「にきび跡」についての記事まとめ
2024/01/06
院長ブログトップ > サブシジョンは効果なし?失敗する?
サブシジョンは効果なし?失敗する?
サブシジョンはクレーター状のニキビ跡に対する美容外科治療です。インターネット上では、多くの方が「サブシジョンに効果なし」や「サブシジョンの失敗」といった言葉に不安を感じ、治療に躊躇していることが見受けられます。このような懸念に対して、エビデンス(医学的根拠)に基づいた確かな情報を提供し、誤解を解き、にきび跡に対する真実のサブシジョン治療の可能性と効果に光を当てたいと考えています。この記事では、クレーター状のニキビ跡のサブシジョン治療の科学的なエビデンスを分かりやすく解説し、「サブシジョンに効果なし」や「サブシジョンの失敗」といった否定的な意見がどこから来るのか、そしてそれがどれほどの真実を含んでいるのかについて、丁寧に考察します。サブシジョン治療に対する不安を感じている方々へ、この記事が正確な情報の提供と、ニキビ跡治療への一歩を踏み出す勇気を与える手助けとなれば幸いです。
サブシジョンの歴史
サブシジョンは1995年にOrentreich らにより『 Subcutaneous incisionless (subcision) surgery for the correction of depressed scars and wrinkles』という医学論文で最初に発表されたことが始まりだとされています。しかしながら、日本国内において普及し始めたのはここ最近で、筆者がブログ記事に最初にしたのも2022年でした。現在でも日本国内ではそれほど活発に行われているニキビ跡治療ではありません。ちなみに日本人によるサブシジョンの医学論文は調べた限り全くありませんでした。一方、海外の英語文献は1995年以降たくさんありますが、集中しているのは2010年代後半からです。やはり海外でも普及しているのはこの時期からです。おそらくニキビ跡の瘢痕を美容外科や美容皮膚科できれいにしようと思う人たちが増え、その要望に真剣に取り組むドクターが増えたことで、サブシジョンも普及したのだと推測しています。シンプルに言うと、サブシジョン治療が今さら流行り出しているのはニキビ跡治療の社会的需要が増えたからだと言えます。
エビデンスが示すサブシジョンの効果
英語の医学論文ですが、サブシジョンの効果を示すエビデンス(医学的根拠)がたくさんあります。下記にいくつか紹介します。
■ヒアルロン酸との組み合わせで94%に明らかな効果あり
Ebrahim HMらによる2022年の『 A combined approach of subcision with either cross-linked hyaluronic acid or threads in the treatment of atrophic acne scars.』の医学論文では対象患者40人に対してヒアルロン酸注入とサブシジョンの両方の施術を同時に受けたグループと、サブシジョン単独のグループに分けて施術を行いました。ヒアルロン酸とサブシジョンを組み合わせた治療では94.1%の患者が明らかにニキビ跡の改善が認められたと記述しています。一方、ヒアルロン酸を注入せずにサブシジョン単独の場合、67.3%しか効果がなかったとも報告しています。やはりヒアルロン酸注入との組み合わせがサブシジョン治療では重要と言えます。
■鈍針の使用で85%に効果あり
Nilforoushzadehらによる2019年の『Comparing cannula-based subcision with the common needle method: A clinical trial』の医学論文では、施術の針の種類による効果の違いを報告してます。対象患者は100人でニキビ跡に対してサブシジョンを行っています。筆者も使用している針の先端が丸い『鈍針(どんしん)』の場合のニキビ跡のサブシジョン治療の効果は85%記述している一方で、通常の先端が尖った針である『鋭針(えいしん)』を使用した場合の治療効果はわずか39%と報告しています。針の違いでこれだけ効果が違うのは筆者も驚きです。また、血種、腫れ、痛みの持続などの合併症、副作用も鈍針のほうが遥かに少ないと報告されています。対象患者が100人と非常に多いので、信頼性が高いエビデンスと言えます。
参照元:
Comparing cannula-based subcision with the common needle method: A clinical trial
■ダーマローラー併用では100%の効果
Hassan による2015年の『Comparison of efficacy of micro needling for the treatment of acne scars in Asian skin with and without subcision』の医学論文では対象患者25人に対してマイクロニードル(ダーマペンローラー)を併用したサブシジョンではニキビ跡の100%の改善効果があったと記述しています。一方、サブシジョンを行わずに、ダーマローラーのみ行った対象患者25人のニキビ跡は77.1%の改善にとどまったと報告してます。
