カテゴリー:院長日記
2024/03/17
院長ブログトップ > 福原愛さんの美容整形疑惑について専門医が徹底分析・解析
福原愛さんの美容整形疑惑について専門医が徹底分析・解析
2024年3月15日、東京の日本外国人特派員協会にて開かれた福原愛さんの記者会見が、彼女の変貌ぶりを巡るネットの大きな話題となりました。会見に登場した福原さんは、かつての姿から劇的に変化し、女優のように美しくなっていたため、美容整形を行ったのではないかという疑惑が持ち上がっています。この記事では、福原愛さんの見違えるような変貌について、美容外科の専門医としての立場から、その変化の理由を徹底的に分析し、美容整形の可能性について科学的な視点から解説します。メイクや加齢がもたらす顔貌の変化についても詳細に説明し、福原さんの変化がただの噂なのか、それとも美容整形の賜物なのかを明らかにします。
福原愛さん、目元の変化で脚光。和解成立を報告する記者会見で注目集まる
『福原愛さん パッチリ二重に「雰囲気変わった」「綺麗過ぎてびびった」元夫と和解成立で会見 昨年末に美容整形医院で施術』というタイトル名でヤフーのニュース記事が掲載されました。記事の概要は以下のとおりです。
■ヤフーニュースの概要
元卓球選手の福原愛さんが、東京の日本外国人特派員協会で行った記者会見で、元夫である台湾の卓球選手江宏傑氏との和解が成立し、子供の親権問題が解決したことを発表しました。この会見で、福原さんの外見が目立って変わったことが注目され、彼女の美しさや雰囲気の変化に対する驚きの声が多く上がりました。福原さんは紺色のジャケットを着て登壇し、髪を後ろで結んでおり、その大きく変わった二重の目が特に話題になりました。彼女は江氏との和解について語り、今後は元夫と協力して子供たちを育てていきたいと述べました。福原さんは2016年のリオデジャネイロオリンピック後に江氏と結婚し、二人の子供をもうけましたが、2021年7月に離婚を発表。昨年12月には、ある美容外科クリニックでスキンケアとリフトアップの施術を受けたことが公表されました。
出典元:
福原愛さんの顔貌の変化へのSNSユーザーの反応
福原愛さんの記者会見後、SNS上では彼女の見違えるほどのビジュアル変化に注目が集まりました。多くのユーザーが彼女の変貌に驚愕し、その美しさを賞賛するコメントを残しています。「愛ちゃん、別人のようだった。長い間見ないうちに、驚くほど変わっていたんだね」や「福原さん、明らかにきれいになっている。ストレスが解放されたかのように、表情もずいぶん明るくなったね」のような感想が見られました。特に彼女の痩せた顔立ちや、目元の印象的な変化に対するコメントが目立ち、「彼女が経験した困難が、こんなにも顔に現れるものなのかと思うと驚きだ」といった感想が寄せられています。他にも、「顔つきがすっきりしている」、「雰囲気がガラリと変わったね」、「驚くほど美しくなった」、「美しすぎて目を疑った」など、福原さんの新たな魅力に驚く声が数多く上がっており、彼女の変化に対する関心の高さがうかがえます。
昨年12月の記事を詳細に検証した結果
↑クリニックの公式インスタの映像のスクショ
2023年12月、福原愛さんの美容整形に関する最初の言及は、12月20日にヤフーニュースで報じられた記事に遡ります。その記事では、美容外科の院長とともに、福原愛さんがクリニックの公式インスタグラムに登場し、施術を受けたことが公開されていました。この事実が世間の注目を集め、一部では批判的な声が上がったことが記されています。私が詳細に調査を進めた結果、当時福原愛さんが受けていたのは、ケミカルピーリングとレーザーを組み合わせたスキンケア治療であることが判明しました。このニュースが流れた際、特に注目されたのは福原愛さんの変化した外見でした。ヤフーニュースに掲載された彼女の写真に対し、インターネット上では以下のようなコメントが散見されました:
「うわー、目が全然違う。」
「確かに目の印象が変わっているね」
「え、整形? まさか今?」
しかし、私が広範囲にわたって行った調査によれば、上記で触れたスキンケア治療を除き、福原愛さんが他の美容整形手術を受けたという具体的な証拠や情報は見当たりませんでした。したがって、彼女の見た目の変化については、一部では推測に基づくものであると考えられます。
出典元:
世間の批判的な声についての私見
福原愛さんが二重整形(疑惑)を受けたとされる件に関して、世間の批判的な声についての私見を述べたいと思います。美容外科医として20年以上のキャリアを積み重ねてきた私の立場から見て、二重まぶたの埋没法という治療は、今やお化粧の延長として捉えられることが多くなっています。実際、二重を作るためのテープや接着剤などの化粧品は、長期的に見ると皮膚にダメージを与える恐れがあります。そのため、美容目的での二重まぶた形成術は、肌の健康を考慮すれば、化粧品を使うよりも合理的で健全な選択であると言えます。このように気軽に二重の整形手術を受けること自体、私は肯定的に捉えています。しかし、未だに有名人が美容整形を受けたかどうかを追及し、その事実があった場合には非難の声が高まる現状には、時代遅れの感覚を感じずにはいられません。美容整形は個人の自由であり、それを悪とみなす視点自体が古いと考えます。今回の福原愛さんにまつわる騒動も、美容整形に対するネガティブな先入観が背景にあると感じています。また、もし実際に整形手術を受けた人がその事実を隠したいと感じるのであれば、それは理解できる部分です。私達は美容整形が社会的なタブーであるかのような古い概念を捨て、個人の選択を尊重するべき時代にいるのです。美容整形を受けたことで容姿が変わるのは、その人の自己実現の一環として肯定的に受け入れるべきであり、社会もそれをサポートする姿勢を見せるべきです。最終的には、美容整形が人々の生活の質を向上させ、自信を与えることに貢献しているのですから。
福原愛さんの二重整形疑惑、真相に迫る
福原愛さんが実際に二重整形を行ったのか否か、この疑問について徹底的に検証してみました。疑惑の発端となった昨年12月の美容外科クリニックで撮影された映像では、確かに彼女の二重の幅が普段と比べて顕著に広く見えます。この特徴的な変化は、多くのSNSユーザーによって指摘され、整形疑惑を呼んだのです。
↑先ほどのスクショの拡大画像
しかし、私たちは、ここで重要な一点を見落としてはなりません。当該の写真で、福原愛さんは目元のメイクをほとんど施していないと思われるのです。この点に着目し、メイクが施されていない子供の頃の福原愛さんの写真と比較分析を行いました。
子どもの頃の福原愛さんの写真をも見ると、とても可愛らしいですね(笑)。この幼少期の写真では、彼女の二重の幅が非常に広いのが分かります。そのため、昨年12月の写真と比較しても、二重の幅に大きな変化は見られません。これらの比較から、結論としては、福原愛さんが二重整形を受けたという主張には根拠が乏しいと断言できます。幼少期の写真と昨年末の写真における彼女の目元の特徴は、一貫して変化が見られないことが明らかです。これにより、彼女の二重が自然なものであり、二重整形は受けていないと結論付けることができるのです。
福原愛さんの二重整形疑惑が浮上した背景について
幼い頃から公の目に触れていた愛ちゃん(福原愛さん)の顔立ちは、昨年12月末の映像と比較してみると、二重の形状に顕著な変化は見られません。しかし、昨年末に彼女の二重が普段よりも幅広く見えたことが、整形疑惑の発端となりました。この変化が起きたのは、普段福原愛さんがアイメイクにより目元を強調しているためです。しっかりとしたまつ毛のメイクは、まぶたを持ち上げる効果があり、結果として目が大きく開くことになります。目が大きく開くと、二重の幅が狭く見えるのは一般的な現象です。つまり、福原愛さんの場合、日常のメイクが、二重の見た目に影響を与えていたのです。このようなメイクに関する一般的な知識を持たないSNSユーザーの間で、福原愛さんの二重整形疑惑が生まれ、拡散したと考えられます。
輪郭の変化についての深掘り分析
福原愛さんの二重の疑惑に並び、彼女の輪郭がよりシャープになったという話題も多くの関心を集めています。事実、2008年北京オリンピック時の19歳の頃の公式選手紹介欄に掲載されていた彼女の写真と現在を比較すると、輪郭に顕著な変化が見受けられます。
人間は加齢に伴い、顔が面長になる傾向があり、これは主に顎の骨の吸収が進むためとされています。しかしながら、福原愛さんの場合、このような加齢に伴う変化とは異なり、彼女の輪郭がシャープに見えるのは、主に体重の減少による影響と推測されます。体重が減少すると、顔の脂肪も減り、それに伴い顔のラインがはっきりとし、シャープな印象を与えることが多いのです。この点を踏まえると、福原愛さんの輪郭が変わったという現象は、美容整形というよりも、むしろ彼女の体型の変化による自然な結果と解釈するのが妥当です。
美容施術により輪郭がシャープになったのかについての分析
最新の記者会見で福原愛さんの顔がシャープに見えるのは、私の専門的な見解としては、彼女のこの変化は体重減少による自然な結果であると考えられます。ただ、インターネット上には、福原愛さんのの輪郭の変化が昨年12月末に受けた美容外科クリニックでのスキンケア治療に起因するとの情報が流布されていますが、これは正確ではありません。福原愛さんが訪れたとされるクリニックのインスタ情報によれば、彼女が受けた治療はケミカルピーリングとレーザーの組み合わせによるものです。彼女が受けたケミカルピーリングの薬剤は皮膚表層にしか浸透しません。また、このクリニックのホームページに掲載されている福原愛さんが受けたとされるレーザーの説明として掲載されている赤外線・高周波・ダイオードレーザーにしても皮膚表層にしかエネルギーは到達してません。従って福原愛さんが受けた治療は皮膚の表層にのみ作用するものです。医学的には、美容外科施術により輪郭を顕著にシャープにするには、皮膚の切除や筋膜の引き上げといったより皮膚より深い層での処置が必要になります。したがって、福原愛さんが受けたとされる治療が輪郭をシャープに変化させる要因にはなり得ないのです。それでも、美容施術を受けた直後には、顔の循環が促進され、浮腫みが取れることで、一時的に顔がシャープに見えることはあります。これは、顔のリンパマッサージで得られる一時的な小顔効果と同様です。しかし、この効果は数日で元の状態に戻ります。以上の点で、福原愛さんの顔の現在のシャープな印象が数ヶ月前に受けた一度の美容施術によるものだとするネット上の主張は、明らかに誤りだと言えます。
まとめ
この記事では、インターネット上で広まっている福原愛さんの美容整形疑惑に焦点を当て、二重整形の施術を行う美容外科専門医としての深い知識と経験に基づき、専門的な分析と解説を行いました。
二重整形の施術についての詳細はこちらを御覧ください。
福原愛さんの変わったとされる顔立ち、特に目立つ二重の幅やシャープに見える輪郭について、それらが美容クリニックの施術結果ではないことを明確にしました。こうした誤解が生じる主な原因は、メイクアップの効果や年齢とともに生じる自然な顔の変化への理解不足にあると考えられます。美容外科専門医としての役割は、こうした誤解を解消し、一般の人々に対して正確な美容に関する知識を広めることにあると強く感じています。これにより、美容に対する理解が深まり、より良い選択ができる社会を実現するための一助となれば幸いです。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。ウルセラは日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。
【関連項目】
下手な美容外科医とトラブルが多い美容外科クリニックが増えている理由
2024/03/10
院長ブログトップ > おばたのお兄さんの美容整形が突っ込みどころ満載すぎる件
おばたのお兄さんの美容整形が突っ込みどころ満載すぎる件
2023年3月8日にヤフーニュースに現れた【エゴサーチで見つけたコメント「おばたのお兄さんの目の下のクマがすごい」で決意 98万円を投じて挑んだ整形手術に「痛くないはずがない」】という記事を読んだところあまりにも突っ込みどころ満載だったため美容外科専門医の筆者としてはコメントせずにはいられない思いに駆られ、この記事を書いています。
ヤフーニュースの概要
ヤフーニュースの記事概要は次のとおりです。
――――――――――――――――――――――
おばたのお兄さんはエゴサーチで「クマがすごい」という意見に気づき、クマ取りの美容整形に興味を持ち始めます。インスタグラムの広告を見て、98万円をかけてクマ取り、おでこのしわ、フェイスラインの整形を決意。クリニックでさらにおでこのヒアルロン酸注入や顎のボトックスを勧められ、「松竹梅」プランの中で最高価格の「松」を選択。テレビ出演時やSNSで「高すぎる」との反応を受けつつも、整形に対する後悔はないと語っています。おばたのお兄さんの整形に関して、妻の山崎夕貴アナは98万円の費用に驚きつつ、仕上がりには「キレイになったかな」と肯定的。しかし、周囲の反応は微妙で、ほとんどの人が変化に気づかなかったが、おばた自身は満足している。整形手術は非常に痛かったと語るおばたのお兄さん。特におでこの整形が痛かったと述べ、手術後は顔の腫れが強く、予定されていたテレビ番組の収録に腫れた顔で参加せざるを得なかった。手術後のおでこのシワについては時間と共に出てきたことが気になるものの、痛みを伴う手術には躊躇しつつも、再度整形を検討している。今後整形をする際は、手術直後に仕事を入れないように気をつけると述べている。
出典元:
エゴサーチで見つけたコメント「おばたのお兄さんの目の下のクマがすごい」で決意 98万円を投じて挑んだ整形手術に「痛くないはずがない」
突っ込みどころ満載のおばたのお兄さん
インタビューに対するおばたのお兄さんの実際の言葉は突っ込みどころ満載過ぎて、次からは実際のヤフーニュースで記載されたおばたのお兄さんの言葉に対して私が1つ1つ突っ込みを入れる形式で回答したいと思います。
↑写真左が手術前。写真右が手術後(写真は出典元より転載)
突っ込みどころ①
エゴサーチの結果、自身のクマが気になったおばたのお兄さん
おばたのお兄さん:それで、インスタグラムなどのSNSでキーワード「クマ」で検索していたら、美容整形の広告がバシバシ出てきて。「目の下のクマになっている部分のたるみを取るだけですっきり若返る」とか「クマ取りが8万円」とか表示されるわけです。思ったほどは高くないし、そんな広告を見ていると、クマ取りがしたくなってきて。
専門医元神の突っ込み:クマ取り手術を左右の両方で8万円の価格で本当に行っている美容外科は日本にはありません。おそらくCMを行っているような大手美容外科広告の不当表示です。クマ取り1か所が8万という料金表示をしていると思われます。目のクマには3か所の脂肪があり、その1か所分ということです。このような表示は一般の方を惑わせるだけの価格表示で不当表示と言っても過言ではありません。また、脂肪は3か所あっても、多くの場合は2か所の脂肪除去がよい場合がほとんです。3か所とも脂肪を除去すると、脂肪の取り過ぎになってしまうこともあります。
突っ込みどころ②
おばたのお兄さん:「男性が整形を?」と思う人もいるかもしれませんが、僕は芸人だし、整形するのもおもしろいかなと思って、広告が出たクリニックにとりあえず行ってみることにしたんです。
専門医元神の突っ込み:自分が気になる部分の手術の下調べをせずに、「広告が出たクリニックにとりあえず行くこと」は最も危険です。アップセールスを受けやすい状況です。いわば「カモ」にされる最も危険なパターンです。
突っ込みどころ③
