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「マラセチア毛包炎」についての記事まとめ

2024/02/25

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【背中のニキビの原因と治し方】ブツブツは普通のニキビではない

背中のブツブツやニキビで悩む女性

多くのかたが背中のニキビやブツブツに悩まされています。「長年皮膚科に通っても改善されない」と感じておられることは、私も診療を通じてしばしば耳にします。しかし、背中のニキビやブツブツは普通のニキビと異なることが多く、正しい診断とケアが必要とされます。それ故に、普通のニキビ治療法ではなかなか改善しないのです。本稿では、背中のニキビやブツブツがなかなか治らない原因と、それに対応する効果的な治療法を、美容専門医の視点から詳細にご紹介します。適切なケアと治療を行うことで、皆様が抱える皮膚の問題を解決に導く一助となれば幸いです。

背中のニキビは普通のニキビじゃないかも?

顔にできる一般的なニキビは医学用語では尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)と呼びます。「尋常性」とは普通という意味です。言わば、顔にできるニキビは「普通のニキビ」ということです。これに対して、背中にできるニキビやブツブツは多くの場合は「普通のニキビ」ではありません。顔と同じニキビとして治療すると、治りません。多くの皮膚科では背中も普通のニキビとして治療されています。これが背中のニキビがなかなか治らないと言われる原因なのです。

背中のニキビの原因とは

顔にできるいわゆる普通のニキビは、主に皮脂の過剰産生が毛穴を詰まらせ、その結果アクネ菌(にきび菌)の異常増殖が炎症を引き起こすことが主な原因です。しかし、背中のニキビやブツブツの多くは、アクネ菌よりもマラセチアという真菌(カビの一種)の異常増殖によるものです。この真菌(カビ)によって毛穴が塞がれ、炎症が生じた状態を「マラセチア毛包炎」と称します。この状態は、一般的な尋常性痤瘡(または細菌性痤瘡)とは異なり、「真菌性痤瘡」または「真菌性ニキビ」とも呼ばれます。注意点としては、マラセチア毛包炎と尋常性痤瘡が併発している場合もあり得ます。

マラセチア毛包炎とは

皮膚表面には、通常、様々な微生物が共存しており、これをフローラ(微生物叢または細菌叢)と呼びます。この微生物のコミュニティの中には、マラセチアという種類の真菌(カビ)も含まれています。通常、このマラセチアは皮膚上で穏やかに共生しており、皮膚の組織に害を及ぼしません。ただ、特定の条件下でマラセチアが異常増殖したり、毛穴が傷ついた状態になったりすると、マラセチアは毛穴を通じて毛包に侵入して、毛包がマラセチアに感染して炎症を引き起こします。これがマラセチア毛包炎です。この炎症により、背中はもちろん、顔、肩、胸といった主に上半身の皮膚に、かゆみを伴う吹き出物やニキビ様のブツブツの症状が現れます。マラセチア毛包炎は、普通のニキビとは異なる特性を持っており、マラセチア毛包炎に合った適切な治療が必要です。

背中のにきびであるマラセチア毛包炎

↑背中のブツブツ(にきび)のマラセチア毛包炎

マラセチア毛包炎になりやすい人の特徴

マラセチア毛包炎は、多くの場合、思春期の男女が罹患しやすいです。また、発汗量が多い人 (多汗症) や、高温多湿の地域に住んでいる人も罹患する可能性が高くなります。また、皮膚の表面のダメージで毛穴が損傷すると、罹患しやすくなります。次のような場合にもリスクが高まる可能性があります。

特定の条件や状態にある人はマラセチア毛包炎に罹患しやすいこと判明しています。具体的には、思春期の男女や若い男性は皮脂腺からの分泌が多く、マラセチア毛包炎にかかりやすいとされています。また、汗を多くかく人(多汗症)や、高温多湿の環境に生活している人も、マラセチア毛包炎のリスクが高まります。皮膚表面の摩擦で毛穴が損傷すると、マラセチア毛包炎の発生を促す要因となり得ます。以下のような状態や条件がある場合、マラセチア毛包炎に罹患するリスクが高まると考えられています。

