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2024/01/06

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サブシジョンは効果なし?失敗する?

クレーター状のニキビ跡

サブシジョンはクレーター状のニキビ跡に対する美容外科治療です。インターネット上では、多くの方が「サブシジョンに効果なし」や「サブシジョンの失敗」といった言葉に不安を感じ、治療に躊躇していることが見受けられます。このような懸念に対して、エビデンス(医学的根拠)に基づいた確かな情報を提供し、誤解を解き、にきび跡に対する真実のサブシジョン治療の可能性と効果に光を当てたいと考えています。この記事では、クレーター状のニキビ跡のサブシジョン治療の科学的なエビデンスを分かりやすく解説し、「サブシジョンに効果なし」や「サブシジョンの失敗」といった否定的な意見がどこから来るのか、そしてそれがどれほどの真実を含んでいるのかについて、丁寧に考察します。サブシジョン治療に対する不安を感じている方々へ、この記事が正確な情報の提供と、ニキビ跡治療への一歩を踏み出す勇気を与える手助けとなれば幸いです。

サブシジョンの歴史

サブシジョンは1995年にOrentreich らにより『 Subcutaneous incisionless (subcision) surgery for the correction of depressed scars and wrinkles』という医学論文で最初に発表されたことが始まりだとされています。しかしながら、日本国内において普及し始めたのはここ最近で、筆者がブログ記事に最初にしたのも2022年でした。現在でも日本国内ではそれほど活発に行われているニキビ跡治療ではありません。ちなみに日本人によるサブシジョンの医学論文は調べた限り全くありませんでした。一方、海外の英語文献は1995年以降たくさんありますが、集中しているのは2010年代後半からです。やはり海外でも普及しているのはこの時期からです。おそらくニキビ跡の瘢痕を美容外科や美容皮膚科できれいにしようと思う人たちが増え、その要望に真剣に取り組むドクターが増えたことで、サブシジョンも普及したのだと推測しています。シンプルに言うと、サブシジョン治療が今さら流行り出しているのはニキビ跡治療の社会的需要が増えたからだと言えます。

エビデンスが示すサブシジョンの効果

サブシジョンの医学論文

英語の医学論文ですが、サブシジョンの効果を示すエビデンス(医学的根拠)がたくさんあります。下記にいくつか紹介します。

■ヒアルロン酸との組み合わせで94%に明らかな効果あり

 Ebrahim HMらによる2022年の『 A combined approach of subcision with either cross-linked hyaluronic acid or threads in the treatment of atrophic acne scars.』の医学論文では対象患者40人に対してヒアルロン酸注入とサブシジョンの両方の施術を同時に受けたグループと、サブシジョン単独のグループに分けて施術を行いました。ヒアルロン酸とサブシジョンを組み合わせた治療では94.1%の患者が明らかにニキビ跡の改善が認められたと記述しています。一方、ヒアルロン酸を注入せずにサブシジョン単独の場合、67.3%しか効果がなかったとも報告しています。やはりヒアルロン酸注入との組み合わせがサブシジョン治療では重要と言えます。

■鈍針の使用で85%に効果あり

Nilforoushzadehらによる2019年の『Comparing cannula-based subcision with the common needle method: A clinical trial』の医学論文では、施術の針の種類による効果の違いを報告してます。対象患者は100人でニキビ跡に対してサブシジョンを行っています。筆者も使用している針の先端が丸い『鈍針(どんしん)』の場合のニキビ跡のサブシジョン治療の効果は85%記述している一方で、通常の先端が尖った針である『鋭針(えいしん)』を使用した場合の治療効果はわずか39%と報告しています。針の違いでこれだけ効果が違うのは筆者も驚きです。また、血種、腫れ、痛みの持続などの合併症、副作用も鈍針のほうが遥かに少ないと報告されています。対象患者が100人と非常に多いので、信頼性が高いエビデンスと言えます。

参照元:

Comparing cannula-based subcision with the common needle method: A clinical trial

■ダーマローラー併用では100%の効果

Hassan による2015年の『Comparison of efficacy of micro needling for the treatment of acne scars in Asian skin with and without subcision』の医学論文では対象患者25人に対してマイクロニードル(ダーマペンローラー)を併用したサブシジョンではニキビ跡の100%の改善効果があったと記述しています。一方、サブシジョンを行わずに、ダーマローラーのみ行った対象患者25人のニキビ跡は77.1%の改善にとどまったと報告してます。

出典元:

Comparison of efficacy of micro needling for the treatment of acne scars in Asian skin with and without subcision

