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「胸のニキビ」についての記事まとめ

2024/02/29

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【胸・デコルテにできる様々なブツブツ】原因と対策と治療法

胸・デコルテのニキビ、ブツブツの予防方法

女性の胸やデコルテに現れる様々なブツブツは、ただの肌のトラブルに留まらず、自信を失わせることもあります。これらは、しばしば視覚的な不快感を引き起こし、社交的な場面における自己表現や男性との交流にも影響を及ぼすことがあります。この記事では、女性の胸周囲やデコルテに出現するこれらのブツブツの原因を深く掘り下げ、効果的な対策と治療方法を詳細に解説し、皮膚の健康と美しさを保つためのヒントを提供します。

女性の胸周囲にブツブツがたくさんできる理由

女性のデリケートな胸周囲やデコルテにおいて、多く見られるブツブツの発生には、その特有の環境要因が深く関わっています。このような環境要因の中でも、特にブラジャーの使用による影響が大きいと言えるでしょう。特に、サイズが合っていない下着は、谷間やアンダーバスト(下乳)に不必要な摩擦を引き起こし、その結果、イボやニキビといった船のブツブツの一因となります。また、バスト自体が皮膚トラブルを起こしやすい特性を持つことも、胸のブツブツが頻繁に発生する原因の一つです。特に、女性の胸の谷間部分は、他の部位と比べて発汗が多く、温度と湿度が高い状態になりがちです。このような高温多湿の環境は、「胸にきび」の主原因とされているマラセチア(一種のカビ)の増殖を促し、あせもの発生を引き起こすことがあります。

胸・デコルテにできるブツブツや肌のトラブルの種類

胸部に生じる様々なブツブツや皮膚のトラブルには、いくつかの顕著なタイプがあります。これらには、「胸にきび」として知られるもの、発汗による「胸のあせも」、色の異なるイボ(「茶色のイボ」や「赤いイボ」)などが含まれます。さらに、「胸汗によるトラブル」という形で現れる悩みも見受けられます。以下より、これらの各トラブルについて、一つ一つ丁寧に詳細を解説していきます。特に、これらの皮膚トラブルがどのようにして発生するのか、その特性や原因を深く掘り下げ、理解を深めることが重要です

■胸ニキビ

胸のデコルテのニキビの正体とは
胸やデコルテに現れるニキビ、一般に「胸ニキビ」と称される状態は、真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)であることが多く、これは顔に現れる一般的なニキビとは異なる特徴を有します。この真菌性ニキビの原因は、皮膚に常在するマラセチア真菌が毛穴内で過剰に増殖し、それに伴う炎症によるものです。胸元は、下着による摩擦やその締め付けによって毛穴が損傷したり、下着と皮膚との間の高温多湿な環境が形成されやすいため、このような真菌(マラセチア)が増殖しやすい状況となります。これらの要因が複合的に作用し、胸やデコルテにマラセチア毛包炎という特有のニキビが発生するのです。

■胸のあせも

胸部とデコルテ領域は、特にあせもが発生しやすい環境にあります。この事実は、特に胸の谷間やアンダーバスト(下乳)のように、皮膚が互いに密接に接触する傾向がある部位において顕著です。これらの部位では、汗と熱がこもりやすくなり、結果として汗腺の正常な機能が妨げられることがあります。さらに、バストサイズが大きい方や肥満体型の方では、これらのエリアでの発汗量が通常よりも多くなる傾向があります。これは、体内の熱が皮下脂肪の存在によって外部に放出されにくいことが一因とされます。こうして大量の汗が一箇所に留まると、汗腺が詰まり、あせもの発生に繋がるのです。