出典元:
「サブシジョンに効果なし、失敗する」と言われる理由
前述のエビデンスが示すとおり、サブシジョンに効果があるのは明らかです。ではどうして「サブシジョンに効果なし」や「サブシジョンの失敗」について懸念の声があるのでしょうか。それは筆者が推測するに、技術を伴わない医師による施術だからです。サブシジョン治療を施す際、皮膚の表面を皮下組織から鈍針を使って剥がします。この技術は外科手術時の組織の剥離と非常に似ているため、医師にとって外科の経験はこの治療の成否を分ける重要な要素となります。一方、サブシジョン治療を提供している多くの美容皮膚科は日本では外科の経験が少ないまたは全くない医師が担当していることもよくあります。その結果、サブシジョンの最も重要な剥離操作が不十分の結果、効果がないサブシジョンの結果となってしまうのです。「サブシジョンの失敗」はドクター選びの失敗からくるものだとお考えください。
サブシジョン成功のポイント
サブシジョンが成功するポイントは以下の2つです。
■瘢痕組織の十分な剥離
クレーター状のニキビ跡はその皮下の瘢痕組織が非常に硬いのが特徴です。サブシジョン治療は局所麻酔と専用の針(カッター付鈍針)を使うだけの治療で、一見外科手術には見えないですが、クレーター状の瘢痕部において表面の皮膚を皮下の組織から剥離する操作がまさに外科手術時にメッツェン剪刃で組織を剥離する操作と同じです。この瘢痕組織を十分に剥離することがサブシジョン治療のポイントです。サブシジョン治療の成否はこの剥離作業をいかに丁寧に根気よく行うかに依ります。瘢痕組織は非常に強固のため技術も非常に要します。
■ヒアルロン酸注入(またはPRP)
瘢痕部を十分に剥離したあとのヒアルロン酸注入も重要なポイントです。剥離しただけですと、剥離された皮膚がすぐに下部の組織に癒着し、再び瘢痕を形成することもあります。瘢痕が再形成されないために剥離部にヒアルロン酸を注入します。これにより直後から凹型に窪んでいたニキビ跡が補正されます。ヒアルロン酸自体は6~12か月かけて少しずつ吸収されますが、その間に周囲の結合組織の生成によりヒアルロン酸注入が消失した後も窪みが改善された状態が保たれます。ヒアルロン酸注入において重要なことはヒアルロン酸を十分に注入することですが、最初の剥離自体がしっかり行われていないと、そもそもヒアルロン酸が注入できない状態となります。この説明は少し専門的になりますが、硬い瘢痕組織にヒアルロン酸は注入できません。通常の柔らかい皮下組織にヒアルロン酸を注入した場合、注入されたヒアルロン酸のボリュームの分だけ、皮膚や周囲組織が盛り上がります。一方、瘢痕組織は通常の皮下組織と違って、伸展性がなく、非常に硬いためにヒアルロン酸が注入されると、圧力で注入した針穴よりヒアルロン酸が漏れてしまいます。瘢痕組織が非常に硬い場合はほとんど注入することができず、すべて針穴からヒアルロン酸が漏れることもあります。一昔前にニキビ跡の瘢痕にヒアルロン酸注入だけ行う治療もありましたが、こういう理由でほとんど効果がないためにヒアルロン酸注入だけによるニキビ跡治療が行われないようになった歴史があります。また、最近ではヒアルロン酸のかわりにPRP(多血小板血漿)を使用することで、非常によい治療成果がでています。
まとめ
この記事を通じて、インターネット上で頻繁に検索され、多くの方々の関心事となっている「サブシジョンに効果なし」や「サブシジョンの失敗」というフレーズに対し、エビデンス(医学的根拠)に基づき、サブシジョンの実際の効果と可能性について深く掘り下げて解説しました。しかし、サブシジョンの成功は、適切な医師選びに大きく左右されます。治療の成果を最大限に引き出すためには、十分な剥離と適切なヒアルロン酸注入(またはPRP)を確実に行える技術と経験を持った医師を選ぶことが不可欠です。患者様一人ひとりの状況とニーズに合わせた治療を提供できる、信頼できる医師の下で、サブシジョン治療を検討することで、「サブシジョンに効果なし」や「サブシジョンの失敗」という懸念を乗り越え、望む結果へと導かれる可能性が高まります。この情報が正しい医師選びへの一歩として、ニキビ跡で悩んでいる皆様に役立つことを願っております。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。また、にきびのアグネス、ニキビ跡のサブシジョンを国内ではいち早く治療導入した実績がある。
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2023/10/10
院長ブログトップ > サブシジョン治療で傷跡と深いシワにアプローチ!
