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ワキガとは違うかも?生活習慣や身体の変化と臭いの関係を詳しく解説
更新日:2026/09/08
公開日:2023/10/26

日常的に慣れてしまった体臭は、自分では気づきにくいものです。ある日突然、周囲の反応がきっかけで、「もしかしたら臭っているかも…?」と気になった方もいらっしゃるでしょう。
ワキガによるものなのか、それとも別に原因があるのか、悩む方も多いと思います。本記事では、ワキガと混同しやすい体臭や生活習慣・身体の変化との関係から、日常生活でできる対策まで詳しく解説します。
気になる臭いはワキガ?
気になる臭いはワキガなのでしょうか。まずは、ワキガ臭が発生する仕組みや特徴について説明しましょう。
ワキガ臭が発生する仕組み
ワキガ臭が発生する仕組みに大きく関わっているのは、脇の下に多く分布するアポクリン汗腺です。皮膚表面の常在菌によって、このアポクリン汗腺から分泌される汗が分解され、ワキガ臭になります。
汗にはタンパク質や脂質などが含まれますが、一般的に、分泌された直後はほとんど臭いません。その後、常在菌に分解される過程で、独特の「臭いのもと」となる物質が生成されます。
具体的には、「3-メチル-2-ヘキセン酸(3M2H)」、「3-ヒドロキシ-3-メチルヘキサン酸(HMHA)」、「3-メチル-3-スルファニルヘキサン-1-オール(3M3SH)」などです。
また、ワキガ体質には遺伝が関係するといわれており、日本人では全体の約1割にみられると報告されています。
ワキガ臭の特徴
ワキガ臭には独特の特徴があります。とはいえ、すべての方が同じような臭いを発するわけではありません。たとえば、「酸っぱいにおい」「スパイスのようなにおい」「ミルクのような甘いにおい」など、いくつかの系統に分かれるようです。同じワキガでも、臭いの質には個人差があります。
ワキガ臭の感じ方も、人によって異なり、なかには自分の臭いに慣れてしまって気づかず、周囲の人達の反応で初めて自覚するケースもあります。しかし、脇の臭いが気になるからといって、必ずしもワキガとは限りません。汗による臭いや生活習慣など、別の要因が関係している場合もあります。
ワキガの臭いが強くなる3つの理由

ワキガの臭いが強くなるには、主に3つの理由があります。常に一定の強さで感じられるわけではありません。臭いの気になりやすいシーンについて詳しくみていきましょう。
汗や蒸れ
汗や蒸れは、ワキガの臭いが強く感じられる理由のひとつです。体温が上がると、エクリン汗腺・アポクリン汗腺から汗が分泌されます。通気性の低い衣服を着ていると、汗が蒸発せずに皮膚表面が蒸れて常在菌が増殖しやすくなり、臭いが強く感じられるようです。
実は、汗や蒸れは衣服の素材とも関係しています。綿などの天然繊維は吸湿性が高く、汗による臭いがこもりにくいようです。特に夏や湿度の高い日は、通気性のよい素材の服装を心がけましょう。
ストレスや緊張
ストレスや緊張でも、ワキガの臭いが強く感じられることがあります。理由は、自律神経のなかの交感神経が優位になり、汗をかきやすくなるためです。実は、精神的な高ぶりは、「つらい」「嫌だ」と感じる場面に限りません。楽しい出来事で心が弾んでいるときや、好きなことに打ち込んでいるときにも起こるのです。
この心理的な興奮や緊張で手のひらや足の裏、脇の下に生じる汗は、医学的に「精神性発汗」と呼ばれています。感情の良し悪しにかかわらないのも特徴です。受験やテストなどの緊張する場面はもちろん、楽しみにしていたイベントの前や達成感を得たときにも、汗ばむことがあります。
ただし、ストレスや緊張による汗の臭いのすべてが、ワキガ特有のものではありません。汗をこまめに拭き取ることで、臭いが強くなるのを抑えられることもあります。
ホルモンバランス
女性の場合は、ホルモンバランスの変化が臭いの感じ方に関係している可能性もあります。特に、月経周期や更年期に伴う変化が多いようです。