おばたのお兄さん:最初はクマ取りをするだけのつもりでした。でもクリニックに行ってみると、「おでこのシワ、気にならないですか?アゴもシュッとさせませんか?」と言われて。もっと若返るなら素敵かなと。「じゃあ思いきって全部やっちゃおう!」ってことになりました。
専門医元神の突っ込み:治療を検討していた以外の治療をすすめられるのは大手の美容クリニックではよくあることです。このような営業活動に対して、熟慮せずに安易に即決することは最もしてはいけない判断です。
突っ込みどころ④
おばたのお兄さん:(施術費用は)全部で98万円ですね!注射1回につき、8万円でした。片目だけでも3回注射を入れるので24万円。両目で48万円かかります。
専門医元神の突っ込み:おそらく「注射1回につき」は少し誤解されている可能性が高くて、「脂肪1か所につき8万円」という意味の説明を受けたと思われます。左右にそれぞれ3か所脂肪があるため、左右合計6か所の脂肪除去のため48万円かかったということです。これもおかしな状態でして、通常は手術中の所見で片側の脂肪を2か所除去するか、3か所にするか医師が決めます。おばたのお兄さんの写真を見る限り、2か所で十分です。また、術後の本当に3か所の除去をしたのかどうかは一般のかたにはわかりません。従って1か所いくらという値段設定自体がおかしいのです。私のクリニックでは両目で下眼瞼脂肪除去手術は30万円となります。このように表示するのが普通です。
突っ込みどころ⑤
おばたのお兄さん:さらにクマ取りの後の再生注射やおでこのヒアルロン酸の注入、顎にボトックスを入れたことでみるみるうちに値段が上がっていきました。
専門医元神の突っ込み:「クマ取りの後の再生注射」というのは全く不要の治療です。正確には何したかわかりませんが、おそらくお金をドブに捨てたような治療だったと思われます。
突っ込みどころ⑥
おばたのお兄さん:クリニックが提案してくれたのは、「松竹梅」の3つプラン。「竹」を選ぶのが無難かもしれませんが、せっかくなら一番高いのにしようと「松」を選択しました。
専門医元神の突っ込み:手術の「松竹梅」でしたら、これは完全に値段を吊り上げるだけのためのオプション商法です。オプション価格は一般のかたを惑わす常套手段で、良心的なクリニックでは決して行わない料金設定です。オプション設定が多数ある美容外科ではそもそも治療を受けるべきではないことはこのブログの過去記事でも書いております。
突っ込みどころ⑦
おばたのお兄さん:でもテレビのバラエティ番組でそのことを話したら、出演者の方々がびっくりされていて。「高すぎる!うちのクリニックなら半額くらいでできた」と。SNSのコメントでもいろいろな人に「高い」「高い」とけっこう言われましたね。
専門医元神の突っ込み:そのとおりです。高いです。そのとおり下眼瞼脂肪除去であったならば通常25~30万円の料金設定のクリニックが多いです。
納得したところ①
おばたのお兄さん:病院では手術前に「痛くないから大丈夫」と言われていました。でも、はっきり言ってめちゃくちゃ痛かったです(笑)。目の下のふくらんでいる部分の脂肪を移動させるために、まぶたの裏側にある結膜を切るんですから痛いに決まっていますよね。痛くないわけがない!(笑)
専門医元神の納得したところ:この発言から分かるように、冒頭の「注射1回につき、8万円でした。片目だけでも3回注射を入れるので24万円。両目で48万円かかります」というのはおそらく脂肪除去の手術のことだと推測します。痛みを受け取り方は個人差が大きいので、一概にこの手術の担当医師の技術不足とも言い切れません。ただ、通常はそれほど痛くないのですが。。。
納得したところ②
おばたのお兄さん:特におでこの整形は一番痛かったです。骨膜の近くにヒアルロン酸を入れるんですから、痛いはずです。
専門医元神の突っ込み:額に丸みをつける方法でヒアルロン酸注入を骨膜上に注入している手技です。これに関しては痛みが生じるには致し方ないと思います。ヒアルロン酸は注入部位によって痛みが異なりますが、骨膜上への注入は痛みが強い部位となります。
突っ込みどころ⑧
↑手術直後のおばたのお兄さん(出典元より転載)
おばたのお兄さん:前もってクリニックに、「どれくらいで腫れは引きますか?」と確認したら「3時間くらいで引きます」と言われました。その言葉を信じてすっかり安心していたのですが、結局腫れが引いたのは50時間後でした(笑)。
専門医元神の突っ込み:まぶたの脂肪除去は通常はそれほど腫れる治療ではありませんが、2,3日はそれでも腫れます。従って、おばたのお兄さんが言っている「50時間前後」で腫れが引いたのは普通です。「3時間くらいで引きます」というのは絶対にあり得ませんので、もしスタッフがこのように説明していたのなら、カウンセリング当日に手術を受けさせるためにウソの説明をしたと推測します。
納得したところ③
おばたのお兄さん:おでこは手術直後はまったくシワがなかったのですが、時間の経過とともにシワがでるようになっていて。ちょっと気になっているんですよね~(笑)。でも、手術は汗が出るくらいとても痛かった。麻酔はしますが、やっぱり我慢は必要です。耐える努力が必要です。でも、またやりたいなあ…。次やる時は、直後に仕事を入れないように気をつけます(笑)。
専門医元神の納得したところ:ボトックスの効果は6か月前後です。おばたのお兄さんはおでこのボトックスの効果が弱くなってきているのでしょう。手術は痛みを伴いますが、患者様がなるべく痛みを感じないような工夫もできます。痛みが苦手なかたには静脈麻酔やマスク麻酔を併用して、寝ている間に治療を行うこともできます。また、治療後の腫れは受ける治療によって異なります。
まとめ
今回のおばたのお兄さんの美容整形のインタビュー記事には突っ込みどころが8か所もありました(笑)。私としてはもっと吟味して美容外科選びをしてほしかったと思います。ただ、芸能人としての立場上、提案される治療を簡単に受け入れ、迅速に決定する姿勢は、ある意味で理解できる部分もありますし、それには同情の余地もあると感じます。美容治療を成功に導くためには、最も重要なのは医師の選択です。充分なリサーチを行い、複数のクリニックでの診察を経て、慎重に選び取ることが重要です。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。ウルセラは日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。
【関連項目】
下手な美容外科医とトラブルが多い美容外科クリニックが増えている理由
目のクマ, おばたのお兄さん, おばたのお兄さんの整形, オプション商法, クマ取り
2024/03/04
院長ブログトップ > 【親に強要する整形についての是非】専門医の意見として
【親に強要する整形についての是非】専門医の意見として
2024年3月1日にアベマタイムズ(アベマ TV)で放送された「「親に整形される子供たち」二重手術の強要も…どこまで許せる?当事者と考える」は、親からの圧力による二重手術などの強要に焦点を当てた番組でした。番組内では、このデリケートな問題に対して、多角的な視点から熱心な議論が交わされました。親の意向と子供の自己決定権の狭間で、美容整形の是非について、どのような基準で考えるべきなのか、その境界線はどこにあるのか。本稿では、この問題に対して、美容外科専門医としての視点から深く掘り下げ、私なりの考察と意見を述べたいと思います。
実際の番組内容①:「子供の身体に手を加える親の思い」
子供たちの意思を無視して、親の一方的な願いにより、顔や身体に変更を加える行為。これはどこまで容認されるべきなのでしょうか。「「親に整形される子供たち」二重手術の強要も…どこまで許せる?当事者と考える」の番組では、この問題を扱った具体的な事例として、一つの漫画を取り上げました。その漫画のタイトルは『親に整形させられた私が母になる』。この漫画は、漫画家グラハム子さんによって描かれたもので、「一重のままでは可哀想」という母親の言葉が込められています。「中学を卒業したら整形してあげるわ。女の子は可愛くなくちゃ幸せになれないから」という母親の声が漫画には登場します。グラハム子さんは、「幼い頃から、“一重はダメ、二重が良い”と教え込まれ、それが当然のこととして受け止められてしまった」と語ります。このような状況は、「あなたのためを思って」という親の言葉によって正当化されがちですが、果たして親が子供の外見に介入することは許されるのでしょうか。番組内での議論では、グラハム子さん自身も参加し、この問題について深く掘り下げていきました。
実際の番組内容②:「グラハム子さんの体験とその影響」
番組では、グラハム子さんが自身の漫画で描いた、実際に体験した出来事に焦点を当てました。彼女の幼少期は、父親が単身赴任中であり、母子二人だけの生活でした。その環境の中で、母親の言葉は絶対であり、グラハム子さんは服装や髪型に至るまで、母親の意向に従うことを強いられていました。特に顕著だったのが、15歳の時に行われた二重の整形手術です。「高校入学前の春休みに、母によって予約された整形手術を受けさせられました。私は埋没法での手術を受けたが、まぶたの構造上、結局手術は3回繰り返され、最終的には元の奥二重に戻っています」と彼女は述べています。さらに、母親によって用意された好みではない服を着させられたり、自分の好みとは異なる髪型にされたりと、自身の意志は尊重されない状況が続きました。また、ダイエットも強要され、抵抗すると服を踏みつけられるなど、精神的な圧迫も伴っていました。「美容室の予約も母が勝手に取っており、行かなければ私が責められるという状況でした」とグラハム子さんは振り返ります。このような“きせかえ人形”のような生活は、彼女に大きな苦しみをもたらし、摂食障害にも陥りました。しかし、アキレス腱を切断し動けなくなったことが、この呪縛から解放されるきっかけとなりました。「もちろん、恨んでいた時期もありましたが、大人になってからは“しょうがなかった”と受け入れられるようになりました。漫画を描くことで自分の体験を表現し、ある意味でのプチ復讐もできました。今は、過去を乗り越えて前向きに生きています」と、彼女は語っています。
実際の番組内容③:「子供の意思と親の価値観の衝突」
番組では、親によって容姿を変えられたと訴える子供たちの声にもスポットを当てました。SNSでは「自分の好みではなく、親の好みに合わせた服装や髪型」「“痩せること=正義”という価値観に基づき、親に体型維持を強要された」「脱毛を強要されるなどの嫌悪感」などの声が見受けられます。美容に関する低年齢化の問題に加えて、子供を所有物のように扱う親の存在について、母娘関係とモラハラに精通する心理カウンセラー影宮竜也氏は指摘しました。影宮氏は、「親は自分の価値観や正義感を子供に押し付ける傾向にあります。子供をステータスとして利用することや、“あなたのため”と言っての強要、親子間の境界線の曖昧さが問題です。子供が親の提案をどう受け取るか、子供の意思がどれだけ尊重されているかが重要な議題です」と語りました。
また、金融アナリストで名古屋商科大学大学院の教授である大槻奈那氏も、容姿に関する自身の経験を共有しました。彼女は、「小さい頃、毛深いという理由で父親に脱毛のため病院へ連れて行かれました。その時は“親が自分のためを思ってくれている”と思っていましたが、医師の前での恥ずかしさに泣いてしまいました。その瞬間、“自分は気にしていない。今はやりたくない”と拒否できました。後には脱毛しても良かったかと思うこともありますが、将来取り返しのつかないこと、後戻りできないことは避けるべきだと思います」と述べています。
実際の番組内容④:「子供の自我形成と親の影響」
番組では、心理カウンセラーの影宮竜也氏が子供の自我形成についての見解を述べました。影宮氏は、「子供が自分の意思をはっきりと表現できるならば問題は起こりにくい。しかし、自己の意思を表すことが難しい子供もいるため、この点に留意する必要があります」と指摘しました。さらに、「親の言う通りに育った子供は、大人になって自分の好きなものが分からなくなることが多い。自分は何をしたいのか、と問われても答えられない。このような弊害があるため、親子であっても自分の意思をはっきりと伝えられるようになることが重要です」と述べています。
一方で、子育てや教育における正しいやり方の線引きは難しい問題です。ネット掲示板「2ちゃんねる」の創設者、ひろゆき氏は子供にとって親を比較できる環境を提供することの重要性を説いています。ひろゆき氏は、「子供には自分の環境が正常かどうか判断する基準がないため、多くの大人との接触を通じてその判断基準を持たせることが解決策だと思います。親の話をして、その反応を見ることで、状況が正常かどうかを判断できる。問題がある場合は、児童相談所などの支援を受けることも可能です。大人の知り合いがいれば、そういったアドバイスも得られるでしょう」と語りました。
美容外科専門医の私の意見
私が運営するクリニックでは、子供を連れて訪れる親子が頻繁に来院します。相談内容は多岐に渡りますが、特に多いのは二重まぶたの手術やわきが治療に関するものです。二重整形を望む母親からは、「この子は一重で、父親似だからかわいそう」といった言葉をよく耳にします。わきが治療の場合、親御さん自身がワキガ治療を受けた経験があるため、子供にも早めに治療を受けさせたいという意見が目立ちます。私が最も重視するのは、子供の意思です。たとえ8歳や9歳の子供であっても、私は診察時に必ずその子に治療を受けたいかどうかを直接尋ねます。本人が「受けたい」とはっきりと意思表示しない限り、たとえ親がどれだけ手術を望んでいても、私は断ることにしています。これまでに5回以上、子供の手術をこの理由で断ってきました。なぜなら、親の意志だけで手術を行うと、その手術が子供にとって精神的なトラウマになる可能性があるからです。そのようなトラウマは子供の健全な成長を妨げるリスクがあると私は考えています。そのため、私は子供が自分の意思を記憶できる年齢(概ね8歳以上)であり、かつ、自ら治療を受けたいと明確に意思表示した場合のみ手術を行う方針です。親御さんにも、お子さんがはっきりと手術を望んだ場合にのみ、その手術を受けさせるべきだと考えていただきたいと思います。
まとめ
親による子供への整形手術の強要は、単に美容の問題にとどまらず、子供の心理的な健康、成長、そして自尊心にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。整形手術は人の外見だけでなく、内面にも大きな変化をもたらす行為であり、子供の意思の尊重が何よりも重要です。このブログで私が強調したいのは、子供の意見を尊重する医師の倫理の重要性です。残念ながら、現在、クリニックの利益を優先し、子供の意見を無視して親の意向のみで手術を行う医師が存在しています。このようなモラルの低い医師の増加は、医療業界全体にとって深刻な問題です。子供の声を聞き、適切な判断を下すことで、親の一方的な押し付けによる心理的なダメージを受ける子供を減少させることが可能です。子供の健康な成長を支援し、彼らの自己決定権を尊重することが、医師としての責任であると私は強く信じています。医師一人ひとりが倫理観を持ち、子供たちの心身の健康を第一に考えることが、美容医療においても大切だと考えます。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、二重治療、わきが治療、アンチエイジング治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。切らないフェイスリフトのウルセラも日本国内に導入直後から取り入れており、第107回日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。
【関連項目】
アベマTVで手掌多汗症を特集!なぜボトックスが紹介されないのか?
