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【ニキビに処方される薬】おすすめの薬とその効果についてNULL

2024/03/03

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【ニキビに処方される薬】おすすめの薬とその効果について

にきびの薬で効果があるものを探している女性

2023年に日本皮膚科学会よりニキビ治療の最新のガイドラインが発表されました。ガイドラインには、日本国内で保険診療において推奨される効果的なニキビ治療薬が詳細に掲載されています。この記事では、このガイドラインに基づいて、ニキビ治療において使うべきおすすめの薬についてその効果やメカニズムなどに詳細に解説します

そもそもガイドラインとは

日本で様々な疾患に対してそれを専門とする学会があり、ガイドラインはこれらの学会が発表されています。ガイドラインは、医療の質を高め、患者さんに最適な治療を提供するために非常に重要な役割を果たしています。ガイドラインは、最新のエビデンス(研究や論文による科学的根拠)に基づいて作成され、医師や医療関係者に最新の医学知識と治療方法を提供します。これにより、保健診療において全国の異なる医療機関でも一定の質の高い治療が提供され、治療の標準化が図られます。また、ガイドラインは、治療成果や患者様の満足度などを考慮して定期的に見直され、これにより、医療の質が常に最新の科学的根拠に基づいて向上し続けることが期待されています。このように、専門学会のガイドラインは、患者さんにとって最良の治療方法を保証するための重要な手引きとして機能しています。

ニキビの最新のガイドラインとは

ニキビ(医学用語では尋常性痤瘡と言います)の最新のガイドラインは2023年に日本皮膚科学会より発表され、「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」としてネット上でも閲覧可能です。このガイドラインの中ではさまざま治療方法に対して、推奨度を決めており、その根拠になっているエビデンスに対してもエビデンスレベルを決めております。

エビデンスレベルと推奨度の分類は下記のようになっています。

■エビデンスレベルの分類

数字が小さいほど、科学的なエビデンスの信用度が高いことを意味します。

I: システマティックレビュー,メタアナリシス

II :1つ以上のランダム化比較試験

III:非ランダム化比較試験(統計処理のある前後比較 試験を含む)

IV:分析疫学的研究(コホート研究や症例対照研究)

V: 記述研究(症例報告や症例集積研究)

VI: 専門委員会や専門家個人の意見

■推奨度の分類

A :‌行うよう強く推奨する(少なくとも 1 つの有効性 を示すレベル I もしくは良質のレベル II のエビデンスがある).

A*:行うよう推奨する(A に相当する有効性のエビデンスがあるが,副作用などを考慮すると推奨度が 劣る).

B ‌:行うよう推奨する(少なくとも 1 つ以上の有効性 を示す質の劣るレベル II か良質のレベル III ある いは非常に良質の IV のエビデンスがある).

C1 ‌:選択肢の一つとして推奨する(質の劣る III~IV, 良質な複数の V,あるいは委員会が認める VI のエビデンスがある).

C2:十分な根拠がないので(現時点では)推奨しない (有効のエビデンスがない,あるいは無効であるエビデンスがある).

 D: 行わないよう推奨する(無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスがある)

出典元:

尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023

ニキビのガイドラインで推奨度Aの塗り薬

「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」においてすべてのニキビ(炎症性皮疹と面皰)に対して推奨度Aの塗り薬は主成分が過酸化ベンゾイルとアダパレンの2つのみです。この2つが塗り薬ではおすすめの処方薬となります。

■過酸化ベンゾイルとは

ニキビに効くベピオゲル

過酸化ベンゾイルを主成分とする塗り薬ではベピオゲルが先発医薬品で、2015年に発売された比較的新しい処方薬です。過酸化ベンゾイルはニキビ治療に広く用いられる外用薬で、以下に、その主な特徴を詳しく説明します。

抗菌作用: ベピオゲルはニキビの主要な原因菌でアクネ菌に対して強力な抗菌効果を発揮します。この薬剤は皮脂腺内で分解され、強い酸化剤として作用し、バクテリアの細胞壁を破壊します。

角質層の軟化と剥離: 過酸化ベンゾイルは角質層を軟化させ、古い角質を除去する効果があります。これにより、毛穴の詰まりを防ぎ、ニキビの形成を予防すると同時に、既存のニキビの治療を促進します。