サブシジョン治療で傷跡と深いシワにアプローチ!
誰もが持っている過去の傷や深いシワ。これらは自信を失わせることもあるでしょう。でも、最新の治療法でこれらの悩みを解決することが可能です!
ニキビ跡の解決策としてのサブシジョン
以前の記事サブシジョンによるニキビの瘢痕治療【概要編】」で、クレーター状のニキビ跡に対するサブシジョン治療の有効性を触れました。この治療法は、皮膚の下層に発生した瘢痕組織を緩和するもので、ニキビ跡だけでなく、傷跡の瘢痕やシワの治療にも非常に効果的です。
なぜ傷跡は目立つのか?
傷跡が目立つ背後には、傷跡の皮膚表面下の瘢痕組織が存在しており、これが表面を内側に引っ張ることで凹みが生じます。このような傷跡は、ニキビ跡のクレーター瘢痕と似た状態となります。
サブシジョンとヒアルロン酸のダブル効果
青山セレスクリニック/船橋中央クリニックでは、サブシジョンとヒアルロン酸注入の組み合わせ治療を採用しています。この組み合わせにより、傷跡の瘢痕治療に非常に良好な結果を得ているのです。
深いシワへの対応
眉間や額のシワは、表情によるものですが、長い間同じ表情を繰り返すことで、皮膚下の組織が癒着し、瘢痕のように深くなります。浅いシワなら、ボトックスやヒアルロン酸注入で対応できますが、深いシワ、特に男性の眉間や額のシワには、サブシジョンが有効です。
上記写真のような深いシワは従来の方法ではきれいになりません。
青山セレスクリニック/船橋中央クリニックの取り組み
当クリニックでは、豊富な経験と最先端の技術を活かし、サブシジョンの治療法をさらに進化させ、これまで難しかった傷跡やシワ治療に効果的な治療を提供しています。
まとめ
青山セレスクリニック/船橋中央クリニックのサブシジョン治療は、傷跡やシワに悩むすべての方への希望の光となります。最先端の治療で、再び美しい肌を手に入れましょう。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)
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ニキビ跡を見事に治療!サブシジョン治療のクリニック選びの秘訣
サブシジョン, 眉間 しわ, 額 しわ, にきび跡, 傷跡修正治療
2023/10/09
院長ブログトップ > ニキビ跡を見事に治療!サブシジョン治療のクリニック選びの秘訣
ニキビ跡を見事に治療!サブシジョン治療のクリニック選びの秘訣
ニキビの後に残る痕跡や凹みは、多くの人々の心の中に大きな悩みとして存在しています。特にクレーター状瘢痕やアイスピック型瘢痕は、皮膚の表面の美しさを損ねる主な原因となっています。そんなニキビ跡を綺麗にするための魔法のような治療、それが「サブシジョン治療」です。
過去の記事「サブシジョンによるニキビの瘢痕治療【概要編】」では、サブシジョン治療のご紹介、「サブシジョン治療にヒアルロン酸を追加するメリット」では、ヒアルロン酸注入との組み合わせが非常に有効であることをご紹介しました。この記事では、サブシジョン治療で最も適切なクリニックを選ぶためのポイントを詳しく解説します。
サブシジョン治療とその効果
サブシジョン治療は、これらのニキビの瘢痕に対して驚くほどの効果を持つことが最近の研究で明らかになってきました。しかし、残念ながら日本国内の美容皮膚学界では、この治療方法に関する情報がまだまだ少ないのが現状です。その背景には、この治療が一般的な美容治療とは異なり、外科的要素を強く含むからです。そして、外科的手技を要するこの治療を正確に、そして安全に実施するためには医師の外科的な経験が不可欠となるのです。
外科的要素とは?
