が大人ニキビに悩む多くの方々にとって有益な情報源となり、悩みの解消に役立てばと考えています。大人ニキビという一見難治性の問題にも、適切な知識と治療法の選択により、効果的な対策が可能であることをお伝えしたいです。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。

【関連項目】

万能のニキビ治療「アグネス」のご相談はこちら

ニキビ治療「アグネス」の効果とデメリット

【化粧品によるニキビ】化粧が原因のニキビについて

【ニキビとストレスの関係】科学的根拠に基づいた解説

【アグネスに効果がない!】科学的検証に基づくアグネスの真の効果

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2024/03/13

院長ブログトップ > 【ニキビとストレスの関係】科学的根拠に基づいた解説

【ニキビとストレスの関係】科学的根拠に基づいた解説

日常生活の中で、ストレスが皮膚トラブルの原因になっていることは皆さんが経験したことがあるかもしれません。実際、ストレスがニキビの大きな要因の一つであるということは、多くの方々が何となく感じています。しかし、一体どのようにしてストレスがニキビを引き起こすのでしょうか?このブログでは、最新の医学研究に基づいた証拠を元に、ニキビとストレスの密接な関係について、詳しく深堀りしていきます。

ストレスが体に及ぼす影響:HPA軸の活性化

ストレスを感じた際、人間の体は精緻なホルモンシステムである「視床下部-下垂体-副腎系(HPA軸とも呼びます)」を通じてストレスホルモンのコルチゾールを分泌します。この過程は次のように進行します。

1.視床下部の反応(hypothalamic)

ストレスを感じると、脳の視床下部(hypothalamic)はコルチコトロピン放出ホルモン(副腎皮質放出ホルモンとも言う)(CRH)を分泌します。これはストレス応答の最初の段階です。

2.下垂体の活動(pituitary)

CRHは下垂体にシグナルを送り、下垂体(pituitary)はこれに反応して副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌します。下垂体は脳の基部に位置する小さな腺で、体の様々なホルモンシステムを制御します。

3.副腎の反応(adrenal)

ACTHは血流を通じて副腎(adrenal)に到達します。副腎は腎臓の上に位置する小さな器官で、ACTHの到達によってコルチゾールの生産を開始します。

4.コルチゾールの分泌:

副腎皮質から分泌されたコルチゾールは、体のさまざまな部分に影響を与え、ストレス応答に関連するさまざまな反応を引き起こします。これには、血糖値の上昇、免疫系の抑制、代謝の調整などが含まれます。

このHPA軸は、体がストレスに反応して適応するための基本的なメカニズムです。

出典元:HPA軸

HPA Axis in the Pathomechanism of Depression and Schizophrenia: New Therapeutic Strategies Based on Its Participation

ストレスがニキビを引きおこすメカニズム

ストレスがニキビを引き起こすまたは悪化させるメカニズムは、主に2つの経路を通じて発生します。

1.CRH(コルチコトロピン放出ホルモン)経路:

視床下部より分泌されるCRH(コルチコトロピン放出ホルモン)は皮脂腺の脂質産生とステロイド生成を促進し、にきびの一因となります。研究によると、にきびを発症した皮膚の皮脂腺におけるCRH発現の増加が示されており、一方正常皮膚ではCRHの発現が低いことが分かっています。このことからCRHはニキビの炎症過程に関与していると考えられています。また、CRHは、皮膚表面の角化細胞(ケラチノサイト)におけるサイトカインIL-6およびIL-11の産生を誘導し、ニキビの病因における重要な要素であると考えられている炎症に寄与しているとされています。

参照元:

Involvement of the corticotropin‐releasing hormone system in the pathogenesis of acne vulgaris

2.末梢神経からの神経伝達物質

ストレスに反応して、末梢神経はサブスタンスPや血管腸管ペプチドと呼ばれる神経伝達物質を放出します。サブスタンスPは、皮脂腺の増殖と分化を促進し、脂質合成を増加させることでニキビを悪化させる可能性があります。

炎症ニキビにおけるCRHとサブスタンスP

出典元:

The Role of Inflammation in the Development of Acne

このように中枢神経系と末梢神経系の2つの経路でストレスはニキビにおける脂質合成を増加させ、ニキビを悪化させます。

ストレスとニキビ発生の謎

ストレスの影響により、視床下部から分泌されるCRH(コルチコトロピン放出ホルモン)は、ニキビがある皮脂腺で増加する傾向にありますが、同一人物のニキビがない正常な皮脂腺では、CRHの増加は見られません。これは、CRHがニキビの悪化に一定の役割を果たしている一方で、CRHが正常な皮膚におけるニキビの初期発生に直接関与していない可能性を示唆しています。ストレスとニキビの初期発生の関係性については現在の研究では明確には解明されていません。ストレスとニキビの発生の関係については、さらなる研究と解析が必要です。

出典元:

Involvement of the corticotropin‐releasing hormone system in the pathogenesis of acne vulgaris

ストレスは精神的なものだけない

これまで話してきたニキビを悪化させるストレスですが、これは精神的なストレスだけがニキビを悪化させるわけではありません。皮膚や体への直接的な物理的なストレスもニキビを悪化させるのです。環境的な要因、例えば気温、大気、日差しなどが皮膚にストレスを与え、それによって末梢神経が刺激され、ストレスホルモンの分泌が引き起こされる可能性があります。これらのストレスホルモンはニキビの悪化に寄与することがあります。また、ストレスが交感神経系を優位にし、それによって腸内環境や腸管の蠕動運動に影響を及ぼすこともあります。その結果、便秘などの問題が生じ、ニキビの状態を悪化させる可能性があるのです。このように、ニキビの悪化には、精神的、物理的、環境的ストレスが影響していることがわかります​。