■胸の茶色のイボ

デコルテのできたイボ
胸部に現れる茶色いイボ、一般に「アクロコルドン」と呼ばれるものは、スキンタグ、老人性イボ、軟性線維腫とも称されます。これらのイボは、皮膚の色に近いか、または茶色をしており、その発生機序は完全には明らかになっていませんが、一般的には皮下脂肪が薄い部位や、加齢とともに摩擦が生じやすい皮膚でより発生しやすいとされています。特にアンダーバスト(下乳)、谷間、デコルテといったエリアは、皮膚同士の接触や下着による摩擦が頻繁にあるため、アクロコルドンが生じやすい部位と言えます。また、バストが大きい方では、これらのイボが胸周囲に多数現れる傾向があります。

■胸の赤いイボ

胸元に多発する赤いブツブツ

胸やデコルテに見られる赤いイボは、一般に「老人性血管腫」と呼ばれ、皮膚の老化に伴い現れる非常に一般的な現象です。この赤いイボは、加齢に伴って全身に生じることがありますが、特に胸やデコルテに集中して多発することも珍しくありません。通常、これらの胸の赤いイボは無症状であり、健康上の害はほとんどないとされていますが、摩擦によって出血することがあるため、注意が必要です。

■胸汗のトラブル

胸の谷間やアンダーバスト部分は、他の体部位に比べて特有の環境を持ち、これが汗のトラブルを引き起こしやすい要因となっています。特に胸の谷間は他の部位よりも高温になることは医学的に確認されており、エクリン腺(汗腺の一種)の活動が他の部位よりも活発であるとされております。加えて、胸部は特に、下着や衣服によって覆われることが多く、特にバストが大きい場合には皮膚同士の接触が増え、その結果として密閉された状態になりやすいです。このような状況は、熱と湿度がこもりやすく、汗が分泌されやすい環境を形成します。これらの条件が重なることで、胸汗に関連した多汗症といった悩みを生じさせます。

胸の谷間は高温

↑胸の谷間部分だけ高温になることを確認した医学論文の中の図

出典元:

Regional sweat rates in humans

胸やデコルテのブツブツの治療

胸やデコルテのブツブツ治療において、まず最も重要なのは、適切かつ正確な診断を行うことです。特に、胸ニキビに関しては、顔のニキビに用いられる一般的な薬剤が効果を示さないため、適切な対処が遅れることで症状が悪化することは珍しくありません。以下では、胸・デコルテに生じる様々なブツブツについて、それぞれの状態に合わせた治療方法を解説していきます。

■胸やデコルテのブツブツがニキビである場合

胸やデコルテのブツブツがニキビである場合、その治療には特別なアプローチが求められます。特に注目すべき治療法として、「アグネス」という方法が推奨されます。アグネスは、さまざまな種類のニキビに対して効果的であり、その即効性が大きなメリットとなります。アグネスは、特に皮膚表面の問題を迅速に解決するためのものであり、多くの患者に対して好結果をもたらしています。さらに、胸のニキビがマラセチア毛包炎によるものである場合、アグネス治療と並行して抗真菌薬の使用を推奨します。この二つの治療法を併用することで、ニキビの原因となる真菌の増殖を抑制し、より効果的にニキビを治療することが可能になります。このように、胸やデコルテのニキビに対しては、その原因と特性を正確に把握し、それに適した治療法を選択することが、美しいバストの肌を取り戻す鍵となります。

■胸やデコルテのブツブツがイボの場合

胸やデコルテに現れるブツブツがイボの場合、その治療方法として炭酸ガスレーザーの利用が推奨されます。赤いイボであれ、茶色のイボであれ、炭酸ガスレーザーによる治療は、跡が残りにくく、肌をきれいに回復させる効果が期待できます。ただし、炭酸ガスレーザーによる治療は保険診療の対象外ですので、イボをきれいに除去し、美しい肌を取り戻したい場合には、美容皮膚科や美容外科の受診をおすすめします。美容の専門医は、炭酸ガスレーザー治療に関する豊富な経験と知識を有しており、患者の肌の状態に応じた最適な治療法を提供します。

