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2024/02/02

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わきが手術で後悔?ワキガ手術のデメリットと後悔しないために

  ワキガ手術を受けて後悔した女性

 今日、インターネットで「わきが手術」というキーワードを検索すると、驚くべきことに、「わきが手術 後悔」や「わきが手術しないほうがいい」、「わきが手術したのに臭う」といったネガティブな言葉が目に付きます。これらの言葉は、わきが手術を受けた多くの人々が実際に感じた後悔や失望の結果として浮かび上がっています。そこで本記事では、なぜこれほどまでに多くの人々がネガティブな結果に直面するのかを徹底的に分析し、今後わきが手術を考えている方々が同じ過ちを繰り返さないように、その対策を詳細に説明します。また、わきが手術の検討を始める際には、そのデメリットを十分に理解しておくことが重要です。この記事では、わきが手術の可能性あるリスクや弊害についても包括的に解説し、読者の皆様にワキガ手術のデメリットについての情報を提供いたします。また、この記事では「ワキガ手術」はメスや手術道具を使って皮膚を少しでも切開するワキガ手術を指します。一方、「ワキガ治療」はワキガ手術のほかに、ビューホットなど切らないわきが治療やボトックス治療を指します。

ワキガ治療ワキガ手術相関図

わきが手術しないほういいと思った理由①:効果に対する後悔

インターネット上の情報を精査すると、わきが手術に対する最も一般的な後悔の理由は「ワキガ手術の効果が期待外れだった」、具体的には「ワキガが再発した」などの声が多く見受けられます。ここでポイントとなるのは、受けた手術の種類によって、その効果に対する満足度が大きく変わるという事実です。ここでは、受けた手術の種類ごとに、なぜ効果が期待外れに終わるのかを詳細に分析していきます。

■保険適用のワキガ手術について

 保険適用で行われるワキガ手術は、ワキガの完全除去を目的としているわけではありません。以前のブログ「騙されるな!わきが手術の保険適用に潜む真実」でも述べた通り、ワキガ手術の保険適用基準は「悪臭が著しく、他者の就業に支障を及ぼす程度の事実が明確で、かつ医療的介入が客観的に必要である場合」に限られています。この基準を満たしていれば、保険適用の手術でワキガ臭がある程度軽減された場合、手術は成功とみなされます。しかし、もし保険適用のワキガ手術を受けてワキガ臭の完全除去を期待していた場合、結果としてほとんどの患者がその期待に反して後悔や失望を感じる可能性が高いです。

■傷跡が小さい手術法によるワキガ治療の現実

ワキガ手術には、クワドラカット法、超音波切開、レーザー法など、様々な治療方法が存在します。これらの手法は傷跡を最小限に抑える点で共通しており、多くのクリニックがそれぞれ得意とする技術や高価な機器を駆使した手術をベストな方法として推奨しています。しかし、手術の成功の鍵はアポクリン汗腺の除去率にあります。アポクリン汗腺が100%除去されれば、ワキガ臭は完全になくなり、患者は高い満足感を得られるでしょう。反対に、アポクリン汗腺の除去率が低いと、効果が不十分で後悔する可能性があります。ここで注目すべき点は、いかに優秀な機器を使用しても、皮膚の切開部の皮弁(※)にあるアポクリン汗腺を完全に除去することはできても、体側(下側)部分のアポクリン汗腺の除去は難しいという事実です。小さな傷口からは下側のアポクリン汗腺を取り除くことは不可能に近く、下側のアポクリン汗腺は直視下で除去する必要があり、そのためには少なくとも2cm程度の切開が必要となります。このように、傷跡を小さくするための手術法が必ずしも最善の選択とは限らず、治療法を選ぶ際には、その効果と傷跡の大きさを総合的に考慮する必要があります。

アポクリン汗腺の位置

※皮弁とは皮膚を切開剥離した場合はの皮膚側の皮膚と皮下組織のことを言います。

 