出典元:

Oxidative stress and skin diseases: possible role of physical activity

ニキビを予防するためのストレスの解消法

ニキビの予防に役立つストレス解消法を紹介しましょう。日々の忙しさの中で、ストレスを管理し解消することは、心の安定と肌の健康を保つために不可欠です。簡単に取り入れられる次の方法を試してみてください。

■運動

日常の運動はストレス解消に大いに役立ちます。散歩やジョギングなど、体を動かすことでストレス緩和につながり、幸福感を高めるホルモンの分泌が促されます。

■健康的な食生活

果物や野菜、全粒穀物を含むバランスの取れた食事は、身体と心の両方を労わることに繋がります。栄養価の高い食事は消化時の身体的なストレスを軽減する助けとなります。

■ 不健康な習慣からの脱却

ストレスに対抗するためには、カフェインやアルコールの過剰摂取、喫煙、過食、違法薬物の使用など、健康を損なう習慣を避けることが重要です。これらの習慣は、長期的にストレスレベルを上昇させることがあります。

■ ヨガと瞑想で心を静める

心の平穏を取り戻すためにヨガや瞑想を取り入れると効果的です。瞑想は精神的な安らぎをもたらし、ヨガは心身のリラクゼーションを促進します。深呼吸を行うことも、瞑想効果を得るための簡単な手段です。

■ 笑いでストレスを軽減

笑うことで心の負担を軽減し、気分を向上させることができます。ユーモアを日常生活に取り入れ、積極的に笑うことで、ストレスによる心身の影響を和らげましょう。

■ 人間関係の強化

ストレスが高まる時、孤独に陥りがちですが、家族や友人との繋がりを保つことで、心の安定と支えを見つけることができます。人との交流はストレスの解消に役立ちます。

■ 自己主張の重要性

 すべてを一人でこなそうとすると、ストレスが増大します。適切な境界を設け、「ノー」と言う勇気や、他人への委任の重要性を学びましょう。

■ 睡眠の質の向上

ストレス解消によい睡眠

ストレスは睡眠の質に影響を及ぼすことがあります。安定した睡眠パターンを確立し、毎晩7~9時間の睡眠を確保することで、心身のリフレッシュと回復を図りましょう。

■ 音楽と趣味で心を癒す

音楽を聴いたり演奏したりすることは、心をリフレッシュし、ストレスを軽減する効果的な手段です。また、ガーデニングや読書などの趣味に没頭することも、心の落ち着きを取り戻し、日々のストレスから解放される良い方法です。

■ カウンセリングの活用

 ストレスが深刻で、自己管理が困難な場合は、専門家によるカウンセリングを受けることも効果的です。専門家は、ストレスの根本原因を理解し、それに対処する新たな手段を提供してくれます。

にきびとストレスについてよくあるご質問

Q:ストレスによるニキビの特徴は?

A:ストレスによるニキビは「大人にきび」と言われるニキビで、働き盛りの女性によくみられ、長く続くニキビであることが特徴です。ニキビの種類は主に炎症性ニキビ(白赤ニキビ)です。月経前に再燃するのが典型的な特徴です。

Q:ストレスでニキビが出来る場所は?

A:口のまわりや顎に多いのが特徴です。

Q:腕にニキビができる原因はストレスですか?

A:腕にできるニキビはマラセチア毛包炎というニキビの可能性が高く、ストレスよりも真菌の増殖による可能性が高いです。

Q:ニキビを気にしすぎるとストレスになりますか?

A:ニキビが多い人はストレスを大きく感じているという研究データは多数あります。このためニキビはストレスの要因になることが一般的です。

Q:ストレスでニキビが治らないのはなぜ?

A:ストレスを感じた時に分泌されるホルモンが皮脂腺から皮脂を増加させるという科学的な研究があります。皮脂腺の増加はニキビが治らない要因となります。

Q:ストレスでニキビは悪化しますか?

A:ストレスがニキビを悪化させるということは科学的な研究からも明らかになっています。

Q:急な肌荒れはストレスが原因ですか?

A:ストレスは肌荒れの要因となります。ストレスを感じたときに分泌されるコルチゾールというホルモンは皮膚の炎症を引き起こしやすくなりますので、急な肌荒れはストレスが原因になっていることもあり得ます。

Q:赤ニキビの原因はストレスですか?

A:赤ニキビは炎症性にきびであり、面皰(白にきびや黒ニキビ)が悪化した結果です。にきびの悪化にストレスが要因になっていることもあります。

Q:ストレスニキビの対策は?

A:まずはニキビの治療を優先すべきです。ニキビの治療ではアグネスを最も推奨します。アグネスによるニキビ治療でば再発しないからです。治療と同時にストレスが解消されるに日々の生活改善に取り組むべきです。

Q:ほっぺ、眉間、おでこにできるニキビはストレスが原因ですか?

A:あらゆるニキビがストレスが原因で発生する可能性があります。ただし、ニキビの要因はストレスだけでありません。ホルモンの変化や家族歴、食生活などがニキビの要因となり得ます。一般的には大人になってからのストレスによるニキビは顎や口の周りに出来やすいと言われています。

まとめ

この記事では、ストレスがニキビの発生や悪化に与える影響について、最新の医学論文をもとに詳細かつ分かりやすく解説してきました。内容は複雑かもしれませんが、これらは最新かつ正確な情報に基づいています。また、日常生活で実践可能なストレス解消法もご紹介しました。これらの知識を活用し、ニキビ予防に役立てることで、ストレスを上手にコントロールし、皮膚の健康を守りましょう。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。

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