治療を施す際、皮膚の表面を皮下組織から特殊な針を使って剥がします。この技術は外科手術時の組織の剥離と非常に似ているため、医師にとって外科の経験はこの治療の成否を分ける重要な要素となります。(ちなみに筆者の元神は外科専門医であります)
ヒアルロン酸の魔法
瘢痕部を丁寧に剥離した後、ヒアルロン酸の注入が行われます。ヒアルロン酸は、瘢痕が再び形成されないようにする役割を持ち、さらに、凹んでしまった部分を綺麗に補正します。このヒアルロン酸は、6~12ヶ月の間に少しずつ体内で吸収されていきますが、その期間中に皮膚の周囲の結合組織が生成されることで、治療後も美しい状態が維持されます。
ただし、ヒアルロン酸注入には注意点があります。最初の剥離作業が不十分だと、ヒアルロン酸の注入は難しくなります。なぜなら、硬くなった瘢痕組織は、通常の柔らかい皮下組織とは異なり、ヒアルロン酸を受け入れにくいからです。瘢痕組織が非常に硬いと、ヒアルロン酸が注入できず、すぐに針の穴から漏れてしまうことがあります。
実は、昔はニキビ跡の瘢痕に対してヒアルロン酸の注入だけを試みる治療も行われていました。しかし、上記のような問題点から効果が期待できず、現在ではサブシジョン治療とヒアルロン酸注入のコンビネーションが主流となっています。
クリニック選びのポイント
治療の成功を左右するのは、技術だけでなく使用するヒアルロン酸の量や品質も非常に重要です。それゆえ、クリニック選びは非常に重要となります。サブシジョン治療の経験が豊富で、かつ外科的な背景を持つ医師がいるクリニックを選ぶことで、最も効果的な治療を受けることができます。
まとめ
ニキビ跡の治療は、ただの美容治療以上の専門的な技術や知識を要します。サブシジョン治療とヒアルロン酸注入の組み合わせは、その最先端と言えるでしょう。クリニック選びには十分な注意を払い、最適な治療を受けて、再び美しい肌を手に入れましょう。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)
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2023/10/08
院長ブログトップ > サブシジョン治療にヒアルロン酸を追加するメリット
サブシジョン治療にヒアルロン酸を追加するメリット
ニキビの瘢痕は、多くの人々が悩む問題の一つです。前回の記事「サブシジョンによるニキビの瘢痕治療【概要編】」ではサブシジョンが、瘢痕の改善方法として非常に有効であることをご紹介しました。しかし、最近の研究や実績をもとに、サブシジョン治療にヒアルロン酸を追加することで、さらに効果的な結果が得られることが注目されています。
サブシジョン治療とは
サブシジョン治療は、凹んでしまったニキビの瘢痕を目立たなくする治療法の一つです。この手法では、皮膚の下層の繊維を切り離すことで、皮膚の凹凸を改善します。
ヒアルロン酸とは
ヒアルロン酸は、我々の体内にもともと存在する成分であり、肌の保湿やボリュームアップに役立つことで知られています。美容皮膚科では、しわや凹みの改善、または顔全体のボリュームアップのための注入として用いられます。
サブシジョンとヒアルロン酸の組み合わせ
サブシジョン治療後にヒアルロン酸を注入することで、以下のようなメリットがあります。
- 即時の効果: サブシジョンで皮膚の繊維を切り離した後、ヒアルロン酸を注入することで、即時に皮膚の凹凸を補正できます。
- 持続性の向上: ヒアルロン酸は皮膚内で数ヶ月から1年程度持続します。この期間、皮膚は持ち上がった状態を保ち、自然な結合組織の生成を促進します。
- 安全性: ヒアルロン酸は体内成分のため、アレルギーや副作用のリスクはありません。
治療の流れ
サブシジョン治療を行い、皮膚の下層の繊維を切り離す。
切り離した部位にヒアルロン酸を注入し、凹凸を補正する。
まとめ