■胸やデコルテのブツブツの原因があせもや胸汗の場合

胸とデコルテのブツブツやトラブルやがあせもや胸汗に起因する場合、これらの症状の根本的な原因は多汗症にあることが多く見受けられます。胸の多汗症に対する治療法として、特に推奨されるのがボトックス注射です。ボトックス注は、多汗症に対して高い効果を発揮し、約6か月間にわたる発汗抑制効果をもたらすします。ボトックスは、エクリン汗腺の過剰な活動を抑制する作用があり、これにより過度の発汗を効果的にコントロールすることができます。ボトックス注射による治療は、短時間で行うことが可能であり、治療後も日常生活に全く制限が起こらないという利点があります。

胸やデコルテのブツブツの予防

胸やデコルテのブツブツを予防するためには、その原因を理解し、適切な対策を講じることが不可欠です。胸ニキビの一因であるマラセチア毛包炎、あせも、そして胸汗による肌トラブルは、主に胸部の過度な汗やその放置が原因となります。また、ブラジャーのサイズが合っていないことによる慢性的な摩擦も、イボやあせもを引き起こす重要な要因です。従って、胸やデコルテのブツブツの発症を予防するためには以下が重要です。

1.適切なサイズのブラジャーの選択

胸やデコルテのブツブツを予防する第一歩として、適切なサイズのブラジャーを選択することが非常に重要です。サイズが小さすぎるブラジャーは、肌に対する不必要な摩擦や圧迫を引き起こし、あせも、胸汗、ニキビ、アクロドン(イボ)の原因となる可能性があります。反対に、大きすぎるブラジャーもまた、肌同士の適切な隔離を行えず、同様にあせもやニキビを引き起こす原因になり得ます。適切なサイズと快適なフィット感を備えたブラジャーを選ぶことにより、下着と皮膚、または皮膚同士の不必要な摩擦を防ぐことが可能になります。これは、胸やデコルテのブツブツの発生を効果的に予防するための基本的かつ重要なステップとなります。

2.通気性の良いブラジャーの選択

胸やデコルテのブツブツを予防するうえで、ブラジャーの通気性も非常に重要な要素です。サイズの選定と同じくらい、どのような素材や設計のブラジャーを選ぶかが肝心です。穴あきメッシュ仕様のカップや裏地、吸水速乾性に優れた素材、薄手のレース生地を使用したブラジャーは、通気性を高め、快適な着心地を提供します。通気性が悪いブラジャーを長時間着用すると、ブラジャー内部に高温多湿の環境が生まれやすくなります。このような環境は、胸やデコルテにブツブツができるリスクを高めることになります。したがって、日々の下着選びにおいて、通気性を意識することは、胸やデコルテのブツブツや他の皮膚トラブルを予防する上で効果的な対策となります。

3.ノンワイヤーブラジャーの選択

胸やデコルテのブツブツを予防するうえで、ノンワイヤーブラジャーの選択は重要な役割を果たします。ワイヤーが入っていないノンワイヤーブラジャーは、特に胸の下の部分やワイヤーが接触する部位において、摩擦や汗が生じるリスクを軽減します。ワイヤーのないデザインにより、圧迫感が少なくなり、肌への優しさと快適な着用感が向上します。これにより、肌の摩擦や過度な発汗を抑え、ブツブツの発症を予防する助けとなります。ただし、ノンワイヤーブラジャーはワイヤーブラジャーに比べてホールド力が低い場合があります。そのため、フルカップタイプの選択や、涼しい日にはワイヤーブラジャーを選ぶなど、自分のバストの状態や活動に合わせて適切なバランスを取ることが大切です。

 

4.こまめな汗の拭き取りや汗吸収パッドや汗拭きシートの活用

胸やデコルテのブツブツ予防において、汗の管理は非常に重要です。汗を放置することは、胸ニキビや胸のあせもの直接的な原因となり得るため、特に注意が必要です。この問題を効果的に解決するためには、汗吸収パッドや汗拭きシートの積極的な活用が推奨されます。例えば、汗吸収パッドをブラジャーの下や谷間に挟むことで、肌と肌の直接的な接触を減らし、発汗を効果的にコントロールします。これにより、汗による不快感や皮膚トラブルのリスクを軽減することが可能です。また、日中の活動中や運動後など、汗をかいた際には汗拭きシートで素早く汗を拭き取ることが重要です。