排卵後から月経前は、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増え、皮脂の分泌量に影響を与えるとされています。また、更年期は、女性ホルモンの分泌量が大きく減少するため、ほてりや発汗などが起こりやすくなる時期です。
このようなホルモンの影響による汗や皮膚環境の違いで、普段とは臭いの感じ方が変わる方もいらっしゃるでしょう。個人差はありますが、特定の時期に臭いが気になる場合は、ホルモンバランスの変化もひとつの要因として考えられるでしょう。
ワキガとは違う?生活習慣や身体の変化と臭いの関係
「ワキガとは違う?」と感じる臭いには、ワキガとは別の原因があるかもしれません。この章では、考えられる4つの生活習慣や身体の変化と臭いの関係を詳しく説明します。
食生活
食べ物や日々の食生活も、体臭と関係しています。たとえば、発汗を促す食品や、含まれている成分が体内で分解・代謝されて生じた物質などが呼気や汗から排出されるのです。
臭いを強くするといわれている代表的な食品群は、大きく分けて6つあります。
食品群 | 主な食品 | 臭いとの関係 |
|---|---|---|
香りの強い食品 | ニンニク・ニラ・タマネギなど | 含硫化合物などが呼気や汗に含まれる |
辛い食品 | 唐辛子・香辛料の多い料理など | 辛味成分によって発汗が促される |
赤身肉 | 牛肉・豚肉など | 摂りすぎると体臭に影響することがある |
アルコール | ビール・ワイン・日本酒など | 代謝物が、呼気や汗から排出される |
アブラナ科野菜 | ブロッコリー・キャベツなど | 成分の分解で臭いが生じることがある |
プロテイン | ホエイプロテインなど | 過剰摂取が臭いに影響する可能性がある |
一方、臭いを和らげたいときに取り入れたい食品は、次のとおりです。
食品群 | 主な食品 | 臭いとの関係 |
|---|---|---|
野菜・果物 | 緑黄色野菜・果物など | 体臭に良い影響を与える可能性がある |
発酵食品 | ヨーグルトなど | 腸内環境を整える食品として取り入れられる |
ハーブ類 | パセリ・ミントなど | 香りの強い食事の口臭対策などに使われる |
水分 | 水・お茶など | 汗や体内の代謝を保つために必要とされる |
食事による臭いは、食品や摂取量のほか、体質によっても異なります。特定のものを摂った後の臭いが気になる方は、一度これまでの食事内容を振り返ってみましょう。偏った食事を避け、バランスのよい食生活を心がけることも臭い対策のひとつになります。
喫煙
喫煙も、体臭に関係する習慣のひとつです。タバコを吸うと、煙に含まれる成分が体内に取り込まれるほか、煙が髪や衣類、皮膚などに付着して臭いの原因になります。
実際、ドイツ・ウルム大学法医学研究所の研究グループが、喫煙者などの汗に関する研究によれば、ニコチンはアポクリン汗とエクリン汗の両方から検出されました。さらに、アポクリン汗ではエクリン汗より濃度が高く、体内で代謝される前のニコチンが汗に含まれていたことも確認されています。つまり、タバコの成分は煙として付着するだけでなく、体内に取り込まれた後に汗から排出されるわけです。
なお、ワキガ治療は主にアポクリン汗腺を対象とします。髪や衣類に付着したタバコ臭など、喫煙によるすべての臭いを改善する治療ではないことに注意しましょう。
体調
体調も臭いと関係があります。睡眠不足や暴飲暴食、疲労が身体の状態に影響するからです。睡眠不足や疲労で自律神経のバランスが乱れると、汗のかき方に影響する可能性があります。また、暴飲暴食が続いて食事や飲酒によって発汗し、体内で作られた代謝産物などで一時的に臭いが強くなっていることもあるでしょう。
とはいえ、体調を崩したからといって、必ずしも体臭が強くなるとは限りません。汗の量や皮膚の状態などが変わって、臭いがいつもと違うように感じる方もいらっしゃるようです。臭いが気になる場合は、十分な睡眠や休息を取っているか振り返ってみましょう。
加齢
加齢も、体臭の変化に関係するとされています。代表的なものが、いわゆる「加齢臭」です。年齢を重ねるにつれて皮膚表面の脂質成分が変化し、皮脂に含まれる脂肪酸が酸化・分解される過程で「2-ノネナール」という臭い成分が作られます。加齢とともに生じやすくなる体臭成分です。