■糖尿病

一般には末梢血管の循環が低下しており、皮膚の防御機能に影響を与えることがあります。

■脂性肌

皮脂の過剰分泌がマラセチアの増殖を促します。

■免疫系の疾患

免疫機能の低下はあらゆる感染症のリスクを高めます。

■脂漏性皮膚炎やフケ

脂漏性皮膚炎やフケがある場合はすでにマラセチアが増殖している環境を提供しています。

■過度の発汗

高温多湿の環境下でマラセチアは増殖します。

■抗生物質やステロイドの使用

抗生物質やステロイドは皮膚のフローラ(微生物叢)を変化させ、マラセチア毛包炎のリスクを高める可能性があります。

出典元:

Malassezia (Pityrosporum) Folliculitis (by Cleveland Clinc)

抗生物質や免疫抑制剤の使用時は特に注意

抗生物質や免疫抑制剤の使用は、真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)の発生リスクを特に高める可能性があります。これは、抗生物質が皮膚の自然なフローラ(微生物叢)のバランスを変え、善玉菌の量を減少させることにより、真菌の過剰な増殖を引き起こすためです。細菌と真菌は皮膚上で共存していますが、このバランスが崩れると真菌性座瘡のリスクが増加します。免疫抑制剤を使用している場合も同様で、体の自然な防御力が低下することで真菌の増殖を抑える能力が弱まります。これらの要因により、抗生物質や免疫抑制剤を使用している人は、特に真菌性ニキビに対して注意が必要です。真菌性ニキビのリスクを抑えるためには、皮膚の清潔を保つことや、適切なスキンケアを行うことが重要です。

マラセチア毛包炎の発生しやすい部位

背中のブツブツに悩む女性

マラセチア毛包炎、一般に「真菌性ニキビ」として知られるこの状態は、皮膚のどの部分にも発生する可能性がありますが、特に発汗が多い部位や衣服の摩擦が多い部位での発生が顕著です。以下のエリアは、マラセチア毛包炎が特に発生しやすい部位とされています。

■胸・デコルテ

バストの間などは発汗が多く、湿度が高まりやすいため、マラセチア毛包炎が形成されやすい環境となります。

■生え際・額・あご

額や生え際は顔の中でも特に汗をかきやすい部分です。また、男性の顎は髭剃りによる刺激で毛穴が傷つき、真菌の侵入がしやすくなります。

■首

首は頭部からの汗が流れやすく、襟元の摩擦も頻繁に生じるため、マラセチア毛包炎が発生しやすい部位です。

■二の腕・肩

二の腕や肩は服の密着による摩擦が多く、皮膚表面の微細な損傷がマラセチアの増殖に適した環境を提供します。

■背中上部

背中は体の中でも最も発汗が多い部位であり、かつか背中上部は常に衣類が密着しているため、高温多湿の状態になりやすく、真菌性ニキビの発生に最も適したエリアと言えます。

※これらの部位では、特に注意深いケアと適切な衣類選びが必要となります。また、真菌性ニキビの発生しやすい部位を理解することは、予防策を講じる上で非常に重要です。

真菌性ニキビに特徴的な症状と普通のニキビとの違い

真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)は、普通のニキビ(尋常性ざ層)とは異なる独特な特徴を持つ皮膚の炎症です。真菌性ニキビでは、皮膚上に突然発生する発疹のような隆起(ブツブツ)が特徴的であり、これらは毛穴周辺に現れます。これに対して、普通のニキビは毛穴ではなく皮脂腺に形成されることが多いです。

