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「背中ブツブツ」についての記事まとめ

2024/02/25

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【背中のニキビの原因と治し方】ブツブツは普通のニキビではない

背中のブツブツやニキビで悩む女性

多くのかたが背中のニキビやブツブツに悩まされています。「長年皮膚科に通っても改善されない」と感じておられることは、私も診療を通じてしばしば耳にします。しかし、背中のニキビやブツブツは普通のニキビと異なることが多く、正しい診断とケアが必要とされます。それ故に、普通のニキビ治療法ではなかなか改善しないのです。本稿では、背中のニキビやブツブツがなかなか治らない原因と、それに対応する効果的な治療法を、美容専門医の視点から詳細にご紹介します。適切なケアと治療を行うことで、皆様が抱える皮膚の問題を解決に導く一助となれば幸いです。

背中のニキビは普通のニキビじゃないかも?

顔にできる一般的なニキビは医学用語では尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)と呼びます。「尋常性」とは普通という意味です。言わば、顔にできるニキビは「普通のニキビ」ということです。これに対して、背中にできるニキビやブツブツは多くの場合は「普通のニキビ」ではありません。顔と同じニキビとして治療すると、治りません。多くの皮膚科では背中も普通のニキビとして治療されています。これが背中のニキビがなかなか治らないと言われる原因なのです。

背中のニキビの原因とは

顔にできるいわゆる普通のニキビは、主に皮脂の過剰産生が毛穴を詰まらせ、その結果アクネ菌(にきび菌)の異常増殖が炎症を引き起こすことが主な原因です。しかし、背中のニキビやブツブツの多くは、アクネ菌よりもマラセチアという真菌(カビの一種)の異常増殖によるものです。この真菌(カビ)によって毛穴が塞がれ、炎症が生じた状態を「マラセチア毛包炎」と称します。この状態は、一般的な尋常性痤瘡(または細菌性痤瘡)とは異なり、「真菌性痤瘡」または「真菌性ニキビ」とも呼ばれます。注意点としては、マラセチア毛包炎と尋常性痤瘡が併発している場合もあり得ます。

マラセチア毛包炎とは

皮膚表面には、通常、様々な微生物が共存しており、これをフローラ(微生物叢または細菌叢)と呼びます。この微生物のコミュニティの中には、マラセチアという種類の真菌(カビ)も含まれています。通常、このマラセチアは皮膚上で穏やかに共生しており、皮膚の組織に害を及ぼしません。ただ、特定の条件下でマラセチアが異常増殖したり、毛穴が傷ついた状態になったりすると、マラセチアは毛穴を通じて毛包に侵入して、毛包がマラセチアに感染して炎症を引き起こします。これがマラセチア毛包炎です。この炎症により、背中はもちろん、顔、肩、胸といった主に上半身の皮膚に、かゆみを伴う吹き出物やニキビ様のブツブツの症状が現れます。マラセチア毛包炎は、普通のニキビとは異なる特性を持っており、マラセチア毛包炎に合った適切な治療が必要です。

背中のにきびであるマラセチア毛包炎

↑背中のブツブツ(にきび)のマラセチア毛包炎

マラセチア毛包炎になりやすい人の特徴

マラセチア毛包炎は、多くの場合、思春期の男女が罹患しやすいです。また、発汗量が多い人 (多汗症) や、高温多湿の地域に住んでいる人も罹患する可能性が高くなります。また、皮膚の表面のダメージで毛穴が損傷すると、罹患しやすくなります。次のような場合にもリスクが高まる可能性があります。

特定の条件や状態にある人はマラセチア毛包炎に罹患しやすいこと判明しています。具体的には、思春期の男女や若い男性は皮脂腺からの分泌が多く、マラセチア毛包炎にかかりやすいとされています。また、汗を多くかく人(多汗症)や、高温多湿の環境に生活している人も、マラセチア毛包炎のリスクが高まります。皮膚表面の摩擦で毛穴が損傷すると、マラセチア毛包炎の発生を促す要因となり得ます。以下のような状態や条件がある場合、マラセチア毛包炎に罹患するリスクが高まると考えられています。

■糖尿病

一般には末梢血管の循環が低下しており、皮膚の防御機能に影響を与えることがあります。

■脂性肌

皮脂の過剰分泌がマラセチアの増殖を促します。

■免疫系の疾患

免疫機能の低下はあらゆる感染症のリスクを高めます。

■脂漏性皮膚炎やフケ

脂漏性皮膚炎やフケがある場合はすでにマラセチアが増殖している環境を提供しています。

■過度の発汗

高温多湿の環境下でマラセチアは増殖します。

■抗生物質やステロイドの使用

抗生物質やステロイドは皮膚のフローラ(微生物叢)を変化させ、マラセチア毛包炎のリスクを高める可能性があります。

出典元:

Malassezia (Pityrosporum) Folliculitis (by Cleveland Clinc)

