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2024/01/27

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ビューホットとミラドライどっちがいいのか?両者の違いを比較

脇汗が気になる

ワキガと多汗症の治療において、ビューホットとミラドライは注目されています。これらの治療機器はそれぞれに高い治療効果を謳っていますが、情報が多くて煩雑に感じることもあります。この記事では、ビューホットとミラドライの特徴を詳細に掘り下げ、ワキガや多汗症の治療において、どちらが最適な選択肢なのかを比較・解析します。また、これら二つの治療機器がどのように異なるのか、その違いについても明確に説明していきます。

ミラドライの特徴

■ミラドライの作用原理

ミラドライはマイクロ波エネルギーを用いて、腋窩(わきの下)に存在する汗腺(主にエクリン汗腺)を破壊します。

■選択的破壊

マイクロ波は特に水分に反応するため、水分を多く含む汗腺に効果的に作用します。このエネルギーは、汗腺が集中している真皮の下部から皮下組織の上部にかけての層に特化して照射されます。

■確実な冷却システム

ミラドライ装置には冷却システムが組み込まれており、皮膚表面を冷却しながら治療を行うことで、熱傷を防ぎます。

■作用する深さ

ミラドライのマイクロ波は、皮膚の真皮下部から皮下組織の脂肪の境界面に到達し、この範囲に集中して熱エネルギーを発散します。ただし、具体的な深さ(ミリメートル単位)については、明確には示されていません。また、深さ(エネルギー到達深度)を調整することはできません。

■ミラドライの弱点①

ミラドライからの発するマイクロ波は60~70度の熱で汗腺を破壊する原理ですが、この熱では完全に汗腺を破壊するには至りません。汗腺の機能を弱める効果や汗腺を一部破壊する効果ありますが、熱の温度の高さが汗腺を破壊するには不十分です。

■ミラドライの弱点②

作用する深さは公式では「皮膚の真皮下部から皮下組織の上部にかけての層」と記載されていますが、皮膚の厚さは個人差が大きく、特に男女の間でも数mmの違いがあります。このため、自由にエネルギーの到達深度を調整できないミラドライでは、深度が不十分のために治療効果が弱くなる可能性が高いです。

■ミラドライの長所

皮膚の冷却を確実に行うために照射する機器のハンドピース側に組織を固定する吸引機能があります。また、皮膚の温度をモニタリングする機能も搭載しております。これらの2点のハンドピースの機能により皮膚が火傷する危険性は大幅に小さくなります。

ミラドライの原理

上記イラストはミラドライ販売元公式ホームページより抜粋

 

ビューホットの特徴

■ビューホットの作用原理

ビューホットは皮膚表面より針を刺し、針の先端のみから発せられる高熱(フラクショナルRF)により皮膚内及び皮下組織にある汗腺(エクリン汗腺とアポクリン汗腺)腺を破壊します。

■安全性の確保

ビューホットはミラドライと同様に冷却システムが組み込まれており、皮膚表面を冷却しながら治療を行うことで、熱傷を防ぎます。

■選択的に深度を変更

ビューホットの特徴は照射深度を手動で調整できる点です。皮膚表面より0.1mm間隔で調整が可能で、6㎜以上の深さも照射可能です。

■ビューホットの弱点①

ミラドライにあるような機器のハンドピースの吸引機能や皮膚温度のモニタリング機能がないため、ミラドライより皮膚の熱傷リスクが高くなります。

■ビューホットの弱点②

針の到達深度を調整することができますが、使い捨ての針を交換するたびに針の深さが微妙にかわることがあります。そのため、医師の肉眼による調整が必須となり、医師の技量が効果を左右します。

■ビューホットの長所

ビューホットの最大の長所は、その高度なカスタマイズ性にあります。これにより、皮膚の厚さやワキガの強度に応じて、照射する深度や強度を精密に調整することが可能です。治療中、医師は患者の皮膚の厚さを触診し、針の深度を2㎜から6㎜の範囲で微調整します。また、ワキガの強度や皮膚の厚みに応じて、照射の強度も適切に調整されます。これにより、臭いが強い場合はより強い照射が可能ですが、それに伴い熱傷のリスクが増すことも考慮されます。ミラドライには見られる吸引機能がビューホットにはないため、照射時にはハンドピースの冷却プレートが皮膚に確実に密着するよう配慮が必要です。このように、ビューホットの治療効果は、医師の経験と技術に大きく依存します。慎重な操作と患者の個別の状況への適応が、治療の成功の鍵を握るのです。

ビューホットの原理

↑ビューホットの作用のイメージ

汗腺の深さを知る

わきが・多汗症に対する治療において、非常に重要なポイントは汗腺が存在する皮膚の構造における位置です。皮膚は表面より表皮、真皮、皮下組織(脂肪)の順に深くなります。また脇の皮膚(表皮と真皮)の厚さは2㎜~4mm程度で、このように皮膚の厚さの違いには個人差が大きいのです。