サブシジョン治療は、ニキビの瘢痕に対して効果的な治療法です。そして、その効果をさらに高めるためには、ヒアルロン酸の注入を追加することが推奨されます。これにより、即時の効果を得ることができ、さらにその効果の持続性も向上します。私が診療している船橋中央クリニック及び青山セレスクリニックではニキビの瘢痕に悩む方は、この組み合わせ治療を一番推奨しております。
↑サブシジョン治療前
↑サブシジョン治療後
上記は同一人物のサブシジョン治療前後の写真です。サブシジョンとヒアルロン酸との組み合わせ治療で行っております。このように明らかな改善が見られるのがサブシジョン治療の利点です。
千葉の美容整形外科 船橋中央クリニック
東京の美容整形外科 青山セレスクリニック
元神賢太
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ニキビ跡を見事に治療!サブシジョン治療のクリニック選びの秘訣
2023/10/07
院長ブログトップ > サブシジョンによるニキビの瘢痕治療【概要編】
サブシジョンによるニキビの瘢痕治療【概要編】
ニキビは多くの人々が一度は経験する肌のトラブルの一つです。しかし、ニキビそのものよりも、ニキビが治癒した後に残る瘢痕や凹凸が長期間の悩みとなることが少なくありません。特に、顔という露出度が高い部位にこれらの瘢痕がある場合、人々はそのコンプレックスを深く感じることがあります。そんなニキビの瘢痕を改善する治療法として、近年注目を集めているのが「サブシジョン」です。この記事では、サブシジョンという治療法の概要から、その詳細な治療プロセス、メリット・デメリット、そしてアフターケアに至るまでを詳しく掘り下げていきます。
1. サブシジョンとは?
サブシジョンは、凹んでしまったニキビの瘢痕を持ち上げ、目立たなくする治療法の一つです。文字通り、サブシジョンは英語でsubcisionと表記し、「皮下(sub-)の切開(incision)」という意味であり、皮膚の下層である真皮層とその下の脂肪層との間に存在する繊維を切り離すことにより、瘢痕を持ち上げる方法として行われます。
2. サブシジョンの対象となる瘢痕
サブシジョンは、「凹型の瘢痕」に特に効果的です。凹型の瘢痕(scarスカー)には以下のようなタイプがあります。
ローリングスカー: 皮膚の下層にできた繊維が皮膚を引っ張り下げることによって形成される、丸くて広がった瘢痕。
ボックスカー: 鋭い角を持つ、四角い凹みを持つ瘢痕。
アイスピックスカー: 鉛筆の先のように細くて深い穴が開いたような瘢痕。
サブシジョンは、特にローリングスカーに対して高い効果を発揮します。
3. 治療の流れ
事前カウンセリング: まず、患者と医師との間で詳しいカウンセリングが行われます。この際に、治療の適応や期待できる効果、リスク、費用などの詳細が説明されます。
局所麻酔: 治療部位に局所麻酔を施すことで、痛みを最小限に抑える準備が行われます。
治療: 医師は細い針を皮膚の下に挿入し、瘢痕を形成している繊維を慎重に切り離します。このプロセスを繰り返すことで、皮膚の凹凸が整っていきます。
アフターケア: 治療後は、一時的に赤みや腫れが現れることがあります。日焼け止めの使用、直射日光の避けるなどの注意が必要です。
4. サブシジョンのメリット
- 非侵襲的: 大掛かりな手術を必要としないため、回復期間が短い。
- 即時の効果: 一度の治療で顕著な効果が期待できる。
- 繰り返し治療可能: 必要に応じて、何度も治療を受けることができる。
5. デメリットやリスク
一時的な赤みや腫れが生じることがある。
稀に色素沈着や感染、瘢痕の悪化のリスクがある。
6. アフターケアの重要性
サブシジョン後のアフターケアは非常に重要です。日焼けを避け、SPFを含む日焼け止めを毎日塗布すること。また、皮膚を乾燥させないように保湿を欠かさず行うことが求められます。
7. まとめ
サブシジョンは、凹型のニキビ瘢痕に対して高い効果を持つ治療法です。しかし、その効果を最大限に引き出し、リスクを最小限に抑えるためには、十分な情報収集と経験豊富な医師を選ぶことが不可欠です。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。また、にきびのアグネス、ニキビ跡のサブシジョンを国内ではいち早く治療導入した実績がある。