真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)による隆起は、通常、房状(クラスター上)に集まり、サイズや形が均一なブツブツとして現れます。また、1つ1つのブツブツの周囲には、しばしば赤みを帯びた境界線や輪が確認されることがあります。対照的に、普通のニキビ(尋常性ざ層)は大きさや形が不均一であることが多いのが特徴です。

さらに、真菌性ニキビは以下のような特有の症状を伴うことがあり、これらは普通のニキビには一般的ではありません:

・強いかゆみ:皮膚の刺激感が伴い、かゆみを引き起こします。

・皮膚の灼熱感:感染部位が熱を持ち、灼熱感を感じることがあります。

・疼痛:炎症により痛みを伴うことがあります。

背中のブツブツ、ニキビ治療

背中のニキビやブツブツの治療では、特に多くの場合、真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)が原因となっているため、薬物療法では真菌に対する治療が優先されます。さらに積極的な治療として、アグネスという方法が推奨されています。アグネス治療は、背中のニキビが真菌性であろうと普通のニキビであろうと、どちらにも効果的に対応できます。以下に、これらの治療方法について詳しく説明します。

■ 抗真菌薬による飲み薬と塗り薬

真菌性ニキビに対しては、経口の抗真菌薬や局所用の抗真菌クリームが用いられます。主に使用される経口抗真菌薬には、フルコナゾールやイトラコナゾールなどがあります。経口抗真菌薬には下痢、吐き気、胃痛、肝機能障害などの副作用が生じることがあります。局所治療としては、エコナゾールやケトコナゾール、二硫化セレンを含むシャンプー(フケの予防と治療にも用いられる)などの抗真菌クリーム(塗り薬)やシャンプーが利用されます。

■ アグネス治療

アグネス治療は、細菌や真菌による毛穴や皮脂腺の炎症に対し、効果を発揮する治療方法です。高周波を利用した熱で、感染している毛穴や皮脂腺を個々に治療し、治癒を促します。背中のニキビに対して、普通のニキビでも真菌性ニキビでも、アグネス治療は有効です。内服薬や外用薬では再発しやすい真菌性ニキビに対して、アグネス治療は再発のリスクがほとんどありません。したがって、背中のニキビ治療においては、アグネス治療の後に抗真菌薬を併用することが望ましいとされています。

背中のニキビ、真菌性ニキビの効果的な予防策

背中や胸に発生する真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)の予防は、日々の生活習慣の見直しで可能です。以下に、効果的な予防策を詳しくご紹介します。

■運動後の適切なケア

運動後はすぐにシャワーを浴び、汗を洗い流しましょう。汗や皮脂が毛穴を塞ぐと、真菌の増殖に適した環境が形成されるため、清潔な状態を保つことが重要です。少なくとも1日1回は肌をよく洗いましょう。

■毛の処理方法

剃毛や毛抜きなどの毛の処理を行う際は、皮膚を傷つけないように注意しましょう。損傷した皮膚は真菌の侵入口となり得ます。毛の処理が不要になるレーザー脱毛もおすすめです。

■スキンケア製品の選び方

脂分を多く含むスキンケア製品や日焼け止めは避けましょう。マラセチアは脂分で繁殖を促進されるためです。また、体を洗う際は、肌を優しく洗うことが大切です。強い摩擦は微細な傷を生じさせ、マラセチアの繁殖を助けることになります。

■水着の適切な扱い

水着は使用後、必ず洗濯し十分に乾燥させることが肝心です。湿った状態は真菌の繁殖に適した環境を作り出します。

■衣服の選択

特に暑い環境や運動時は、通気性の良いゆったりした服を選ぶことが望ましいです。タイトな服は肌を圧迫し、汗や熱がこもりやすくなるためです。

※これらの予防策を日々の生活に取り入れることで、真菌性ニキビの発生リスクを減らすことができます。

マラセチア毛包炎のよくあるご質問

Q:背中のニキビは人にうつりますか?

