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2024/03/31

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【脂肪冷却の効果】クールスカルプティング・クールテックの仕組み

リンダ・エヴァンジェリスタのクールスカルプティング

美容医療の世界は日々進化を遂げており、患者様のニーズに応えるため、多様な痩身治療法が開発されています。その中でも、外科的な脂肪吸引を避け、安全かつ効果的に皮下脂肪を減少させるための方法として、クールテックやクールスカルプティングのような脂肪冷却療法が注目を集めています。このほかにも、ダイオードレーザー(エクセル)や高周波、HIFUといった非侵襲的な治療法が存在しますが、特に脂肪冷却療法は、「切らない脂肪吸引」としての人気を博しています。この記事では、クールテック、クールテック・ディファイン及びクールスカルプティング等の脂肪冷却による痩身治療機器について、その作用原理、副作用、そしてどのような効果が期待できるのかを、詳細にわたり解説していきます。

アイスキャンディーで判明した脂肪破壊の歴史

脂肪冷却の歴史は、驚くべきことに、20世紀初頭まで遡り、1900年代初頭の寒冷地において脂肪組織が損傷を受けるこという報告が起源です。1970年には「popsicle panniculitis(アイスキャンディー脂肪織炎)」という現象が研究報告されました。これは、アイスキャンディーをしゃぶる乳児の頬に見られる赤い硬結と脂肪破壊から名付けられました。この現象は、脂肪細胞が周囲の水分を多く含む組織よりも低温に対して脆弱であることを示しており、「寒冷脂肪織炎(または寒冷脂肪組織炎)」という病態であることが発見されました。寒冷脂肪織炎という現象を活用して、2007年に冷却痩身機器が開発されました。この機器は脂肪細胞と皮膚の物理的特性の違いを利用し、皮膚を傷つけることなく脂肪細胞を選択的に破壊します。以来、美容皮膚科や美容外科の分野において、クールテックやクールテック・ディファイン、クールスカルプティングなどの脂肪冷却痩身機器が開発されました。

出典元:

Cryolipolysis: a historical perspective and current clinical practice

脂肪冷却の仕組み

popsicleというアイスキャンディー

冷却による脂肪破壊という概念の基礎となる寒冷脂肪織炎(または寒冷脂肪組織炎)は、幼い少年がアイスキャンディー(popsicleというアイスキャンディー)をしゃぶった後に頬に硬結が生じた症例から発見されまsた。この現象を詳細に調査するため、研究者たちは少年の臀部と大腿部に氷を当て、生検を実施。その結果、真皮皮下と接合部に最も強く存在する強いマクロファージ反応と脂肪組織の局所的な破壊を確認しました。氷を除去した後48時間から72時間においてマクロファージ反応と脂肪破壊は増強し、その後2週間で完全に治まりました。この発見に基づき、脂肪が冷却に弱いという仕組みを利用して、冷却による脂肪溶解と局所脂肪減少の技術が開発されました。この治療法では、専用の装置を用いて皮膚とその下の脂肪組織の温度を一定時間、一定の冷却温度に保つことで、脂肪細胞のアポトーシス(細胞死)を誘発します。使用される装置は-3~6℃の温度範囲に設定され、表面の皮膚に不可逆的な損傷を与えることなく皮下の脂肪細胞のダメージを引き起こします。治療中、皮膚は体温から真皮層全体にわたって保護されますが、脂肪層では脂質の結晶化が誘発され、脂肪細胞の損傷が生じます。その結果、治療部位の脂肪細胞にアポトーシスが生じ、周囲の組織(皮膚、神経、血管、筋肉など)は温存されながら標的となる脂肪細胞だけが破壊されます。この工程は数ヵ月にわたり進行し、損傷した脂肪細胞はマクロファージによって除去されることで、最終的に治療部位の脂肪が減少していくのです。このような仕組みで脂肪冷却はで脂肪は減少し、その効果は永久的に持続します。