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2024/02/17
院長ブログトップ > ハーブドリームの脂肪吸引の死亡事故の確率とは?事故も分析
ハーブドリームの脂肪吸引の死亡事故の確率とは?事故も分析
2024年2月15日、私は美容外科医として大きな衝撃を受けました。その日、大阪にあるハーブドリーム美容外科で発生したとされる頬の脂肪吸引後の患者の死亡事故がヤフーニュースで報じられ、手術を担当した医師が業務上過失致死で書類送検されました。このブログ記事では、この脂肪吸引後の死亡事故という衝撃的なニュースについて深く掘り下げ、なぜこのような悲劇が発生したのかを、脂肪吸引手術に精通する美容外科専門医の観点から分析します。また、脂肪吸引手術の死亡率と安全性についても考察を加えます。
2024年2月15日の脂肪吸引のよる死亡事故の報道内容
(以下、ヤフーニュースより一部転載)
大阪府警は、業務上過失致死の疑いで、東京・渋谷区に住む男性医師を書類送検しました。 医師は去年4月、大阪市内にある「HAAB DREAM BEAUTY CLINIC大阪梅田院」(ハーブビューティークリニック;東京青山の外苑前にある美容外科の系列)で、頬部の脂肪吸引を48歳の男性に実施。警察によりますと、その際医師は手術による出血で血液が湿潤してのどが狭窄し、窒息が生じるおそれがあることを知り得たのに、死亡事故を未然に防ぐ注意義務を怠り、的確な医療措置を受けるよう指示しなかった過失で、脂肪吸引の翌日に男性患者を窒息により死亡させた疑いがもたれています。患者の男性は施術を受けたあと九州の自宅に戻り、医師に腫れあがった顔写真を送るなどして、術後の異常を訴えるやりとりをしていたということですが、警察は脂肪吸引手術の担当医師が救急要請などを行わず業務上の注意義務を怠り、的確な医療措置を受けるよう指示しなかった過失があるとみています。一方、脂肪吸引手術の担当医師は容疑を否認しているということです。取り調べに対して、「顔写真を見て医療機関の受診をすすめた。遠方にいる立場として、できることは病院に行くよう促すことで、これ以上してあげられることはなかった」などと話しているということです。
死亡事故のニュースに対する世論の波紋
この死亡事故に関するヤフーニュースのコメント欄を見ると、担当医師への批判のみならず、脂肪吸引手術自体や、広く美容外科治療への疑問が多く挙がっています。この反響は、単なる一件の事故に留まらず、美容外科手術の安全性とリスクに関する大きな社会的な議論を呼び起こしています。では、本当に脂肪吸引手術は高い死亡率を持つのでしょうか?手術の危険性はどの程度なのでしょうか?以下では、これらの疑問に対して専門的な観点から解説を加えていきます。
脂肪吸引の死亡率とは
脂肪吸引手術に伴う死亡率は、様々な研究や報告から集めたデータに基づくと、約0.003%から0.03%の範囲であるとされています。この比率は、全ての脂肪吸引手術におけるもので、病院での入院治療や外来治療を含めたものです。パーセンテージ表記にすると非常に小さい数字ですが、このデータの最小の0.003%での死亡率で考えた場合、10万件につき3名の死亡率となります。これはすべての脂肪吸引を死亡率であり、特に顔や顎の脂肪吸引に特化した統計は見つかりませんでした。これらのデータは、脂肪吸引の安全性を考える上で重要な参考になります。
出典元:
Report: Liposuction Death Rate Statistics
2009年にも死亡事故の報道
今回は1年前の2023年の頬の脂肪吸引のよる死亡事故の報道です。2009年にも品川美容外科のお腹の脂肪吸引による死亡事故があり、医師が逮捕された事故が報道されました。その事故では医師は業務上過失致死罪により禁錮1年6月、執行猶予3年の判決が確定しております。ただ、このようにニュースになるのは医師が業務上過失致死罪の疑いで逮捕または書類送検された場合だけです。明らかな医療ミスの疑いがあった場合のみ、警察の介入があり、報道されるのであって、脂肪吸引の死亡事故のたびに報道があるわけでは決してありません。実際にはるかに多くの脂肪吸引の死亡事故は起こっているのです。
脂肪吸引で1年で1人くらい死んでいる
では報道されない脂肪吸引による死亡事故はいったいどのくらいあるのでしょうか?本当の数字は実際には誰にも分かりません。これは、多くのクリニックがメディアへの報道を避けるために患者と示談交渉を行い、事故を収束させるためです。しかしながら、長年美容外科をやっていると業界の横のつながりで、どこかの美容外科で死亡事故があった、という話はすぐに耳に届きます。その数は決して少なくありません。1年1回くらいは脂肪吸引による死亡事故がある感覚です。そこで日本で1年にどのくらいの脂肪吸引手術が行われているか、を調べてみました。その実数が正確には分かりませんでしたが、日本美容外科学会(JSAPS)の2017年の調査データによると、その年の脂肪吸引手術件数は7,785件でした。このデータを基に、日本での年間脂肪吸引手術件数を約10,000件と推測すると、年間1名が死亡している場合の死亡率0.01%となります。この死亡率は海外の文献で示される脂肪吸引の死亡率0.003~0.03%の範囲内に収まることが分かります。これにより、日本では年間約1名の脂肪吸引による死亡事故が発生している可能性が高いと考えられます。
脂肪吸引は安全な治療なのか?医学的根拠は?
死亡事故の報道を受け、脂肪吸引が安全な治療法であるかどうかに疑問を抱くことは自然です。しかし、脂肪吸引は確固たる医学的根拠に基づいた安全で有益な治療として広く認識されています。信頼できる医学文献に加え、米国のメイヨークリニックやクリーブランドクリニックなどの権威ある医療機関も脂肪吸引の有益性を公にしています。それらの情報源は、脂肪吸引の安全性において医師の経験と技術が非常に重要であることを強調しています。したがって、脂肪吸引は適切に行われる場合には、信頼できる治療方法であると言えます。
出典元:
Overview of liposuction by Mayo Clinic
Liposuction by Cleveland Clinic
頬・顎・首の脂肪吸引の安全性について
頬・顎・首の脂肪吸引手術では、最も重要なのは脂肪組織以外を傷つけないことです。特に首の領域では、頸動脈などの重要な血管が脂肪の下に位置しているため、手術中は細心の注意が必要です。経験豊富な手術者は、これらのリスクを常に念頭に置きながら慎重に手術を進めます。適切に手術が行われれば、頬・顎・首の脂肪吸引は非常に低リスクで、合併症の発生はほとんどありません。メイヨークリニックのホームページでは、顎と頬の脂肪吸引の効果と安全性に関する情報が提供されています。
↑メイヨークリニックに掲載されている頬・顎の脂肪吸引の効果
出典元:
Overview of liposuction by Mayo Clinic
今回の死亡事故が起こった要因
今回の事故で報道を通じて現時点で判明していることは、頬部の脂肪吸引後に患部の腫れがひどかったことと、窒息死したことだけです。このことからおそらく術後の内出血により気管が圧迫されて窒息死したと考えられます。気管を圧迫するほどの内出血は通常の毛細血管だけからの出血では起こり得ないので、おそらく手術中に頸動静脈系の太い血管を傷つけたのではないか、と推測します。報道では頬部の脂肪吸引とありますが、おそらく首や顎周囲も一緒に脂肪吸引しております。これからはすべて推測で書きますが、首の脂肪吸引を行って、もし頸動静脈系の太い血管を傷つけた場合、これらの血管は筋膜(広頚筋膜)の下にあるため、脂肪吸引が行われた脂肪層には出血がほとんど現れない可能性があります。脂肪吸引後は、通常、術後の内出血を最小限にするため切開した創部(通常5mm程度)から脂肪層の毛細血管からしみ出た血液を絞り出します。もしこの時点で、異常な出血が創部からあればその時点で医師は気付き、圧迫止血など必要な処置を行います。ですが、今回の事故では出血が筋膜により密閉され、切開層からは出血がなかったために、気付かずに見過ごされた可能性があります。また、もしこのように出血がなかった場合でも、しっかり術後管理ができている体制があれば、または医師が注意深く観察していれば、その後に首が異常に腫れてきたことは気付けたはずですが、おそらくこのクリニックではそういう体制ではなかったと思われます。書類送検された医師は渋谷在住で、事故があったのは大阪のクリニックなので、アルバイトのドクターだった可能性が高いです。多くのアルバイトのドクターは手術だけ行い、終わったらさっさと帰るのが美容外科では常態化しています。
↑脂肪の下にある広頚筋の更に下にはこのように大事な太い血管が多くある。ここを損傷すると大出血が起こり得る(図内の青と青の管が血管です)
書類送検された医師がとるべきだった対応
医療行為におけるミスは避けられないこともありますが、今回の事故で書類送検された医師は、脂肪吸引に伴う頸動静脈損傷や内出血による気管閉塞のリスクを十分に認識していなかった可能性があります。もしこの知識が不足していたのであれば、この医師に非難されても仕方がないと考えられます。報道によれば、この医師は術後の患者の状態を写真で確認していました。もし十分な知識があれば、患者に近隣の病院での受診を強く促すことが可能であったでしょう。適切な対応が行われていれば、避けられたかもしれない事故です。
ハーブドリームビューティークリニック(HAAB DREAM BEAUTY CINIC)とは
この事故があったハーブドリームビューティークリニック(HAAB DREAM BEAUTY CLINIC)のホームページには院長の医師が掲載されていますが、この院長は経営者ではありません。ハーブビューティークリニックの経営者は医師ではなくいわゆるやり手の女性経営者です。この女性経営者は地下鉄外苑前駅にあるハーブドリームビューティークリニックの駅看板に登場してる桑田真澄さんの息子のマットさん等の芸能人やインスタのインフルエンサーとの幅広い関係を活用し、SNSを通じて効果的に集客しています。その結果短期間に店舗を拡大してきました。ハーブドリームビューティークリニックに勤務している医師はホームページを見れば分かるように美容外科年数の経験が浅いが、ルックスがよいドクターを集めています。そのルックスの良いドクターが果たして十分な技術を持っているのかは分かりません。
まとめ
このように脂肪吸引手術で死亡事故が起こり、それがメディアに晒されると、脂肪吸引手術が危険な美容外科手術のように誤解されます。もちろんどんな手術にもリスクはありますが、脂肪吸引手術は、一般的には危険ではないとされています。ただし、普通の医療行為と違って、確かにその安全性は大きく医師の技術に依存します。手術を検討する際には、医師の選択に細心の注意を払うことが重要です。高い技術と経験を持つ医師による適切な手術は、リスクを最小限に抑え、望む結果をもたらす可能性が高くなります。そのため、脂肪吸引を考えている方は、医師の資格、経験年数などを慎重に検討することが推奨されます。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。
【関連項目】
下手な美容外科医とトラブルが多い美容外科クリニックが増えている理由
脂肪吸引, ハーブドリーム, ハーブビューティークリニック, 脂肪吸引 死亡
2024/02/13
院長ブログトップ > 深田えいみさんの彼氏のイケメン美容外科医の素顔
深田えいみさんの彼氏のイケメン美容外科医の素顔
美容外科医が再び世間の注目を集めています。少し前にミス日本グランプリ椎野カロリーナとのスキャンダルが話題を呼んだばかりで、このブログでも「ミス日本グランプリ椎野カロリーナと不倫報道「筋肉美容外科医」はオレ??」として美容外科医について取り上げました。そしてその時は、彼女の不倫相手が美容外科医であることが、ヤフーニュースのトップニュースとなりました。しかし、今回は異なる角度からこの職業が光を浴びています。それは、人気セクシー女優である深田えいみさんの新しいパートナーが、なんと美容外科医であるという事実です。この度の驚くべきニュースは、インターネット上で多くの人々の興味を惹きつけています。不倫や恋愛スキャンダルが美容外科医をクローズアップさせる理由については多くの憶測が飛び交っていますが、この記事では、深田えいみさんの魅力的な恋人にスポットを当て、その人物像に迫ります。さらに、本稿では美容外科医として20年以上のキャリアを持つ筆者の視点から、美容外科クリニックの知られざる裏側にも光を当て、美容外科の実態や業界の動向などの隠された事実ついて、詳細かつ緻密に解き明かしていきます。
2024年2月13日のフラッシュ記事
「深田えいみ「追徴課税8000万円」前事務所の裏切り苦境を支える「金髪イケメン医師」との質素愛」というタイトルがついた記事が2024年2月13日のフラッシュよりネット上に掲載されました。ヤフーやライブドアでもトップ記事として扱われています。そのヤフーのフラッシュ記事の概要は下記の内容でした。
・昨年、事務所を移籍した深田えいみについてFLASHが報じた
・前事務所時代の給料を巡り、約8000万円を追徴課税されていたと深田の知人
・苦境に陥った深田にとって、心の支えは美容外科医の恋人だという
さらに記事でここの掲載された美容外科医の田口淳之介の知人の話として「彼の名前は田口淳之介(じゅんのすけ)さん。美容外科医で、31歳の若さで六本木の『雫クリニック』で技術指導医を務めています。もう一人の美容外科医と活動する『よしたぐ』というユーチューバーとしての顔もあります。えいみちゃんとは知人の紹介で1年半ほど前に出会い、すぐに意気投合して交際に発展しました。お互い美容と旅行が好きで、一緒にベトナムやタイに行ったりしています。日常生活は倹約家の2人なので、ふだんは質素なデートが多い。冒頭のデートでも、クリスマスにラーメンを食べて、田口さんは『一緒に過ごせるだけで嬉しい』と喜んでいたそう。彼女が精神的に追い込まれているときは、彼が “心の支え” でした」と紹介しています。
出典元:
フラッシュ:「深田えいみ「追徴課税8000万円」前事務所の裏切り苦境を支える「金髪イケメン医師」との質素愛」
ヤフー:「深田えいみ「追徴課税8000万円」前事務所の裏切り苦境を支える「金髪イケメン医師」との質素愛」
雫クリニックにおける「技術指導医」とは?