A:背中のニキビの主要な原因はマラセチア真菌の異常増殖ですが、マラセチアは常在菌であり、誰の皮膚にも存在します。したがって、ニキビ自体が他人に感染することはありません。

Q:背中のニキビは再発する可能性がありますか?

A:背中のニキビは再発の可能性を秘めています。局所的な抗真菌クリームや経口抗真菌薬の使用によって一度改善されたとしても、真菌性ニキビは再発することがあります。

Q:背中のニキビがひどくなった場合、どのような経過をたどるのが一般的ですか?

A:背中のニキビが悪化した場合の一般的な経過については、薬物治療を開始してから数週間以内に症状の改善が見込まれます。しかし、一時的に症状が改善された後でも、マラセチア毛包炎は何年にもわたって継続する可能性があります。加えて、多くの場合、薬の使用を中止すると再発することが一般的です。そのため、症状の再発を防ぐためには、抗真菌クリームや薬の継続的な使用が必要になります。これらのことを踏まえると、再発のリスクがほぼないとされるアグネス治療が、背中のニキビに対して最も効果的な治療法であると考えられます。アグネス治療は、感染した毛穴や皮脂腺を的確に治療し、長期的な改善を目指すものです。

Q:背中にニキビ(ブツブツ)ができる体質は?

A:男性や思春期の男女は脂性肌の場合が多く、脂性肌の体質の場合は、背中の皮膚にマラセチアが増殖しやすい環境になります。すなわち脂性肌の場合は、ニキビができやすい体質と言えます。

Q:胸と背中にニキビができやすいのはなぜですか?

A: 胸と背中はともに発汗が多い部位であるため、高温多湿となりすく、マラセチアという真菌(カビ)が増殖しやすい環境だからです。

Q:背中のぶつぶつはどうやって洗えばいいですか?

A:背中のブツブツの要因は多くの場合、マラセチア毛包炎です。ボディソープをよく泡立てて、優しく背中を洗ってください。決して、ゴシゴシ洗ってはいけません。逆効果で余計にニキビやブツブツができることになります。

Q:背中のニキビは触らない方がいいですか?

A: ニキビを洗うことは大切ですので、シャワー時には優しく洗ってください。ただ、ボディソープやシャンプーが残ることも毛穴が詰まってマラセチア毛包炎を悪化させる要因になりますので、注意が必要です。

まとめ

背中のニキビを治療した女性

背中のニキビ、特に真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)は、毛包の感染症であり、しばしば普通のニキビと誤解されがちです。この記事では背中ニキビやブツブツに対しての正しい対処方法について解説しました。マラセチア毛包炎では、皮膚に小さなかゆみを伴う赤い発疹が集団で現れることが特徴です。もし背中にかゆみを伴う吹き出物が改善されない場合は、専門クリニックでの早急な診察を推奨します。この記事が、皆様の皮膚トラブル解決のための有用な情報源となることを願っています。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。

【関連項目】

背中のニキビ治療「アグネス」の相談こちらから

【胸やデコルテのニキビ】原因と効果的な治療法の全貌

ベストのニキビ治療、それはアグネス!

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2024/02/24

院長ブログトップ > 【胸やデコルテのニキビ】原因と効果的な治療法の全貌

【胸やデコルテのニキビ】原因と効果的な治療法の全貌

胸とデコルテのニキビに悩む女性

私たちの皮膚は、体の各部位で異なる特性を持っています。特に胸やデコルテのバスト周囲のエリアでは、赤みを帯びたブツブツが見られることがあり、これらは一般的に胸ニキビとして認識されます。しかしながら、胸のニキビは、顔にできるものとは病態が異なることが多いのです。顔のニキビと同じ治療法を適用したとしても、なかなか改善しないことが一般的です。そこで、この記事では、多くの方々が直面する胸やデコルテの赤いブツブツの要因となっているニキビに関して、正確な知識と効果的な治療法を深掘りしてご紹介いたします。

胸のブツブツはニキビ?