脂肪冷却の適応

脂肪冷却は、特定部位の局所的な脂肪を非侵襲的に減少させるための革新的な治療法です。脂肪冷却では顎下、上腕、脇下、脇腹、腹部、ふくらはぎ、大腿部、臀部下など、脂肪がつきやすい部位をターゲットとします。これらの部位に、脂肪冷却装置を直接取り付けることで脂肪細胞を効果的に溶解させ、徐々に脂肪層を減少させることが可能です。この脂肪冷却の機器には、複数の機器があり、クールテック、クールテック・ディファイン、クールスカルプティングなどが有名です。特に外科的な脂肪吸引に代わる手段を探している方や、長い回復期間を避けたいと考える方にとって、脂肪冷却は理想的な選択肢です。加えて、麻酔による副作用に懸念がある人にも適しています。なぜなら、脂肪冷却治療は麻酔なしで行われ、安全かつ効果的な瘦身治療として知られているからです。この治療法は、特に美容外科が初めての方や、手術に躊躇がある方、効果的で安全な痩身治療を探している方に最適です。脂肪冷却は、手術を伴わない、安心感のある痩身治療であり、望む体型へと導く助けになります。

脂肪冷却のクールテックを受ける筆者

脂肪冷却のクールテックを受ける筆者

脂肪冷却の一般的な副作用(軽微な副作用)

脂肪冷却治療は、その有効性に注目が集まる一方で、いくつかの軽微な副作用を伴うことがあります。これらの副作用は大半が一時的なもので、通常は自然に解消されます。最も一般的に見られる副作用は、治療部位の赤みや腫れ、そして若干の痒みです。これらは通常、治療後1週間程度で落ち着くことが多いです。また、あざ及び軽度の痛みや不快感も報告されていますが、これらも治療後しばらくすると自然に改善します。安全性の高い治療法であることは変わらず、これらの副作用は脂肪冷却治療を受ける際の一時的な反応として理解されるべきです。

脂肪冷却の稀な副作用(重篤な副作用)

脂肪冷却治療は一般的に安全で効果的な方法として認識されていますが、ごく稀に重篤な副作用が報告されることもあります。これらの副作用は、多くの症例においては見られませんが、認識し、適切な対処が可能であることが重要です。具体的には、治療に伴う低温火傷や逆説性脂肪肥大(PAH)という現象が挙げられます。

■低温火傷

ある論文報告では、2012年から2020年の期間に、腹部、四肢、頚部、脇腹、臀部といった多様な身体部位で低温火傷を経験した10人の症例が詳細に記されています。これらの症例では、表面的な部分熱傷から深刻な全層熱傷に至るまで、症状の程度はさまざまで、一部の患者には入院や皮膚移植が必要となりました。さらに、一部の症例では重度の凍傷が脂肪冷却の副作用として報告されており、全層凍傷を負った61歳の女性患者もいます。この患者は、治療後に激しい痛みを経験し、2日間の入院治療が必要となりました。安全性が高いとされる脂肪冷却治療でも、まれに起こり得る重大な副作用に留意し、信頼できる施設で治療を受けることが不可欠です。

■逆説性脂肪肥大(PAH)

