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「にきびと食事」についての記事まとめ

2024/03/08

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【便秘・腸内細菌叢とニキビの関係性】ニキビによい食事とは?

皆さんは、「便秘になるとニキビができる」「チョコレートを食べ過ぎるとニキビが増える」というような言い伝えを聞いたことはありませんか?昔からのこのような民間伝承は、実は科学的根拠に基づいていることが、近年の研究により明らかになっています。特に、腸内環境と皮膚の健康の間には深い関連があることが指摘されており、便秘や食事がニキビの発生に直接的な影響を与えている可能性が高いのです。近年の研究では、腸内細菌叢(マイクロバイオーム)の不均衡が、炎症や皮膚トラブル、特にニキビの発生に密接に関係していることが明らかにされています。便秘が長引くと、腸内の有害な細菌が増え、これが全身の炎症を引き起こし、結果として皮膚にも悪影響を与えるのです。一方で、食生活も皮膚の健康に大きな影響を及ぼします。例えば、高脂肪や高糖質の食事は腸内細菌叢のバランスを崩し、炎症を引き起こす可能性があります。また、特定の食品、例えばチョコレートや乳製品は、ホルモンバランスに影響を与え、皮脂の過剰な分泌やニキビの発生を促進することが知られています。この記事では、最新の科学的見解と共に、腸内環境と食事がニキビに与える影響について、より詳しく解説していきたいと思います。腸内の健康が皮膚に与える影響についての理解を深めることで、ニキビの予防や改善に役立つ知識を提供できればと思います。

腸脳皮膚相関(gut-brain-skin axis)とは

80年以上前、皮膚科医のJohn H. StokesとDonald M. Pillsburyが提唱した「腸脳皮膚相関(Gut-Brain-Skin Axis)」理論は、消化器系のメカニズムがにきびを含む皮膚疾患に影響を及ぼす可能性があるという革新的な考え方でした。彼らは、精神的ストレス、うつ病や不安症などの心の健康が、腸内細菌叢(腸内の微生物群)のバランスを崩し、腸の透過性を高め、結果として全身の炎症を引き起こすという仮説を立てました。これにより、腸の状態が直接的に皮膚の健康に影響を及ぼすという考えが生まれました。さらに、StokesとPillsburyは、腸内細菌叢のバランスを改善するためにプロバイオティクス(善玉菌)の使用を提唱し、この分野のパイオニアとなりました。最近の研究では、この理論がさらに科学的な支持を受けています。腸内の健康は、プロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌など)の摂取によって大きく改善されることが明らかになっており、これは全身の炎症や酸化ストレス、血糖コントロール、組織内の脂質量に影響を与えることが分かっています。これらの変化は、ニキビの発症や重症度とも深く関連しており、心と腸、そして皮膚の健康が密接に結びついていることを示しています。

腸脳皮膚相関

参照元:

Acne vulgaris, probiotics and the gut-brain-skin axis: from anecdote to translational medicine

ニキビと便秘:腸の健康と皮膚の相互作用

ニキビと便秘、そして腸の健康と皮膚の問題との関連性は、近年の医学研究により確実に示されています。13,000人以上の青少年を対象にした大規模な研究では、ニキビ患者が便秘、口臭、胃液逆流などの消化器系の問題を抱えることが一般的であることが明らかにされています。中でも、腹部の膨満感はニキビや脂漏性皮膚病との関連性が37%も高く、これは消化器系の不調が直接的に皮膚の問題に影響を及ぼす可能性を示唆しています。

さらに、別の研究では、にきびを抱える患者グループの約40%が便秘を経験しており、これは健康な人々と比べて顕著に高い割合です。このことから、便秘がニキビの発生や悪化に関係していることが推測されます。また、重度のニキビ患者においては、過敏性腸症候群(IBS)が健康な対照群よりも有意に多く発生しているという報告もあります。IBSを持つ患者では、ニキビの重症度も高い傾向にあることが示されており、これは腸の健康が皮膚の状態に密接に関わっていることを物語っています。

これらの研究結果は、腸内環境と皮膚の健康が相互に影響し合っていることを強く示唆しており、ニキビの治療においては、腸の健康を考慮に入れることが重要であることを教えてくれます。

出典元:

Acne vulgaris, probiotics and the gut-brain-skin axis – back to the future?