抗生物質や免疫抑制剤の使用時は特に注意

抗生物質や免疫抑制剤の使用は、真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)の発生リスクを特に高める可能性があります。これは、抗生物質が皮膚の自然なフローラ(微生物叢)のバランスを変え、善玉菌の量を減少させることにより、真菌の過剰な増殖を引き起こすためです。細菌と真菌は皮膚上で共存していますが、このバランスが崩れると真菌性座瘡のリスクが増加します。免疫抑制剤を使用している場合も同様で、体の自然な防御力が低下することで真菌の増殖を抑える能力が弱まります。これらの要因により、抗生物質や免疫抑制剤を使用している人は、特に真菌性ニキビに対して注意が必要です。真菌性ニキビのリスクを抑えるためには、皮膚の清潔を保つことや、適切なスキンケアを行うことが重要です。

マラセチア毛包炎の発生しやすい部位

背中のブツブツに悩む女性

マラセチア毛包炎、一般に「真菌性ニキビ」として知られるこの状態は、皮膚のどの部分にも発生する可能性がありますが、特に発汗が多い部位や衣服の摩擦が多い部位での発生が顕著です。以下のエリアは、マラセチア毛包炎が特に発生しやすい部位とされています。

■胸・デコルテ

バストの間などは発汗が多く、湿度が高まりやすいため、マラセチア毛包炎が形成されやすい環境となります。

■生え際・額・あご

額や生え際は顔の中でも特に汗をかきやすい部分です。また、男性の顎は髭剃りによる刺激で毛穴が傷つき、真菌の侵入がしやすくなります。

■首

首は頭部からの汗が流れやすく、襟元の摩擦も頻繁に生じるため、マラセチア毛包炎が発生しやすい部位です。

■二の腕・肩

二の腕や肩は服の密着による摩擦が多く、皮膚表面の微細な損傷がマラセチアの増殖に適した環境を提供します。

■背中上部

背中は体の中でも最も発汗が多い部位であり、かつか背中上部は常に衣類が密着しているため、高温多湿の状態になりやすく、真菌性ニキビの発生に最も適したエリアと言えます。

※これらの部位では、特に注意深いケアと適切な衣類選びが必要となります。また、真菌性ニキビの発生しやすい部位を理解することは、予防策を講じる上で非常に重要です。

真菌性ニキビに特徴的な症状と普通のニキビとの違い

真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)は、普通のニキビ(尋常性ざ層)とは異なる独特な特徴を持つ皮膚の炎症です。真菌性ニキビでは、皮膚上に突然発生する発疹のような隆起(ブツブツ)が特徴的であり、これらは毛穴周辺に現れます。これに対して、普通のニキビは毛穴ではなく皮脂腺に形成されることが多いです。

真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)による隆起は、通常、房状(クラスター上)に集まり、サイズや形が均一なブツブツとして現れます。また、1つ1つのブツブツの周囲には、しばしば赤みを帯びた境界線や輪が確認されることがあります。対照的に、普通のニキビ(尋常性ざ層)は大きさや形が不均一であることが多いのが特徴です。

さらに、真菌性ニキビは以下のような特有の症状を伴うことがあり、これらは普通のニキビには一般的ではありません:

・強いかゆみ:皮膚の刺激感が伴い、かゆみを引き起こします。

・皮膚の灼熱感:感染部位が熱を持ち、灼熱感を感じることがあります。

・疼痛:炎症により痛みを伴うことがあります。

背中のブツブツ、ニキビ治療

背中のニキビやブツブツの治療では、特に多くの場合、真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)が原因となっているため、薬物療法では真菌に対する治療が優先されます。さらに積極的な治療として、アグネスという方法が推奨されています。アグネス治療は、背中のニキビが真菌性であろうと普通のニキビであろうと、どちらにも効果的に対応できます。以下に、これらの治療方法について詳しく説明します。

■ 抗真菌薬による飲み薬と塗り薬

真菌性ニキビに対しては、経口の抗真菌薬や局所用の抗真菌クリームが用いられます。主に使用される経口抗真菌薬には、フルコナゾールやイトラコナゾールなどがあります。経口抗真菌薬には下痢、吐き気、胃痛、肝機能障害などの副作用が生じることがあります。局所治療としては、エコナゾールやケトコナゾール、二硫化セレンを含むシャンプー(フケの予防と治療にも用いられる)などの抗真菌クリーム(塗り薬)やシャンプーが利用されます。

■ アグネス治療

アグネス治療は、細菌や真菌による毛穴や皮脂腺の炎症に対し、効果を発揮する治療方法です。高周波を利用した熱で、感染している毛穴や皮脂腺を個々に治療し、治癒を促します。背中のニキビに対して、普通のニキビでも真菌性ニキビでも、アグネス治療は有効です。内服薬や外用薬では再発しやすい真菌性ニキビに対して、アグネス治療は再発のリスクがほとんどありません。したがって、背中のニキビ治療においては、アグネス治療の後に抗真菌薬を併用することが望ましいとされています。

