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加齢・老化による骨吸収とヒアルロン酸による予防についてNULL

2023/12/26

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加齢・老化による骨吸収とヒアルロン酸による予防について

加齢による骨吸収

加齢により顔の骨格の骨吸収ついて、上顎骨においては以前のブログ記事「加齢、老化で鼻下が伸びる、長くなる理由」では上顎の梨状口の拡大、前鼻棘の平たん化、上顎全体の吸収により、上顎骨全体が後退することにより、鼻下が長くなることをご説明しました。では、顔のほかのパーツはどうなのでしょうか?実は顔の骨格で骨吸収が起こるのは上顎骨だけではありません。今回の記事では顔全体の起こる加齢の残酷な現実について解説します。

顔全体で起こる骨吸収

どれだけ紫外線予防をしても、どれだけ肌の保湿等で肌のケアを行ったとしても、骨の加齢変化を美容ケアで止めることはできません。

骨吸収は加齢による性ホルモンの低下で起こり、体全体の骨格の骨密度の低下を招きます。これにより骨格全体が萎縮します。つまり、顔全体の骨格が小さくなり、小顔になります。若い女性は小顔に憧れ、さまざまな小顔治療が美容外科では人気ですが、加齢により否が応でも骨吸収により骨格が萎縮して小顔になってしまうことは皮肉なものです。ただ、顔全体が萎縮しますが、顔のパーツ別に特に骨吸収が激しくおこり、老人特有の風貌に変化させます。下記のイラストの矢印は顔のパーツで特に骨吸収が起こる部位です。次からは加齢による顔のパーツ別の骨吸収についてとりあげてきます。

骨吸収の部位、顔のパーツ別

上記の矢印は骨吸収が起こりやすい顔の部位

イラストはChanges in the Facial Skeleton With Aging: Implications and Clinical Applications in Facial Rejuvenation; Bryan Mendelson, Chin-Ho Wong; Aesth Plast Surg (2012) 36:753–760より

額(前頭骨)

加齢により、特に眉間の上部周辺で骨吸収が起こることがあります。これにより、額全体が後退したかのよう、丸みが失われます。また、額全体においても骨が平らになり、若い頃の突出した特徴が失われる可能性があります。特に額は顔全体において占める面積が大きい分、額の丸みの消失は加齢を感じさせる部位となります。

眼窩の上内側

先ほどのイラスト内に矢印のとおり、眼窩では2部位において主に骨吸収が起こります。上内側の骨吸収により主に上まぶたの形状が変化します。上まぶたの内側では、この骨吸収により眉の内側が上昇します。一方、眉の外側の骨はあまり変化しないため、皮膚のたるみも加わって、眉の内側が上昇することは眉の形状の垂れた外観が余計に誇張します。また、眼窩の上内側の骨吸収は内側の眼窩脂肪体をより目立たせる要因になります。ご高齢のかたの眉の内側に脂肪がどっぷり乗っているのは、この眼窩の上内側の骨吸収によるものです。

眼窩の下外側

眼窩周辺の骨吸収では眼窩縁の下外側も顕著です。これにより、目の下のくぼみが深くなり、目の周囲の皮膚がたるみを生じさせます。目袋と言われる、目の下の脂肪と皮膚のたるみにより形成されるこの目のクマが生じる根本的な原因はこの下眼窩縁が外側の骨吸収なのです。この下外側眼窩縁の骨吸収は中年までに早期に現れると言われいます。一方、前述の眼窩の上内側の骨吸収のよる骨の後退は老年期にのみ認められる場合があります。このように骨吸収が激しく起こる部位は同じ眼窩でも年齢によっても異なります。また、男性では眼窩の下内側四分円高齢になると骨吸収が起こる傾向があり、性差もあります。また、対照的に、上眼窩縁と下眼窩縁の中央部分はより安定しており、年齢とともに吸収が起こることはほとんどないと言われています。

頬骨(上顎骨)

上顎骨の頬骨の高さと突出は骨吸収により減少します。この部位の骨吸収により劇的に加齢変化を生じさせることがあります。具体的にはゴルゴ線と言われている涙溝の陥没化と頬丘の盛り上がりを発生させ、鼻唇溝の溝を深くさせます。

鼻と唇

以前のブログ記事「避けられない加齢変化:大きくなる鼻」でも詳述しましたが、この部位の骨吸収により鼻の梨状口(鼻孔)は拡大します。その結果、小鼻は大きくなり、鼻先は長くなり、鼻先も下を向くようになります(鼻尖下垂)。鼻下中央の前鼻棘の骨吸収も起こり、梨状口の拡大と相まって、上唇は薄くなり、平坦化します。