5.正しいシャワーの活用法

胸やデコルテのブツブツを予防する上で、日々の清潔習慣、特にシャワーの正しい使い方は非常に重要です。胸ニキビやあせもの予防には、身体を清潔に保つことが不可欠です。特に、大量に汗をかいた後は、帰宅後すぐにシャワーで汗や汚れを洗い流すことをお勧めします。これは、マラセチア毛包炎の増殖を抑え、あせもを予防するために効果的です。また、シャワーを浴びる際は、石けんを十分に泡立て、肌に優しく洗うことが肝心です。肌を強くこすることは避けてください。強くこすり過ぎると、皮膚の天然の保護層であるバリア機能が損なわれ、結果としてマラセチアの増殖やあせものリスクを高めてしまう可能性があります。

6.毛の処理

胸やデコルテのブツブツ予防において、毛の処理方法にも注意が必要です。剃毛や毛抜きを用いた毛の除去は、しばしば毛穴への損傷や刺激を招く可能性があり、これが胸ニキビ(マラセチア毛包炎)の原因となることがあります。特に胸周囲のムダ毛が気になる場合、より肌に優しい処理方法としてレーザー脱毛の受診をおすすめします。レーザー脱毛は、肌表面を傷つけることなく、毛根に直接作用するため、毛穴へのダメージを大きく軽減します。また、長期的な効果を期待できるため、繰り返しの処理による肌への負担も減少します。

7.スキンケア用品や制汗剤の使用後は注意

胸やデコルテのブツブツ予防におけるスキンケア用品や制汗剤の使用は、注意を要するポイントです。多くの女性が胸汗に対処するために制汗スプレーを使用したり、肌のケアとしてボディクリームを塗ることがあります。こうした製品の使用は一般的ですが、重要なのはこれらの製品が肌に残ることで毛穴を詰まらせ、ニキビやあせもの原因になり得るという点です。日々のスキンケアでは、使用した製品による肌の汚れを適切に洗い落とすことが不可欠です。たとえスキンケア用品であっても、その成分が蓄積することで、マラセチアの増殖を促進させたり、毛穴を詰まらせたりする原因となります。したがって、1日1回は必ずシャワーを浴び、スキンケア用品の残りを丁寧に洗い流すことが大切です。また、肌に優しい製品を選び、過度の使用を避けることも重要な予防策の一つと言えます。

まとめ

胸、デコルテのブツブツが解消した女性

このブログでは、胸やデコルテに現れる様々なブツブツの原因、治療方法、そして予防策について、詳しくご紹介してきました。特筆すべきは、これらの皮膚トラブルが、胸部特有の高温多湿な環境と汚れが残りやすい状態に密接に関連しているという点です。そのため、胸やデコルテのブツブツの予防には、適切な下着の選択やこまめな汗の拭き取り、正しいシャワーの使用方法など、日常生活のさまざまな習慣が重要となります。美しい胸元とデコルテを保つためには、日々の小さなケアが不可欠です。このブログが、皆様の肌の健康を支え、美しさを保つための一助となれば幸いです。

【関連項目】

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。

【関連項目】

胸のニキビ治療「アグネス」の相談こちらから

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【胸やデコルテのニキビ】原因と効果的な治療法の全貌

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谷間の汗、胸の汗が多い理由と対策について

 

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2024/02/24

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【胸やデコルテのニキビ】原因と効果的な治療法の全貌

胸とデコルテのニキビに悩む女性

私たちの皮膚は、体の各部位で異なる特性を持っています。特に胸やデコルテのバスト周囲のエリアでは、赤みを帯びたブツブツが見られることがあり、これらは一般的に胸ニキビとして認識されます。しかしながら、胸のニキビは、顔にできるものとは病態が異なることが多いのです。顔のニキビと同じ治療法を適用したとしても、なかなか改善しないことが一般的です。そこで、この記事では、多くの方々が直面する胸やデコルテの赤いブツブツの要因となっているニキビに関して、正確な知識と効果的な治療法を深掘りしてご紹介いたします。

胸のブツブツはニキビ?