実際、26~75歳の男女22人を対象に体臭成分を分析した研究では、「2-ノネナール」は男女ともに40歳以上の被験者からのみ検出されました。発生の仕組みは、ワキガの原因となるアポクリン汗腺由来の臭いとは異なります。脇だけでなく頭部や首の後ろ、胸元、背中などから臭いを感じる方もいらっしゃるようです。
そろそろ「加齢臭」が気になる年齢だと感じたら、入浴やシャワーで皮脂の多い部分を丁寧に洗い、皮膚を清潔に保ちましょう。
自分の臭いが気になるときの対策

この章では、自分の臭いが気になるときの4つの対策を紹介します。いずれもすぐにできるものですので、早速、始めてみましょう。
汗をかいたらこまめにケアをする
まずは、汗をかいたらこまめなケアを心がけましょう。臭いが気になる方は、デオドラント製品や制汗剤を活用するのも対策のひとつです。
昨今は、スプレータイプの制汗剤やロールオンタイプのデオドラント製品のほか、携帯できる汗拭きシートなども多く出回っています。外出先で汗をかいたときにも手軽にケアできるでしょう。
特に、汗をかきやすい季節は、着替えを用意しておくのもおすすめです。帰宅後は、シャワーや入浴で汗や皮脂を洗い流し、清潔な状態を保ちましょう。
生活習慣・食生活を見直す
生活習慣や食生活の見直しも大切です。忙しい毎日で生活習慣や食生活を一度に変えるのは難しいものですが、できそうな対策から取り入れてみましょう。「平日の夜更かしを控える」「疲れた日は早めに休む」などの心がけは、勉強の集中力や仕事のパフォーマンスにも関わります。
食生活も、「朝食を抜かない」「外食やコンビニを利用する際は主食だけで済ませない」「おかずや野菜を組み合わせる」など、無理なく続けられる工夫が大切です。
禁煙を試みる
喫煙している方は、思い切って禁煙を試みるのもおすすめです。近年普及している加熱式たばこは、従来の紙巻きたばこと比べて煙による臭いが少ないと感じる方もいらっしゃいます。しかし、臭いへの影響がまったくないわけではありません。
もし実現できれば、臭いだけでなく健康面でのメリットも期待できます。長年の喫煙習慣をすぐに変えるのは簡単ではありませんが、これを機会にどのような場面でタバコを吸っているのか振り返るのもよいでしょう。
たとえば、食後や休憩時間などタバコを吸いたくなるタイミングがわかれば、「ガムを噛む・飲み物を飲む・少し身体を動かす」など、別の行動に置き換えたり、「灰皿やライターを目につく場所に置かない」など、吸いにくい環境を作るのも効果があります。
なお、ご自身だけで禁煙するのが難しい方は、医療機関の禁煙外来など、専門的なサポートを利用するのもひとつの方法です。
改善しない場合は医療機関に相談する

臭いが改善しない場合は、医療機関に相談しましょう。セルフケアや生活習慣の見直しを続けても変化のない方は、ワキガなど別の原因が関係しているかもしれません。また、ご自身だけではワキガかどうかを判断できないケースもあるものです。
その点、医療機関では、専門的な観点からカウンセリングをおこない、臭いの原因に応じた適切な対策や治療法を提案してもらえます。1人で悩まず、まずは「臭いのモト」を突き止めましょう。
まとめ
気になる臭いの原因は、ワキガだけではありません。食生活や喫煙を含めた生活習慣、体調、加齢によって、「臭いがこれまでと違う」と感じるようになった方もいらっしゃるようです。一度、ご自身の生活や臭いが気になるタイミングを思い出し、身近な対策から始めてみましょう。
ただし、セルフケアを続けても改善しない場合は、ワキガなど、治療で改善できる症状なのかもしれません。「なんで臭うのかしら?」と気になったら1人で悩まず、医療機関の診察で原因を確かめ、臭いの悩みを解消しましょう。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。腋臭多汗症治療はこれまで延べ1万人を超える。
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