BLOG 施術症例・美容整形コラム Dr.元神の院長ブログBLOG 施術症例・美容整形コラム Dr.元神の 院長ブログ

「ミラドライ」についての記事まとめ

2024/02/07

院長ブログトップ > ミラドライ、2回でも効果なしの理由と後悔について

ミラドライ、2回でも効果なしの理由と後悔について

わきがに悩む女性

ワキガや多汗症の非侵襲的治療方法、いわゆる「切らないワキガ多汗症手術」として知られるミラドライは、多くの患者に選ばれています。しかし、インターネットで「ミラドライ 2回 効果なし」や「ミラドライ 後悔」といったネガティブな意見が散見されます。一体、なぜこれほどまでに否定的な声が上がるのでしょうか?ミラドライ治療に対する誤解や、術前の過剰な期待、あるいは不十分な説明が原因である可能性が考えられます。この記事では、ミラドライ治療を受ける際の現実的な期待値、さらにはネット上に溢れる否定的な意見がなぜ生じるのかを深く分析し、読者の皆さんにミラドライの真の効果とリスクを明確に理解していただくための情報を提供します。

ミラドライは多汗症治療の専門機器

ミラドライの多汗症機器

SNSやインターネット上で「ミラドライ 効果なし」との声と共に広く語られていますが、これらの声の多くはワキガ症に対する効果が不十分であったというものです。しかし、これには重要な誤解があります。ミラドライは本質的に腋の多汗症(原発性腋窩多汗症)専用の治療機器であり、ワキガ症の治療に特化したものではありません。多くの医療機関や美容外科では、多汗症とワキガ症を同様に扱って説明することがあります。しかし、実際にはこれら二つの状態には根本的な違いが存在します。ミラドライは原発性腋窩多汗症、つまりワキの過度の発汗をコントロールするために設計された治療機器であり、ワキガ症、すなわち特有の体臭問題に対処するためのものではないのです。この混同が、ミラドライに対する誤った期待や誤解を生み出し、結果として否定的な評価を受ける一因となっているのです。

腋の多汗症とワキガ症の違い:ミラドライ治療の理解を深めるために

ミラドライ治療の効果を適切に理解するためには、腋の多汗症とワキガ症の根本的な違いを明確にすることが非常に重要です。ここでは、ワキガ多汗症の原因である汗腺、すなわちエクリン汗腺とアポクリン汗腺について詳しく解説し、それぞれがどのようにこれらの症状を引き起こすのかを説明します。

■エクリン汗腺

・エクリン汗腺の位置と機能

 エクリン汗腺は、全身の皮膚表面に分布し、主に真皮内に位置しています。エクリン汗腺は管状の構造を持ち、皮膚表面に開口する導管を通じて汗を排出します。

・多汗症とエクリン汗腺

エクリン汗腺が過剰に活動することが多汗症の原因です。エクリン汗腺から分泌される汗自体には臭いはほとんどなく、そのため多汗症は強い体臭を伴うことは少ないのが特徴です。

・エクリン汗腺の再生能力

興味深いことに、エクリン汗腺は破壊されたり、その機能が熱によって弱まったりしたとしても、時間が経過すると再生し、機能が回復する可能性があります。

■アポクリン汗腺

・アポクリン汗腺の位置と特徴

アポクリン汗腺は、主に腋窩(わき)、陰部、乳輪周辺など毛が密集している部位に関連して存在し、エクリン汗腺よりも大きな構造を持ちます。アポクリン汗腺は皮膚の真皮及び皮下組織にあり、エクリン汗腺より表層から深い領域に位置し、毛包にその導管が開口します。

・ワキガ症とアポクリン汗腺

アポクリン汗腺の活動が活発になると、ワキガ症が発生する可能性が高まります。これは、アポクリン汗に含まれる強烈な臭い成分(N-アセチル-5-メチルオルニチン)によるもので、この特有の臭いはワキガ症の主要な原因となります。アポクリン汗が皮膚表面の細菌(JK)と反応し、化学変化を起こすことによって、独特な強い臭いが生じるのです

・アポクリン汗腺は再生しない

アポクリン汗腺には、一度破壊されると再生しないという重要な特性があります。これは、ワキガ症の治療において考慮すべき重要なポイントであり、治療法の選択において大きな影響を与えます。