胸やデコルテなどのバスト周囲に見られるブツブツは、様々な要因により発生する可能性があります。当記事の主題であるニキビ以外にも、血管腫あせもなど、異なる皮膚の状態が原因であることがあります。多くの場合、胸のニキビでも顔のニキビと似た外見をしているため、一見してニキビと見分けることが可能です。しかしながら、外見が似ていても、胸やデコルテのニキビが顔のニキビとは異なる原因によるものであることが多く、その治療や経過にも違いがあります。したがって、胸のニキビは見た目だけでなく、発生原因や特徴を正確に理解し、適切なケアを行うことが重要です。

胸のニキビは実はニキビじゃない??

一般的にニキビとされる病態は、医学用語で尋常性痤瘡と呼ばれ、アクネ菌(ニキビ菌)という皮膚の常在菌が毛穴や皮脂腺で異常に増殖し、炎症を引き起こすことによって発生します。しかし、胸やデコルテに現れるニキビと見られる症状は、実は異なる原因による場合が多いのです。特に、胸やデコルテの部位に現れるニキビ様の症状は、従来のアクネ菌が原因ではなく、マラセチアという真菌、つまりカビの一種が原因で発生することが多いのです。この真菌によって引き起こされる炎症は、医学的にはマラセチア毛包炎、または真菌性ニキビ(真菌性座瘡)と呼ばれています。この事実は、胸やデコルテのニキビ治療において重要な意味を持ちます。一般的なニキビ治療法が効果を発揮しない場合、その原因は真菌性である可能性があり、適切な診断と治療法の選択が必要になります。

真菌性ニキビ:マラセチア毛包炎とは

胸のデコルテのニキビの正体とは

マラセチア毛包炎は、マラセチアという特定の真菌(カビ)が毛穴(毛包)に感染することで生じる皮膚の炎症状態です。この状態は、一般的なニキビ(座瘡)と見た目が似ており、しばしば混同されることがあります。マラセチア毛包炎、別名「真菌性ニキビ」とも呼ばれ、肌に小さな赤い隆起(丘疹)やかゆみを引き起こす特徴があります。この疾患は時に、膿を含んだ白ニキビのような状態(膿疱)へと進行することもあります。

出典元:

What leads to Breast Acne? Check Out the 8 Most Prominent Factors

胸の真菌性ニキビと通常のニキビの違い

胸やバスト、デコルテに発生する真菌性ニキビ(別名:真菌性座瘡、マラセチア毛包炎)は、見た目では通常のニキビ(別名:尋常性座瘡)と非常に似ており、容易に混同されがちです。「尋常性」という言葉は「普通」を意味し、この用語は一般的なニキビを指します。通常のニキビは、毛穴(毛包)が皮脂や古い角質(垢)で詰まり、その中でアクネ菌(ニキビ菌)が増殖することにより発生します。一方で、真菌性ニキビは毛穴内の真菌(カビ)の増殖によって発生する感染症です。この二つのニキビの最大の違いは、真菌性ニキビにはかゆみを伴う場合があるのに対し、通常のニキビ(尋常性座瘡)にはかゆみがないという点にあります。また、真菌性ニキビでは一般的なニキビではあまり起こらない、皮膚の灼熱感や疼痛も感じることがあります。

胸のニキビケアの鍵:正しい識別と対処法

胸・デコルテのニキビケアにおいて最も重要なのは、一般的なニキビと真菌性ニキビを正確に区別することです。この2つのニキビは薬が異なるため、適切な診断は治療の鍵となります。また特に重要なのは、胸のニキビにおいては、両方のタイプが同時に発生する可能性もあります。真菌性ニキビと一般的なニキビが同時に存在する場合、それぞれに効果的な薬と治療法を組み合わせることが必要になります。

胸の真菌性ニキビによるブツブツが発生しやすい人は?