脂肪冷却後のPAH

脂肪冷却治療において極めて稀ながら重要な副作用の一つが、逆説性脂肪過形成(Paradoxical Adipose Hyperplasia: PAH)です。PAHは治療された部位の脂肪組織が逆説的に増加する現象であり、通常は脂肪減少が期待されるところ、その逆が起こることを特徴としています。この状態は通常、冷却脂肪分解治療後の2〜5ヵ月に発現し、場合によっては外科的な手術が必要となります。ある研究では、冷却による脂肪溶解を受けた41歳の男性が治療後1〜2ヵ月で腹部に大きな腫瘤を発症した例が報告されています。この患者は、処置された部位の周辺で脂肪組織の異常な増加が見られ、病変は硬いが圧痛は伴わない状態でした。同様のケースとして、56歳の女性が脂肪冷却治療後に腹部に同様の症状を発症し、腹部形成術により腫瘤を外科的に除去した例もあります。病理検査では、脂肪細胞の増殖だけが確認されました。PAHの根底にあるメカニズムは未だ解明されていませんが、仮説として、脂肪細胞の肥大、幹細胞の動員、交感神経支配の変化、低酸素傷害などが考えられています。研究者たちはまた、PAHの発生傾向として男性での発生率の高さや、腹部治療の受けた患者、より大きなハンドピースを使用した症例が挙げられています。遺伝的要因の可能性も示唆されており、異なる施設で治療を受けた双子がともにPAHを発症した症例がその証左となっています。PAHの発生率は0.05~0.39%という報告がある一方、最新の報告では1%であるという報告もあります。このPAHについては有名モデルのリンダ・エヴァンジェリスタが「体を残酷なほど変えられた」として施術を行なったクールスカルプティングの製造元のゼルティック社(2017年にAllergan Aesthetics社により買収)を相手に5,000万ドルの損害賠償金を求めを提訴したことが話題となりました。PAHの発生頻度に関してはクールスカルプティングよりクールテック・ディファインのほうが低いという研究論文もあります。

出典元:

Linda Evangelista Shares First Photos of Her Body Since Fat-Freezing Nightmare: ‘I’m Done Hiding’

脂肪冷却の効果

脂肪冷却治療を受けた後、すぐには目に見える変化を感じないかもしれません。一部の患者は治療後わずか3週間で変化を感じ始めることがありますが、最も顕著な効果は通常、3~6ヵ月後に現れます。この緩やかな進行は、身体が自然に損傷した脂肪細胞を除去し、治療部位の形を整える過程に起因しています。患者によって結果は異なりますが、1回の治療で平均10%から25%の脂肪減少が期待できるというデータが存在します。初期の研究の1つでは、32人の被験者が脂肪冷却後の脇腹部の改善を経験しました。これらの被験者は治療後4ヵ月で超音波検査により平均22.4%の脂肪層の厚さ減少を示しました。最近の研究では、30人の女性が脂肪冷却の1回の治療後に脂肪層の厚さと腹囲を超音波で評価しました。6ヵ月後、腹部脂肪層の平均厚さは46.6%減少し、腹囲も肋骨下、臍上、臍、坐骨下領域でそれぞれ84.3、99.2、90.6、97.1cmから81.0、93.6、85.8、92.2cmに有意に減少しました。これらのデータは、脂肪冷却治療の長期的な効果とその有効性を示唆しています。

まとめ

本記事では、現在利用可能な脂肪冷却痩身治療機器に焦点を当て、その作用原理、一般的な副作用、そしてその効果について解説しました。脂肪冷却治療は、一般的に非常に安全で、副作用のリスクが低いと評価されています。しかし、国内のい美容外科や美容皮膚科の医療機関においてこれまであまり語られることのなかった、低温火傷や逆説性脂肪肥大(PAH)といった稀ながらも重篤な副作用の存在にも注意が必要です。この記事で、これらの副作用についての知識を深めることで、脂肪冷却治療を検討される方々が、より安全に、そして十分な情報を得て治療に臨めるよう願っています。脂肪冷却は多くの人にとって効果的な痩身選択肢ですが、正しい知識を持つことがその成功の鍵です。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、、痩身治療を得意としている。日本美容外科学会ではウルセラの学会発表を行っている。痩身治療に関しては自らクールテックを受けてその効果をCT検査で証明した。また、実践した痩身治療を生かして、ベストボディ千葉大会ではグランプリを獲得している。

【関連項目】

最も効果がある脂肪冷却クールテックの相談はこちらから

脂肪冷却やってみた!体験の経過ブログとビフォーアフター

クールテックはクールスカルプティングより良い?両機器を比較

クールテックの動画解説

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