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ニキビ跡を見事に治療!サブシジョン治療のクリニック選びの秘訣
2022/08/02
院長ブログトップ > 背中のニキビ跡にはケミカルピーリング
背中のニキビ跡にはケミカルピーリング
背中のニキビ跡にケミカルピーを行ったモニター写真を紹介します。
上記:背中ケミカルピーリング施術前
上記:背中5回ピーリング施術後3週間の状態
治療中にも新しいニキビができたため、アフター写真では所々炎症が強い部分もありますが、全体的なニキビ跡は改善しています。
背中のニキビ跡は顔のニキビ跡と違って、非常に治療が難しいのですが、その中でも唯一当院のケミカルピーリングが有効と考えます。
効果を実感できるためには治療回数は5回~10回くらいかかりますが、根気よく治療を重ねれば必ず改善します。
このモニター様も下記アンケートにように効果を実感されました。
背中のニキビ跡には当院のケミカルピーリングをおすすめします。
ケミカルピーリングについては美容HP
「ケミカルピーリング」もご欄ください。
千葉の美容整形外科 船橋中央クリニック
東京の美容整形外科 青山セレスクリニック
元神賢太
ケミカルピーリング, ピーリング, にきび 背中, にきび跡
2022/02/22
院長ブログトップ > 新しいニキビ跡治療「サブシジョン」とは
新しいニキビ跡治療「サブシジョン」とは
クレーター状のニキビ跡に有効なサブシジョン治療について動画解説しましたので、ご欄ください。
今まででニキビ跡治療と違って、直後より効果を実感できます!
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ニキビ跡を見事に治療!サブシジョン治療のクリニック選びの秘訣
サブシジョンについては
船橋中央クリニック・青山セレスクリニック「サブシジョン」もご参照ください。
美容整形外科・美容皮膚科
千葉・船橋中央クリニック
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元神賢太
2015/04/14
院長ブログトップ > クレーター状のニキビ跡
クレーター状のニキビ跡
クレーター状のニキビ跡も治療が可能です。
治療ができること自体をご存じないかたも多く、あきらめているかたが多いのが現状です。
当院では、フラクショナルレーザー及びダーマローラー(ダーマペン)で治療をしております。また、深いクレーターでは、合わせて炭酸ガスレーザーでクレーターの角を滑らかにする治療も行っています。
クレーター状のニキビ跡は1回の治療で劇的に改善するものではなく、根気よく通院をしていただく必要がありますが、治療を継続していただければ必ず良くなる治療です。
ニキビ跡で悩んでいる方は是非ご相談ください。
下記当院でフラクショナルレーザーを受けたモニター患者様です。
写真:治療前。かなり深いクレーター状のニキビ跡があります。
写真:炭酸ガスレーザー、フラクショナルレーザーを組み合わせて、5回治療したアフターです。
深いクレーターはかなり改善しているのがわかると思います。
さらに治療回数を重ねていただけると、もっと改善します。
船橋美容HP「フラクショナルレーザー」
青山美容HP「ダーマローラー」もご参照ください。
美容整形外科・美容皮膚科
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東京・青山セレスクリニック
元神賢太
にきび, にきび跡, ダーマローラー, フラクショナルレーザー
2013/04/20
院長ブログトップ > 最新フラクショナルレーザー導入しました(新製品情報)
最新フラクショナルレーザー導入しました(新製品情報)
最新のフラクショナルレーザー「モアセルmore-xel」を導入しました!
