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そばかすとの原因と消し方と「そばかすとシミの違い」NULL

2024/01/07

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そばかすとの原因と消し方と「そばかすとシミの違い」

そばかす

そばかすとは

そばかす(医学用語で「雀卵斑(じゃくらんぱん)」とも呼ばれます)は、主に顔などの露出部分に現れる小さく薄い茶色の斑点です。これらは通常、皮膚のメラニン色素が過剰に生成された結果として現れます。メラニンは紫外線に対する皮膚の自然な防御反応として機能し、紫外線に晒されることでその生成が刺激されるため、そばかすは太陽にさらされやすい人々に特に多く見られます。

そばかすの組織学的構造

そばかすを組織学的に見ると、そばかすはメラノサイト(メラニンを生成する細胞)が活発にメラニンを生成し、それが周囲の表皮細胞(ケラチノサイト)に移行することで形成されます。通常、メラノサイトは均一にメラニンを分布させますが、遺伝的要因、ホルモン、環境的要因(主にUVB放射)によって、一部のメラノサイトが活性化し過剰にメラニンを生成し、そばかすやシミになります。このようにさまざまな要因によりそばかすやシミが多い人とそうでない人の個人差が現れます。

そばかすの原因

そばかすの出現には遺伝が大きく関わっています。これは特に、肌の色やメラニンを生成する能力に関連する遺伝子に起因します。遺伝的要因がどのようにそばかすの形成に影響を及ぼすかを詳細に見ていきましょう。

■遺伝的背景

・MC1R遺伝子

そばかすの形成に最も関連が深いとされるのは、メラノコルチン1受容体(MC1R)遺伝子です。この遺伝子はメラニンの種類を制御しており、特に赤毛や白い肌を持つ人々において変異が見られます。MC1Rの変異は、メラニンのタイプを黒褐色のユーメラニンから赤黄色のフェオメラニンに変えることが知られており、これがそばかすの出現に寄与します。アジア人や日本人においてもMC1R遺伝子の変異はそばかすに影響を及ぼすことがありますが、変異の種類や頻度は地域や集団によって異なります。

・KITLG遺伝子とOCA2遺伝子

これらの遺伝子もメラニン生成に関与しており、アジア人の肌の色やそばかすの形成に関連していると考えられています。特に、OCA2遺伝子はピグメンテーションに大きく関与しており、その変異は肌の色だけでなく、そばかすの形成にも影響を及ぼす可能性があります。

・その他の遺伝子

アジア人におけるそばかす形成に関連する他の遺伝子には、IRF4、SLC45A2、ASIPなどがあります。これらの遺伝子はメラニンの生成や分布を制御する役割を持ち、そばかすや肌の色の違いに影響を及ぼします。

■環境との相互作用

遺伝的要因があっても、紫外線への露出がなければ、そばかすは現れにくいです。紫外線はメラノサイトを刺激し、メラニンの生成を促進します。したがって、遺伝的にそばかすができやすい人でも、紫外線対策を徹底することでその出現を抑えることが可能です。

■親から子への遺伝

そばかすの傾向は親から子へと伝わることがあります。つまり、両親や近親者にそばかすが多い場合、子どもにもそばかすが現れやすいと言えます。しかし、これはあくまで傾向であり、必ずしもすべての子がそばかすを持つわけではありません。

■遺伝的多様性

個人の遺伝的背景には大きな多様性があります。特定の集団(特に北欧の白人など)でそばかすがより一般的であるとされていますが、他の多くの集団でもそばかすは見られます。遺伝はそばかすの形成に重要な役割を果たしますが、それだけではなく、個人の生活習慣や環境も大きな影響を及ぼします。また、遺伝的要因がそばかすの形成にどのように影響するかを完全に理解するには、さらなる研究が必要とされています。

そばかすの消し方

そばかすの消し方、治療方法にはいくつかあります。どの方法も皮膚の表面に存在する過剰なメラニンをターゲットにし、そばかすを薄くするか、完全に取り除くことを目的としています。以下に、それぞれの治療法について詳細を説明します。

■IPL(インテンス・パルス・ライト)療法

カメラのフラッシュのような光(フラッシュ光線、IPL)を繰り返し皮膚に照射することで、そばかすを薄くする治療です。IPL療法は、特定の波長の光を肌に照射し、メラニン色素に吸収させることで熱を発生させ、メラニンを破壊します。治療中、患者は保護眼鏡を装着し、治療部位にゲルが塗布された後、光が照射されます。そばかすに対しては通常5回を1クールとして数週間の間隔を空けて治療を受けることにより、かなりの治療効果があります。治療後、数日から数週間でそばかすが暗くなった後、徐々に剥がれ落ちます。副作用として 軽度の赤み、腫れ、または一時的な色素沈着の変化が起こることがありますが、ダウンタイムが比較的少なく、テープ等を顔に貼る必要がないことから人気の治療です。光・IPL治療で使用するフラッシュ光線を使った医療機器は多数ありますが、筆者は非常に治療効果が高いフォトシルクプラスを推奨しております。ただし、IPL機器はまぶたと眼球のキワなど、照射できない部位もあります。その場合はレーザー治療を併用することもあります。