The relationship between acne vulgaris and irritable bowel syndrome: A preliminary study

ニキビと腸内細菌叢

ニキビの発生には、腸内細菌叢(腸の中の細菌の集まり)が大きく関与しています。腸内細菌叢と皮膚の健康状態は相互に作用しあっており、免疫系の調整を通じて腸と皮膚がコミュニケーションを取っているとされています。にきび患者の場合、乳酸菌やビフィズス菌のような主要な「善玉」菌がニキビ患者には不足していることや腸内細菌の多様性も低いことが明らかになっており、実に半数以上が腸内細菌叢の異常を持っていることがわかっています。善玉菌は短鎖脂肪酸(SCFA)と呼ばれる物質を産生し、健康的な腸管バリアを維持するのに役立つ一方、ニキビ患者のように善玉菌やSCFAが十分でない場合、腸管透過性が亢進すると言われています。その結果、腸内細菌やその副産物が血流に乗り、皮膚の健康に影響を与え、ニキビの原因となる炎症を引き起こす可能性があります。このように、私たちの肌の健康、特にニキビの発生には、腸内細菌叢の状態が深く関連しています。

出典元:

The increasing importance of the gut microbiome in acne vulgaris

にきびを悪化させる可能性がある食事

ニキビによくない食事

食事の内容によっては、腸内細菌のバランスが崩れ、腸内環境が悪化することがあります。これは、ニキビの状態を悪化させる原因となることがあります。特に以下のような食事スタイルは、ニキビを悪化させる可能性が高いとされています。

■欧米型の食生活

加工食品、飽和脂肪、精製糖を多く含む欧米の食生活は、にきびを悪化させる要因です。研究では、糖質が高い食品、乳製品、脂肪が多い食品、ミルクチョコレートなどがにきびを促進する可能性があるとされています。

■高脂肪食

 高脂肪食は、腸内の細菌の多様性を減少させ、腸の健康を害し、炎症を引き起こす可能性があります。にきびは炎症と関連しているので、これが影響すると考えられます。

■高GI食品

高GI食品は、IGF-1とインスリンのレベルを上げ、にきびの発生に関連する特定の因子(FoxO1、SREBP-1)に影響を及ぼすことがあり、その結果、にきびのリスクが高まると考えられています。高GI食品とは摂取後にすぐに血糖値を上昇させてしまう白米や白パンなどの炭水化物のことです。

■肉や乳製品が多い食事

肉や乳製品が多い食事がmTOR経路という特定の経路を活性化し、にきびを悪化させる成分を多く含みます。mTOR(哺乳類ラパマイシン標的蛋白質)経路は、細胞の成長、代謝、老化プロセスに重要な役割を果たす経路です。特に、ロイシンというアミノ酸が多く含まれる肉や乳製品は、このmTOR経路を活性化させます。mTOR経路が活性化されると、皮脂腺の活動が増加し、皮脂の生成が促進されるため、にきびが悪化することがあります。したがって、肉や乳製品が多い食事が、このmTOR経路を通じてにきびのリスクを高める可能性があるのです。一方、肉や乳製品を減らしたり避けたりするベジタリアンとビーガンの食事では、にきびに関係する炎症を減少させる可能性があります。

ニキビや肌荒れを改善させる食事

ニキビによい食事

ニキビや肌荒れは、不均衡な食生活が原因の一つとされています。健康な肌を維持するためには、栄養バランスの取れた食事が重要です。以下のような食事を心掛けることで、肌の調子を整えることが期待できます。

■ 多種多様な野菜と果物

腸内細菌の多様性を促進し、健康な腸を維持するためには、様々な種類の植物性食品の摂取が推奨されます。週に30種類の野菜、果物、香辛料、ハーブ、豆類、ナッツ類、種子類を取り入れることが理想です。これらは、肌の健康をサポートするビタミンやミネラル、抗酸化物質を豊富に含んでいます。