この記事の『31歳の若さで(美容外科の』で技術指導医)というフラッシュの記述が気になって、実際に雫クリニックのホームページを見ると確かに下記のような記載がありました(下記は雫クリニックのホームページより転用)
そしてこの肩書を持つ田口淳之介医師に関する情報を調査したところ、2024年2月時点での彼の経験は医師歴わずか4年ということが判明しました。彼は自身の経歴や日々の活動をSNSに頻繁に投稿しており、その中には炎上商法を思わせるような下記のような戦略的な内容も含まれていました。
(ここをクリックすると、上記の実際のSNS投稿が見られます)
田口医師のキャリアをさらに詳しく見てみると、彼は2年間の研修医期間を経て、大手美容外科に入職しました。そこで約1年間、基本的な手術技術を学んだ後、雫クリニックの院長に迎えられたとのことです。東京美容外科の人気ユーチューバー、麻生泰医師のチャンネルに出演した際の田口医師の発言からは、雫クリニックには別の経営者が存在し、彼はいわゆる「雇われ院長」としての役割を担っていることが推察されます。結局、田口淳之介医師の美容外科歴1年少しで、「技術指導医」として宣伝するこの雫クリニックとはいったいどんなクリニックなんだろうと率直に思い、さらに雫クリニックについて調査しました。
「技術指導医」の実態:美容外科業界の内幕
美容外科の世界では、しばしば「技術指導医」という肩書が用いられています。これは主に大手の美容外科クリニックのホームページで目にすることが多く、表面的には非常に重要な役割を担っているように思われます。しかし、この肩書の背後には、裏実情が隠されています。私の記憶が確かであれば、この「技術指導医」という肩書を最初にホームページで使用し始めたのは、湘南美容外科クリニック(湘南美容外科)であると思います。湘南美容外科は、「経験が少ない医師が積極的に顔を出して宣伝する」という今日の美容外科業界の宣伝手法の先駆者でした。この戦略は集客に大きな効果をもたらし、クリニックの経営を急速に成長させ、現在では日本で最も多くのクリニックを持つ美容外科に成長しています。多くの方が記憶しているであろう、「好きな言葉は情熱です!」というキャッチフレーズを用いたCMでは、相川佳之医師をはじめとする若々しい医師たちが大々的に登場していました。しかし、実はこれらの医師の多くは経験が浅く、素人に近い状態でしたが、あたかも経験豊富な医師であるかのように見せかけるのが、この「技術指導医」という肩書の役割だったのです。現在では多くの美容外科がこの「技術指導医」という肩書を採用していますが、この肩書きの多くは、実際には他に掲げる肩書や豊富な経験がないために使われていると考えるべきでしょう。美容外科の世界における「技術指導医」とは、一見すると華やかで権威ある役割を担っているように見えますが、実際には全く指導できるた立場でないと理解する必要があるのです。
雫クリニックの技術指導医田口淳之介医師が行う施術とは
下記は雫クリニックのホームページに実際にアップされている技術指導医田口淳之介医師が行う施術とその料金です。今後変更もあり得るので、スクリーンショットも一緒に掲載します。
*二重埋没法
・雫式2点留め二重術(2点留めトライアングル法)¥69,800 3年保証
・雫式スクエア法(2点留めスクエア法) ¥140,800 5年保証
・ピュアラインクロス法(線留め法) ¥298,000 永久保証
★シークレットオプション(傷のない裏留め法)1本 ¥98,000 2本 ¥168,000
*目頭切開
スタンダード ¥148,000 プレミアム ¥298,000
*くま取り再生注射
スタンダード ¥9,800
プレミアム ¥69,800
*目の下の切らないくま取り
スタンダード ¥89,000
ナチュラル ¥178,000
プレミアム ¥298,000
*眉下リフト
スタンダード ¥178,000
ナチュラルロング ¥298,000
プレミアム ¥448,000
雫クリニックのこの料金表で特に注目すべきは「プレミアム」といったオプション価格の設定です。これは、以前から当ブログで何度も取り上げてきた、美容外科におけるオプション価格商法の一環と考えられます。この記事では、その詳細には敢えて深入りしませんが、このような不透明で理解しにくいオプション価格を設定しているクリニックを選択する際には、非常に慎重な判断が求められます。美容外科の施術において、オプション価格は、患者にとって重要な意思決定の要素です。しばしば、基本的な治療費用に加えて、追加のオプション料金が加算されることがあります。このような料金体系は、患者にとって予期せぬ費用負担を生じさせる可能性があるため、注意深く検討する必要があります。特に、雫クリニックのように複数のオプションを提供している場合、それぞれのオプションの内容と価格、そしてその必要性を十分に理解し、バランスの取れた判断をすることが不可欠です。
まとめ:美容外科業界の現状とその選択の重要性について
現在、美容外科業界はかつてないほどの過当競争の時代を迎えています。この状況が生み出す問題の一つとして、広告を駆使して低価格をアピールしながら、実際には過剰なアップセールスを行うクリニックの増加が挙げられます。さらに、経験の浅い美容外科医による施術が原因で、患者がトラブルに遭遇するケースも非常に増加しています。これらの現象は、美容外科医の選択がいかに重要であるかを物語っています。この点については、以前のブログ記事でも詳細に触れてきました。一方で、SNSやメディアを巧みに利用し、炎上商法を駆使して注目を集める美容外科も急増しています。今回取り上げた「深田えいみ『追徴課税8000万円』前事務所の裏切り苦境を支える『金髪イケメン医師』との質素愛」という記事も、その一例である可能性があります。これが単なる注目を集めるための経営戦略だったのかもしれません。
このブログでは、今後も美容外科の施術情報の提供に留まらず、美容外科業界における様々なトピックとその背後に隠された真実を積極的に探求していきたいと考えています。患者の皆様が安全で質の高い治療を受けられるよう、情報提供の役割を果たしていきます。美容外科業界の複雑な現状を理解し、適切なクリニック選びができるよう、引き続き信頼できる情報をお届けしてまいります。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。ウルセラは日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。
【関連項目】
下手な美容外科医とトラブルが多い美容外科クリニックが増えている理由
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美容外科医 田口淳之介, 田口淳之介, 雫クリニック, 深田えいみ
2024/02/03
院長ブログトップ > ミス日本グランプリ椎野カロリーナと不倫報道「筋肉美容外科医」はオレ??
ミス日本グランプリ椎野カロリーナと不倫報道「筋肉美容外科医」はオレ??
最新のゴシップの渦中にある美容外科医の一人として、現在最も注目されているトピックについて、皆さんにお伝えしたいと思います。それは、純粋なウクライナの血を引きながらも、その圧倒的な魅力と才能でミス日本グランプリに輝いた椎野カロリーナさんの、不倫報道の相手が筋肉医師で美容外科医であるという話題です。このニュースは、私たち美容外科医のコミュニティ内で、「一体誰なのか?」という大きな疑問とともに、激しい議論を巻き起こしました。このブログを通じて、皆さんにその真相に迫る旅にお連れします。椎野さんの不倫相手であるとされる筋肉医師の美容外科医は、一体誰なのでしょうか?不倫報道にまみれたこの話題に、私自身が深く関わっているとの噂も飛び交っていますが、真実は一体どこにあるのでしょうか。この記事では、その一部始終を詳細に解き明かし、皆さんにその核心に迫る情報をお届けします。
2024年年1月22日ミス日本グランプリに選出
2024年1月22日、ミス日本グランプリに選ばれた椎野カロリーナさんのニュースが、インターネット上で大きな話題となりました。私がこのニュースを最初に目にしたのは、その日の朝でした。ウクライナ人の血筋であるという報道を見て、私は単純に「美しいハーフの日本人なのだろう」と考えていました。また、当時のウクライナ情勢を考慮すれば、彼女の選出には特別な意味があるのだろうと推測していました。しかし、後になって彼女の写真を目にした時、私は全く予期せぬ驚きを感じました。彼女は日本人ではなく、純粋なウクライナ人のように見えたのです。「これは一体どういうことだろう?」と思いながら、彼女の経歴を詳しく調べてみると、実に興味深い事実が浮かび上がりました。彼女はウクライナ人の両親のもとで生まれ、その後、母親が日本人男性と再婚したことから、5歳の時に日本へ移住し、やがて日本に帰化したという経緯があったのです。この情報を得て、私の興味は一層深まりました。椎野カロリーナさんの日本とウクライナという二つの文化を背景に持つ独特のアイデンティティ、そして彼女が日本の美の象徴として選ばれた背景には、どのような物語があるのだろうかと。
2024年1月31日文春砲
2024年1月31日、週刊文春がまたしても衝撃的なスクープを報じました。「ウクライナが生んだ奇跡の美女」と称されるミス日本の椎野カロリーナさん(26歳)が、妻子持ちの有名美容外科医との密会をスクープされたのです。「手をつなぎながらデートする二人の姿」が、その記事の中心をなしていました。私はその記事の詳細までは読んでいませんが、医師については40代で筋肉コンテストの優勝経験を持つという情報が掲載されていました。この報道を目にした瞬間、私は思わず笑みを浮かべてしまいました。「これはまさか、私のことを指しているのではないか?」と。確かに私は美容外科医であり、筋肉トレーニングにも情熱を注いでいます。
実は筆者も筋肉医師で美容外科医
私のブログを昔から読んでいる方々にはよく知られた事実ですが、実は私自身も「筋肉医師」の美容外科医の一人です。私の筋肉への情熱は、2018年4月29日に開催されたベストボディジャパン千葉大会マスターズ部門(40~49歳)でのグランプリ獲得によって、その道の頂点に達しました。ベストボディジャパンは、男女問わず参加者が健康的な美しさや魅力を競い合う、健康美コンテストです。この大会において私が示したのは、単なる筋肉の量や形だけではありません。それは、健康的なライフスタイルとバランスのとれた身体、そして内面からにじみ出る自信という、真の美しさを追求する姿勢の表れでした。同年11月末に開催された日本大会にも出場し、この大会に向けて私は究極のダイエットに挑みました。体脂肪率をわずか3%台にまで絞り込むという、厳しいトレーニングと食事管理を行ったのです。
上記が体脂肪3~4%当時写真です。
報道を受けて「お前か?」と尋ねられる
椎野カロリーナさんとの不倫スキャンダルに巻き込まれた「筋肉医師であり、美容外科医で、40代でイケメン、配偶者と息子がいる」という報道が流れた後、私の周囲は小さな騒動に包まれました。そのプロフィールが私と多くの点で一致していたため、美容外科医界の先輩から「まさかお前か?」とのメッセージが届きました。その時は、思わず笑ってしまいましたね。私はすぐに返信しました。「僕は50歳になりました。イケメンでもないです(笑)」と。
2024年2月1日ミス日本協会から声明
「ミス日本」を運営するミス日本協会は公式ホームページで「週刊文春が2月1日に報道しております件につきまして、記事から読み取れる事実は、妻子ある男性が「独身である」旨を述べて女性に近づいたためにおきたことであり、女性側には非がないと考えております」と説明。「ミス日本協会は椎野カロリーナに問題があったとは考えておりません」とした。
2024年2月2日美容外科医は前田拓摩医師と判明
2024年2月2日、この騒動についての新たな展開がありました。それは、前田拓摩医師自らが自身のインスタグラムにおいて、一連の報道に対する公式なコメントを発表したことです。「一部週刊誌報道に関するお詫び」と題されたこの声明で、前田医師は以下のように述べています。「ミス日本の椎野カロリーナさんと不倫関係にあるとの報道がありました。正直かなり誇張された内容もあり、誤認させる内容もありましたが、デートをしたり、お会いしていたことなどは事実ですし、自分の誤解を招く行動によりカロリーナさんや関係者の方々にご迷惑がかかる事になり申し訳ないと思っています」と彼は認めました。さらに、前田医師は「自分としては、書かれ方に相当納得ができない部分もありますし、告発者の一方的な意見が採用されてはおりますが、あれこれ言っても文章として出されたものはもう回収も修正もできません。力のない自分が主張しても松本人志さんのような方と戦える文春には対抗できる訳もないのでそこには何も言いません」と述べ、自身の立場を説明しました。彼はまた、「自分には息子がおりますが、現在は離婚していると、既婚者である事を隠してカロリーナさんと仲良くなろうとしたのは事実です。離婚は考えていなかったのでそれ以上お会いすることは断られてしまいました」と、既婚者であることを伏せた事実を認め、その行動を反省しています。前田医師は最後に「自分の浅はかな行動で色々な方の誤解を生み、不快な思いをさせ、迷惑をおかけしてしまった事を謝罪させていただきたいと思います。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪し、「ただし一つだけ言わせて下さい。妻に対して子供がいる可能性や時間の配慮もなく突然自宅の目の前に現れ、複数人でいきなり声をかけての取材、その後誰かに追われてると恐怖でパニック状態になり道端に倒れ込んでしまった状況ですので、取材のあり方はきちんと考えていただきたく思います」と述べ、メディアの手法についても問題提起しました。
前田拓摩医師はたしかにイケメン!