真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)は、特定の条件や生活習慣を持つ人々において発生しやすい傾向があります。特に、脂性肌の人や思春期から青年期の男女に多く見られます。真菌(カビ)は、特に暖かく湿った環境や汗をかいた皮膚で急速に増殖することが知られています。胸の真菌性ニキビの発生のリスクファクターは以下の通りです。これらの要素は、真菌の増殖に最適な条件を作り出すため、真菌性ニキビのリスクを高める可能性があります。

・高温多湿な気候に住んでいる人

・免疫力が低下している人

・抗生物質や免疫抑制剤の使用者

・脂漏性皮膚炎や癜風など他の真菌感染症を持っている人

・過度に汗をかく傾向がある人(多汗症の人)

・オイルベースの保湿剤や日焼け止めを頻繁に使用する人

出典元:

Fungal Acne ( Cleveland Clinic)

真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)の発症メカニズム

マラセチア毛包炎、いわゆる真菌性ニキビは、私たちの皮膚に常在するマラセチアという真菌(カビ)によって引き起こされます。すべての人の皮膚に存在するこの真菌は、通常は無害ですが、特定の条件下で毛包(毛穴)に侵入すると、問題を引き起こすことがあります。毛包の損傷や閉塞は、以下のような状況により引き起こされ、その結果、真菌性ニキビが発症するリスクが高まります。

■皮膚の摩擦

過度の摩擦や圧迫によって、皮膚が刺激され、毛穴が損傷することがあります。

■湿度の高い環境

暑さや湿度によって皮膚が常に湿った状態になると、真菌の増殖に適した環境が形成されます。

■毛の処理

剃毛や毛抜きなどによる毛の処理は、毛穴の損傷や刺激を引き起こし得ます。

■皮膚への摩擦

手や物による頻繁な皮膚への接触や摩擦も、毛穴の損傷に繋がります。

■長時間の暑いお風呂

熱いお風呂に長時間浸かることも、皮膚のバリア機能を弱め、真菌の増殖を促進します。

■締め付ける衣服

タイトな服は皮膚の摩擦や圧迫を引き起こし、毛穴の閉塞や損傷を招きます。

※これらの要因が組み合わさることで、マラセチア毛包炎のリスクが高まります。したがって、真菌性ニキビの予防には、これらの要因を最小限に抑えることが重要です。

胸のブツブツ「真菌性にきび」の包括的な治療

胸、バスト、デコルテのニキビ治療

胸部の真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)の治療には、薬物療法と革新的なアグネス治療があります。以下に、これらの治療方法について詳しく解説します。

■抗真菌薬による飲み薬と塗り薬

真菌性ニキビの標準的な治療法として、経口または局所の抗真菌薬が用いられます。一般的に使用される経口抗真菌薬には、フルコナゾールやイトラコナゾールなどがあります。経口抗真菌薬には下痢、吐き気、胃痛、肝機能障害などの副作用が生じることがあります。局所治療としては、エコナゾールやケトコナゾール、二硫化セレンを含むシャンプー(フケの予防と治療にも用いられる)などの抗真菌クリーム(塗り薬)やシャンプーが利用されます。

■ アグネス治療

アグネス治療は、過剰な皮脂腺、細菌や真菌、過度な炎症など、ニキビの根本原因に対処する非侵襲的な施術です。高周波を利用して、感染している毛穴を一つ一つ治療して治癒させます。胸やデコルテ、バスト周囲のニキビに対して、一般的なニキビであれ真菌性ニキビであれ、アグネス治療は効果的です。内服薬や外用薬では真菌性ニキビが再発することが多い一方で、アグネス治療では再発のリスクがほとんどありません。筆者は胸のニキビが跡を残さないためにアグネスによる早めの積極的な治癒をおすすめします。胸・デコルテのニキビに対しては、アグネス治療の後に抗真菌薬を併用することが最善の治療方法となります。

出典元:

胸のニキビのよくあるご質問

Q:胸にニキビができる原因は何ですか?

