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2024/03/25

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「太っている人に薄毛が多い」は真実?適度な運動習慣を!

肥満と女性薄毛に悩む女性

(第18回「焼肉とスイーツが女性の薄毛に効く?」からの続き)

一般的に「太っている人には薄毛が多い」というイメージもあるかもしれません。もちろん肥満の人すべてが薄毛であるわけではありませんが、私の経験から言っても、その傾向は強いように思います。肥満が髪の健康に及ぼす潜在的な影響についてのメカニズムは複雑で、まだ完全には解明されていませんが、いくつかの主要な理論があります。

肥満と薄毛がつながる理論①:インスリン抵抗性

体質やカロリー過多、運動不足、肥満が原因で生じた糖尿病患者では糖代謝が正常に機 能しておらず、血中のインスリン値が高くなりますが、肥満の方も、糖尿病と診断される 前であっても、インスリンの効き目が悪くなり、血中のインスリン値が高くなります。イ ンスリン値が上昇すると、肝臓での性ホルモン結合タンパク(Sex hormone-binding globulin、以下SHBG)の生成が抑制されます。 一方、血液中のテストステロン(男性ホルモン)はSHBGとなるべく結合した状態で存在しており、それと結合していないテストステロンは遊離テストステロンと呼ばれます。 この遊離テストステロンが多いと、薄毛の根本的な原因となるジヒドロテストステロン(DHT)が多くなり、そのために薄毛が進行してしまうのです。 つまり、わかりやすく整理すると、次のような論法になります。

「太っている=血中インスリン値上昇=SHBG低下=SHBG結合テストステロン低下

=遊離テストステロン上昇=DHT上昇=薄毛」 これは男性に限ったことではありません。女性にもテストステロンはありますので、女性の薄毛の論法としても言えることなのです。これが、肥満が薄毛に影響する仕組みと一つ考えられています。

肥満と薄毛がつながる理論②:炎症の増加

肥満は体内の慢性的な炎症を引き起こすことが知られています。これは、過剰な脂肪組織が炎症性サイトカインを分泌し、体内の炎症反応を促進するためです。 脂肪組織はエネルギーを蓄えるだけでなく、多くの生物学的機能を持つことが知られています。脂肪細胞は、炎症を引き起こす化学物質であるサイトカインを分泌します。これらには、TNF-α(腫瘍壊死因子アルファ)、IL-6(インターロイキン6)、MCP-1(単球化学誘引タンパク質1)などが含まれます。これらのサイトカインは、体内の炎症反応を引き起こします。例えば、TNF-αやIL-6は、免疫細胞を活性化し、炎症反応を強化することが知られています。肥満の人では、過剰な脂肪組織がこれらのサイトカインを持続的に分泌することにより、慢性的な低度炎症状態が発生します。炎症は毛包(髪の毛が成長する小さな袋)を損傷し、髪の成長サイクルに影響を与える可能性があります。炎症は毛包を弱め、髪の成長を妨げることがあります。

肥満と薄毛がつながる理論③栄養不足

肥満の人は、必ずしも栄養が適切であるとは限りません。肥満の人々の中には、高カロリーな食事を好む傾向があり、これにより体重過多に陥りやすくなります。このような食生活はしばしば栄養不足を引き起こし、特定の重要な栄養素が不足する可能性があります。一方、摂取カロリー量に対して栄養価が低い食品の摂取が多いと、体重増加のリスクが高まる可能性があります。これらの食品はエネルギー密度が高いが、必要なビタミンやミネラルなどの栄養素を十分に提供しないためです。これが太っていると必要な栄養素が脂肪細胞のほうに多く行き渡ってしまい、髪をつくるほうにまで重要な栄養素が回らないという事態にもなりがちになる理由です。栄養不足、特に髪の健康に必要な栄養素(例えば、ビタミン、ミネラル、タンパク質)が不足している場合、髪の成長に影響が出る可能性があります。これが太っていると薄毛につながりやすい原因のひとつでもあると言われています。

出典元:

Nutrition and Obesity

肥満と薄毛がつながる理論④ホルモンの不均衡

肥満はエストロゲンやアンドロゲンなど、さまざまなホルモンのバランスに影響を及ぼす可能性があります。特に、。閉経前の女性では、肥満による無月経の増加とそれに伴う循環するエストロゲンレベルの減少が観察されています。エストロゲンは髪の成長に重要なホルモンであるために、女性の場合はエストロゲンの低下は、髪の成長サイクルや質に影響を及ぼす可能性があります。

出典元:

Estrogens in Adipose Tissue Physiology and Obesity-Related Dysfunction

肥満と薄毛がつながる理論⑤:高脂肪食

東京医科歯科大学の最近の研究では、肥満がどのようにして髪の薄毛につながるかについての分子メカニズムを調べました。この研究では、マウスで高脂肪食または遺伝的に誘発された肥満が、毛包の幹細胞の挙動に影響を与えることが分かりました。肥満によるこれらの幹細胞内の炎症シグナルは、毛包再生に必要不可欠なソニック・ヘッジホッグシグナリング経路(Sonic hedgehog signaling)などの重要な経路を抑制することが示されています。この抑制が髪の薄毛や脱毛につながることを明らかにし、肥満と髪の健康の変化との直接的な関連を示しています

出典元:

Eating Less Fat May Save Your Hair

薄毛の予防に運動を!

女性薄毛予防にも運動を

このように肥満が薄毛に影響するとなると、運動不足も間接的に薄毛につながりかねません。日頃の運動は肥満の予防なるだけではなく、筋トレや有酸素運動は成長ホルモンの分泌を活発にします。日頃の運動が成長ホルモンの分泌につながるメカニズムについては、運動が成長ホルモンの分泌を刺激する複数の生理学的経路を通じて行われることが知られています。具体的には、運動による身体のストレスが成長ホルモン分泌を促進するホルモン、特にグロースホルモン・リリーシングホルモン(GHRH)の放出を刺激します。また、運動は乳酸の産生を増加させ、これが直接的に成長ホルモンの分泌を促進することが示唆されています。成長ホルモンの分泌は発毛の促進を促し、薄毛解消に効果があると私は考えています。

まとめ

肥満は体のさまざまな部分、特に頭皮や髪の毛の健康に影響を及ぼすことが科学的に示唆されています。肥満は体内の炎症レベルを上昇させ、インスリン抵抗性を引き起こし、これらが髪の成長や健康に悪影響を与える可能性があるのです。適度な運動には肥満の予防や管理、さらに成長ホルモンの分泌を促進する効果があり、これが髪の健康に直接的にプラスの効果をもたらす可能性があります。健康的な食生活と運動習慣は、髪の毛をはじめとする全身の健康にとって非常に重要です。これらを意識することで、長期的には脱毛症のリスクを減らし、薄毛を改善することが可能です。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。これまで延べ5万以上の薄毛治療を行う。著書に「専門医が徹底解説!女性の薄毛解消読本」(元神賢太著 / 幻冬舎)。女性の薄毛治療のほか、エイジングケア治療、美肌治療を得意としている。

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