「サブシジョンに効果なし、失敗する」と言われる理由

前述のエビデンスが示すとおり、サブシジョンに効果があるのは明らかです。ではどうして「サブシジョンに効果なし」や「サブシジョンの失敗」について懸念の声があるのでしょうか。それは筆者が推測するに、技術を伴わない医師による施術だからです。サブシジョン治療を施す際、皮膚の表面を皮下組織から鈍針を使って剥がします。この技術は外科手術時の組織の剥離と非常に似ているため、医師にとって外科の経験はこの治療の成否を分ける重要な要素となります。一方、サブシジョン治療を提供している多くの美容皮膚科は日本では外科の経験が少ないまたは全くない医師が担当していることもよくあります。その結果、サブシジョンの最も重要な剥離操作が不十分の結果、効果がないサブシジョンの結果となってしまうのです。「サブシジョンの失敗」はドクター選びの失敗からくるものだとお考えください。

サブシジョン成功のポイント

サブシジョンが成功するポイントは以下の2つです。

■瘢痕組織の十分な剥離

クレーター状のニキビ跡はその皮下の瘢痕組織が非常に硬いのが特徴です。サブシジョン治療は局所麻酔と専用の針(カッター付鈍針)を使うだけの治療で、一見外科手術には見えないですが、クレーター状の瘢痕部において表面の皮膚を皮下の組織から剥離する操作がまさに外科手術時にメッツェン剪刃で組織を剥離する操作と同じです。この瘢痕組織を十分に剥離することがサブシジョン治療のポイントです。サブシジョン治療の成否はこの剥離作業をいかに丁寧に根気よく行うかに依ります。瘢痕組織は非常に強固のため技術も非常に要します。

サブシジョンの剥離

■ヒアルロン酸注入(またはPRP)
瘢痕部を十分に剥離したあとのヒアルロン酸注入も重要なポイントです。剥離しただけですと、剥離された皮膚がすぐに下部の組織に癒着し、再び瘢痕を形成することもあります。瘢痕が再形成されないために剥離部にヒアルロン酸を注入します。これにより直後から凹型に窪んでいたニキビ跡が補正されます。ヒアルロン酸自体は6~12か月かけて少しずつ吸収されますが、その間に周囲の結合組織の生成によりヒアルロン酸注入が消失した後も窪みが改善された状態が保たれます。ヒアルロン酸注入において重要なことはヒアルロン酸を十分に注入することですが、最初の剥離自体がしっかり行われていないと、そもそもヒアルロン酸が注入できない状態となります。この説明は少し専門的になりますが、硬い瘢痕組織にヒアルロン酸は注入できません。通常の柔らかい皮下組織にヒアルロン酸を注入した場合、注入されたヒアルロン酸のボリュームの分だけ、皮膚や周囲組織が盛り上がります。一方、瘢痕組織は通常の皮下組織と違って、伸展性がなく、非常に硬いためにヒアルロン酸が注入されると、圧力で注入した針穴よりヒアルロン酸が漏れてしまいます。瘢痕組織が非常に硬い場合はほとんど注入することができず、すべて針穴からヒアルロン酸が漏れることもあります。一昔前にニキビ跡の瘢痕にヒアルロン酸注入だけ行う治療もありましたが、こういう理由でほとんど効果がないためにヒアルロン酸注入だけによるニキビ跡治療が行われないようになった歴史があります。また、最近ではヒアルロン酸のかわりにPRP(多血小板血漿)を使用することで、非常によい治療成果がでています。

サブシジョンとヒアルロン酸組み合わせ

 

まとめ

この記事を通じて、インターネット上で頻繁に検索され、多くの方々の関心事となっている「サブシジョンに効果なし」や「サブシジョンの失敗」というフレーズに対し、エビデンス(医学的根拠)に基づき、サブシジョンの実際の効果と可能性について深く掘り下げて解説しました。しかし、サブシジョンの成功は、適切な医師選びに大きく左右されます。治療の成果を最大限に引き出すためには、十分な剥離と適切なヒアルロン酸注入(またはPRP)を確実に行える技術と経験を持った医師を選ぶことが不可欠です。患者様一人ひとりの状況とニーズに合わせた治療を提供できる、信頼できる医師の下で、サブシジョン治療を検討することで、「サブシジョンに効果なし」や「サブシジョンの失敗」という懸念を乗り越え、望む結果へと導かれる可能性が高まります。この情報が正しい医師選びへの一歩として、ニキビ跡で悩んでいる皆様に役立つことを願っております。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。また、にきびのアグネス、ニキビ跡のサブシジョンを国内ではいち早く治療導入した実績がある。

 

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