抗炎症作用: 過酸化ベンゾイルには炎症を軽減する作用があります。これは、炎症を引き起こす因子の生成を抑制することにより、ニキビに伴う赤みや腫れを減少させます。

皮脂生成の抑制: 一部の研究では、ベピオゲルが皮脂腺の活動を抑制し、皮脂の過剰な生成を減らす可能性が示唆されています。

使用上の注意点としては、過酸化ベンゾイルは肌に対して刺激が強いため、使用初期には乾燥、赤み、はがれ、痒みなどの副作用が発生することがあります。これらの症状は通常、使用を続けることで徐々に軽減されますが、重度の刺激やアレルギー反応が現れた場合には使用を中止し、医師の診察を受けることが重要です。また、過酸化ベンゾイルは布などを漂白する性質があるため、使用時には衣類やタオルなどに注意が必要です。以上のように、ベピオゲルはその抗菌作用、角質層の軟化・剥離効果、抗炎症作用、および皮脂生成の抑制効果により、ニキビ治療において重要な役割を果たします。

■アダパレンとは

ディフェリンゲルのにきび薬

アダパレンを主成分とする塗り薬ではディフェリンゲルが先発医薬品で、2008年に日本国内では発売されました。ディフェリンゲルは、ニキビ治療に用いられる外用薬の一種で、エビデンスに基づいたそのメカニズムや効能について、以下のように説明します。

レチノイド作用: アダパレンは合成レチノイドであり、ビタミンAの誘導体です。この薬は、細胞の成長と分化に関わるレチノイド受容体に作用します。特に、ディフェリンゲルは特定のレチノイド受容体に選択的に結合することで、皮膚の角質層の正常化を促進し、毛穴の詰まり(コメド)の形成を防ぎます。

抗炎症効果: アダパレンには、ニキビの炎症を減少させる効果があります。これは、炎症を引き起こす細胞因子の活動を抑制することによるものです。これにより、ニキビによる赤みや腫れを軽減します。

角質層の正常化: ディフェリンゲルは、皮膚の角質層の剥離を促進し、毛穴の詰まりを解消します。これにより、コメドの形成を防ぎ、既存のコメドを除去する助けとなります。

皮脂腺活動の調節: いくつかの研究では、アダパレンが皮脂腺の活動を調節し、皮脂の過剰な分泌を抑える可能性が示唆されています。

使用上の注意として、アダパレンの初期使用では、皮膚の乾燥、赤み、痒み、刺激感などが起こることがありますが、これらは通常、使用を続けることで時間と共に減少します。また、アダパレンは光に敏感なので、使用中は日焼けを避けるか、日焼け止めを使用することが推奨されます。また、妊娠中や授乳中の女性には使用を避けるか、医師の指導の下で使用することが重要です。以上のようにディフェリンゲルは、その角質層の正常化作用、抗炎症効果、および皮脂腺活動の調節により、ニキビ治療において効果的な薬剤とされています。

ニキビのガイドラインで推奨度Aの飲み薬

額のにきびの治療薬とは

「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」において飲み薬が推奨度Aを得ているのはニキビが炎症性皮疹(赤ニキビと黄ニキビ)の場合のみで、その薬もドキシサイクリン、ミノサイクリンのみです。この2つが飲み繰りではおすすめの処方薬となります。

■ドキシサイクリンとは

ドキシサイクリンは、ニキビ治療に使用されるテトラサイクリン系の抗生物質の一つです。ドキシサイクリンは、ニキビの主要な原因菌であるアクネ菌に対して強力な抗菌効果を示します。この薬は細菌のタンパク質合成を阻害し、その増殖を抑制します。これにより、アクネ菌の数を減少させ、ニキビの発生を抑制します。ドキシサイクリンには、ニキビの炎症を抑制する効果があります。炎症はニキビの赤みや腫れの原因であり、この炎症を抑えることで、ニキビの症状を軽減することができます。一部の研究では、ドキシサイクリンがコメドの形成を抑制する可能性が示唆されています。コメドはニキビの初期段階であり、これを抑制することでニキビの進行を防ぐ効果が期待されます。使用上の注意点として、ドキシサイクリンは光線過敏症(日光に対する過敏反応)を引き起こす可能性があるため、日焼けを避けることが推奨されます。また、胃腸障害やめまいなどの副作用が起こることがあるため、医師の指示に従って使用することが重要です。