■ カラフルな植物

ポリフェノールは、色鮮やかな植物に豊富に含まれる化合物で、善玉腸内細菌の栄養源となります。赤、黄、緑、紫など、色々な色の野菜や果物を日常の食事に取り入れることで、腸内環境の改善につながります。

■ 豆類

ひよこ豆やレンズ豆などの豆類に含まれる特別なプレバイオティクス食物繊維は、善玉腸内細菌の燃料として役立ちます。これらの食品は、腸内環境を整えるとともに、肌の健康にも良い影響を与えます。

■ 発酵食品

ヨーグルト、キムチ、ミソ、納豆などの発酵食品には生きた細菌が含まれており、腸内細菌叢の多様性を高めます。これらの食品を日々の食事に取り入れることで、腸内環境の健康をサポートし、結果として肌の健康にも寄与します。

■ 食物繊維が多い食べ物

便秘はニキビの一因となることがあります。便秘を防ぎ、腸の健康を維持するためには、食物繊維を豊富に含む食品の摂取が重要です。食物繊維は便通を促進し、腸内環境を整えることで、間接的にニキビや肌の状態を改善する効果が期待できます。全粒穀物(玄米、全粒粉のパン) 豆類、野菜(ブロッコリー、キャベツ、にんじん)、果物(リンゴ、バナナ、オレンジ)、ナッツ類などが食物繊維を豊富に含む食です。

腸内細菌叢とニキビについてよくあるご質問

Q: 抗生物質は腸内環境に悪影響を及ぼしますか?

A: 抗生物質は細菌を殺すため、健康な腸内細菌も影響を受けることがあります。これにより、腸内細菌の多様性が低下し、腸の健康に悪影響を及ぼすことがあります。ニキビ治療の一環として抗生物質を使用する場合でも、医師の指導の下で適切に使用し、必要以上の長期間の使用は避けるべきです。

Q: ストレスは腸内環境を悪化させますか?

A: はい、ストレスは腸内細菌に影響を及ぼし、特に乳酸菌やビフィズス菌の数を減少させる可能性があります。ストレスが続くと、腸のバリア機能が弱まり、腸内環境が悪化することがあります。また、ストレスが高い状態では交感神経が優位になり、腸管運動が低下し、便秘になりやすく、腸内環境を悪化させる要因にもなります。

Q: 腸内環境を改善するための生活習慣は何ですか?

A: 腸の健康を促進するためには、質の良い睡眠、定期的な運動、ストレス管理、禁煙が重要です。これらはすべて、腸内細菌のバランスを保つのに役立ちます。特に運動は便通をよくし、腸内環境の健康に重要です。

Q: 腸内環境に良い食事とはどのようなものですか?

A: 腸内環境を改善するためには、多種多様な植物性食品を取り入れることが重要です。野菜、果物、豆類、全粒穀物、ナッツ、種子などをバランス良く摂取し、超加工食品の摂取を控えることで、腸内の微生物の多様性をサポートし、腸の健康を促進することができます。

まとめ

この記事ではニキビと腸内環境、特に腸内細菌叢との重要な関係性について詳説しました。私たちの食生活、特に糖質や脂肪が豊富な食品や乳製品の摂取が腸内細菌叢に与える影響は、ニキビの発生や悪化に関連している可能性が高いのです。これに対して、果物や野菜、豆類などの栄養価の高い食品を積極的に摂ることは、腸内細菌叢を健康に保ち、ニキビのリスクを軽減します。また、健康な腸のためには、良好な便通も重要です。ストレスの軽減、日々の適度な運動、良質な睡眠は、腸の動きを促進し、健康な消化機能を維持するのに役立ちます。この記事が皆さんの健康的な生活習慣やニキビケアに役立つことを願います。腸の健康と肌の状態は密接に連携しており、食生活や生活習慣の見直しは全身の健康へと繋がります。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。

【関連項目】

万能のニキビ治療「アグネス」のご相談はこちら

ベストのニキビ治療、それはアグネス!

にきびのアグネス治療の写真

 

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