A:主な原因は毛穴にマラセチアという真菌(カビ)の一種が増殖して、炎症を起こすことです。

Q:胸のニキビはどうやったら治りますか?

A:抗真菌薬による治療やアグネス治療で治ります。アグネス治療は高周波を利用して、感染している毛穴を一つ一つ治す治療です。

Q:胸ニキビの原因はストレスですか?

A:ストレスは体の免疫を低下させるため、ストレスによりニキビはできやすい状況になりますが、直接的な原因ではありません。根本的な原因は肌や毛穴がダメージを受けているところに真菌が増殖することです。

Q:胸のニキビは洗ってもいいですか?

A:洗うことが大切ですが、肌の表皮をダメージしないように優しく洗うことが大事です。過度な洗浄はかえって、摩擦で皮膚にダメージを与え、胸のニキビを悪化させる要因となります。

Q:胸のニキビはうつりますか?

A:胸のニキビは主にマラセチアという真菌(カビ)の異常増殖が要因ですが、マラセチアは常在菌であり、元々誰の皮膚にも存在するため、ニキビの発症が人に移ることはありません。

Q:胸に白いニキビのようなものが出来るのはなぜですか?

A:おそらくニキビが進行して、膿を貯めた嚢胞の状態になっています。マラセチア毛包炎では珍しい症状ではありません。

Q:胸はニキビができやすい部位ですか?

A:胸は汗腺が多い部位であり、かつ下着などにより通気性が悪い部位でもあるため、マラセチア毛包炎によるニキビができやすい環境になります。

Q:胸のニキビの洗い方は?

A:石鹸やボディソープをよく泡立てて、優しく手で洗ってください。決してスポンジなどで摩擦を作ってゴシゴシ洗ってはいけません。

Q:胸のニキビを予防するにはどうしたらいいですか?

A:汗をかいた際には速やかに柔らかい素材のタオルなどで拭くがよいです。また、体を清潔に保ち、汗を吸収した衣服は着用しないでください。

Q:胸ニキビはホルモンバランスが関係しますか?

A:ホルモンのバランスが崩れると、免疫機能が低下することもあるため、胸のニキビの遠因にはなり得ますが、直接的な原因にはなりません。胸ニキビの根本的な原因は肌や毛穴がダメージを受けているところにマラセチアという真菌(カビ)が増殖することです。

Q:胸にニキビができる原因は睡眠不足ですか?

A:睡眠が不足すると、疲労が蓄積し、免疫機能が低下することもあるため、胸のニキビの遠因にはなり得ますが、直接的な原因にはなりません。胸ニキビの根本的な原因は肌や毛穴がダメージを受けているところにマラセチアという真菌(カビ)が増殖することです。

Q:胸にできるニキビの病名は何ですか?

A:胸にできるニキビの病名はマラセチア毛包炎です。

まとめ

 胸のニキビやブツブツが解消して笑顔の女性

この記事を通して、胸やデコルテに現れるニキビが真菌(カビ)によるものである可能性が高いこと、そして顔のニキビとは異なる薬が必要であることを詳しく説明しました。特に、アグネス治療は真菌性であれ、細菌性であれ、あらゆるタイプのニキビに対して有効であり、特に胸やデコルテのニキビの瘢痕が目立ちやすいため、早期のアグネス治療を推奨します。胸やデコルテのニキビは、その発生原因が顔のニキビとは大きく異なるため、正しい知識と適切なケアが不可欠です。この記事が、多くの方々が直面する胸やデコルテのブツブツの要因であるニキビに関する悩みに対する解決策となることを願っています。正しい情報と治療法の理解により、皆さんが健やかで美しい肌を取り戻すお手伝いができれば幸いです。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。

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