わきが手術しないほういいと思った理由②:傷跡・瘢痕が目立つ

わきが手術においては、皮膚を切開し、皮弁法と呼ばれる手法で下層の組織から皮膚を剥離します。この過程により治療部位の皮膚は相当なダメージを受けることになります。ここで、手術による傷跡や術後の瘢痕が目立つ理由には主に2つの要素があります。一つ目は、傷そのものが目立つケースです。縫合技術には医師によって大きな差があり、技術が不十分な場合、傷跡が顕著に目立ってしまうことがあります。二つ目の要素は、脇の皮膚がシワ状になってしまい、その状態が長引く場合です。血腫などの合併症によって治療部位が腫れ上がると、皮弁が治癒する過程で皮弁を形成する皮膚同士がくっつき、皮膚がすだれ状に寄れてしまうことがあります。このすだれ状になった皮膚を元の状態に戻すのは非常に困難で、多くの場合は元のきれいな皮膚には戻らないのです。そのため、手術後に血腫を防ぐことが非常に重要です。技術が不足している医師や、止血の確認が不十分な手術の場合、血腫が発生するリスクは高まります。これらの事実を踏まえると、わきが手術には、傷跡や瘢痕が目立つという重要なリスクが存在することを理解し、慎重に手術を検討する必要があります。

ワキガ手術後の皮弁のすだれ状の寄れと瘢痕

↑ワキガ手術後1週間の皮弁のすだれ状の瘢痕。上記は軽度だが、もっと目立つことがある

わきが手術のデメリット

わきが手術は、治療効果の不十分さや目立つ傷跡・瘢痕に関する後悔だけではなく、他にも様々なデメリットが存在します。以下では、わきが手術のデメリットについて具体的に述べていきます。

■手術後の1週間、脇の固定が必要

わきが手術では、皮膚がその下にある脂肪層から切り離されるため、手術後は皮膚を再び脂肪層に密着させる必要があります。これを実現するためには、圧迫固定が不可欠です。手術後、厚いガーゼを脇の間に挟み、これを1週間固定することになります。この期間中、脇は常に閉じた状態が維持されるため、腕を肩の高さ以上に上げる動作や重い物を持つことが困難になります。圧迫固定による不便さや制約は、手術を受ける際に考慮すべき重要なデメリットの一つと言えるでしょう。

■手術後1週間の日常生活への影響

わきが手術を受けた後、患者は通常1週間の日常生活における様々な制約に直面します。まず、手術後の脇に固定されたガーゼは1週間そのままに保たれる必要があります。このため、患部を濡らさないよう注意しながらシャワーを浴びる必要が生じます。また、この期間中は、飲酒や運動なども控えることが求められます。、飲酒や運動の制限は血種という合併症のリスクを最小限に抑えるために非常に重要です。

■血種発生のリスクとその影響

わきが手術後には、まれに血種が発生するリスクがあります。血種が形成された場合、迅速にクリニックを受診し、適切な処置で血種を除去する必要が生じます。この処置を受けることによって、手術直後の日常生活への制限がリセットされ、結果として術後の制限期間が延長されることになります。さらに、血種の発生は、長期的に見て治療後の瘢痕の目立ちやすさに影響を与えることがあります。瘢痕や傷跡は時間の経過とともに目立たなくなる傾向にはありますが、完全に消えることはありません。したがって、わきが手術を検討する際には、このようなリスクも考慮に入れることが重要です。患者が手術を選択する際には、血種のリスクとその結果として生じる可能性のある日常生活への制約の延長、長期的な瘢痕の影響を十分に理解し、これらの情報をもとに慎重な判断を下すことが求められます。

■わきが手術後に痛い

わきが手術は皮膚の切開を伴うため、ビューホット治療のような「切らないわきが治療」と比較して、術後に痛みを感じることがあります。多くの場合、この痛みは特に強いものではなく、痛み止めを必要としない程度です。しかし、痛みの感じ方には個人差が大きく、患者によっては強い不快感を覚えることもあります。ワキガ手術を検討する際、痛みの発生は避けられない側面の一つです。患者が手ワキガ術を選択する上で、術後の痛みや不快感の可能性を理解し、準備しておくことが重要です。

