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谷間の汗、胸の汗が多い理由と対策についてNULL

2024/02/15

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谷間の汗、胸の汗が多い理由と対策について

胸汗、谷間の汗の悩み

女性が直面する特有の悩みの一つに、胸部、特にバストの谷間や下乳(胸の下部分のアンダーバスト)の汗が挙げられます。これらの部位は、体の他の部分と比べて汗をかきやすい傾向にあり、バストが豊満な方では、その悩みがより深刻になることも少なくありません。このような胸の汗は、ただ不快なだけでなく、「あせも」や湿疹痒みなどの皮膚トラブルを引き起こす原因となることもあります。そこで、この記事では、胸汗や谷間の汗が多くなる背景にある理由や、日々の生活でできる予防・対策方法、さらには医療機関で受けられる治療についても詳しくご紹介します。この情報が、皆さまの悩みを解決する一助となれば幸いです。

本当に胸の汗だけかをチェック

胸部や谷間の多汗症は、その原因を探る上で、汗が胸部に限定されているのか、それとも全身にわたる症状なのかを見極めることが極めて重要です。実は、全身にわたって発汗が多い状態、すなわち全身性多汗症を示す病態は意外に多く存在します。特に女性においては、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などの病気が原因で、高い割合で全身性多汗症を発症することが知られています。ですから、胸部だけでなく全身の汗の量が多い場合は、全身性多汗症の可能性を疑い、早急に医療機関での診察を受けることが推奨されます。さらに詳しく言及すると、続発性全身性多汗症を引き起こす疾患には、様々なものがあります。例えば、薬剤の影響、薬物の乱用、循環器系の疾患、呼吸不全、感染症、悪性腫瘍、内分泌・代謝疾患(甲状腺機能亢進症、低血糖、褐色細胞腫、末端肥大症、カルチノイド腫瘍)、神経学的な疾患(パーキンソン病)などが含まれます。これらの病気は、胸部の多汗症だけでなく、全身に影響を及ぼすことがあり、それぞれに適切な診断と治療が必要です。

出典元:

原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023 年改訂版

谷間の汗、胸の汗、アンダーバストの汗が多くなる理由

谷間の汗が多くなる理由

谷間、胸部、アンダーバストの汗が全身性多汗症でなく、正常な生理的な範囲内での発汗の場合、その原因として考えられるのは、主に次のような医学的要因に基づいています。

■皮膚の密着による熱の蓄積

特にバストサイズが大きい場合や適切なサイズの下着を装着していない場合、胸の谷間や胸の下のアンダーバストと言われる部位において皮膚が密着し、熱が蓄積されることが多くなります。この密着が原因で、該当部位の温度が上昇し、結果として汗をかきやすくなります。

■衣服による湿度の蓄積

胸の谷間やアンダーバストの部分は、体の他の部位に比べて密閉されやすく、下着や衣服によって覆われがちです。その結果、熱と湿度がこもりやすくなり、汗を分泌しやすい環境が形成されます。

■汗腺の高い密度

胸の谷間の皮膚には、エクリン腺(汗腺の一種)が他の部位より多く存在するか、その活動が活発であると考えられています。現在までに、バストのエクリン汗腺について詳細に調査された医学論文は存在しませんが、胸の谷間が他の部位より高温になることは、医学的に確認されています。

胸の谷間は高温

↑胸の谷間部分だけ高温になることを確認した医学論文の中の図

出典元:

Regional sweat rates in humans

谷間の汗、胸の汗が「あせも」の原因に

女性の胸汗、特に谷間やアンダーバストの多汗症は、皮膚トラブルの一因となり得ます。この部位の過剰な汗は「あせも」(汗疹)の発症に繋がり、更には湿疹やかゆみを引き起こすことがあります。特に、胸部に湿疹ができた場合、適切な治療を行わないと、後々跡が残ることもあります。

胸、谷間、アンダーバストの汗の日常対策

胸汗、谷間の汗の対策

胸や谷間、アンダーバストの汗による肌トラブルを予防するための日常的な対策は、以下のような方法で行うことが効果的です。

1.通気性と吸湿性に優れた衣服の選択

綿、リネンなどの自然素材で作られた衣服は、通気性と吸湿性に優れており、肌に空気を通し、汗を効果的に吸収します。これにより、胸部周辺の湿疹やかぶれのリスクを減らすことができます。

2.適切なサイズのブラジャーの選択

サイズが合っていない小さ過ぎるブラジャーは、肌への摩擦や圧迫を引き起こし、汗の原因となり得ます。また大き過ぎるブラジャーは肌同士の密着防止機能としての役割を果たせません。適切なサイズと良いフィット感を持つブラジャーを選ぶことで、汗をかきやすい部位の圧迫を防ぎ、快適さを保つことができます。

3.通気性の良いブラジャーの選択

汗の原因となるブラジャー選びには、通気性が高いタイプを優先しましょう。穴あきメッシュ仕様のカップや裏地、吸水速乾タイプ、薄いレース生地を使用したブラジャーが理想的です。これらの設計は通気性を高め、着心地を良くします。また、汗を吸収しやすいコットン素材(綿素材)のブラジャーは、蒸れにくく汗対策に適しており、肌にも優しいので、敏感肌の方にも安心です。