胸やデコルテなどのバスト周囲に見られるブツブツは、様々な要因により発生する可能性があります。当記事の主題であるニキビ以外にも、血管腫あせもなど、異なる皮膚の状態が原因であることがあります。多くの場合、胸のニキビでも顔のニキビと似た外見をしているため、一見してニキビと見分けることが可能です。しかしながら、外見が似ていても、胸やデコルテのニキビが顔のニキビとは異なる原因によるものであることが多く、その治療や経過にも違いがあります。したがって、胸のニキビは見た目だけでなく、発生原因や特徴を正確に理解し、適切なケアを行うことが重要です。

胸のニキビは実はニキビじゃない??

一般的にニキビとされる病態は、医学用語で尋常性痤瘡と呼ばれ、アクネ菌(ニキビ菌)という皮膚の常在菌が毛穴や皮脂腺で異常に増殖し、炎症を引き起こすことによって発生します。しかし、胸やデコルテに現れるニキビと見られる症状は、実は異なる原因による場合が多いのです。特に、胸やデコルテの部位に現れるニキビ様の症状は、従来のアクネ菌が原因ではなく、マラセチアという真菌、つまりカビの一種が原因で発生することが多いのです。この真菌によって引き起こされる炎症は、医学的にはマラセチア毛包炎、または真菌性ニキビ(真菌性座瘡)と呼ばれています。この事実は、胸やデコルテのニキビ治療において重要な意味を持ちます。一般的なニキビ治療法が効果を発揮しない場合、その原因は真菌性である可能性があり、適切な診断と治療法の選択が必要になります。

真菌性ニキビ:マラセチア毛包炎とは

胸のデコルテのニキビの正体とは

マラセチア毛包炎は、マラセチアという特定の真菌(カビ)が毛穴(毛包)に感染することで生じる皮膚の炎症状態です。この状態は、一般的なニキビ(座瘡)と見た目が似ており、しばしば混同されることがあります。マラセチア毛包炎、別名「真菌性ニキビ」とも呼ばれ、肌に小さな赤い隆起(丘疹)やかゆみを引き起こす特徴があります。この疾患は時に、膿を含んだ白ニキビのような状態(膿疱)へと進行することもあります。

出典元:

What leads to Breast Acne? Check Out the 8 Most Prominent Factors

胸の真菌性ニキビと通常のニキビの違い

胸やバスト、デコルテに発生する真菌性ニキビ(別名:真菌性座瘡、マラセチア毛包炎)は、見た目では通常のニキビ(別名:尋常性座瘡)と非常に似ており、容易に混同されがちです。「尋常性」という言葉は「普通」を意味し、この用語は一般的なニキビを指します。通常のニキビは、毛穴(毛包)が皮脂や古い角質(垢)で詰まり、その中でアクネ菌(ニキビ菌)が増殖することにより発生します。一方で、真菌性ニキビは毛穴内の真菌(カビ)の増殖によって発生する感染症です。この二つのニキビの最大の違いは、真菌性ニキビにはかゆみを伴う場合があるのに対し、通常のニキビ(尋常性座瘡)にはかゆみがないという点にあります。また、真菌性ニキビでは一般的なニキビではあまり起こらない、皮膚の灼熱感や疼痛も感じることがあります。

胸のニキビケアの鍵:正しい識別と対処法

胸・デコルテのニキビケアにおいて最も重要なのは、一般的なニキビと真菌性ニキビを正確に区別することです。この2つのニキビは薬が異なるため、適切な診断は治療の鍵となります。また特に重要なのは、胸のニキビにおいては、両方のタイプが同時に発生する可能性もあります。真菌性ニキビと一般的なニキビが同時に存在する場合、それぞれに効果的な薬と治療法を組み合わせることが必要になります。

胸の真菌性ニキビによるブツブツが発生しやすい人は?