背中のニキビ、真菌性ニキビの効果的な予防策

背中や胸に発生する真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)の予防は、日々の生活習慣の見直しで可能です。以下に、効果的な予防策を詳しくご紹介します。

■運動後の適切なケア

運動後はすぐにシャワーを浴び、汗を洗い流しましょう。汗や皮脂が毛穴を塞ぐと、真菌の増殖に適した環境が形成されるため、清潔な状態を保つことが重要です。少なくとも1日1回は肌をよく洗いましょう。

■毛の処理方法

剃毛や毛抜きなどの毛の処理を行う際は、皮膚を傷つけないように注意しましょう。損傷した皮膚は真菌の侵入口となり得ます。毛の処理が不要になるレーザー脱毛もおすすめです。

■スキンケア製品の選び方

脂分を多く含むスキンケア製品や日焼け止めは避けましょう。マラセチアは脂分で繁殖を促進されるためです。また、体を洗う際は、肌を優しく洗うことが大切です。強い摩擦は微細な傷を生じさせ、マラセチアの繁殖を助けることになります。

■水着の適切な扱い

水着は使用後、必ず洗濯し十分に乾燥させることが肝心です。湿った状態は真菌の繁殖に適した環境を作り出します。

■衣服の選択

特に暑い環境や運動時は、通気性の良いゆったりした服を選ぶことが望ましいです。タイトな服は肌を圧迫し、汗や熱がこもりやすくなるためです。

※これらの予防策を日々の生活に取り入れることで、真菌性ニキビの発生リスクを減らすことができます。

マラセチア毛包炎のよくあるご質問

Q:背中のニキビは人にうつりますか?

A:背中のニキビの主要な原因はマラセチア真菌の異常増殖ですが、マラセチアは常在菌であり、誰の皮膚にも存在します。したがって、ニキビ自体が他人に感染することはありません。

Q:背中のニキビは再発する可能性がありますか?

A:背中のニキビは再発の可能性を秘めています。局所的な抗真菌クリームや経口抗真菌薬の使用によって一度改善されたとしても、真菌性ニキビは再発することがあります。

Q:背中のニキビがひどくなった場合、どのような経過をたどるのが一般的ですか?

A:背中のニキビが悪化した場合の一般的な経過については、薬物治療を開始してから数週間以内に症状の改善が見込まれます。しかし、一時的に症状が改善された後でも、マラセチア毛包炎は何年にもわたって継続する可能性があります。加えて、多くの場合、薬の使用を中止すると再発することが一般的です。そのため、症状の再発を防ぐためには、抗真菌クリームや薬の継続的な使用が必要になります。これらのことを踏まえると、再発のリスクがほぼないとされるアグネス治療が、背中のニキビに対して最も効果的な治療法であると考えられます。アグネス治療は、感染した毛穴や皮脂腺を的確に治療し、長期的な改善を目指すものです。

Q:背中にニキビ(ブツブツ)ができる体質は?

A:男性や思春期の男女は脂性肌の場合が多く、脂性肌の体質の場合は、背中の皮膚にマラセチアが増殖しやすい環境になります。すなわち脂性肌の場合は、ニキビができやすい体質と言えます。

Q:胸と背中にニキビができやすいのはなぜですか?

A: 胸と背中はともに発汗が多い部位であるため、高温多湿となりすく、マラセチアという真菌(カビ)が増殖しやすい環境だからです。

Q:背中のぶつぶつはどうやって洗えばいいですか?

A:背中のブツブツの要因は多くの場合、マラセチア毛包炎です。ボディソープをよく泡立てて、優しく背中を洗ってください。決して、ゴシゴシ洗ってはいけません。逆効果で余計にニキビやブツブツができることになります。

Q:背中のニキビは触らない方がいいですか?

A: ニキビを洗うことは大切ですので、シャワー時には優しく洗ってください。ただ、ボディソープやシャンプーが残ることも毛穴が詰まってマラセチア毛包炎を悪化させる要因になりますので、注意が必要です。

まとめ

背中のニキビを治療した女性

背中のニキビ、特に真菌性ニキビ(マラセチア毛包炎)は、毛包の感染症であり、しばしば普通のニキビと誤解されがちです。この記事では背中ニキビやブツブツに対しての正しい対処方法について解説しました。マラセチア毛包炎では、皮膚に小さなかゆみを伴う赤い発疹が集団で現れることが特徴です。もし背中にかゆみを伴う吹き出物が改善されない場合は、専門クリニックでの早急な診察を推奨します。この記事が、皆様の皮膚トラブル解決のための有用な情報源となることを願っています。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。

【関連項目】

背中のニキビ治療「アグネス」の相談こちらから

【胸やデコルテのニキビ】原因と効果的な治療法の全貌

ベストのニキビ治療、それはアグネス!

にきびのアグネス治療の写真

 

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