日本では当院含めて3台のみです。
現在導入と特別価格です。
詳細はお問い合わせください!
以上船橋中央クリニック新製品・新着情報でした!
フラクショナルレーザーについては
船橋美容HP「フラクショナルレーザー」
青山美容HP「フラクショナルレーザー」をご参照ください。
美容整形外科・美容皮膚科
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元神賢太
新製品, 船橋新製品, にきび跡, フラクショナルレーザー
2011/11/22
院長ブログトップ > にきび跡にはダーマローラー
にきび跡にはダーマローラー
にきび跡はこれまで、なかなか決定的よい治療がありませんでしたが、昨年頃より始めたダーマローラーによる治療が一定の成果をあげ、患者様に積極的にすすめられる治療として確立しましたので、ここでご紹介したいと思います。
ダーマローラーとは、微細な針が付いたローラーで、皮膚のコラーゲン再生を目的として作られた医療用器具です。
この針は、1mm程度ですが、この針で皮膚をローリングするのです。
すると、そこの皮膚は、ダメージをうけ、微細な出血が起こります。
このダメージを受けた皮膚と出血から、ご自身の皮膚の再生がはじまり、治療前よりニキビ跡のくぼみが改善されるのです。
原始的な治療方法に見えますが、これがなかなかいいのです。
3~4週間に1回に間隔で、6回受けるコースをおすすめしています。
船橋美容HP「ダーマローラー」
青山美容HP「ダーマローラー」もご参照ください。
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元神賢太
2011/05/31
院長ブログトップ > ケロイド状になったニキビ跡
ケロイド状になったニキビ跡
ニキビというのは、御存じのように非常にやっかいなものです。
最初に活発に出てきた時は赤みなどニキビ自体に悩まされます。
その後、ニキビが落ち着いてきても、にきび跡が残ることがあり、さらに悩まされます。
ニキビ跡も、皮膚がクレーター状に皮膚にくぼみを残すタイプもあれば、皮膚がケロイド状に盛り上がって跡を残すタイプがあります。くぼみを残すタイプには、針上に小さな穴を残すような場合もあります。
今回ご紹介するのは、ケロイド状のニキビ跡です。ケロイドというのは、本来の傷跡やニキビ跡よりも拡大して、その跡が硬く盛り上がってしまう傷跡のことです。
このような場合は、ストロイド注射(ケナコルトというステロイド)を局所注射することで、平らにしていく治療を行います。局所注射とは、ケロイド状の皮膚に直接注射するということです。
2010年2月25日、治療前の状態
(写真内の赤丸を含めて、全ての盛り上がっている部位に注射)
2010年5月7日、1回注射後(2回目の直前)
2010年7月28日、2回注射後(3回目の直前)
2011年4月21日、3回注射後
ご覧のように、少しずつ盛り上がりが小さくなっているのがわかると思います。ステロイドの副作用として、注射部位の赤みが出ることがあります。上記の写真でも赤みが少し出ていますが、これは、年月をかけて少しずつ薄らいでいきます。
ステロイドは強い薬ですが、間隔をあけて、慎重に注射すれば、全身の副作用が現れることはまずありません。
この写真のように、ケロイド状のニキビ跡には、ステロイド注射をおすすめします。注射だけの治療ですので、5分程度で終了します。
ケロイドの治療については
船橋美容HP「リストカット・根性焼き・傷跡・ケロイド・擦り傷」もご参照ください。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。また、にきびのアグネス、ニキビ跡のサブシジョンを国内ではいち早く治療導入した実績がある。
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ニキビ跡を見事に治療!サブシジョン治療のクリニック選びの秘訣
にきび, 男の美容整形, ケナコルト注射, ケロイド, ステロイド注射, にきび跡
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責任者:元神賢太
最終学歴:H11年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H15年船橋中央クリニック開業
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東京都港区北青山2-7-26
ランドワーク青山ビル7F
(旧ヒューリック外苑前ビル)
責任者:高林洋一
最終学歴:S43年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H28年青山セレスクリニック管理者