投稿日:2024/01/28
(最終更新日:2024/07/25)
ビューホットは効果なし?:効果の真実を探る
「ビューホット 効果なし」というネット上の声。グーグル検索ではこのような疑問を呈するキーワードが頻出しています。実際に検索してみると、ビューホットに否定的な記事が数多く上位にランキングされています。これらの記事は、ほぼ例外なくビューホットとミラドライを比較し、ビューホットの効果を疑問視しつつ、ミラドライを優れた治療法として推奨しています。しかし、これらの内容は果たして公平な評価なのでしょうか、それともミラドライの宣伝が目的なのでしょうか?本記事では、ビューホットに否定的な見解を示す記事の背後にある真実を探り、その問題点や間違いについて解説し、ビューホットの実際の効果について正確な情報を提供します。
ビューホットの実際の効果:患者の体験からの考察
2014年よりビューホット治療を国内でいち早く導入した私のクリニックでは、これまで500人以上の患者に治療を施し、その経験からビューホットの実際の効果について考察を深めてきました。開院から20年以上の歴史の中で、私は治療効果が感じられない場合には無料のアフターケアを提供してきました。この方針により、治療に満足しない患者からのフィードバックがなされますが、500例以上の治療を行ってきた中で、ビューホットの効果を否定する声は一切ありませんでした。これは、ビューホットの実際の効果を物語るものです。
「ビューホットの治療効果はありません」
最近、インターネット上で「ビューホットの治療効果はありません」と主張する医師が書いた記事を目にしました。その記事は、ビューホットを批判し、代わりにミラドライを高く評価しています。しかし、このような情報が医師によって発信されることは、極めて問題があり、看過できません。ビューホットの効果を支持する多くの医師がいる中で、このような一方的な意見は、誤解を招く恐れがあります。ミラドライを推進する目的があるとしても、誤った情報を流布することは適切ではありません。ここでは、そうした誤解を解き、ビューホットの実際の効果について正確な情報を提供します。
↑ブログではこのような大文字で「ビューホットの治療効果はありません」と書いています。
ビューホットは危険?
ミラドライが優れていると記載している記事で多いのが、「ミラドライ」が日本の厚生労働省やFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を得ているため治療における安全性が高いとしている一方で、ビューホットは認可を得ていないという事実が安全性への懸念として指摘している点です。ミラドライには照射部位を効果的に冷却するシステムが備わっており、たしかにビューホットより患部の冷却については優れています。そして、ビューホットを効果的に治療するには医師の熟練が大切です。厚生労働省やFDAの認可を受けるには、「どんな医師でも安全に簡単に使えること」が重要なポイントとして挙げられます。その点において、ビューホットは簡単な機器ではなく、治療効果をしっかり出すには医師の修練が非常に大事であるため、今後も厚生労働省やFDAの認可を受けるのは難しいかもしれません。ですが、厚生労働省やFDAの認可がないこととその安全性や効果とは全く関係ないことをここでは強調します。
ビューホットは認可されていないから効果がない?
厚労省の認可の有無の違いで、ミラドライは効果が保証されているとしている一方で、ビューホットは認可されていないので効果が保証されていないという記載も時々ネット記事に見受けられます。ここで見落としてはいけない事実として、厚労省が治療器として認可しているのは「多汗症治療」であり、ワキガ症ではありません。多汗症とワキガはともに汗腺が活発であることは共通していますが、両者は明確に病態に違いがあります。前者は表層から浅いエクリン汗腺が要因である一方、後者は表層からより深い部分に存在するアポクリン汗腺が要因です。ミラドライが認可されているのはあくまでもエクリン汗腺に対する効果です。これはミラドライの照射エネルギーは表層から近い部分に存在するエクリン汗腺までしか到達しないからです。一方、ビューホットは厚労省に認可はされていませんが、熟練した医師が行えば、針の深度を調整することで皮下の深層にあるアポクリン汗腺を破壊させることが可能です。
ビューホットは照射範囲が狭い?