4.ノンワイヤーブラジャーの選択

胸の下、特にワイヤー部分の汗が気になる場合、ノンワイヤーブラジャーがお勧めです。ワイヤーがないため、締め付けが少なく、肌にかかる圧力や汗をかきにくくなります。ただし、ノンワイヤーブラはワイヤーブラに比べてホールド力が低いため、フルカップタイプや、涼しい日はワイヤーブラを選ぶなど、バランスを取ることが大切です。

5.汗吸収パッドや汗拭きシートの活用

胸汗や谷間の汗を効果的に管理するために、汗吸収パッドや汗拭きシートの使用が有効です。汗吸収パッドをブラジャーの下や谷間に挟むことで、肌同士の直接的な接触を減らし、汗を吸収します。市場には様々な素材やサイズの製品があり、個々の肌質や胸のサイズに合ったものを選ぶことが重要です。また、汗拭きシートをパッドにかわりに使用することもできます。この場合は、汗拭きシートを谷間に挟み、適宜交換して使用します。

6.パウダーや制汗剤の適切な使用

無香料のベビーパウダーや制汗スプレー、ジェルの使用は、発汗を抑えると同時に肌の摩擦を減らす効果があります。これらの製品は、肌への優しさを考慮し、自分の肌質に合ったものを選ぶことが肝心です。パウダーや制汗剤を軽く塗ることで、肌の快適さを保ちつつ、汗による不快感を軽減することができます。ただし、過度な使用は肌に負担をかける可能性があるため、適量を心掛けることが重要です。

7.衣類の清潔の維持

汗を吸収した衣類は、肌に直接触れる部分のため、可能な限り清潔に保つことが肌トラブルを避ける鍵です。使用後の衣類は早めに洗濯し、清潔な状態を保ちましょう。

8.肌にやさしい洗剤の使用

肌に直接触れる衣類を洗濯する際は、肌にやさしい洗剤の使用が推奨されます。特に、敏感肌の方は、無添加や低刺激の洗剤を選ぶことが重要です。柔軟剤の使用も控えめにし、洗剤や柔軟剤の残りが肌に刺激を与えないように注意しましょう。

胸の汗、谷間の汗、アンダーバストの汗を止める方法

ボトックスで胸汗、谷間の汗の対策

日々の対策を講じても、胸の汗、谷間の汗、アンダーバストの汗が気になる場合、またはこれらの部位で「あせも」や湿疹が改善しない場合、医療の力を借りることを考慮すると良いでしょう。特に、ボトックス注射は局所的な発汗を抑制するための効果的な治療方法です。この治療は、ボツリヌス毒素を使用してエクリン汗腺を標的にし、神経を一時的に麻痺させることで発汗を制御します。ボトックス注射による治療の効果は約6ヶ月間持続し、症状の重症度に応じて治療を繰り返すことが一般的です。効果の持続期間には個人差があり、最長で1年程度続くケースも報告されています。副作用は通常限定的で、治療の安全性は高いとされています。この方法は、日常的な対策だけではコントロールできない程の多汗症に悩まされている方に特に推奨される治療方法です。

胸汗、谷間の汗、アンダーバストの汗でよくあるご質問

Q:胸や胸の下に汗をかく原因は何ですか?

A:バストサイズが大きい場合や適切なサイズの下着を装着していない場合、胸の谷間や胸の下のアンダーバストにおいて皮膚が密着し、熱が蓄積されやすくなることが主な原因です。また、谷間の皮膚は他の胸の皮膚と比較して発汗しやすい部位であることが医学的に確認されています。

Q:胸の汗を止める方法はありますか?

A:ボトックス注射が非常に有効な方法です。ボトックス注射による治療の効果は約6ヶ月間持続し、症状の重症度に応じて治療を繰り返すことが一般的です

Q:谷間に汗をかく原因は何ですか?

A:胸の谷間の皮膚には、エクリン腺(汗腺の一種)が他の部位より多く存在するか、その活動が活発であると考えられています。また、胸の谷間が他の部位より高温になることは、医学的に確認されています。

Q:胸汗が臭うのはなぜですか?

A:胸汗は通常エクリン汗腺からの汗を指します。エクリン汗は無臭とされていますが、大量に放出され、長時間放置された場合は空気中に雑菌により臭いを発生します。また、乳首からアポクリン汗が発汗することがあり、この場合は明確にワキガ臭が発生することもあります。

まとめ

本記事では、胸汗、特にバストの谷間や下乳部分に特有の多汗症、及びそれに伴う「あせも」の発生原因と対処法について詳細に解説しました。特に注目すべきは、ボトックスを用いた治療法の紹介です。この手軽で効果的な方法は、多汗症に悩む多くの方々に新たな選択肢を提供しています。最後に、この記事が胸汗や谷間の汗に関する悩みを抱える方々に対して、有益なガイドとなることを願っています。最適な解決策を見つけ、より快適な毎日を過ごしていただければ幸いです。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。手掌、足底、顔面、頭部の原発性多汗症に対して、マスク麻酔を併用した無痛のボトックス注射を日本で初めて行っている。また、わきが多汗症の治療器のビューホットを日本にいち早く導入し、これまでワキガ、スソワキガ、多汗症の治療例はこれまで延べ1万人を超える。

【関連項目】

谷間の汗、胸汗のボトックスの相談はこちら

鼻汗・口周りの汗がすごいのはなぜ?対策と止める方法について

胸元にできるブツブツは何?あせも?原因と対策について

【胸・デコルテにできる様々なブツブツ】原因と対策と治療法

【胸やデコルテのニキビ】原因と効果的な治療法の全貌

【背中のニキビの原因と治し方】ブツブツは普通のニキビではない

 

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