BLOG 施術症例・美容整形コラム Dr.元神の院長ブログBLOG 施術症例・美容整形コラム Dr.元神の 院長ブログ

【プロアクティブにあまり効果がない理由】商品は悪質?NULL

2024/03/02

院長ブログトップ > 【プロアクティブにあまり効果がない理由】商品は悪質?

【プロアクティブにあまり効果がない理由】商品は悪質?

村上信五を宣伝に使用するプロアクティブ

ニキビのホームケア商品としてプロアクティブが有名です。プロアクティブは、その宣伝において著名人を起用し、特に旧ジャニーズ事務所の村上信五さんのような人気タレントの効果的な使用例を前面に出しています。彼の肌の顕著な改善は、多くの注目を集め、製品の魅力を伝える強力なメッセージとなりました。しかし、インターネット上でのユーザーレビューを見ると、この製品に対する満足度は必ずしも一様ではないようです。本稿では、プロアクティブの成分と効果に焦点を当て、ニキビケアにおけるその実効性について詳しく探求します。また、なぜこの製品が一部のユーザーにとって効果的でない可能性があるのかについても考察を加えます。

プロアクティブの歴史

プロアクティブ(Proactiv)は、アメリカの皮膚科医Katie RodanとKathy A. Fieldsにより開発されたスキンケアブランドで、1995年にダイレクトマーケティング会社Guthy-Renkerによって発売されました。プロアクティブ(Proactiv)は日本で言うテレビショッピングであるインフォマーシャルという形式で販売を開始し、インフォマーシャルを通じて広く知られるようになりました。また、米国内で多くの著名人を宣伝に起用し、世界中の消費者から注目を集めました。その成功の要因は、医薬品を混合するという革新的な製品開発と著名人を利用したマーケティング戦略にあります。また、洗顔料、トナー、ローションを組み合わせた3ステップケアが特徴で、これにより本来原価が安い洗顔料だけで十分な商品にさらに商品を2つ上乗せして付加価値をあるように見せて、高い値段設定にしました。これが大きな利益を生みました。日本市場では2003年からの展開が始まり、日本の薬事法に合わせた製品開発が行われています。プロアクティブは、その発売以来、その巧みな宣伝戦略により、ニキビケア製品の中でも特に認知度が高いブランドとしての地位を確立しています。ジャスティンビーバーを宣伝に使っているプロアクティブ

↑ジャスティンビーバーを宣伝に使っているプロアクティブの過去ホームページ

アメリカ版プロアクティブの成分とその効能

アメリカ版プロアクティブには「過酸化ベンゾイル(BPO)」が有効成分として使用されています。「過酸化ベンゾイル(BPO)」は、ニキビ治療において一定の効果を発揮する成分です。この成分は、日本国内では医薬品に分類されており、ニキビ治療用の外用薬「ベピオゲル」にも含まれています。ベピオゲルは、2015年より尋常性ざ瘡(一般的にニキビと呼ばれる状態)の治療薬として、保険適用の下で処方されるようになりました。過酸化ベンゾイルの特長は、顔のニキビを引き起こす主要因であるアクネ菌に対し、抗菌作用を発揮することにあり、その結果、多くのニキビ治療において効果を見せています。さらに、2017年にはプロアクティブMD(ProactivMD)という商品ががアダパレンを配合して発売されました​​。アダパレンも過酸化ベンゾイルと同様に日本では医薬品で、ディフェリンゲルという商品名で処方されています。

アメリカ版プロアクティブの有効成分の過酸化ベンゾイルやアダパレンとは

アメリカ版プロアクティブに含まれる過酸化ベンゾイルやアダパレンは、ともに尋常性痤瘡(一般的にニキビと呼ばれる状態)治療において、日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」で高い推奨度を得ている成分です。このガイドラインにおいて、過酸化ベンゾイルとアダパレンはともに「行うよう強く推奨する」カテゴリーのAランクに位置付けられています。私自身、日々の臨床でニキビ患者に対して直接ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)やディフェリンゲル(アダパレン)を処方することもありますが、その効果は診察の中で明らかに見て取れます。日本では医療用薬品として扱われるこの成分が、アメリカ版プロアクティブに含まれていることは大きな驚きです。過酸化ベンゾイルの効能は、発売当初のアメリカ版プロアクティブの売れ行きにも大きく寄与しており、プロアクティブの人気は日本市場にも波及し、こちらでも発売されるに至りました(ただし、違う日本版は違う成分)。

日本版プロアクティブはサリチル酸

日本版プロアクティブとアメリカ版プロアクティブの間で最も顕著な差異は、それぞれの製品に含まれる主要な有効成分にあります。アメリカ版には過酸化ベンゾイル(BPO)が含まれていますが、日本版プロアクティブではその成分を使用しておらず、代わりにサリチル酸が主要成分として採用されています。サリチル酸は皮膚ケア製品において広く使用される成分で、特にピーリング石鹸などの製品で見られます。この成分は、古い角質層や余分な皮脂を取り除くことによって、新しい肌細胞の生成を促します。その結果、肌のトーンを明るくし、ニキビや黒ずみなどの皮膚トラブルの改善に効果を発揮すると言われています。

プロアクティブの3ステップ

↑日本のプロアクティブホームページに掲載されている3ステップの商品

出典元:

プロアクティブオームページ

日本版プロアクティブに含まれるサリチル酸の特徴とその効果

日本版プロアクティブに配合されているサリチル酸は、医療機関や美容皮膚科においてニキビ治療に広く用いられている成分です。特に、ケミカルピーリングの主要成分としての役割を担っています。ただし、ケミカルピーリングに使用されるサリチル酸は、石鹸などの日常的な皮膚ケア製品に配合されるものと比較して、はるかに高濃度です。この濃度の差が、その効果に大きな影響を与えます。さらに、サリチル酸の効果は個人差が非常に大きいという点が特筆すべきです。ある人には顕著な効果がある一方で、別の人にはほとんど効果がない場合もあります。このため、日本皮膚科学会が発表している「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」では、サリチル酸を使用したケミカルピーリングの推奨度はC1(治療の選択肢として考慮されるレベル)とされています。一般に市販されているピーリング石鹸に含まれるサリチル酸の濃度は、医療用のケミカルピーリングに比べて格段に低いです。市場には「スキンピールバー ハイドロキノール(サンソリット)」や「フォトホワイトC ホワイトソープ(ドクターシーラボ)」など、多くのピーリング石鹸が存在しますが、これらの製品もまた、効果を実感する人とそうでない人の間で大きな差があるのが現実です。

日本版プロアクティブの効果

日本市場において販売されている日本版プロアクティブは、その主成分としてサリチル酸を含んでいます。この点において、市場に存在する他のサリチル酸を含むピーリング石鹸製品との間に顕著な効果の差異は認められません。つまり、日本版プロアクティブの効果を実感する人がいる一方で、全く効果を感じられないという声も少なくないのです。特に、アメリカ版プロアクティブの大きな成功とその反響を背景に、多くの消費者が日本版に対して高い期待を抱いていました。しかし、肝心の効果に関しては、これらの期待とは異なる結果となることがあります。この違いの根底には、アメリカ版と日本版プロアクティブの成分の相違があります。アメリカ版の主成分である過酸化ベンゾイル(またはアダパレン)と、日本版のサリチル酸では、その作用機序や効果に大きな違いがあるため、同等の結果を期待することは難しいのです。この事実は、消費者にとって大きな落胆の原因となり得ますが、それは製品の成分の違いに基づくものであり、その効果の範囲や限界を理解することが重要です。したがって、日本版プロアクティブを使用する際には、これらの点を踏まえた上で、現実的な期待を持つことが肝要と言えるでしょう。

プロアクティブは悪質?

プロアクティブに関して、市場で見られるその価格設定には一定の疑問が持たれています。この製品の主要成分であるサリチル酸は、原価が比較的安価なピーリング石鹸に含まれる成分です。プロアクティブは、この一つの成分を含む製品を3つの異なる商品(洗顔料、化粧水、クリーム)に分割し、それぞれに特別な効果があるかのように宣伝しています。この戦略により、本来安価な成分を使用しながら、製品全体としては高価な価格設定をしているという点が指摘されています。しかし、化粧品市場においては、ブランド価値やマーケティング戦略が製品価格に大きな影響を与えることは一般的です。そのため、プロアクティブの価格が高いからといって、直ちに製品が悪質であると断じることはできません。消費者には、製品の価値が価格に見合っているかどうかを自身で判断し、購入の決断を下す権利があります。

まとめ

美容外科医専門医元神賢太医師

この記事を通じて、日本市場におけるプロアクティブの特徴と効果について詳細に解説しました。プロアクティブに含まれるサリチル酸は、一定の効果を持つことは間違いありません。この点を踏まえ、プロアクティブ製品自体を全面的に否定する意図はありません。しかしながら、多くの著名人がメディアやCMを通じて「プロアクティブだけでニキビが劇的に改善した」というメッセージを発信することについては、専門家の立場から見過ごすことはできません。プロアクティブが一部の人にとって効果的である可能性はありますが、それが万人に当てはまるわけではありません。この記事を読むことで、プロアクティブに関する正確な情報と、現実的な期待を持つことができたのであれば、これ以上の幸せはありません。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。

【関連項目】

万能のニキビ治療「アグネス」のご相談はこちら

日本のプロアクティブは成分が違うから、ニキビが治りにくい?

【胸やデコルテのニキビ】原因と効果的な治療法の全貌

ベストのニキビ治療、それはアグネス!

にきびのアグネス治療の写真

ブログTOPに戻る
ブログTOP

当院は開設20年以上の歴史を持つ医療法人社団セレスのグループクリニックです。
千葉船橋院:千葉県船橋市(JR総武線・横須賀総武快速線、東武野田線、京成本線船橋駅)、東京青山院:東京都港区北青山(地下鉄銀座線外苑前駅)がございます。
年間で累計約4万人の患者様にご来院いただいており、国内屈指の症例数がございます。
様々な治療のご相談をお受けし、施術を行っておりますのでどうぞ安心してお任せください。

千葉エリアで治療をご希望の方はこちら

船橋中央クリニックmap

〒273-0005
千葉県船橋市本町6-4-15
グラン大誠ビル 2F
責任者:元神賢太
最終学歴:H11年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H15年船橋中央クリニック開業

東京エリアで治療をご希望の方はこちら

青山セレスクリニックmap
詳細地図はこちら

青山セレスクリニック
東京青山院

フリーダイヤル 0120-010-099

〒107-0061
東京都港区北青山2-7-26
ランドワーク青山ビル7F
(旧ヒューリック外苑前ビル)
責任者:高林洋一
最終学歴:S43年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H28年青山セレスクリニック管理者

メニューを開く

ライン相談をする 相談/予約

希望される
クリニックを選択して下さい。

どちらも元神医師が診察しています。

フリーダイヤル フリーダイヤル相談/予約

希望される
クリニックを選択して下さい。

どちらも元神医師が診察しています。