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2023/11/27

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女性化乳房の診断・症状・治療などについて

 真性女性化乳房

多くの男性が直面するある悩みがあります。それは、男性でありながら乳房が発達してしまうということです。医学界ではこの状態を「女性化乳房」と呼び、英語では「gynecomastia」と表記されます。この用語は一般的に「ガイノコマスチア」または「ギネコマスチア」と発音され、インターネット上ではしばしば「ガイノ」という略称で呼ばれることがあります。女性化乳房には、乳腺が実際に発達しているタイプ(真性女性化乳房)と、脂肪の蓄積によるタイプ(偽性女性化乳房)の二つの主要な分類が存在します。本稿では、真性女性化乳房に焦点を当て、その詳細な解説を行います。

 

真性女性化乳房の診断・症状・原因

真性女性化乳房の診断は、触診または超音波エコー検査で容易に診断が可能です。胸のふくらみの要因が脂肪組織でなく、乳腺の大きさによるものであれば真性女性化乳房と診断されます。真性女性化乳房の症状としては胸のふくらみのほかに、乳腺の痛みが生じることがあります。

真性女性化乳房の原因別に以下の3つに主に分類されます。

●特発性真性女性化乳房

真性女性化乳房の中で最も一般的なのは「特発性」、つまり特定の原因が特定されないものです。特に青年期における一時的なホルモンの変動によるものが多いとされています。

●薬剤性真性女性化乳房

多くの薬剤が真性女性化乳房を引き起こすリスクを持っています。

抗アンドロゲン薬、エストロゲン含有薬、一部の心血管疾患治療薬、抗精神病薬、抗不安薬や抗うつ薬、抗HIV薬、化学療法薬などがこれに該当します。

●二次性真性女性化乳房

甲状腺機能亢進症、低テストステロン症、肝疾患、腎疾患などの他の健康問題が原因で発生することがあります。これらの病気はホルモンのバランスに影響を及ぼすため、乳房組織の成長を促進する可能性があります。

思春期の特発性真性女性化乳房について

思春期における男性の女性化乳房(gynecomastia)は一般的に一時的な現象です。

●思春期におけるホルモン変動

思春期には男性でも一時的にエストロゲン(女性ホルモン)のレベルが上昇し、これにより女性化乳房が発症することあります。

●自然治癒

思春期の終わりに向けて、ホルモンのバランスが安定すると、多くの場合、女性化乳房は自然に解消・治癒します。女性化乳房が治る過程は、一般に数か月から2年程度かかることが多いです。

●症状の重さ

症状の重さは個人によって異なり、いくつかのケースでは、特に若年者において心理的な影響を及ぼすこともあります。

●治療の選択

思春期の女性化乳房は一般的に一時的な現象であり、自然治癒されることが多いですが、症状が重い場合や心理的な影響が大きい場合には、治療を受けることも選択肢としてあります。

甲状腺機能亢進症における女性化乳房について

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は、甲状腺が過剰な量のホルモンを分泌する状態を指します。この状態によって男性のホルモンバランスに影響が及び、女性化乳房のリスクが高まる可能性があります。甲状腺機能亢進症の男性患者の10%から40%に女性化乳房が認められるとされており、​甲状腺機能亢進症は二次性真性女性化乳房の大きな原因となります。なお、日本内分泌学会によると、バセドウ病の男女比はおおよそ1:3~5とされています。甲状腺機能亢進症では具体的には以下のようなメカニズムで女性化乳房が発生します。

●エストロゲンとアンドロゲンのバランスの変化

甲状腺機能亢進症では、体内のエストロゲン(女性ホルモン)の相対的な割合が増加することがあります。これは、甲状腺ホルモンが性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の生産を刺激し、結果としてテストステロン(男性ホルモン)の利用可能量が減少するためです。

●直接的な乳腺刺激

甲状腺ホルモンが直接乳腺組織に作用し、その成長を促進する可能性があります。

●代謝の変化

甲状腺機能亢進症は全身の代謝を加速させ、これがホルモンバランスに間接的に影響を及ぼすことがあります。

甲状腺機能亢進症の治療により、乳房の異常な発育が改善される可能性があります。

薬による真性女性化乳房について

薬によって引き起こされる可能性のある真性女性化乳房(gynecomastia)のリスクは、特定の薬剤に関連しています。しかし、すべての患者において一様に副作用が現れるわけではなく、発生率は薬剤や患者の個々の状況によって異なります。以下は、真性女性化乳房の副作用が報告されているいくつかのです:

●抗アンドロゲン薬

フルタミド:前立腺がん治療に使用される。

ビカルタミド:同じく前立腺がん治療に用いられる。

スピロノラクトン:高血圧や心不全の治療に使われるが、抗アンドロゲン作用も持つ。

●心血管疾患治療薬

ジゴシン:心不全や不整脈の治療に使われる。

スピロノラクトン:こちらも心血管疾患治療に使われることがあります。

●抗精神病薬

リスペリドン:統合失調症や双極性障害の治療に用いられる。

ハロペリドール:同じく統合失調症治療に使われることがある。

●抗不安薬や抗うつ薬

パロキセチン:抗うつ薬で、一部の不安障害の治療にも用いられる。

セルトラリン:うつ病やOCD、PTSDの治療に使われるSSRI。

●抗HIV薬

エファビレンツ:HIV感染の治療に用いられる。

コビシスタット:抗レトロウイルス治療の一部として使用される。

●化学療法薬

メトトレキサート:一部のがんの治療に使われる。

シクロホスファミド:同じく癌治療に使用される。

●その他

ガスター、シメチジン、オメプラゾール:潰瘍治療薬に使用される

ナウゼリン、プリンペラン:吐き気止めに使用される

プロペシア:育毛剤に使用される

アナボリックステロイド:筋肉増強剤として使用される

真性女性化乳房の治療について

●特発性真性女性化乳房

青年期における特発性真性女性化乳房は数か月から2年程度かけて自然治癒する場合が多いです。大きさや痛みが持続する場合や、片側の乳房だけが異常に大きくなるなどの場合は外科的に乳腺切除することで治療が可能です。

●薬剤性真性女性化乳房

薬剤性の女性化乳房については、薬剤の中止後に元に戻る場合が多いですが、これは使用していた薬剤の種類や使用期間、患者の個々の体質(肥満や肝機能障害など他の健康問題)によって異なります。改善までの時間は、数週間から数ヶ月かかることが一般的です。薬の種類別では、抗精神病薬や抗不安薬、高血圧治療薬などは中止後に女性化乳房が改善することが期待されます。しかし、長期間にわたり特定のホルモン療法薬(例えば、前立腺がん治療のための抗アンドロゲン薬)や筋力向上目的のアナボリックステロイドを使用していた場合、女性化乳房が恒久的になる可能性もあります。

●二次性真性女性化乳房

他の病気による二次性真性女性化乳房に関しては、原疾患の治療によって女性化乳房が改善するかどうかは、原因となる疾患の種類や状態、さらには女性化乳房の発症期間などによって異なります。いくつかの一般的なケースについて具体的に見ていきます:

ホルモン異常(例:甲状腺機能亢進症、低テストステロン症)

これらの状態はホルモンバランスの乱れに関連しており、適切な治療によってホルモンバランスが正常化されれば、女性化乳房も改善する可能性があります。ただし、ホルモン異常が長期間にわたって存在した場合、乳腺組織の発達が恒久的になることもあり、その場合は女性化乳房が残る可能性があります。

肝疾患

肝機能障害はエストロゲンの代謝に影響を及ぼすことがあり、その結果、女性化乳房を引き起こすことがあります。肝機能が改善されれば、女性化乳房も改善する可能性がありますが、肝機能障害が進行している場合は、女性化乳房が持続する可能性もあります。

肥満

肥満は体内でエストロゲンが増加する原因となることがあります。体重減少や適切なダイエットにより、女性化乳房が改善することがあります。

腎疾患

腎機能障害もホルモンバランスに影響を及ぼすことがあり、女性化乳房の原因となることがあります。腎機能の改善に伴い、女性化乳房が改善する可能性がありますが、疾患の進行度によっては完全には解消しないこともあります。

まとめ

真性女性化乳房の要因は多岐に渡ります。要因となっている薬剤の中止や原疾患の治療により、多くの場合、女性化乳房が改善します。また、思春期の女性化乳房は、多くの若年男性にとって一時的な状態であり、自然治癒することが一般的です。しかし、女性化乳房の症状が続く場合や心理的な影響が大きい場合は、経験豊富な医師の助言や治療を求めることが推奨されます。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療、女性化乳房修正手術を得意としている

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