■ミノサイクリン(ミノペン🄬)とは

ミノサイクリン(商品名:ミノペン)もドキシサイクリンと同様に、ニキビ治療に使用されるテトラサイクリン系の抗生物質です。ミノペンは、ニキビの原因となるアクネ菌(に対して強力な抗菌効果を持っています。この薬は、細菌のタンパク質合成を阻害し、その増殖を抑制することで、ニキビの原因菌の数を減らします。この薬は、ニキビに伴う炎症反応を抑える効果も持っています。炎症はニキビの赤みや腫れを引き起こす主要な因子であるため、この作用はニキビの症状を軽減します。ミノサイクリンによるアクネ菌の増殖抑制と炎症抑制により、ニキビの進行を防ぐ効果があります。特に、毛穴に詰まった皮脂が悪化して感染を引き起こす中等症から重症のニキビに有効です。使用上の注意点として、ミノペンは、副作用として光線過敏症(日光に敏感になること)、胃腸障害、めまいなどが報告され

その他のニキビの塗り薬と飲み薬について

推奨度Aの薬はこれまで紹介した4つ(塗り薬2つ、内服薬2つ)のみです。ただ、ニキビの薬はその他にもたくさんあります。それぞれの推奨度と合わせて簡単に解説します。

■ニキビの塗り薬

外用抗菌薬(クリンダマイシン,ナジフ ロキサシン,オゼノキサシン)は炎症性皮疹(赤ニキビと黄ニキビ)に対しては推奨度A、面皰(白ニキビ、黒ニキビ)に対しては推奨度C2で推奨しないとされています。

非ステロイド系抗炎症外用薬(イブプロフェンピコ ノールクリーム)は炎症性皮疹(軽症から中等症)に対しては推奨度C1で、選択肢の一つとして推奨される場合があります。

ステロイド外用薬は推奨度C2であり、炎症性皮疹に対してはステロイド外用を推奨しないとされています。

アゼライン酸外用は保険適用外の外用剤ですが、推奨度C1 で、選択肢の一つとして推奨される場合があります。

ビタミン C 外用(テトラヘキシルデカン酸 アスコルビルと L-アスコルビン酸-2-リン酸ナトリウム の外用)は炎症性皮疹、炎症後の紅斑に使用されますが、保険適用外のためC2という判断です。

イオウ製剤外用はC1で、選択肢の一つとして推奨される場合があります。

■ニキビの飲み薬

ドキシサイクリン/ミノサ イクリン以外の抗生剤についてですが、炎症性皮疹に対してロキシスロマイシン/ファロペネムは推奨度B、テトラサイクリン/エリスロマイシン/クラリスロマイシン/レボフロキサシン/トスフロキサシン /シプロフロキサシン/ロメフロキサシン/ セフロキシムアキセチルは推奨度C1です。(抗生剤は面皰に対しては適用がありません)

漢方薬については荊芥連翹湯,清上防風湯,十味敗毒湯は炎症性皮疹に対しては推奨度C1で、黄連解毒湯,温清飲,温経湯,桂枝茯苓丸は炎症性皮疹に対してはC2です。面皰(白ニキビ、黒ニキビ)に対してC1は荊芥連翹湯のみで、その他すべての漢方薬はC2で推奨しないとされています。

ステロイド内服、DDS(diaminodiphenyl sulfone、dapsone)内服、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)内服はC2で推奨しないとされています。

経口避妊薬(いわゆるピル)はC2で推奨しないとされています。

スピロノラクトンはC2で推奨しないとされています。

ビタミン薬内服はC2で推奨しないとされています。

まとめ

本記事では、日本国内で保険診療におけるニキビ治療に用いられる薬剤について、最新の使用法と正しい知識を総合的にご紹介しました。特に、過酸化ベンゾイルとアダパレンという二種類の塗り薬、ドキシサイクリンとミノサイクリンという二種類の飲み薬は、その効果と安全性に基づき、特に推奨されており、おすすめの処方薬です。一方で、漢方薬を含む他の薬剤については、現時点ではエビデンス(科学的根拠)が不十分であり、一概に推奨することは難しいと言えます。しかし、これらの薬剤がニキビ治療に無効であるわけではなく、患者様個々の状態に応じて、医師の判断で効果的に用いられる場合もあります。この記事が、ニキビ治療薬に関する皆様の理解を深め、適切な治療選択の一助となれば幸いです。ニキビ治療における薬剤選択に際しては、その薬がガイドラインにおいてどのような位置づけであるかを理解することが非常に重要です。皆様のニキビ治療への知識が一層深まることを願っています。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。

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