■エクリン汗腺

・エクリン汗腺の位置

エクリン汗腺は全身の皮膚表面に存在し、主に真皮内に位置します。真皮にある巻き上がった管状の構造を持ち、その導管は皮膚表面に開口します。

・エクリン汗腺は多汗症の原因

エクリン汗腺の活動が活発の場合、多汗症になります。エクリン汗腺からの汗自体には臭いがないため、多汗症は通常はそれほど臭いが強くないです。

・エクリン汗腺は再生する

エクリン汗腺の特徴は破壊されたり、機能が熱により弱まったとしても、ある一定の時間が経過すると、再生されたり、機能が復活したりします。

■アポクリン汗腺

・アポクリン汗腺の位置

アポクリン汗腺は、主に腋窩(わきの下)、陰部、乳輪周辺などの毛が密集している部位に関連して存在します。 アポクリン汗腺はエクリン汗腺よりも大きく、深い位置にあり、時には真皮から皮下組織にまで達することがあります。 アポクリン汗は通常、毛包に関連しており、その導管は毛包に開口します。

・アポクリン汗腺はワキガ症の原因

アポクリン汗腺活動が活発の場合、ワキガ症(腋臭症)になります。アポクリン汗からの汗は強烈な臭いがあるため、ワキガは体臭の一番の要因となります

・アポクリン汗腺は再生しない

一度完全に破壊されたアポクリン汗腺は再生されません

■エクリン汗腺とアポクリン汗腺の深さ

汗腺の深さに関する具体的な数値は明確に明記されていないものの、エクリン汗腺が真皮に、アポクリン汗腺が真皮から皮下組織にかけての深い位置にあります。

エクリン汗腺とアポクリン汗腺の違い

多汗症治療における冷却の重要性

多汗症の治療では、エクリン汗腺の活動を抑制または破壊することが鍵となります。これらの汗腺は、皮膚の浅い部分、特に真皮に存在するため、治療に使用される機器の熱がこの部位に届くことが重要です。しかし、浅い皮膚層は血流が少なく、熱による熱傷のリスクが高まります。したがって、エクリン汗腺をターゲットとしながら周囲の皮膚組織を保護し、効果的に冷却することが不可欠です。この点で、ミラドライはビューホットに比べて優れていると言えます。ミラドライのマイクロ波技術は、ビューホットのフラクショナルRFと比較して、エクリン汗腺をより選択的に破壊する能力があります。また、ミラドライのハンドピースには吸引機能が備わっており、これにより皮膚を確実に冷却し、熱傷を予防します。この冷却機能は多汗症治療において、治療の安全性と効果を高める重要な要素です。

ワキガ治療における深度の重要性

ワキガ症の根本的な原因は、エクリン汗腺よりも深く、皮下組織に位置するアポクリン汗腺にあります。特に男性の場合、アポクリン汗腺は皮膚表面から約5㎜の深度に位置することがあります。この深い位置にあるアポクリン汗腺を効果的に破壊するには、深度調整が可能なビューホットが適しています。ビューホットは、皮膚の深い部分にあるアポクリン汗腺に対して高熱を適用することで、熱傷のリスクを低減しつつ治療を行うことができます。一方、ミラドライは発する熱が比較的弱く、深度も浅いため、アポクリン汗腺の破壊には限界があります。このため、ワキガ治療においてはビューホットがミラドライよりも有効と言えます。ただし、ビューホット治療の成功は医師の技術に大きく依存するため、経験豊かな医師を選ぶことが非常に重要です。この深度の適切な管理が、ワキガ治療の成果に直結するため、正確な判断と熟練した技術が求められます。

ビューホットとミラドライの違いを比較

ビューホットとミラドライは、どちらも熱エネルギーを利用して汗腺を部分的に破壊し、機能を低下させるという共通点があります。しかし、そのアプローチには顕著な違いがあります。ビューホットはより表層から深い層にまで高熱が到達する一方、ミラドライは表層から浅い層に周囲の皮膚を極力熱傷が生じないよう照射できるように工夫されている機器です。この両者の違いにより、ビューホットはワキガ治療により適しており、ミラドライは多汗症治療により適していると言えます。

また、ビューホットの使用には、手動での深度や強度の調整が必要であり、医師の技量によって治療効果に大きな差が出ることがあります。これに対して、ミラドライは冷却機能や温度モニタリング装置が備わっている点でより精密な機器と言える一方で、医師の技量が関与しない治療です。

ダウンタイムにも両者には違いがあり、ビューホット治療後には点状の跡が数ヶ月間残ることがあるのに対し、ミラドライでは皮膚の発赤などのダウンタイムが短いという特徴があります。このように、ビューホットとミラドライは、それぞれの特性により、ワキガ治療や多汗症治療において異なる適応が見られます。どちらの機器が適切かは、個々の症状や治療目的によって異なります。

まとめ:ビューホットとミラドライ、どちらがいいか比較

元神写真

多汗症とワキガ症治療におけるビューホットとミラドライの効果を理論的に比較して解析しました。結論として、多汗症にはミラドライの選択を、ワキガ症にはビューホットの使用を推奨します。ただし、多汗症治療においては、エクリン汗腺は再生するため、ボトックス注射と比較して機器を用いた治療の長期的な優位性は限定的です。また、ビューホットに関しては、その治療効果は大きく医師の技量に依存します。深度と強度の精密な調整が必要であり、特にワキガ治療においては、経験豊かな医師の選択が治療の成否を左右する重要な要素となります。このように、ビューホットとミラドライはそれぞれに特徴があり、患者の状態や治療目的に応じて適切な選択が求められます。最終的には、患者のニーズと期待に応じた治療法を選択することが、最良の結果を得るための鍵となります。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。20年以上の経験があり、ワキガ、スソワキガの治療例はこれまで延べ1万人を超える。

 

【関連項目】

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