そばかすのフォトシルクプラス治療光景

■レーザー治療

レーザー治療は、特定の波長の光をメラニン色素に集中させることで、過剰なメラニンを破壊し、そばかすを除去します。よく使用されるのは、Qスイッチヤグレーザーです。レーザー治療は高い効果があり、特に頑固なそばかすに効果的です。通常1回の治療で顕著な改善が見られます。副作用として 赤み、腫れ、ほてり、稀に瘢痕や色素の異常が残ることがあります。テープの1週間程度は患部に貼ることが推奨されてます。

■ビタミンイオン導入

高濃度のビタミン剤(ビタミンC・ビタミンA)を皮膚に直接浸透させる治療方法です。ビタミンC・ビタミンAには美白効果がありますので、この効果が直接そばかすに効いて、そばかすを薄くなる作用があります。そばかす治療において単独でイオン導入だけを行うことはなく、IPLの治療効果を高まれることから、通常はIPL療法と一緒に行います。

ビタミンイオン導入の光景

■外用療法

そばかすやシミの治療には外用療法もあります。これらは皮膚に直接塗布する薬剤で、主にメラニンの生成を抑制し、既存のメラニンを減少させることを目的としています。ハイドロキノン、トレチノイン(レチノイド)、アスコルビン酸(ビタミンC)、アルブチン、ニアシンアミドなどの薬剤が使われます。ただし、アレルギーが起こりやすいこと、治療効果が弱く、毎日継続する必要がある点よりそばかすの治療としては推奨できる治療方法ではありません。

そばかすとシミの違い

そばかすといわゆるシミ(日光性色素班または老人性色素班と呼ばれる)は、見た目が似ているため混同されがちですが、発生原因や特徴、組織学的な構造にはいくつかの違いがあります。ただし、両者ともにメラニンの過剰な蓄積によって引き起こされる点は共通しています。ここでは、そばかすとシミ(日光性色素班)の組織学的な違いについて説明します。

■そばかす(雀卵斑)

・原因

遺伝的要因が大きく、特定の遺伝子(特にMC1R遺伝子)の変異が関与していることが多いです。紫外線への露出によって暗くなることがあります。

・組織学的特徴

そばかすの皮膚では、メラノサイト(メラニンを生成する細胞)の数は通常の皮膚と変わりませんが、メラニン色素が表皮細胞(ケラチノサイト)に多く含まれています。つまり、メラノサイトの活性は高いが、その数は増えていない状態です。

■シミ(老人性色素班、日光性色素班)

・原因

長期間にわたる紫外線への露出が主な原因で、特に中年以降の人々に多く見られます。紫外線によるDNA損傷が積み重なり、最終的に色素沈着を引き起こします。

・組織学的特徴

老人性色素班の皮膚では、メラノサイトの数が増加する場合があります。また、メラニン色素は表皮だけでなく、真皮にも見られることがあります。これは紫外線による損傷が深層まで達していることを示しています。このためIPLによる表皮をターゲットにした治療では取り切れないことがよくあります。

■そばかすとシミの共通点と相違点

両者ともにメラニン色素の過剰な蓄積が見られ、肌の色素沈着として現れます。ただし、そばかすは遺伝的要因が大きく、若年期から現れることが多いですが、シミは紫外線への長期間の露出によって発生し、主に年齢を重ねた肌に現れます。組織学的には、そばかすは表皮にメラニンの分布が多く、シミはより深い層にまでにメラニンの分布があります。総じて、そばかすと日光性色素班は外見が似ているものの、原因、発生する年齢層、組織学的な特徴には差異があります。これらの違いを理解することは、適切な治療法を選択する際に重要です。

まとめ

ドクター写真

そばかす自体は良性であり、通常は健康上のリスクはありませんが、美容的な理由で気にされる方も多いです。また、紫外線への露出が増えるとそばかすが濃くなったり、数が増えたりすることがあります。そのため、予防や対策としては、日焼け止めの使用や帽子を着用するなど、紫外線から皮膚を守ることが重要です。そばかすに対してIPLは非常に治療効果高いため、そばかすでお悩みの場合は積極に治療をおすすめしますが、どのIPL治療機器で行うかも非常に重要です。まずは信頼できる医師の相談されることを推奨します。また、そばかすは肌自体の体質で再発することもあるため、治療後も日常的な紫外線対策が必要になります。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。また、そばかす、シミ、にきび、ニキビ跡に対しての肌治療も積極的にさまざまな治療機器を導入し、多角的に治療を行っている。

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