投稿日:2023/10/27
(最終更新日:2024/07/07)
独特のニオイ(体臭)の正体とは:さまざまな体臭の紹介
なぜ体臭が発生するのか?
体臭の中でもアポクリン汗腺が原因となる「ワキガ症」、「スソガ(スソワキガ)」、「チチガ(乳輪わきが)」については過去記事で論じてきました。しかしワキガのほかにもさまざまな体臭があります。
体臭は、私たちが日常的に感じる避けがたい現象です。特に汗を多くかく季節や状況では、その臭いが強くなりがちです。この臭いの主要な原因は、皮膚上の雑菌が皮脂、古い角質(垢)、そして汗の成分を分解することにより発生するガス、いわゆる揮発性成分にあります。汗が皮膚上に出ることで、これらの菌が急速に繁殖し、臭いが発生しやすくなります。
体臭の発生メカニズム
1.皮膚の構造:
皮膚には「皮脂腺」、「汗腺」という2つの主要な腺が存在します。皮脂腺からは皮脂が、汗腺からは汗が分泌されます。
皮脂は皮膚を柔らかく保ち、外部の刺激から保護する役割を果たしています。
汗は主に体温の調節に関与しており、暑さやストレス、辛い食物の摂取などにも反応して分泌されます。
2.皮膚の微生物:
皮膚上には多種多様な常在菌が存在し、これらの菌は皮脂や汗とともに皮膚の表面で生息しています。新鮮な汗や皮脂自体はほぼ無臭ですが、これらの菌の働きによって時間とともに体臭の成分が生じることになります。
3.食生活の影響:
特定の食材を大量に摂取すると、体臭に影響を及ぼすことが知られています。これは食材中の特定の成分が代謝され、汗や皮脂として体外に排出されるためです。
汗の種類とそれぞれの特徴
汗腺について更に詳細に説明します。汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2つがあり、それぞれ異なる成分を持ち、それに応じて異なる臭いを発生させます。
エクリン腺は全身に広がっており、特に手のひらや足の裏に集中しています。エクリン腺から分泌されるエクリン汗の主成分は水分が約99%、残りは塩分やアミノ酸、尿酸などです。主な役割は体温調節ですが、緊張時でも大量に発汗することがあります。エクリン汗自体は無臭ですが、外部の汚れや菌と混ざることで、アミノ酸が分解され、体臭の原因となります。
アポクリン腺はわきや性器、乳輪にあり、アポクリン汗の主成分は水の他、タンパク質、脂質、脂肪酸、コレステロール類などです。本来の役割はアポクリン汗のワキガ臭が動物のフェロモンとして異性を性的に惹きよせる効果があったと考えられています。
独特の体臭の正体は?
体臭にはさまざまな要因があります。体臭が発生する主な部位や種類を例示します。
1.わき
アポクリン腺が多いため、独特のニオイ「ワキガ臭」が発生。その主成分として3-メチル-2-ヘキセン酸が挙げられます。
2.足の裏:
エクリン腺が非常に多く、角質も厚く垢が溜まりやすい。靴や靴下での密閉環境が、イソ吉草酸という足特有のニオイを発生させます。
3.陰部、乳輪
脇と同様にアポクリン腺が多く、それぞれ「スソガ(すそわきが)」、「ちちが(乳輪わきが)」の臭いを発生させることがあります。
4.頭皮:
皮脂腺が発達し、フケが発生しやすい。毛髪も周囲のニオイを吸収し、アルデヒド類や脂肪酸が混ざった頭皮臭や頭髪臭が生まれます。
5.加齢臭:
加齢とともに皮脂成分が変わり、皮脂のリノール酸が増加。このリノール酸が酸化し、9-ノネナールという独特のニオイが発生します。
6.たばこ臭:
喫煙時に体内に取り込まれたタバコの成分が皮膚や呼気から放出されることで発生します。
7.口臭:
口の中の細菌が食べ物の残りかすや死んだ細胞を分解する際に発生するガスが主な原因となります。
8.食べ物による体臭:
ニンニクやアルコール、赤身の肉、スパイスなどの食べ物は、摂取後、体内で分解される過程で独特の臭いを汗腺から発生させることがあります。
出典元:
MHC genes, body odours, and odour preferences
まとめ
汗の成分やその作用、そして体の部位ごとの臭いの原因を理解することで、体臭対策をより効果的に行う手助けとなるでしょう。日常のケアやライフスタイルの見直しで、快適な生活を取り戻すことが可能です。それでも気になる場合は、専門の医療機関に相談されるといいでしょう。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。腋臭多汗症治療はこれまで延べ1万人を超える。
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