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「アベマタイムズ」についての記事まとめ

2024/03/04

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【親に強要する整形についての是非】専門医の意見として

漫画家グラハム子の写真

2024年3月1日にアベマタイムズ(アベマ TV)で放送された「「親に整形される子供たち」二重手術の強要も…どこまで許せる?当事者と考える」は、親からの圧力による二重手術などの強要に焦点を当てた番組でした。番組内では、このデリケートな問題に対して、多角的な視点から熱心な議論が交わされました。親の意向と子供の自己決定権の狭間で、美容整形の是非について、どのような基準で考えるべきなのか、その境界線はどこにあるのか。本稿では、この問題に対して、美容外科専門医としての視点から深く掘り下げ、私なりの考察と意見を述べたいと思います。

出典元:アベマタイムズ(ABEMA TIMES)

実際の番組内容①:「子供の身体に手を加える親の思い」

親に整形させられた私が母になる

子供たちの意思を無視して、親の一方的な願いにより、顔や身体に変更を加える行為。これはどこまで容認されるべきなのでしょうか。「「親に整形される子供たち」二重手術の強要も…どこまで許せる?当事者と考える」の番組では、この問題を扱った具体的な事例として、一つの漫画を取り上げました。その漫画のタイトルは『親に整形させられた私が母になる』。この漫画は、漫画家グラハム子さんによって描かれたもので、「一重のままでは可哀想」という母親の言葉が込められています。「中学を卒業したら整形してあげるわ。女の子は可愛くなくちゃ幸せになれないから」という母親の声が漫画には登場します。グラハム子さんは、「幼い頃から、“一重はダメ、二重が良い”と教え込まれ、それが当然のこととして受け止められてしまった」と語ります。このような状況は、「あなたのためを思って」という親の言葉によって正当化されがちですが、果たして親が子供の外見に介入することは許されるのでしょうか。番組内での議論では、グラハム子さん自身も参加し、この問題について深く掘り下げていきました。

実際の番組内容②:「グラハム子さんの体験とその影響」

親に整形させられた私が母になるbyグラハム子

番組では、グラハム子さんが自身の漫画で描いた、実際に体験した出来事に焦点を当てました。彼女の幼少期は、父親が単身赴任中であり、母子二人だけの生活でした。その環境の中で、母親の言葉は絶対であり、グラハム子さんは服装や髪型に至るまで、母親の意向に従うことを強いられていました。特に顕著だったのが、15歳の時に行われた二重の整形手術です。「高校入学前の春休みに、母によって予約された整形手術を受けさせられました。私は埋没法での手術を受けたが、まぶたの構造上、結局手術は3回繰り返され、最終的には元の奥二重に戻っています」と彼女は述べています。さらに、母親によって用意された好みではない服を着させられたり、自分の好みとは異なる髪型にされたりと、自身の意志は尊重されない状況が続きました。また、ダイエットも強要され、抵抗すると服を踏みつけられるなど、精神的な圧迫も伴っていました。「美容室の予約も母が勝手に取っており、行かなければ私が責められるという状況でした」とグラハム子さんは振り返ります。このような“きせかえ人形”のような生活は、彼女に大きな苦しみをもたらし、摂食障害にも陥りました。しかし、アキレス腱を切断し動けなくなったことが、この呪縛から解放されるきっかけとなりました。「もちろん、恨んでいた時期もありましたが、大人になってからは“しょうがなかった”と受け入れられるようになりました。漫画を描くことで自分の体験を表現し、ある意味でのプチ復讐もできました。今は、過去を乗り越えて前向きに生きています」と、彼女は語っています。

実際の番組内容③:「子供の意思と親の価値観の衝突」

グラハム子の二重埋没法

番組では、親によって容姿を変えられたと訴える子供たちの声にもスポットを当てました。SNSでは「自分の好みではなく、親の好みに合わせた服装や髪型」「“痩せること=正義”という価値観に基づき、親に体型維持を強要された」「脱毛を強要されるなどの嫌悪感」などの声が見受けられます。美容に関する低年齢化の問題に加えて、子供を所有物のように扱う親の存在について、母娘関係とモラハラに精通する心理カウンセラー影宮竜也氏は指摘しました。影宮氏は、「親は自分の価値観や正義感を子供に押し付ける傾向にあります。子供をステータスとして利用することや、“あなたのため”と言っての強要、親子間の境界線の曖昧さが問題です。子供が親の提案をどう受け取るか、子供の意思がどれだけ尊重されているかが重要な議題です」と語りました。