一部の情報源では、ビューホットの照射範囲が狭いとの見方が示されていますが、これは正確な情報とは言えません。これらの情報ではビューホットは、針による施術であるために狭い範囲にしか熱破壊が及ばないと主張しますが、熟練した医師によっては、針を広範囲に効果的に照射することが可能です。ミラドライがマイクロ波により広範囲をカバーするのに対し、ビューホットも適切に施術すれば、広範囲にわたる汗腺に効果的にアプローチできます。このため、ビューホットの照射範囲が狭いという見解は、技術的な実践に基づかない誤解に過ぎないのです。
ビューホットは傷が目立つ?
ミラドライは傷が残ることはなく、ビューホットでは傷が残ってしまう可能性があるからミラドライがよいと推奨する記事があります。確かにビューホットはミラドライと比較してハイパワーであるため、ミラドライと比較して針跡がしばらく残ることがあります。また、ミラドライの冷却システムが優れている一方で、ビューホットでは皮膚を冷却させるためのプレートを皮膚に確実に密着させるために工夫が必要とされ、ミラドライと比較して熱傷のリスクはビューホットのほうが高いのも事実です。しかしながら、適切な施術ではビューホットも通常は傷が残ることはありません。
↑ミラドライとビューホットを比較したウソの比較表(ネット上より抜粋)
ビューホットは痛い?
ビューホットにおける痛みに関する誤解を解き明かします。確かに、ビューホットは針を使用するため、一部の患者が疼痛を感じることがあるという報告はあります。しかし、美容医療の多くは痛みを伴うものであり、ミラドライも例外ではありません。医療行為における痛みの存在を過度に強調し、不安を煽るような情報は誤解を生む可能性があります。痛みは個人差があり、適切な施術と麻酔の使用で軽減可能です。
ビューホットは重度の多汗症に不向き?
ビューホットに関して、「重度の多汗症には不向き」とする意見が一部にありますが、この見方には留意が必要です。実際には、ビューホットもミラドライも、一度の治療でエクリン汗腺を完全に破壊することは難しく、重度の症例に対しては複数回の治療が推奨されています。この点は、ビューホットだけでなくミラドライにも当てはまる事実であり、それぞれの治療法が持つ特性を理解することが重要です。重度の多汗症に対しても、適切な治療計画と施術によって、効果を期待できる可能性はあります。
ビューホットは一度の施術で確実に効果を得られない?
一部の情報源では、ビューホットは一度の治療で確実な効果が得られないとされ、これに対しミラドライは一回の施術で半永久的な効果があるとの主張がなされています。しかし、これは全く事実ではありません。実際には、ビューホットとミラドライの両方とも、重症度によっては複数回の治療が必要になることがあります。エクリン汗腺が完全に破壊されなければ、再生する可能性があるため、ミラドライの効果が半永久的であることはありません。
まとめ
このブログ「ビューホットは効果なし?」で、ビューホットにまつわる誤解と事実を徹底的に分析しました。ビューホットとミラドライの比較については、両者にはそれぞれの特長があり、前者がワキガ症、後者が多汗症により適していることは前回のブログ記事でも書きました。美容治療のネット上の記事では医師が書いた記事であっても、間違った内容であったり、書き手の都合のよい内容に事実を曲げた記事もありますので、注意が必要です。ビューホットに限らず、美容治療の情報収集に際しては、インターネットだけでなく実際に医療機関に相談し、診察を通して信頼できる医師を見つけることが今後は重要と考えます。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。ビューホットを日本にいち早く導入し、スソワキガに対するビューホット治療を日本で最初に行った。ワキガ、スソワキガの治療例はこれまで延べ1万人を超える。
【関連項目】
ビューホット, ミラドライ, ビューホット ミラドライ比較, ビューホット 効果なし
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