この一連の報道を受けて、多くの人々が前田拓摩医師の外見に注目し、「確かにイケメンの美容外科医だ」との声が上がっています。私の先輩医師も例外ではなく、先輩とのやり取りの中で前田医師の外見についての言及がありました。「話題の美容外科医は前田拓摩医師か」という話題が出た時、「前田医師はたしかにイケメンですからね」いう返信をしました。私自身は前田医師と直接面識はありませんが、美容外科の学会で彼を何度か目にしたことがあります。その際にも彼の端正な顔立ちは印象的で、確かにイケメンであると感じました。また、私と前田医師は共にベストボディ大会に出場しているという共通点があり、かつて彼のインスタグラムをフォローしていたこともあります。彼の投稿からは、子供の写真なども見られ、家族との温かい日常が垣間見えました。しかし、このスキャンダルの報道を見ると、椎野カロリーナさんが前田医師の家庭状況を知らなかったという点に疑問を感じます。実際にはどうだったのかは定かではありませんが、彼女がその事実を知らなかったというのは、一体どういうことなのか、と考えさせられます。
前田拓摩医師の炎上商法戦略?
この一連の報道を見ていると、少し皮肉な考えが浮かんでしまいました。最近もまた炎上商法という戦略が流行していることを耳にします。例えば、客に向かって激しく殴り掛かろうとした寿司職人のお店が、その後予約で満席になるという話を最近聞きました。このような事例から、メディアを利用した炎上商法の影響力の大きさを感じることがあります。そこで私は、今回の前田拓摩医師を巡る騒動も、もしかしたら彼自身が仕掛けた炎上商法の一環なのではないかと考えてしまいました。確かに、このようなスキャンダルは多くの注目を集め、話題になります。そして、調べてみると、前田医師が最近本を出版していたことが判明しました。もしこれが戦略的な炎上商法だとしたら、宣伝効果は計り知れないものがあるでしょう。もちろん、これはあくまで一つの仮説に過ぎません。しかし、現代のメディア環境においては、こうした炎上が意図的に行われるケースも少なくないのが現実です。炎上することで話題性を高め、その結果として予約や本の販売が伸びるというのは、一種のマーケティング戦略として成り立っているのかもしれません。
まとめ
↑イケメンじゃない筋肉医師の美容外科医
このブログの冒頭で触れた、ミス日本グランプリ椎野カロリーナさんとの不倫報道に巻き込まれた「イケメン筋肉医師の美容外科医」が私ではないことは、お分かりいただけたと思います。実際、私の年齢は50代になりますので、そこだけが報道された医師とは異なりますね(笑)。話は変わりますが、この記事内で触れたようにベストボディ大会で優勝した経験は、私の美容外科医としての仕事にも大きく影響を与えました。私のライフワークである筋肉のトレーニングは、美の追求においても非常に重要な要素です。筋肉と美は密接に関連しており、健康的な身体は内面の美しさを引き立てると私は信じています。美容外科医として、この考えをこれからも大切にしていきたいと思います。最後に、今回は少し軽妙な内容の記事をお届けしましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が皆さんに少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。これからも、医師として、また一人の人間として、皆さんに有益な情報を提供していく所存です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。切らないフェイスリフトのウルセラも日本国内に導入直後から取り入れており、第107回日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。
【関連項目】
ベストボディ, 椎野カロリーナ, 前田拓摩, 週刊文春, 筋肉医師
2024/01/22
院長ブログトップ > 美容外科治療と健康保険制度における適用範囲について
美容外科治療と健康保険制度における適用範囲について
「美容治療は健康保険でカバーできるのか?」という疑問は、多くの方が抱えているものです。筆者の答えは明確に「できません」となります。実際、かつてはホクロ除去のような一部の処置が保険適用されていたこともありますが、現在では状況が異なります。本記事では、日本における美容外科治療と健康保険の適用に関する現行のガイドラインと、その背景にある理由について詳しく解説します。
「もしホクロ除去が保険適用だったら」という問いの真実
想像してみてください。もし、ホクロ除去が健康保険の適用範囲内だったらどうなるでしょうか。日本の健康保険の主要な財源は、私たちの支払う税金と保険料です。この保険料は、毎月私たちが自己負担する金額を積み立て、それが医療費の一部をカバーしています。通常、医療費の自己負担は3割、残りの7割は税金と保険料で賄われます。さて、あなたが美容目的で1万円のホクロ除去を望んだとしましょう。保険適用を受けた場合、その7割、すなわち7000円は税金と保険料から支払われることになります。このうち3500円は税金、残りの3500円はあなたが加入している保険組合からの支払いです。しかし、ここで一つ重要なポイントがあります。その保険組合は、会社などで設立され、組合員の自己負担によって成り立っています。つまり、あなたのホクロ除去には、あなたの同僚のお金が間接的に使用されることになるのです。この事実を考えると、美容目的のホクロ除去に、税金や同僚のお金を使用することが、直感的にも道徳的にも疑問を呈するのではないでしょうか?私たちの共有する貴重な資源(財源)を、本来の目的である病気の治療や健康維持に貢献しない美容手術に使用することは、倫理的にも、経済的にも問題があると言えます。
「昔は健康保険が使えたのに」という誤解
多くの患者様から、「昔はホクロ除去や二重瞼手術が健康保険でできた」という話を耳にします。確かに、過去には一部の医療機関で、ホクロ除去を「悪性腫瘍の疑いあり」と診断したり、二重瞼手術を「逆さまつ毛の治療」として保険請求することがありました。これにより、医療機関は収益を上げ、患者様は通常よりも安価に美容手術を受けることが可能でした。一見、医療機関と患者にとって双方にメリットがあるように見えたこの状況ですが、実は深刻な倫理的問題が潜んでいました。こうした行為は、実際には国民のお金である保険料を不正に利用することに他なりません。税金を含むこれらの資金は、真に必要な医療に充てられるべきものです。医療機関が私利私欲のために不正な請求を行い、患者がその恩恵を受けることは、国民全体を欺く行為と言えます。このような事態を受けて、政府は保険請求の監視を強化しました。現在、各都道府県の保険審査事務所は保険請求を厳格にチェックし、不正が疑われる請求には保険金が支払われなくなりました。また、詐欺行為として取り扱われ、医療機関が保険医療の停止などの重い処罰を受けるケースも増えています。毎年、不正な保険請求が原因で医業停止に追い込まれる医療機関の報告がなされています。このように、現在の厳格な保険審査体制のもとでは、美容手術の健康保険適用は許されておらず、保健診療を行っている医療機関では医療倫理の遵守が求められています。
「健康保険でやってあげますよ」の誤った誘い
美容外科治療と保険医療の区別は、患者様にとってしばしば曖昧なものです。特に、保険診療と美容治療の両方を行っている医療機関では、患者様が混乱することも少なくありません。そうした中で、一部の医師から「そのホクロ、保険で治療しましょう」という甘い誘いがなされることがあります。これは、端的に言えば「国民の税金を利用して、お互いに利益を得ましょう」と提案しているに等しいのです。このような提案は、医療倫理に反するだけでなく、法律に抵触する可能性もあります。患者様としては、この種の誘いには断固として拒否し、さらには適切な行政機関への通報を検討するべきです。国民一人ひとりが、保険医療の正しい利用と不正行為への警戒心を持つことが重要です。医師と患者の関係は信頼に基づくものであり、その信頼を損なうような行為は、医療界全体の名誉を汚すものです。我々国民は、保険医療に関する正しい知識を持ち、健全な民度を保つことが求められています。このような誤った誘いに応じることなく、正しい医療を受ける権利と義務について、常に自覚を持つべきです。
豊胸手術後のバッグ除去に健康保険を利用できないか?
