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2024/02/01

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騙されるな!わきが手術の保険適用に潜む真実

騙されるな、ワキガ手術の保険適用

「わきが手術 保険適用」というフレーズを検索エンジンで入力すると、数多くのクリニックが保険診療を用いたワキガ治療を提供していることがわかります。インターネットでこれらのクリニックのウェブサイトを閲覧すると、一見すると手の届きやすい低料金での治療を提案しているように見えます。しかし、ここで一つ重要な疑問が浮かび上がります。表示されている低料金で、本当に質の高いワキガ手術を受けることは可能なのでしょうか?実は、このような低料金の表示は、時に消費者を誤解させる可能性があります。なぜなら、広告に掲載されている料金と実際に支払うべき費用との間には、しばしば大きな隔たりが存在するからです。このブログ記事では、そうした低料金表示の裏に隠された真実を明らかにし、消費者がうのみにしてしまいがちなキャッチーなセールス広告に惑わされないよう、事実を詳細に解説します。

わきが手術の保険適用の基準とは

わきが手術の保険適用について理解する際、まず知っておかなければならないのは、その適用基準が非常に厳密に設定されているという点です。具体的には、わきが手術の保険適用は「悪臭が著しく、他人の就業に支障を及ぼすほどの事実が明確で、かつ医療の介入が客観的に必要と認められる場合」に限られています。これは、腋臭症が「極めて重度」である場合にのみ、保険適用の対象となることを意味します。ここで重要なのは、この基準に該当するか否かの診断は、医師によって行われるということです。つまり、患者本人やその周囲の人々の主観的な感覚ではなく、受診したクリニックの診察した医師のみによる主観的基準で決まります。決して本人の希望で保険診療での手術を受けられるわけではく、または重症度を客観的に判断する検査があるわけではないということです。

「自分は極めて重度の腋臭症か?」:保険適用を受けるための条件と現実

健康保険を利用したわきが手術を希望する多くの方々は、自分が「極めて重度の腋臭症」に該当するかどうかについて深い関心を持っています。なぜなら、保険適用が認められるのは、極めて重度のワキガ症患者に限られるからです。経済的な負担を軽減したいと考える方々は、自らを「極めて重度」と診断してもらいたいと願うのは自然なことです。しかしながら、実際に保険適用を受けられるクリニックでの診察を経験すると、その期待はほとんどが裏切られることになります。保険適用の基準である「悪臭が著しく他人の就業に支障を生じるほどの事実が明確で、客観的に医療に委ねる必要がある場合」に該当することは、現実にはほとんどありません。多くの場合、医師からは「あなたは保険適用が可能なほどの重度ではない」という診断を受けることになるでしょう。

クリニックの巧妙な罠①:保険適用外への誘導と料金の実態

ワキガ手術を保険適用で受けられると宣伝しているクリニックでは、患者が保険適用での治療が不可能であると(必ず)診断したあと、巧みに保険適用外の自由診療へと誘導する戦略を取ります。初めは低料金の保険診療を前面に出して集客を行い、その後、実際には高額な自由診療のオプションを提案するのです。例えば、広告で記載されていた4万円の治療ではなく、40万円するクワドラカット法などの治療を勧めるケースが典型的です。ここで重要なのは、これらのクリニックのウェブサイトに掲載されている料金表の役割です。多くの場合、「保険診療で4万円!」という魅力的な広告を打ち出しているにも関わらず、実際にはそのような低料金での治療は提供されていません。これらのウェブサイトに掲載されている料金表を注意深く見ると、実際にはほとんどの治療が自由診療で行われており、保険診療の適用は極めて稀か皆無であることがわかります。このように、クリニックが宣伝する低料金の保険診療は、しばしば高額な自由診療へと誘導するための手段に過ぎないことが多いのです。