真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)は、特定の条件や生活習慣を持つ人々において発生しやすい傾向があります。特に、脂性肌の人や思春期から青年期の男女に多く見られます。真菌(カビ)は、特に暖かく湿った環境や汗をかいた皮膚で急速に増殖することが知られています。胸の真菌性ニキビの発生のリスクファクターは以下の通りです。これらの要素は、真菌の増殖に最適な条件を作り出すため、真菌性ニキビのリスクを高める可能性があります。

・高温多湿な気候に住んでいる人

・免疫力が低下している人

・抗生物質や免疫抑制剤の使用者

・脂漏性皮膚炎や癜風など他の真菌感染症を持っている人

・過度に汗をかく傾向がある人(多汗症の人)

・オイルベースの保湿剤や日焼け止めを頻繁に使用する人

出典元:

Fungal Acne ( Cleveland Clinic)

真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)の発症メカニズム

マラセチア毛包炎、いわゆる真菌性ニキビは、私たちの皮膚に常在するマラセチアという真菌(カビ)によって引き起こされます。すべての人の皮膚に存在するこの真菌は、通常は無害ですが、特定の条件下で毛包(毛穴)に侵入すると、問題を引き起こすことがあります。毛包の損傷や閉塞は、以下のような状況により引き起こされ、その結果、真菌性ニキビが発症するリスクが高まります。

■皮膚の摩擦

過度の摩擦や圧迫によって、皮膚が刺激され、毛穴が損傷することがあります。

■湿度の高い環境

暑さや湿度によって皮膚が常に湿った状態になると、真菌の増殖に適した環境が形成されます。

■毛の処理

剃毛や毛抜きなどによる毛の処理は、毛穴の損傷や刺激を引き起こし得ます。

■皮膚への摩擦

手や物による頻繁な皮膚への接触や摩擦も、毛穴の損傷に繋がります。

■長時間の暑いお風呂

熱いお風呂に長時間浸かることも、皮膚のバリア機能を弱め、真菌の増殖を促進します。

■締め付ける衣服

タイトな服は皮膚の摩擦や圧迫を引き起こし、毛穴の閉塞や損傷を招きます。

※これらの要因が組み合わさることで、マラセチア毛包炎のリスクが高まります。したがって、真菌性ニキビの予防には、これらの要因を最小限に抑えることが重要です。

胸のブツブツ「真菌性にきび」の包括的な治療

胸、バスト、デコルテのニキビ治療

胸部の真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)の治療には、薬物療法と革新的なアグネス治療があります。以下に、これらの治療方法について詳しく解説します。

■抗真菌薬による飲み薬と塗り薬

真菌性ニキビの標準的な治療法として、経口または局所の抗真菌薬が用いられます。一般的に使用される経口抗真菌薬には、フルコナゾールやイトラコナゾールなどがあります。経口抗真菌薬には下痢、吐き気、胃痛、肝機能障害などの副作用が生じることがあります。局所治療としては、エコナゾールやケトコナゾール、二硫化セレンを含むシャンプー(フケの予防と治療にも用いられる)などの抗真菌クリーム(塗り薬)やシャンプーが利用されます。

■ アグネス治療

アグネス治療は、過剰な皮脂腺、細菌や真菌、過度な炎症など、ニキビの根本原因に対処する非侵襲的な施術です。高周波を利用して、感染している毛穴を一つ一つ治療して治癒させます。胸やデコルテ、バスト周囲のニキビに対して、一般的なニキビであれ真菌性ニキビであれ、アグネス治療は効果的です。内服薬や外用薬では真菌性ニキビが再発することが多い一方で、アグネス治療では再発のリスクがほとんどありません。筆者は胸のニキビが跡を残さないためにアグネスによる早めの積極的な治癒をおすすめします。胸・デコルテのニキビに対しては、アグネス治療の後に抗真菌薬を併用することが最善の治療方法となります。

出典元:

胸のニキビのよくあるご質問

Q:胸にニキビができる原因は何ですか?