多くの方が疑問に思うのが、美容外科で行った豊胸手術、特に豊胸バッグ挿入後に生じる痛みや合併症のために豊胸バッグ除去の必要性が生じた場合においての健康保険の適用範囲です。たとえば、豊胸バッグ術後数年後、あるいは十数年後にバッグが破裂したり、カプセル拘縮により痛みが生じた場合、これらの症状に対して行う豊胸バッグ除去手術は健康保険でカバーされるのでしょうか?この点について、患者様が「バッグの破裂や痛みがあるので健康保険が使えるのでは?」と思うのは自然なことです。しかし、実際には、美容外科治療に起因する合併症の治療も、美容外科手術の延長として扱われ、健康保険の適用外となります。現在の健康保険制度では、治療に関するルールが厳密に定められており、美容目的の手術やその後に生じる合併症に関する治療は、保険適用の対象外とされています。これは、保険資源の適切な利用と公平性を保つための重要な原則です。したがって、美容手術後に生じる合併症には、自己負担での治療が必要となるのが現状です。このように、美容手術と健康保険の関係は、しばしば誤解されることがありますが、保険適用の基準は明確です。美容外科手術に伴うリスクとその後の治療には、患者様自身の理解と準備が不可欠と言えるでしょう。
除去された古い豊胸バッグ
美容外科治療に対する健康保険制度とその原則
日本の健康保険制度は、国民が医療費によって過度な経済的負担を背負わないように設計された、極めて重要な公共的なシステムです。この制度の根幹を成すのは、国民と企業から徴収される税金と加入者自身が支払う保険料です。具体的には、医療費の3割は患者が自己負担し、残りの7割はこの財源から賄われるという仕組みになっています。ここで、美容外科治療が健康保険適用外とされる根本的な理由に焦点を当てます。
■健康保険の適用基準:医療的必要性
健康保険の適用は「医療的必要性」に基づいています。これは、患者の生命や健康に直結する治療に対して適用されるもので、美容外科手術はこの基準には該当しません。例えば、火傷による重大な損傷の修復や疾患による変形の矯正など、医療的に必要な再建手術は保険の適用を受けます。
■美容外科治療の位置づけ
美容外科治療は、一般的に健康の維持や回復ではなく、見た目の改善や美的要望を満たす目的で行われます。例えば、しわの除去、豊胸手術、脂肪吸引などの美容手術は、健康を害するものではないため、健康保険の対象外とされています。具体的な例として、前述した1万円で行われるホクロ除去の場合、この手術は純粋に美容目的であり、健康保険制度の下では、その費用の70%を税金や保険料から賄うことはできません。
■健康保険の資源配分と公平性
健康保険制度のもう一つの重要な側面は、資源の公平な配分です。制度の財源は、全国民の健康を守るために使われるべきであり、美容目的の処置にこれらの資源を使用することは、他の必要としている人々から医療機会を奪うことになります。これは、特に緊急性や医療的必要性の高い治療に資源を集中させるべき健康保険の目的に反する行為です。
■美容外科と自己負担の関係
結局のところ、美容外科治療は個人の主観的な価値観や希望に基づいており、医療的には必須ではないと見なされます。したがって、ホクロ除去のような美容手術は自費診療の範疇に入り、完全に個人の自己負担に委ねられるのです。これは、健康保険の本質と基本的な考え方に根ざしたものであり、美容外科治療が健康保険の適用外とされる明確な理由となっています。
まとめ
日本の健康保険制度は、その核心である「医療的必要性」という原則に基づいて運用されています。この制度は、病気や怪我の治療など、実際に健康を守るために必要な医療行為に焦点を置いており、限られた医療資源を最もそれを必要とする人々へ効率良く配分することを目的としています。美容目的の治療は、この健康保険制度の枠組み内で考えると、保険適用外とされるのは合理的な決定です。このような治療は、主に見た目の改善を目的としており、生命や健康の維持・回復という基本的な医療サービスの範囲を超えています。このため、美容外科治療を希望する人々には、これらのサービスを自己負担で利用することが求められます。医療資源の公平な配分を確保するためには、このような自己負担の原則が不可欠です。この記事が読者の方々にとって美容医療と保険制度の関係をより深く理解するための一助となれば幸いです。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。
【関連項目】
下手な美容外科医とトラブルが多い美容外科クリニックが増えている理由
美容外科 保険適用, 豊胸場バッグ除去 保険適用, ほくろ除去 保険適用
2024/01/17
院長ブログトップ > 失敗しない美容外科医の選び方
失敗しない美容外科医の選び方
独立行政法人国民生活センターの統計では毎年右肩上がりに美容外科治療や契約に関するトラブルが増えていることについては以前のブログ記事で書きました。同様に、政府広報オンラインの「美容医療サービスの消費者トラブル サービスを受ける前に確認したいポイント※」の記事でも同様に、毎年美容外科のトラブルが増えています(下記図表)
※https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201307/1.html
美容外科の需要が増え、施術件数も増えているので、当然トラブル件数が増えるのは当然です。しかしながら、美容外科でのトラブルが増えている要因は一番の要因は金儲け主義に走っている医師と医療機関が急増し、下手な美容外科医が増えているのが一番の理由です。以前の記事では美容外科のクリニック選びの基準について解説しましたが、今回の記事では美容外科の医師選びに失敗しないためのチェック項目を中心書きます。
信頼できる美容外科医を見つける方法
■美容外科専門医は最低限必要
下手な美容外科医か、そうじゃないか、治療を受ける前の判断として日本美容外科学会が認定している美容外科専門医の資格を取得しているかどうかが一つの判断材料になります。現在美容外科学会が定める規定で、美容外科専門医の取得には下記の条件が必要です(美容外科学会ホームページより抜粋)。
専門医の認定を新規申請するものは、次の各項目の資格の全てを満たすことが必要である。
1. 日本国医師免許証を有し、倫理観、道徳性が当学会の認定する専門医として相応しいこと。
2. 申請時において5年以上連続して当学会の正会員であり、かつ会費を完納していること。
3. 日本先進医療医師会の正会員であること。
4. 申請に際しての生涯教育基準、学術集会での出席、発表、論文による点数が別表に従い、
加算して60点以上あること*(別表1を参照のこと)。
5. 当学会の専門医が1名以上常勤する施設を研修施設とし、所属長が承認していること。
(形成外科専門医を有する者は2年以上美容外科の診療に従事していること)。
以上、この美容外科専門医の取得条件を解釈すると、美容外科専門医は美容外科専門医のもとで最低限美容外科の修練を5年行ったことになります。従って、美容外科専門医は明らかに経験不足で開業した(下手な)ドクターとは一線を画します。
上手な美容外科医を見分ける方法
患者様はだれもが施術が上手な美容外科医の治療を受けたいと思うでしょう。では上手な美容外科医を見つけるにはどうすればいいのでしょうか。前述の美容外科専門医の取得は最低限必要な資格であって、技術を保証するものではありません。以下に上手な美容外科医かどうかの判断材料をあげます。
■美容外科の経験年数をチェック
美容外科の経験年数は必ずチェックすべき事項です。決して見た目で経験の多さを判断してはいけませんし、医師の年齢や医師の経験年数からも判断してはいけません。最近は多浪して医学部に入る人も多く、卒業時には40歳近い医師もいます。そこから2年の研修を経て美容外科医になった場合、見た目は立派な中年で経験豊富に見えて、実はほとんど何もできないこともあり得ます。また、最近は長年内科などの手術経験を行っていない診療科に従事していた医師が美容外科に移るケースも少なくありません。この場合も見た目中年の新米医師と同様に美容外科の施術は全くできません。美容外科の経験年数が多い場合は、必ずホームページの医師プロフィール欄を見れば分かります。逆にプロフィール欄に美容外科の経験年数の記載がなかったり、経験が多いどうか判断できないような書き方をしている場合は、美容外科の経験年数が少ないと判断して間違いありません。
■外科系診療科の経験の有無
手術時の思わぬ出血への対応や稀に起こり得る術後の合併症の管理など、外科医師として必要な能力を身に付けるには、残念ながら現在の美容外科専門医の取得基準の過程で身に付けることができません。豊胸やフェイスリフトなど美容外科でも本格的な手術については、美容外科専門医の取得だけではなく、より多くの外科系手術を経験する必要があります。そのため豊胸やフェイスリフトなどの手術を受ける場合は担当の医師が外科系診療科の専門医(外科専門医、形成外科専門医など)を取得している確認し、その取得の有無を判断材料とするのもよいと考えます。
実は最近はあまり参考にならないので注意
■ビフォーアフター写真
ホームページに掲載されている施術のビフォーアフター写真医師の技術を判断するためにはかつては非常に重要な判断材料でした。現在でもある程度は参考にすべきだと思います。ただ、これらの写真だけで判断するのは危険です。最近の写真加工技術の進歩は凄まじいので、いくらでも施術後のアフター写真や動画を加工して、手術結果を誤魔化すことできます。10年以上前から掲載されているような写真であれば加工はされていないでしょうけど、最近の写真ばかり掲載されているようなホームページは常にはある程度疑いの目を持つことが重要です。
■口コミの星の数
グーグルなどの口コミの星の数は最近ではあまり信用できません。星を増やす専門の外注業者があるくらいです。もし口コミを参考にするなら、口コミの内容をしっかり読んだうえで判断すべきでしょう。ただ、星1個で悪口みたいな内容になっている口コミは逆にあまり参考にすべきではないでしょう。感情論であったり、同業他社の嫌がらせということも十分あり得ます。
■ユーチューブのトークも
話しが上手だからと言って、当然ですが、手術がうまいとは限りません。手術は結局職人芸の世界です。日本の伝統工芸を仕事している職人をイメージしてください。そんな口がうまい職人とか見たことありますか?技術を伴った職人は寡黙に仕事をしているイメージはありませんか。 口がうまい職人はいるかもしれませんが、口がうまいからと言って手術の技術とは全く関係ありませんので、注意すべきです。同様にSNSを通じて情報発信が得意で、集客に成功しているからと言って、それと手術の技術は全く関係ありません。
まとめ
美容外科の選択は、単に魅力的な広告やコストだけに基づくべきではありません。重要なのは、医師の専門性、経験、そして患者との信頼関係の構築です。手術の結果は、大きく医師の技術に左右されるため、広告の華やかな写真や魅力的な言葉に惑わされることなく、担当する医師の経歴、資格、以前の患者の体験談などを徹底的にリサーチすることが不可欠です。また、医師やクリニックからの説明に疑問を感じたり、不安が残る場合には、複数のクリニックでの意見を聞くことも重要です。さらに、クリニックの雰囲気やスタッフの対応、施設の清潔さなども重要な判断材料です。安全で快適な手術環境は、患者の不安を和らげ、満足のいく結果につながります。医師の手術後のケアやフォローアップの質についても、事前に確認することをお勧めします。美容外科手術は、自己表現と自信の向上の一歩となり得ます。そのためには、十分な情報収集を行い、信頼できる医師とのパートナーシップを築くことが不可欠です。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。ウルセラは日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。
【関連項目】
下手な美容外科医とトラブルが多い美容外科クリニックが増えている理由
2024/01/15
院長ブログトップ > 美容外科治療を受ける場合の問題と注意点
美容外科治療を受ける場合の問題と注意点
美容医療サービスに関して、独立行政法人国民生活センターが集計したデータによると、全国各地の消費生活センターなどへの相談件数が増加していることが明らかになりました。2022年度には3,000件を超える相談が寄せられ、過去5年間で最も多くの声が聞かれています(下記表参照)。これらの相談の中で、特に目立つのは、美容外科を訪れた際に受けるプレッシャーです。カウンセリングを求めて来院した患者に対し、「今すぐに施術を受けなければならない」といった強い勧誘が行われるケースが少なくありません。更に、割引価格のモニター契約を勧めることで、消費者を誘惑し、本来の予算や広告に掲載されている金額よりも高額な契約に結びつける手法も見受けられます。美容目的の施術は大抵の場合、緊急を要するものではないにもかかわらず、カウンセラーらは消費者に不安を煽り、急かすことで即日施術を強いています。この結果、施術を受けた後に後悔するケースが多発しています。本稿では、これらの消費生活センターでの実際の相談事例を詳しく紹介し、美容外科治療を考える皆さまへの注意喚起を行うことにします。
【相談事例1】
■カウンセリングのみのつもりが、鼻尖形成手術を受けて後悔している20代女性会社員
彼女は、鼻先を尖らせるためにインターネットで美容外科を検索し、無料のメッセージアプリでカウンセリングを予約しました。来院の目的はカウンセリングだけでしたが、個室でのカウンセリング中に「メッシュを入れると鼻筋が通る」という提案を受け、「モニター価格での施術が可能」、「マスクを外す生活が始まると手術の痕が目立つため、今施術を受けることが望ましい」と、約1時間半にわたる熱心な勧誘を受けました。彼女は当初「考える」と返答しましたが、カウンセラーからの「私も施術を受けた。大丈夫だ」という強い推奨に圧倒され、約100万円の契約に応じることになりました。その日のうちにクレジットカードで支払いを済ませ、施術を受けましたが、その結果鼻が腫れ上がってしまいました。今では、元の状態に戻して欲しいというのが彼女の切実な願いです。
【相談事例2】
■AGAクリニックで不安に煽られて高額な契約をしてしまった30代男性会社員のケース
ある30代男性がインターネットで見つけたAGA治療クリニックにおいて、約190万円のモニター契約を結んだ経緯がありました。当初は「月々1,500円からの発毛治療」と「全額返金保証」の広告を目にし、手頃な価格であればと思い予約をしてクリニックを訪れました。しかし、実際のカウンセリングでは、頭皮と髪の状態をチェックした後、「AGAがさらに進行すると治療が難しくなる。今なら間に合う」という言葉を受け、治療を決断しました。その後、医師からも同様のアドバイスを受け、注射と投薬のプランが提案されました。12回の注射で効果が期待できるとの説明を受け、支払い方法について尋ねると、「多くの患者が60回のローン払いを利用しており、モニターコースであれば約200万円で治療が可能」と説明されました。月々の支払いは4万円となり、初期の予想を超える金額でしたが、「今治療を開始しなければ遅くなる」との迫力ある言葉により契約を結びました。初回の注射を受け、内服薬を持ち帰った後、家で冷静になって考えると、高額な契約を不安を煽られて結んでしまったことに気づき、契約の取り消しを望んでいます。
