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【ニキビとストレスの関係】科学的根拠に基づいた解説NULL

2024/03/13

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【ニキビとストレスの関係】科学的根拠に基づいた解説

日常生活の中で、ストレスが皮膚トラブルの原因になっていることは皆さんが経験したことがあるかもしれません。実際、ストレスがニキビの大きな要因の一つであるということは、多くの方々が何となく感じています。しかし、一体どのようにしてストレスがニキビを引き起こすのでしょうか?このブログでは、最新の医学研究に基づいた証拠を元に、ニキビとストレスの密接な関係について、詳しく深堀りしていきます。

ストレスが体に及ぼす影響:HPA軸の活性化

ストレスを感じた際、人間の体は精緻なホルモンシステムである「視床下部-下垂体-副腎系(HPA軸とも呼びます)」を通じてストレスホルモンのコルチゾールを分泌します。この過程は次のように進行します。

1.視床下部の反応(hypothalamic)

ストレスを感じると、脳の視床下部(hypothalamic)はコルチコトロピン放出ホルモン(副腎皮質放出ホルモンとも言う)(CRH)を分泌します。これはストレス応答の最初の段階です。

2.下垂体の活動(pituitary)

CRHは下垂体にシグナルを送り、下垂体(pituitary)はこれに反応して副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を分泌します。下垂体は脳の基部に位置する小さな腺で、体の様々なホルモンシステムを制御します。

3.副腎の反応(adrenal)

ACTHは血流を通じて副腎(adrenal)に到達します。副腎は腎臓の上に位置する小さな器官で、ACTHの到達によってコルチゾールの生産を開始します。

4.コルチゾールの分泌:

副腎皮質から分泌されたコルチゾールは、体のさまざまな部分に影響を与え、ストレス応答に関連するさまざまな反応を引き起こします。これには、血糖値の上昇、免疫系の抑制、代謝の調整などが含まれます。

このHPA軸は、体がストレスに反応して適応するための基本的なメカニズムです。

出典元:HPA軸

HPA Axis in the Pathomechanism of Depression and Schizophrenia: New Therapeutic Strategies Based on Its Participation

ストレスがニキビを引きおこすメカニズム

ストレスがニキビを引き起こすまたは悪化させるメカニズムは、主に2つの経路を通じて発生します。

1.CRH(コルチコトロピン放出ホルモン)経路:

視床下部より分泌されるCRH(コルチコトロピン放出ホルモン)は皮脂腺の脂質産生とステロイド生成を促進し、にきびの一因となります。研究によると、にきびを発症した皮膚の皮脂腺におけるCRH発現の増加が示されており、一方正常皮膚ではCRHの発現が低いことが分かっています。このことからCRHはニキビの炎症過程に関与していると考えられています。また、CRHは、皮膚表面の角化細胞(ケラチノサイト)におけるサイトカインIL-6およびIL-11の産生を誘導し、ニキビの病因における重要な要素であると考えられている炎症に寄与しているとされています。

参照元:

Involvement of the corticotropin‐releasing hormone system in the pathogenesis of acne vulgaris

2.末梢神経からの神経伝達物質

ストレスに反応して、末梢神経はサブスタンスPや血管腸管ペプチドと呼ばれる神経伝達物質を放出します。サブスタンスPは、皮脂腺の増殖と分化を促進し、脂質合成を増加させることでニキビを悪化させる可能性があります。

炎症ニキビにおけるCRHとサブスタンスP

出典元:

The Role of Inflammation in the Development of Acne

このように中枢神経系と末梢神経系の2つの経路でストレスはニキビにおける脂質合成を増加させ、ニキビを悪化させます。

ストレスとニキビ発生の謎

ストレスの影響により、視床下部から分泌されるCRH(コルチコトロピン放出ホルモン)は、ニキビがある皮脂腺で増加する傾向にありますが、同一人物のニキビがない正常な皮脂腺では、CRHの増加は見られません。これは、CRHがニキビの悪化に一定の役割を果たしている一方で、CRHが正常な皮膚におけるニキビの初期発生に直接関与していない可能性を示唆しています。ストレスとニキビの初期発生の関係性については現在の研究では明確には解明されていません。ストレスとニキビの発生の関係については、さらなる研究と解析が必要です。

出典元:

Involvement of the corticotropin‐releasing hormone system in the pathogenesis of acne vulgaris

ストレスは精神的なものだけない

これまで話してきたニキビを悪化させるストレスですが、これは精神的なストレスだけがニキビを悪化させるわけではありません。皮膚や体への直接的な物理的なストレスもニキビを悪化させるのです。環境的な要因、例えば気温、大気、日差しなどが皮膚にストレスを与え、それによって末梢神経が刺激され、ストレスホルモンの分泌が引き起こされる可能性があります。これらのストレスホルモンはニキビの悪化に寄与することがあります。また、ストレスが交感神経系を優位にし、それによって腸内環境や腸管の蠕動運動に影響を及ぼすこともあります。その結果、便秘などの問題が生じ、ニキビの状態を悪化させる可能性があるのです。このように、ニキビの悪化には、精神的、物理的、環境的ストレスが影響していることがわかります​。

出典元:

Oxidative stress and skin diseases: possible role of physical activity

ニキビを予防するためのストレスの解消法

ニキビの予防に役立つストレス解消法を紹介しましょう。日々の忙しさの中で、ストレスを管理し解消することは、心の安定と肌の健康を保つために不可欠です。簡単に取り入れられる次の方法を試してみてください。