A:主な原因は毛穴にマラセチアという真菌(カビ)の一種が増殖して、炎症を起こすことです。

Q:胸のニキビはどうやったら治りますか?

A:抗真菌薬による治療やアグネス治療で治ります。アグネス治療は高周波を利用して、感染している毛穴を一つ一つ治す治療です。

Q:胸ニキビの原因はストレスですか?

A:ストレスは体の免疫を低下させるため、ストレスによりニキビはできやすい状況になりますが、直接的な原因ではありません。根本的な原因は肌や毛穴がダメージを受けているところに真菌が増殖することです。

Q:胸のニキビは洗ってもいいですか?

A:洗うことが大切ですが、肌の表皮をダメージしないように優しく洗うことが大事です。過度な洗浄はかえって、摩擦で皮膚にダメージを与え、胸のニキビを悪化させる要因となります。

Q:胸のニキビはうつりますか?

A:胸のニキビは主にマラセチアという真菌(カビ)の異常増殖が要因ですが、マラセチアは常在菌であり、元々誰の皮膚にも存在するため、ニキビの発症が人に移ることはありません。

Q:胸に白いニキビのようなものが出来るのはなぜですか?

A:おそらくニキビが進行して、膿を貯めた嚢胞の状態になっています。マラセチア毛包炎では珍しい症状ではありません。

Q:胸はニキビができやすい部位ですか?

A:胸は汗腺が多い部位であり、かつ下着などにより通気性が悪い部位でもあるため、マラセチア毛包炎によるニキビができやすい環境になります。

Q:胸のニキビの洗い方は?

A:石鹸やボディソープをよく泡立てて、優しく手で洗ってください。決してスポンジなどで摩擦を作ってゴシゴシ洗ってはいけません。

Q:胸のニキビを予防するにはどうしたらいいですか?

A:汗をかいた際には速やかに柔らかい素材のタオルなどで拭くがよいです。また、体を清潔に保ち、汗を吸収した衣服は着用しないでください。

Q:胸ニキビはホルモンバランスが関係しますか?

A:ホルモンのバランスが崩れると、免疫機能が低下することもあるため、胸のニキビの遠因にはなり得ますが、直接的な原因にはなりません。胸ニキビの根本的な原因は肌や毛穴がダメージを受けているところにマラセチアという真菌(カビ)が増殖することです。

Q:胸にニキビができる原因は睡眠不足ですか?

A:睡眠が不足すると、疲労が蓄積し、免疫機能が低下することもあるため、胸のニキビの遠因にはなり得ますが、直接的な原因にはなりません。胸ニキビの根本的な原因は肌や毛穴がダメージを受けているところにマラセチアという真菌(カビ)が増殖することです。

Q:胸にできるニキビの病名は何ですか?

A:胸にできるニキビの病名はマラセチア毛包炎です。

まとめ

 胸のニキビやブツブツが解消して笑顔の女性

この記事を通して、胸やデコルテに現れるニキビが真菌(カビ)によるものである可能性が高いこと、そして顔のニキビとは異なる薬が必要であることを詳しく説明しました。特に、アグネス治療は真菌性であれ、細菌性であれ、あらゆるタイプのニキビに対して有効であり、特に胸やデコルテのニキビの瘢痕が目立ちやすいため、早期のアグネス治療を推奨します。胸やデコルテのニキビは、その発生原因が顔のニキビとは大きく異なるため、正しい知識と適切なケアが不可欠です。この記事が、多くの方々が直面する胸やデコルテのブツブツの要因であるニキビに関する悩みに対する解決策となることを願っています。正しい情報と治療法の理解により、皆さんが健やかで美しい肌を取り戻すお手伝いができれば幸いです。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。

【関連項目】

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【背中のニキビの原因と治し方】ブツブツは普通のニキビではない

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