■傷跡や瘢痕の残る可能性

私が推奨するシェービング法では、傷の長さは約2cmとなり、切開剪除法(直視下摘除法、皮弁法、反転剪除法も同じ)に比べて目立たない小さなものです。傷口は非常に丁寧に縫合されるため、時間が経過すると通常は白い薄い線がかすかに残る程度で、ほとんど目立たなくなります。しかしながら、個人の体質によっては、傷跡が赤みを帯びたり、膨らんだりすることがあり、それにより目立つ場合もあります。傷跡や瘢痕の発生は、手術の自然な結果であり、完全に避けることはできません。患者さんが手術を選択する際には、このような傷跡の可能性を理解し、十分に考慮することが重要です。

ワキガ手術のシェービング術後の写真

↑シェービング法のよるワキガ手術の1週間後の傷跡の状態。月日をかけて傷跡は目立たなくなる。

わきが手術で後悔しないために

わきが手術を受ける際、後悔を避けるためには以下の重要なポイントを念頭に置いて手術を選択することが推奨されます。

■自身のわきがの重症度を正確に把握する

わきが治療には、手術以外にもビューホットという非常に効果的な治療法が存在します。特に軽度から中等度のわきが症状の場合、ビューホット治療だけで十分な改善が見込めることが多いです。そのため、手術を受ける前に、自分自身のわきがの重症度を正確に判断することが重要です。医師と十分に相談し、わきがの症状の程度を把握した上で、手術が本当に必要かどうかを慎重に検討すべきです。

■再発のない手術方法を選択する

わきが手術には様々な方法がありますが、手術の成功のカギはアポクリン汗腺を徹底的に除去することにあります。特に、小切開を伴う手術法では、たとえ使用する機器が優れていても、皮弁の下側に位置するアポクリン汗腺を物理的に完全に除去することは困難です。これにより、再発のリスクが生じる可能性があります。したがって、再発を防ぐためには、切開剪除法やシェービング法のいずれかの手術方法を選択することが重要です。これらの手術方法では、皮弁の下側のアポクリン汗腺を取り除くことも可能であり、再発のリスクを最小限に抑えることができます。

■適切な医師の選択

わきが手術において、手術方法を超える重要な要素が医師の技術と経験です。優れた医師のもとで手術を受ければ、傷跡や瘢痕が目立つリスクは大幅に低減されます。さらに、医師が患者のわきがを完全に治すという強い意志を持っている場合、手術に必要な時間と注意を惜しまず、皮弁の下側にあるアポクリン汗腺を徹底的に除去することで、わきがの再発を防ぐことが可能です。美容治療と同様に、わきが手術の成功は医師の技術力と誠実さによって大きく左右されます。

まとめ

騙されるな、ワキガ手術の保険適用

この記事を通じて、「わきが手術の後悔」や「わきが手術はしないほうがいい」といった一般的な疑念に答えを出しました。手術を検討する際には、保険適用の可否が手術結果に影響すること、またクワドラカット法、超音波切開、レーザー法、吸引法などの簡易的な手術方法が傷は小さいものの再発リスクが高いことを知ることが肝要です。傷跡の小ささだけに注目し、再発の可能性が高い手術を選択することは推奨されません。加えて、手術後の回復過程が日常生活に与える影響を理解し、準備を整えることも重要です。手術は軽い決断ではなく、自分自身の状況を十分に理解した上で、適切なワキガ治療方法を選ぶことが、後悔を避けるための鍵となります。そのためには、自己診断に頼らず、専門医の診断を受け、ワキガの重症度を正確に評価してもらい、最適なワキガ治療法を選ぶことが不可欠です。また、手術を選択された場合は医師との充分な相談を通じ、再発リスクが最も低い手術法を選び、長期的な満足を得られる治療を受けることをお勧めします。そして最も重要なことは、信頼できる医師を選び、手術方法、期待される結果、リスクなどについて十分に理解することが、後悔のないワキガ治療に繋がります。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。ビューホットを日本にいち早く導入し、スソワキガに対するビューホット治療を日本で最初に行った。ワキガ、スソワキガの治療例はこれまで延べ1万人を超える。

 

【関連項目】

わきが手術の相談はこちらへ

騙されるな!わきが手術の保険適用に潜む真実

ビューホットは効果なし?:効果の真実を探る

ワキガ手術のすべて:成功の秘訣と再発のリスク

 

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