わきが保険適用の危険性

↑上記は「保険診療で4万円!」と大々的に広告を行っている医療機関のホームページに掲載されている料金表をそのまま転載した表です

「クリニックの巧妙な罠の裏側:保険診療の仕組み」

わきが手術の保険診療に関する料金体系は、実は厚生労働省によって定められており、その詳細は同省のホームページにも掲載されています。特に、腋臭症手術に用いられる皮弁法(切開剪除法とも呼ばれる一般的な手術方法)の保険点数は6870点に設定されています。この点数に基づくと、医療機関が受け取ることができる金額は片側で68,700円、両側で137,400円となります。患者の立場から見ると、保険診療の場合、一般的には3割の自己負担が求められます。これに基づいて計算すると、ワキガ手術の保険適用で患者が支払う費用は両側で41,220円となります。これが「保険診療で4万円!」という広告で宣伝される料金の実態です。つまり、保険診療でのワキガ手術を行った場合、医療機関の売り上げは最大で137,400円にしかならないわけです。ここで、自由診療への誘導が生じる理由が明確になります。保険診療の基準を満たさないと診断された場合、クワドロカット法などの他のワキガ手術方法を自由診療で行うと、料金は40万円に跳ね上がります。この大きな価格差が、医療機関側に「悪臭が著しく他人の就業に支障を生じる事実が明確で、客観的に見て医療に委ねる必要がある場合」との診断をほとんど行わない構造的な背景となっているのです。なお現在人気のビューホット等の「切らないワキガ治療」は極めて重度のワキガ症でも保険適用になりません。保険診療で行えるワキガ治療は厚生労働省が明確に定めています(下記参照)。

厚労省保険点数腋手術K008

上記は厚生労働省のホームページより

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000907834.pdf

クリニックの巧みな罠②:保険診療と自由診療の間の質の差

わきがに悩む女性

クリニックの操作には、もう一つ注意すべき罠が存在します。これは、保険診療と自由診療で行う手術の効果に関する誤解を患者に植え付ける方法です。具体的には、クリニック側が患者に対し、保険診療での手術と自由診療での手術では治療の効果に顕著な差があると説明し、結果として高額な自由診療を推奨するのです。保険診療で行われるわきが手術の基準は、「悪臭が著しく他人の就業に支障を生じる事実が明確で、客観的に見て医療に委ねる必要がある場合」に限られます。この基準に基づくと、保険診療でのワキガ手術はアポクリン汗腺を徹底的に除去することを目的としていません。むしろ、臭いが若干でも改善されれば、保険診療でのワキガ手術は成功とみなされるのです。しかし、このような説明を受けた患者は、自由診療でよりワキガ臭が治る効果的な治療を受けたいと考えるようになります。実際には、厚労省の基準を満たしている極めて重度のワキガ患者であっても、クリニック側は保険診療ではなく自由診療を勧めます。そして、万が一患者が保険診療を選択した場合、医師はアポクリン汗腺を十分に除去しない手術を行うことがあります。例えば、保険診療での手術の報酬は137,400円であるので、400,000円の自由診療の手術と比較して、137,400/400,000だけアポクリン汗腺を除去するなどして、保険診療でのワキガ手術ではアポクリン汗腺を相対的に故意に少なく除去することも考えられます。このため、保険診療でのわきが手術を受ける際には、手術の質や結果に関する正しい理解と十分な覚悟が必要です。患者は、保険診療でのワキガ手術を受けた場合、わきが臭から完全に解放されることはほとんどないという現実を認識し、適切な判断を下すことが重要です。

まとめ

本記事では、わきが手術の保険診療を宣伝するクリニックの戦略に焦点を当て、その巧妙さと患者に対する影響について詳しく解説しました。これらのクリニックは、ワキガに真剣に悩む患者の心理を利用し、治療を安く受けたいという願望に巧みに応えることで、自由診療へと誘導します。このような策略は、医療の倫理に反するものであり、私としては看過できません。本記事では「クリニックの罠」で紹介したクリニックの実際の戦略を通じて、患者が適切な情報を持って治療を選択するための注意点を提供しました。結局、わきが手術の成否は、医師の技術力と誠実さに大きく依存します。そのため、ワキガ臭から解放されることを望む患者は、広告に惑わされることなく、経験豊富で信頼できる医師を慎重に選ぶべきです。今後も患者がクリニック選びと医師の選びに適切な判断を下せるよう、私は引き続き正しい情報の提供に努めてまいります。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。ビューホットを日本にいち早く導入し、スソワキガに対するビューホット治療を日本で最初に行った。ワキガ、スソワキガの治療例はこれまで延べ1万人を超える。

 

【関連項目】

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