下顎骨

下顎骨の骨吸収は特に顎の先端と側面で起こりやすく、これにより顎のラインにデコボコを生じさせます。また、下顎の角度が増加することも明らかになっており、これにより垂直方向に下顎が伸びることになり、顎の位置が後退した印象になります。下顎骨の骨吸収と角度の変化は顎を小さく見せ、さらに顔全体としては面長な外観になります。

骨吸収と皮膚のたるみの関係

皮膚のたるみは骨吸収により生じます。顔のたるみが目立つ部位は骨吸収が起こりやすい部位と一致します(下記イラスト参照)。また、作用が大きい筋肉が付着している骨は骨吸収が起こりにくいとされています。上述の骨吸収が起こりやすい顔のパーツは筋肉の作用がいずれも弱い部位にもなります。顔の皮膚のたるみはコラーゲンやエラスチン等の構成要素の減少に伴う皮膚自体の組織の老化も関係しますが、それよりも皮膚のたるみの大きな要因としては皮膚の下にある筋肉と骨の作用の減少によるものです。

骨吸収の顔の部位とたるみの関係

上記イラストの黒い影の領域は骨吸収が最も大きい部位です。顔のたるみは、これらの骨格のサポートが弱まった部位に一致します。

イラストはChanges in the Facial Skeleton With Aging: Implications and Clinical Applications in Facial Rejuvenation; Bryan Mendelson, Chin-Ho Wong; Aesth Plast Surg (2012) 36:753–760より

 

皮膚のたるみ予防のための骨格形成

骨吸収は加齢により徐々に起こります。個人差はもちろんありますが、骨吸収は女性の場合は30歳代より、男性の場合は40歳代より始まるとされています。骨吸収が始まっている部位では少しずつですが、皮膚のたるみを生じています。これは30代では目には分からないほどのたるみです。骨吸収も同様にわずかだからです。予防的な骨格形成ではこの目に分からない程度のたるみに部位に、その部位の骨の上にヒアルロン酸を入れてボリュームを持たせます。これにより骨吸収前の骨の形状に戻り、たるんだ皮膚も本来の位置に強制的に戻ります。このようにヒアルロン酸注入で骨の形状を常に維持させることにより常に皮膚が本来ある位置からたるまないようにさせることが長期的にはその部位のたるみ予防になります。筆者はこれを「ヒアルロン酸注入のよる骨格形成」と名付けており、ヒアルロン酸注入の骨格形成がたるみの予防になると考えています。

 

ヒアルロン酸によるたるみ予防のポイント

ヒアルロン酸注入のよる骨格形成で一番重要なのは、ヒアルロン酸を骨の真上に注入することです。骨の上ではなく、筋肉内や脂肪内に注入すると、組織の膨張を引き起こし、余計にたるみを強調させる結果になります。また、量は各部位少量でよいです。量をたくさん入れると、骨に付着している組織を引き延ばしてしまい、たるみを引き起こし、逆効果になることもあり得ます。また、量よりも大事なのはヒアルロン酸の硬さ、硬度の高いヒアルロン酸が適してます。骨ほど硬いヒアルロン酸はありませんが、硬度が高いヒアルロン酸は長い間形状を維持させることが可能です。具体的なヒアルロン酸の商品名としては厚労省に認可されているジュビダームボリューマがよいです。ごく少量のヒアルロン酸注入になるため、各部位に治療前後ではほとんど変化が分かりません。ただ、これを1年に1回ほど定期に受けることで長期なたるみの予防になると考えます。

骨格形成ヒアルロン酸ボリューマ

まとめ

今回の記事では加齢・老化による顔の骨吸収が起こる部位について説明しました。骨吸収の進行は食生活や運動などを取り入れた健康的な日常生活で予防することは可能ですが、根本的には骨吸収は必ず起こってしまう悲しい加齢変化・老化現象です。ただ、この記事で紹介したヒアルロン酸の骨格形成により骨吸収によるたるみの進行を緩やかにすることは可能です。残酷な現実に対して対抗できる手段としては非常に意義があると筆者が考えます。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。

【関連項目】

加齢による顔の避けられない変化

避けられない加齢変化:大きくなる鼻

加齢、老化で鼻下が伸びる、長くなる理由

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