【相談事例3】
■美肌治療のカウンセリングのつもりが、糸リフトを受けてしまった30代女性会社員
彼女はインターネットの広告を見て、医療機器を使った美肌治療のカウンセリングを予約しました。ホームページには施術費用が約3万円と記載されていたため、手頃な価格に魅力を感じていました。しかし、実際のカウンセリング当日には、予期せぬ展開が待っていました。来院すると、彼女はこめかみに糸を入れて行うリフトアップ施術を勧められました。「一度の施術で完了し、副作用は顔のわずかな腫れのみ。マスクで隠せば問題ない」という説明を受け、モニター契約なら20万円という割安の価格で施術が可能だとされました。クレジットカードの2回払いであれば支払い可能だと判断し、彼女は契約を結びました。施術はその日のうちに始まり、終了後には顔がひどく腫れ上がっていました。苦情を伝えようとしたところ、「トラブル対応の担当者が不在のため帰宅するように」と言われました。翌日、「顔の腫れと痛みで食事が取れない」という事情を伝え返金を求めたところ、「血管が損傷し、回復には約1ヶ月かかる」との返答を受けましたが、「支払いの取消しや値引きは行わない」と言われ、納得がいかない状況に置かれています。
【相談事例4】
■駅前で声をかけられ、脱毛のために高額な医療ローンを組んでしまった20代女性契約社員
彼女は駅前で声をかけられ、3回の無料医療脱毛の勧誘を受け、その場で施術日を予約しました。数日後にクリニックを訪れ、約30分間の無料の両脇脱毛施術を受けた後、医療脱毛とエステ脱毛の違いについて説明を受けました。その際、「通常価格60万円が、本日限りのモニター価格で約46万円になる」とのオファーを受け、この限定価格に引かれて契約を承諾しました。契約に際して、彼女は医療ローンの2回払いを申し込むことになりましたが、その際に不正確な情報を記載するよう指示されました。アルバイトを始めたばかりであるにもかかわらず年収を110万円、貯金がないにもかかわらず貯金額を50万円と偽って記載するよう求められたのです。このような手続きは、与信審査を通過するために必要だと説明され、クレジット会社からの問い合わせがあれば、申請した通りに答えるよう指示されました。しかし、実際には彼女には財政的余裕がなく、この高額な契約を維持することが困難でした。そのため、彼女は現在、契約の無償解除を希望しています。
相談事例に見られる問題点の解説
■即日契約と施術の強制
消費者がカウンセリングのために来院すると、彼らに対して「今すぐ施術を受けた方が良い」「遅れると間に合わない」といった形で、施術の必要性を強調し、不安を煽るような勧誘が頻繁に見られます。これに加えて、モニター契約などによる大幅な割引が提案され、これが消費者に即日契約や施術への圧力となっています。
■施術リスクの軽視
カウンセリングでは、「私も施術を受けました。大丈夫です」「副作用はわずかな腫れだけ」といった安心感を与える説明がなされ、施術の手軽
さが強調されています。その結果、消費者はリスクや副作用を十分に理解しないまま施術に同意することが多くあります。さらに、カウンセリング予約時に希望した施術とは異なるもの、あるいは広告で見たプランとは別の高額なプランを突然勧められる事例も報告されています。
■無理なクレジット契約の勧誘
予算を超える高額な施術に対して、「多くの人がローンを利用している」というような言葉で分割払いを勧めるケースが見られます。これにより、消費者は契約を断ることが困難になります。さらに懸念されるのは、クレジット契約の審査を通過させるために、消費者に虚偽の年収や貯金額の申告を促すような案内が存在している点です。これは消費者に支払い能力を超える契約を結ばせる不適切な行為と言えます。
患者様への重要なアドバイス
美容外科クリニックにおいてトラブルに合わないために下記の点を気を付けましょう。
■安すぎる料金表示には裏がある
市場相場よりも著しく低い価格を提示するクリニックには、しばしば高圧的なアップセールスや隠れた条件が存在します。安さだけに惹かれる前に、希望する施術の標準的な相場を把握し、それを大幅に下回る価格を提示する施設には慎重な姿勢を保ちましょう。また、価格だけでなく、施術内容や追加料金に関する透明性も重要な判断基準となります。
■信頼できる医師・医療機関であるか
クリニックや医師を選ぶ際は、彼らの信頼性を事前に徹底的に調査することが肝要です。クリニックの公式ホームページ、医師の資格や経歴を確認し、信頼できる医療機関であるかを見極めましょう。SNSなどの煌びやかな広告に飛びついて安易に予約をしないことが大切です。
■即時契約・施術の圧力に屈しない
美容施術は一般的に緊急性を伴わないものです。もし「今すぐ施術が必要」という不安を煽るような勧誘や、モニター契約による割引を提案された場合でも、その場での決断を避け、帰宅後に十分に考慮し、周囲の意見を参考にしてください。
■施術のリスクや副作用を事前に確認
自由診療である美容医療サービスでは、事前に施術のリスクや副作用、治療費用、解約条件などの詳細な説明が必要とされます。単に施術の手軽さが強調されている場合でも、ダウンタイムやリスクが存在します。施術のメリットだけでなく、リスクや副作用についても十分に理解し、納得した上で施術を受けるかどうかを決めてください。また、カウンセリング前にはインターネットなどで希望する施術に関する情報を収集し、リスクや副作用について自らも確認しておくと良いでしょう。
■クレジット契約の必要性を冷静に考える
クレジット契約や分割払いを選択する際には、支払いの総額が高くなる可能性を考慮する必要があります。必要と思われる施術でも、分割手数料を含めた総支払額を考え、本当に必要な施術かどうかを落ち着いて判断しましょう。また、クレジット契約を行う際には、年収などの情報を正確に申告してください。契約を断る場合は、「お金がない」という理由ではなく、「契約しない」と明確に伝えることが重要です。
まとめ
美容医療を受ける際には、慎重な検討と事前の準備が不可欠です。緊急性を煽る勧誘やモニター契約などの割引提案に即座に応じるのではなく、家族や友人と相談する時間を持ち、冷静な判断を心がけましょう。また、施術のリスクや副作用、解約条件などについては、十分な説明を受け、理解した上で決定を下すことが重要です。さらに、施術に関する情報を自ら積極的に収集し、信頼できる医師や医療機関を選択することも忘れてはなりません。特に、市場相場より著しく低い価格や、過度に魅力的な広告には警戒が必要です。これらは高圧的なアップセールスや隠れた条件がある可能性を示唆しています。クレジット契約を検討する際には、総額の負担や自身の支払い能力を真剣に考え、虚偽の情報提供は避けるべきです。美容医療を検討する際は、これらのポイントを十分に理解し、自己の健康と財政的な安全を守るために、慎重かつ賢明な選択を行うことが求められます。最終的な目標は、安心して美容医療を受け、望む結果を得ることです。そのためにも、慎重な検討と適切な情報に基づいた判断が、何よりも重要です。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。
【関連項目】
下手な美容外科医とトラブルが多い美容外科クリニックが増えている理由
2024/01/14
院長ブログトップ > 下手な美容外科医とトラブルが多い美容外科クリニックが増えている理由
下手な美容外科医とトラブルが多い美容外科クリニックが増えている理由
現在美容外科はかつてないほど人気の医療になっています。その需要が高まるにつれ、トラブルが多い美容外科クリニックが増加しているのが現状です。この問題の根底には、技術的に未熟な美容外科医も増えているという事実があります。この記事では、美容外科における急増するトラブルと、それに寄与している下手な美容外科医の増加の社会的背景に焦点を当て、その原因について詳しく解析していきます。
全国的に急増している美容外科クリニック
美容外科の分野は、近年全国的に驚異的な成長を遂げています。筆者が美容外科医としてのキャリアをスタートさせてから21年が経過した今、その変貌は顕著です。かつて千葉県船橋駅周辺には、筆者が勤務していたクリニックを含めてわずかに1つの美容外科クリニックが存在していたのみでした。しかし現在、湘南美容クリニックや東京中央美容外科などの大手美容外科チェーンを含む10施設以上が存在し、その数は船橋駅周辺だけで5倍以上に増加しています。この急激な増加は全国規模で見ても明らかです。2002年には、厚生労働省の調査による全国の美容外科を標榜するクリニック数(診療所数)は604施設でしたが、令和2(2020)年のデータでは1404施設に増加しています。わずか18年で800のクリニックが新たに開業したことになり、この期間に全診療所数の増加率が94819から102612へとわずかな伸びに留まる中、美容外科クリニックが2倍以上に増えたことは、この分野の顕著な成長を示しています。
全診療所増加数の15%は美容クリニック
厚生労働省は3年おきに公表している「 医療施設(静態・動態)調査(確定数)・病院報告の概況」を公表しています。その中で美容外科診療所数と全診療所数に着目し、表にしました(下記の表)。
これを分析し、1996年から2020年までの2つの12年間を対象として比較を行いました。結果は驚くべきものでした。1996年から2008年の間、美容外科の診療所は523施設増加しました。これは全診療所の増加数7583のうち5.4%を占めています。しかし、2008年から2020年の期間では、美容外科診療所の増加数は421にもかかわらず、全診療所の増加数3529のうち12%を占めているのです。さらに、過去3年間で見ると、美容外科クリニックは171施設増加し、全診療所増加数に対する割合は15%に達しています。
このデータは、医療業界において美容外科が占める割合が急速に増加していることを明確に示しています。特に近年は美容外科の開業ラッシュが続いており、この分野が医療業界全体における重要な位置を占めるようになっていることが伺えます。
美容外科医も急増している
美容外科クリニックの顕著な増加の背後には、美容外科医の数の急増があります。この現象は、医学部を卒業した若手医師たちのキャリア選択からも明白になっています。医師国家試験に合格し、必要な2年間の研修を終えた後、医師たちは自由に専門分野を選択することができます。その中で、現在、最も人気を集めているのが美容外科です。
かつては内科や外科が医師たちの主流の進路として需要が高く、美容外科や形成外科は全体のわずか5%以下でした。しかし、時代の変遷と共に、この比率は大きく変化しました。現在では、新たにキャリアを開始する医師の20%以上が美容外科・形成外科・美容皮膚科などの美容医療を選択しています。
下手な美容外科外科医も急増
美容外科クリニックに就職することは、そのドクターが即座に美容外科医としての名乗ることを意味します。業界内での動向を見ると、大手美容外科クリニックに就職した後、わずか3ヶ月の経験で独立して開業する医師も少なくありません。この短期間では、技術面の成熟は期待できず、多くは二重埋没法やヒアルロン酸、ボトックス注射の形だけの技術を習得するに留まります。
このように、実際の技術が伴わない状態で開業する美容外科医が増加しています。さらに、技術の不足を補うために、SNSやYouTubeを巧みに活用して技術力があるかのように見せかけ、患者を集客しているクリニックも多いのが現実です。これらの医師やクリニックは、デジタルメディアを利用して、技術以上の評判を構築し、ビジネスを拡大しています。
下手な美容外科医でも集客できるようになった
一昔前の美容外科業界では、技術が未熟な医師が開業しても、効果的な集客方法はほとんどありませんでした。日本国内においては厚生労働省が定めている医療分野における広告規制があり、経歴を偽造して広告媒体に掲載することは、法的にも許されない行為でした。また、技術が発展していなかった写真加工のため、ウェブサイトや紙媒体などに掲載されるビフォーアフター写真も、実際の手術結果をそのまま反映していました。結果として、技術的に未熟な医師は、印象的な手術結果の写真をメディアに公開することもできず、経歴より経験不足が明らかであれば、開業することはほとんどありませんでした。従って、多くの美容外科医は、十分な経験を積んだ後に開業するのが一般的でした。実際、美容外科経験が乏しい医師が開業しても、すぐに閉院するケースも散見されました。しかし、現代においては、この状況は大きく変わりました。特にインスタやティックトックなどのSNSには広告規制がありません。また、写真や動画の加工技術が進歩し、手軽に行えるようになったことで、施術結果の写真や動画を偽装し、SNS上に掲載することが可能になっています。このため、技術や経験が乏しくても、SNSを巧みに活用し、一見魅力的なビジュアルコンテンツを提供することで、美容外科医として患者を集客する道が開かれてしまっています。また、医師ではない経営のプロが経験の浅い医師を雇い、クリニック運営を行うケースも多いのが現実です。これも、経験の浅い美容外科医によるクリニック増加の一因にもなっています。従って、現在は美容外科医に技術や経験がなくても、SNSを巧みに活用すれば、患者を集客し、美容外科クリニックを運営できる時代になってしまったのです。
誤解を招く広告と強引なアップセールス
美容外科業界では、SNS上での虚偽のビフォーアフター写真の掲載に加えて、誤解を招く価格表示を行うクリニックが急増しているという問題が浮き彫りになっています。日本では、低価格を打ち出した広告に対して、消費者が疑いを持たずに魅力を感じる傾向があります。例えば、「二重治療8000円」という広告があると、多くの人が実際にその価格で手術が可能だと信じてしまうようです。しかし、現実には、数千円で提供される美容外科手術は存在しません。
このような低価格の広告に惹かれてクリニックを訪れた患者に対し、実際には「あなたの目には8000円の治療は適していません。より高額な治療が必要です」といった具合に、相場よりもはるかに高額な治療を勧めるケースが増えています。このようにいわゆる「えげつないアップセールス攻撃」を受け、しばしば患者とクリニックの間でトラブルを引き起こしています。実際、消費者センターでも、美容外科における強引なアップセールスから生じるトラブルが急増していると報告されています。
まとめ
本記事では、急増するトラブルが多い美容外科クリニックと同じく増加している技術的に下手な美容外科医の問題を詳細に分析しました。日本人においては、見た目の情報を簡単に信じる傾向があり、特に美容外科に関連する広告やビフォーアフター写真に対しては、より懐疑的な視点を持つことが重要です。美容外科クリニックでのトラブルを避け、技術的に未熟な医師による手術のリスクを減らすためには、初めに見た情報に対して疑問を持つことが必要です。患者は、治療を受ける前に、華やかな広告や写真に惑わされることなく、広く情報を集め、真の信頼できる美容外科を見極めるべきです。治療を急ぐことなく、慎重に考え、十分な検討を経て適切な治療を選択することが、安全で満足のいく結果を得るためのポイントとなります。この過程によって、美容外科のトラブルや失敗のリスクを大幅に減らすことが可能です。患者自身の知識と情報収集が、美容外科選びにおいて重要な役割を果たします。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。