また、金融アナリストで名古屋商科大学大学院の教授である大槻奈那氏も、容姿に関する自身の経験を共有しました。彼女は、「小さい頃、毛深いという理由で父親に脱毛のため病院へ連れて行かれました。その時は“親が自分のためを思ってくれている”と思っていましたが、医師の前での恥ずかしさに泣いてしまいました。その瞬間、“自分は気にしていない。今はやりたくない”と拒否できました。後には脱毛しても良かったかと思うこともありますが、将来取り返しのつかないこと、後戻りできないことは避けるべきだと思います」と述べています。

実際の番組内容④:「子供の自我形成と親の影響」

番組では、心理カウンセラーの影宮竜也氏が子供の自我形成についての見解を述べました。影宮氏は、「子供が自分の意思をはっきりと表現できるならば問題は起こりにくい。しかし、自己の意思を表すことが難しい子供もいるため、この点に留意する必要があります」と指摘しました。さらに、「親の言う通りに育った子供は、大人になって自分の好きなものが分からなくなることが多い。自分は何をしたいのか、と問われても答えられない。このような弊害があるため、親子であっても自分の意思をはっきりと伝えられるようになることが重要です」と述べています。

一方で、子育てや教育における正しいやり方の線引きは難しい問題です。ネット掲示板「2ちゃんねる」の創設者、ひろゆき氏は子供にとって親を比較できる環境を提供することの重要性を説いています。ひろゆき氏は、「子供には自分の環境が正常かどうか判断する基準がないため、多くの大人との接触を通じてその判断基準を持たせることが解決策だと思います。親の話をして、その反応を見ることで、状況が正常かどうかを判断できる。問題がある場合は、児童相談所などの支援を受けることも可能です。大人の知り合いがいれば、そういったアドバイスも得られるでしょう」と語りました。

子に整形を強要する親

美容外科専門医の私の意見

私が運営するクリニックでは、子供を連れて訪れる親子が頻繁に来院します。相談内容は多岐に渡りますが、特に多いのは二重まぶたの手術やわきが治療に関するものです。二重整形を望む母親からは、「この子は一重で、父親似だからかわいそう」といった言葉をよく耳にします。わきが治療の場合、親御さん自身がワキガ治療を受けた経験があるため、子供にも早めに治療を受けさせたいという意見が目立ちます。私が最も重視するのは、子供の意思です。たとえ8歳や9歳の子供であっても、私は診察時に必ずその子に治療を受けたいかどうかを直接尋ねます。本人が「受けたい」とはっきりと意思表示しない限り、たとえ親がどれだけ手術を望んでいても、私は断ることにしています。これまでに5回以上、子供の手術をこの理由で断ってきました。なぜなら、親の意志だけで手術を行うと、その手術が子供にとって精神的なトラウマになる可能性があるからです。そのようなトラウマは子供の健全な成長を妨げるリスクがあると私は考えています。そのため、私は子供が自分の意思を記憶できる年齢(概ね8歳以上)であり、かつ、自ら治療を受けたいと明確に意思表示した場合のみ手術を行う方針です。親御さんにも、お子さんがはっきりと手術を望んだ場合にのみ、その手術を受けさせるべきだと考えていただきたいと思います。

美容外科医専門医元神賢太医師

まとめ

親による子供への整形手術の強要は、単に美容の問題にとどまらず、子供の心理的な健康、成長、そして自尊心にも深刻な影響を及ぼす可能性があります。整形手術は人の外見だけでなく、内面にも大きな変化をもたらす行為であり、子供の意思の尊重が何よりも重要です。このブログで私が強調したいのは、子供の意見を尊重する医師の倫理の重要性です。残念ながら、現在、クリニックの利益を優先し、子供の意見を無視して親の意向のみで手術を行う医師が存在しています。このようなモラルの低い医師の増加は、医療業界全体にとって深刻な問題です。子供の声を聞き、適切な判断を下すことで、親の一方的な押し付けによる心理的なダメージを受ける子供を減少させることが可能です。子供の健康な成長を支援し、彼らの自己決定権を尊重することが、医師としての責任であると私は強く信じています。医師一人ひとりが倫理観を持ち、子供たちの心身の健康を第一に考えることが、美容医療においても大切だと考えます。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、二重治療、わきが治療、アンチエイジング治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。切らないフェイスリフトのウルセラも日本国内に導入直後から取り入れており、第107回日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

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