■運動

日常の運動はストレス解消に大いに役立ちます。散歩やジョギングなど、体を動かすことでストレス緩和につながり、幸福感を高めるホルモンの分泌が促されます。

■健康的な食生活

果物や野菜、全粒穀物を含むバランスの取れた食事は、身体と心の両方を労わることに繋がります。栄養価の高い食事は消化時の身体的なストレスを軽減する助けとなります。

■ 不健康な習慣からの脱却

ストレスに対抗するためには、カフェインやアルコールの過剰摂取、喫煙、過食、違法薬物の使用など、健康を損なう習慣を避けることが重要です。これらの習慣は、長期的にストレスレベルを上昇させることがあります。

■ ヨガと瞑想で心を静める

心の平穏を取り戻すためにヨガや瞑想を取り入れると効果的です。瞑想は精神的な安らぎをもたらし、ヨガは心身のリラクゼーションを促進します。深呼吸を行うことも、瞑想効果を得るための簡単な手段です。

■ 笑いでストレスを軽減

笑うことで心の負担を軽減し、気分を向上させることができます。ユーモアを日常生活に取り入れ、積極的に笑うことで、ストレスによる心身の影響を和らげましょう。

■ 人間関係の強化

ストレスが高まる時、孤独に陥りがちですが、家族や友人との繋がりを保つことで、心の安定と支えを見つけることができます。人との交流はストレスの解消に役立ちます。

■ 自己主張の重要性

 すべてを一人でこなそうとすると、ストレスが増大します。適切な境界を設け、「ノー」と言う勇気や、他人への委任の重要性を学びましょう。

■ 睡眠の質の向上

ストレス解消によい睡眠

ストレスは睡眠の質に影響を及ぼすことがあります。安定した睡眠パターンを確立し、毎晩7~9時間の睡眠を確保することで、心身のリフレッシュと回復を図りましょう。

■ 音楽と趣味で心を癒す

音楽を聴いたり演奏したりすることは、心をリフレッシュし、ストレスを軽減する効果的な手段です。また、ガーデニングや読書などの趣味に没頭することも、心の落ち着きを取り戻し、日々のストレスから解放される良い方法です。

■ カウンセリングの活用

 ストレスが深刻で、自己管理が困難な場合は、専門家によるカウンセリングを受けることも効果的です。専門家は、ストレスの根本原因を理解し、それに対処する新たな手段を提供してくれます。

にきびとストレスについてよくあるご質問

Q:ストレスによるニキビの特徴は?

A:ストレスによるニキビは「大人にきび」と言われるニキビで、働き盛りの女性によくみられ、長く続くニキビであることが特徴です。ニキビの種類は主に炎症性ニキビ(白赤ニキビ)です。月経前に再燃するのが典型的な特徴です。

Q:ストレスでニキビが出来る場所は?

A:口のまわりや顎に多いのが特徴です。

Q:腕にニキビができる原因はストレスですか?

A:腕にできるニキビはマラセチア毛包炎というニキビの可能性が高く、ストレスよりも真菌の増殖による可能性が高いです。

Q:ニキビを気にしすぎるとストレスになりますか?

A:ニキビが多い人はストレスを大きく感じているという研究データは多数あります。このためニキビはストレスの要因になることが一般的です。

Q:ストレスでニキビが治らないのはなぜ?

A:ストレスを感じた時に分泌されるホルモンが皮脂腺から皮脂を増加させるという科学的な研究があります。皮脂腺の増加はニキビが治らない要因となります。

Q:ストレスでニキビは悪化しますか?

A:ストレスがニキビを悪化させるということは科学的な研究からも明らかになっています。

Q:急な肌荒れはストレスが原因ですか?

A:ストレスは肌荒れの要因となります。ストレスを感じたときに分泌されるコルチゾールというホルモンは皮膚の炎症を引き起こしやすくなりますので、急な肌荒れはストレスが原因になっていることもあり得ます。

Q:赤ニキビの原因はストレスですか?

A:赤ニキビは炎症性にきびであり、面皰(白にきびや黒ニキビ)が悪化した結果です。にきびの悪化にストレスが要因になっていることもあります。

Q:ストレスニキビの対策は?

A:まずはニキビの治療を優先すべきです。ニキビの治療ではアグネスを最も推奨します。アグネスによるニキビ治療でば再発しないからです。治療と同時にストレスが解消されるに日々の生活改善に取り組むべきです。

Q:ほっぺ、眉間、おでこにできるニキビはストレスが原因ですか?

A:あらゆるニキビがストレスが原因で発生する可能性があります。ただし、ニキビの要因はストレスだけでありません。ホルモンの変化や家族歴、食生活などがニキビの要因となり得ます。一般的には大人になってからのストレスによるニキビは顎や口の周りに出来やすいと言われています。

まとめ

この記事では、ストレスがニキビの発生や悪化に与える影響について、最新の医学論文をもとに詳細かつ分かりやすく解説してきました。内容は複雑かもしれませんが、これらは最新かつ正確な情報に基づいています。また、日常生活で実践可能なストレス解消法もご紹介しました。これらの知識を活用し、ニキビ予防に役立てることで、ストレスを上手にコントロールし、皮膚の健康を守りましょう。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。

【関連項目】

万能のニキビ治療「アグネス」のご相談はこちら

ニキビ治療「アグネス」の効果とデメリット

ベストのニキビ治療、それはアグネス!

にきびのアグネス治療の写真

 

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