【関連項目】
美容外科トラブル, 厚労省 美容外科 診療所数, 美容外科数 推移
2024/01/12
院長ブログトップ > 医は算術でいいのか
医は算術でいいのか
絶望の淵へと追い込む不妊治療
かつて、銀座の煌びやかな通りに立つ立派なビルの一角に、あるクリニックが今も存在している。そのビルは、高級ブランド店やレストランが軒を連ねる中で、いかにも成功しているという雰囲気を漂わせている。そこにあるクリニックは、不妊治療の専門クリニックとし、多くの夫婦が希望を抱いて訪れる場所となっている。しかし、その医院の内部では、金儲けを最優先とする暗い影がちらついている。
クリニックでは不妊治療のプランを、「松竹梅」という例えで説明している。まるで日本の伝統的な品評会で使われるようなこのランク分けは、実際には治療の質と価格の差を表している。松は最高ランクで、高額ながらも最良の治療と高い妊娠率を約束する。竹は中間の選択肢、そして梅は最もリーズナブルだが、妊娠の成功の望みは薄いとされている。クリニックの院長はこの比喩を用いて、患者たちに自らの経済状況と望みに応じた選択を迫っている。
多くの夫婦が初めは経済的負担を考慮して竹や梅を選ぶ。しかし、何度試みても妊娠に至らず、その都度、婦人は心と体に傷を深めいき、夫婦は経済的にも追い込まれていく。一方、院長やクリニックのスタッフは、これが当たり前のように振る舞い、夫婦が苦悩する様子を冷ややかに見つめている。そして夫婦は結局最終的には松へとグレードアップしていく。このシステムは、不妊治療専門のクリニックにとっては患者を引き留め、より多くの費用を搾取する完璧な戦力だ。
しかし、最初から松を選んだからといって直ちに成功するわけではない。クリニック側は意図的に数回の失敗を経験させ、患者の不安と焦りを煽る。そして、裏メニューにある「松」の上の高価なオプションを提案し、さらなる費用を要求する。このようにして、ただただ子供が欲しいという切実な願いを持っている夫婦に対してお金をむしり取り、夫婦は絶望の淵へと追い込まれていく。
その中で、体外受精を何度も繰り返し失敗した婦人の心と体を考えて、ある夫婦が最後の試みと決心し、その望みを託し、院長に100万円の現金が入った封筒を直接渡した話は特に有名だ。夫婦の「今回で最後にしたい」と切実に願いの表れだった。彼らの切実な願いと共に渡された封筒の裏金は、まるで魔法のように奇跡を引き起こし、最後の試みと決心した体外受精で妊娠に至ったという。このような奇跡的な話が広まると、更に多くの夫婦が、高い費用とリスクを抱えながらも、その門を叩くようになった。
この不妊治療クリニックの裏側は、華やかな外観とは裏腹に、金儲けを最優先とする冷酷な実態を隠している。患者の希望と絶望を金に変え続けるこのクリニックと院長の未来は未だに誰にも予測できず、夫婦たちは次の奇跡を夢見ながら、今日もこの銀座の煌びやかなクリニックに足を踏み入れ続けている。
わざと外れる二重埋没法
前述の物語は筆者が実際に聞いた話をもとに、フィクションの形で再構築してみました。不妊治療専門のクリニックでは、皮肉なことに患者が妊娠してしまうと、その瞬間に通院が終了し、クリニックの売上が止まるという状況が生まれます。このため、患者が妊娠せずに長期間通院し続けることが、クリニックにとって理想の状態となるのです。これはにわかには信じがたい話ですが、不妊治療専門クリニックの内情を知る人々の間では、よくあることとされています。
同様の事例は美容外科の分野にも見受けられます。例えば、二重の埋没法治療では、患者に混乱を招くほど多くのメニューが用意されており、安価なメニューを選んだ患者に対しては、二重の糸が意図的に外れやすいように弱く縫合されることがあります。一方で、高額なメニューについては、その価値を過剰に強調し、患者に高額な契約を促す戦略がとられています。
適切なクリニックを選ぶために
適切なクリニック選びのためには、希望の医療に対するある程度の知識とクリニックの事前の丁寧な調査が不可欠です。驚くべきことに、いい加減な医療を意図的に行う医師が存在するのは、悲しいが現実です。このような医療に巻き込まれないために、特に自由診療の不妊治療や美容外科クリニックを選ぶ際には、以下の重要なポイントに留意することが必要です。
■相場を大きく下回る料金設定
広告で目にする、相場よりも大幅に安い料金設定を打ち出すクリニックは、要注意のサインです。自由診療の費用は高額になりがちなため、安さに惹かれて選ぶことはリスクを含んでいます。重要なのは、事前に複数のクリニックの料金を比較し、一般的な相場を理解しておくことです。極端に安い料金設定は、強引なアップセールスを伴うことが多く、または前述のわざと外れる埋没法のように施術の品質や安全性に疑念が生じます。
■契約を急ぐクリニックへの警戒
カウンセリング当日に契約を急ぐクリニックは、慎重に対応することが求められます。特に「今日限りの特別価格」といった条件付きの値引きを提示してくる場合、十分な検討時間を確保することを推奨します。また、複数のクリニックでカウンセリングを受けることで、それぞれの施術の質や自分に本当に必要な施術なのかどうかを比較することが有効です。
■派手な広告戦略
頻繁にテレビCMを放送する自由診療クリニックは、莫大な広告費を投じていることがあります。全国ネットのテレビCMは一回の放送だけで数百万円、月契約では数千万円にもなり、これが蓄積されれば億単位に達することも珍しくありません。これほどの広告費を投じるクリニックは、本業で相応の売上を確保する必要があり、これが患者の負担に反映される可能性が高いです。
■オーナーが医師かどうか
自由診療クリニックの経営者は医師だけではなく、さまざまな業界出身の人々がいます。医師ではない経営者はしばしば、金儲けを目的として医療を行います。これに対し、医学部の授業を通じて医の倫理を学んだ医師は、営利主義に走ることが少ないとされています。多くの医師は、医の倫理を踏まえた経済活動を行っています。クリニックのホームページや院長紹介ページを注意深く読むことで、そのドクターがオーナーか雇用された医師かが分かることが多いです。
これらのポイントを念頭に置くことで、自分にとって最適なクリニックを見極めることができ、より質の高い医療サービスを受けることが可能となります。
医は仁術なり
悪徳な不妊治療、わざと外れる埋没法、こうした医療における商売が果たして許されるべきなのか、私たちは深く考える必要があります。確かに世の中には「金儲け第一主義」が蔓延し、「安かろう、悪かろう」という言葉も存在します。しかし、医療分野においても、「安かろう、悪かろう」で済まされるのでしょうか?答えは明らかに否です。医療は他のどの業界とも違い、極めて専門的な知識と技術が求められる分野です。一般の人々には、専門知識がないため、価格による治療の質の違いを判断することが通常は不可能です。高額なメニューが本当にその価格に見合う価値があるのか、また安価なメニューが本当に粗悪なのか、一般人には見極めることができないのです。
ここで、古来から伝わる「医は仁術なり」という言葉を医師はは思い出さなければなりません。これは、医師が患者に対して持つべき慈愛の心と、患者の健康と幸福を最優先に考える姿勢を示しています。これに対照的に、医師が持つべきではない考え方として「医は算術なり」という言葉があります。これは、医師が利益を優先し、患者をただの数字やお金儲けの手段として扱うことを意味します。医師がこのように算術に走ると、患者の信頼を裏切り、医の倫理を無視したただの悪人になってしまうのです。医療の現場で日々行われているこうした倫理に反する行為は、決して看過されるべきではありません。医師は常に仁術の精神を忘れず、医師を頼って来院される患者一人ひとりの幸福を最優先に考えるべきです。社会全体が、このような不正を許さず、正しい医療の実現を目指すべき時が今、来ているのです。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。「すべての人を笑顔にしたい」をモットーに診療を行っている。
【関連記事】
2024/01/01
院長ブログトップ > あけましておめでとうございます!2024年
あけましておめでとうございます!2024年
あけましておめでとうございます!
今年も誠実に患者さまと向かいあい、患者さまが前向きで明るい日々を過ごせるための一助になれますように美容外科技術を高め、美容外科とアンチエイジングの勉学に励みたいと思います。
今年も開院11年目の青山セレスクリニック、開院23年の船橋中央クリニックをどうぞよろしくお願いいたします。
新年の診療は1月4日からです。
医療法人社団セレス代表
青山セレスクリニック理事長
船橋中央クリニック院長
元神賢太
2023/12/31
院長ブログトップ > 2023年10大ニュース
2023年10大ニュース
今年も1年ありがとうございました。早速ですが、毎毎年恒例の元神賢太個人の今年あった10大ニュースです!
10位:ブログを毎日書く
SNSの波に揉まれていろいろSNSをやりましたが、基本に戻って自分の言葉で美容外科医療について書くことが大切だと考えて、毎日このブログを書くことを決心しました。1原稿書くのに最低1時間はかかり、時には3,4時間程度かかることもあります。ただ、読んでくさるかたも多いので今後もしばらく続けますね。
9位:慶応優勝
慶応は大学の母校であり、高校の母校でありませんが、やはり慶応高校の優勝は嬉しかったです。詳しくはこちら。
8位:大阪での診療開始
8月より月1回ですが、大阪で診療もすることになりました。大阪勤務のついでに隣の兵庫県に住んでいる両親に会えるようになったことをうれしく思っています。
7位:チャットGPT
チャットGPTを利用するようになって、劇的に調べごとの時短になっています。まだ利用していないかたは是非チャットGPTの利用をおすすめしますよ。有料版がいいです。
5,6位:高校、中学の同級生との再会
歳をとったせいか、やはり旧友に会う機会が増えるようになりました。大阪勤務のついでに中学の同級生と再会。昔話に盛り上がりました。そして高校との同級生とも再会を果たしました。中には23年ぶりにあった友達もいました。どっちとの再会が5位か6位か、順位は付けるのは難しいので同順位とします。
4位:日本がWBC優勝
大谷翔平さんはもはや凄すぎますね。このブログ記事はこちら
3位:初渡英
人生ではじめて欧州に行きました。ブログ記事はこちら
2位:社員旅行
今年も社員旅行は大盛り上がりで、今年一番楽しかったイベントでした。ブログ記事はこちら
1位:阪神優勝
やはり阪神ファンとしては今年一番大きい出来事はこれしかあり得ないです。38年ぶりの日本一おめでとうございます!そしてありがとうございました!日本シリーズの優勝がかかった第6戦と7戦は2日連続で阪神ファンの大学同級生とスポーツバーで応援して、感動を分かち合いました!来年も期待してるぞ、阪神タイガース!!
阪神リーグ優勝記念のAREティーシャツを手にもっています。
今年も1年間ありがとうございました。
皆様よりお年をお迎えください!
年明けの診療は船橋・青山ともに1月4日からです。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
元神賢太
2023/10/03
院長ブログトップ > ジャニーの性加害について
ジャニーの性加害について
院長日記として今回は世間を騒がせいるジャニーの性加害について私見を述べたいと思います。
イギリスのBBC放送後よりこのジャニーズジュニアの性被害ついて凄い着目して、いろんな動画や過去のネット記事を追ってきました。
結論としては、僕が一番憤りを感じるのは日本のマスコミです。
非常に言葉が悪いですが、日本のマスコミ先進国レベルでも最低最悪のレベルだと思います。それと合わせて日本の警察も正義の絶対的な砦はなく、結局世論で動く相対的な正義をかざしているのに過ぎない団体ということです。
80年代にすでにジャニーの性加害について多くの暴露本が出ていたにもかかわらず、主要メディアが全く取り上げない状況というのはクソ以下なのは当然ですが、被害者本人が弁護士を携えて警察に相談しても一蹴されて引き返されたということでした。警察の腰が重いのは昨今の有名人の誹謗中傷被害についても同じことが言えます。
興味ない方も是非上記の動画を見てください。
元神賢太
2023/09/19
院長ブログトップ > 阪神優勝!
阪神優勝!
2023/09/05
院長ブログトップ > 慶応義塾高校甲子園優勝!!
慶応義塾高校甲子園優勝!!
僕は大学から慶応なので高校の母校ではないですが、同じ慶応としてうれしかったです
ただ僕のように大学から慶応卒というのは「本当の慶応卒業生」ではないです。
慶応は小学校(いわゆる幼稚舎)、中学、高校、大学とあり、下から入学しているほうが「より生粋の慶応生」として扱われます。
大学の同級生同士の中でも「いつから慶応生だったのか」というのは随所に会話の中でも登場します。
ちなみに大学院ももちろんありますが、大学院だけ慶応卒というのは「慶応卒業生」として扱われません。大学院の入学は非常に易しいからです。
以上慶応高校が甲子園を優勝していろいろ母校について思い返す機会となりました。
元神賢太
2023/08/15
院長ブログトップ > 石田純一さんのお店に行ってきました!
石田純一さんのお店に行ってきました!
船橋中央クリニックから徒歩2分くらいに位置する石田純一さんがオーナーを勤めている焼肉屋ジュンチャンに行ってきました!
社員の送別会を開きました。
石田純一さんはとてもフレンドリーなかたで楽しいひと時でした。
お肉もおいしかったです。
下記のお店です。
https://tabelog.com/chiba/A1202/A120201/12057558/
是非行ってみてください!
元神賢太
2023/07/25
院長ブログトップ > 阪神アレするぞ!
阪神アレするぞ!
7月23日に青山セレスクリニックの勤務後にそこから徒歩1分の神宮球場で阪神の応援をしてきました!
(※患者様からいただいた阪神のユニフォームを着て)
今年こそ「あれ」を達成するぞ!
元神
2023/07/04
院長ブログトップ > 夏休み@沖縄本島
夏休み@沖縄本島
2023/05/23
院長ブログトップ > 社員旅行行ってきました!
社員旅行行ってきました!
今年も社員旅行に行ってきました!
今年は台湾旅行でした!
社員みんな、楽しく過ごして英気を養うことができました。
これからもより良いクリニックになりますように社員一同がんばります!
元神賢太
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最終学歴:H11年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H15年船橋中央クリニック開業
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責任者:高林洋一
最終学歴:S43年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H28年青山セレスクリニック管理者