■エクリン汗腺とアポクリン汗腺の位置の違いとその意義

皮膚の構造を理解することは、多汗症とワキガ症の治療において非常に重要です。皮膚は表面から内側に向かって、表皮、真皮、そして皮下組織(脂肪層)という順序で構成されています。この中で、エクリン汗腺とアポクリン汗腺は異なる深さに位置しています。エクリン汗腺は主に真皮層に存在し、皮膚表面に比較的浅い位置にあります。これに対し、アポクリン汗腺はより深い位置、つまり真皮から皮下組織にかけての部分に位置しています。この位置の違いは、多汗症とワキガ症の治療法において大きな影響を持ちます。

エクリン汗腺とアポクリン汗腺の違い

ミラドライがワキガ症に効かない理由

ミラドライ治療の核心となるのは、マイクロ波エネルギーを用いて腋窩(わきの下)にある汗腺を破壊することです。マイクロ波エネルギーは、特に水分を多く含むエクリン汗腺に対して高い効果を発揮します。ミラドライの使用するマイクロ波は、5.8GHzの波長で固定されており、これは汗腺が集中する真皮層に特化した照射を可能にしています。しかし、ミラドライの大きな限界として、その波長を変更することができず、エネルギーの到達深度(深さ)の調整も不可能であることが挙げられます。これにより、ミラドライは真皮層に存在するエクリン汗腺にのみ影響を与え、効果を発揮することができます。一方で、ワキガ症の主要な原因であるアポクリン汗腺は、真皮よりも深い層、つまり皮下組織に位置しています。このため、ミラドライのマイクロ波エネルギーはアポクリン汗腺に到達せず、その根本的な治療には効果を発揮しません。この技術的な制限が、ミラドライがワキガ症に対して効果がほとんどない主な理由です。

厚労省でのミラドライ審議の内容と結論

厚労省ミラドライ審議会

ミラドライは、厚生労働省によって多汗症の治療機器として正式に認可されています。この認可に関する重要な審議は、2018年5月11日に開催された薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会において行われました。この会議の議事録には、ミラドライの審査に関する重要な議論が記録されています。「医薬品医療機器総合機構」からの発言によると、「(ミラドライは)臨床試験の結果としても、臭いに対しては臨床試験の達成基準を満たすことができなかったことから、総合して今回はあくまでも多汗症に対して適応を認めるので、臭いの低減効果は認められなかったと、審査としては結論付けております。」と記されています。なお、医薬品医療機器総合機構は厚生労働省所管の独立行政法人で、医薬品・医療機器・再生医療等製品の承認審査などの業務を行政機関です。また、審議会メンバーからの質問「今の御説明で理解できた部分もあるのですが、これは汗が多い人のためのものであり、わきがの人には適応がないということでよろしいでしょうか。」に対し、「御指摘のとおりで、本品(ミラドライ)の適応は、あくまで原発性の腋窩多汗症の患者さんのみで、当然、腋臭症の患者さんに関しては適応外となります。」との回答が医薬品医療機器総合機構よりありました。

出典元:

2018年5月11日薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録

ミラドライはワキガ症に対して適応外

ミラドライ治療がワキガ症に対して適応外である理由について、医薬品医療機器総合機構は明確な見解を示しています。臨床試験の結果、ミラドライによるワキガ症に関連する臭いの低減効果は認められなかったため、この治療法はワキガ症には適用されないとされています。これにより、ミラドライはワキガ症に対してほとんど効果がないと結論づけられています。さらに、医薬品医療機器総合機構は「多汗症と腋臭症が同時に出現する患者さんも多いと思うのです。ただ原理的に、多汗症の汗腺はエクリン汗腺であって、腋臭症の原因の汗腺はアポクリン汗腺と、そもそも原因の汗腺が異なります。今回の装置のターゲットはエクリン汗腺ですので、その効果としても今回の臨床試験の結果で多汗症だけに効果があることが分かったという結果です。適応としても、多汗症のみの方が妥当と判断をしております。」とも述べています。この発言から、ミラドライがターゲットとするのはエクリン汗腺が原因であるワキの多汗症であり、アポクリン汗腺が原因であるワキガ症には効果がないことが明らかになっています。

ミラドライは何回受けても効果なし

脇汗が気になる

ミラドライ治療がワキガ症に対して効果を示さないのは、その治療原理に由来しています。これは、ミラドライがワキガ症の根本原因であるアポクリン汗腺には作用せず、主にエクリン汗腺を対象としているためです。したがって、ワキガ症においては、ミラドライを何度受けても望まれる効果は得られません。インターネット上では、「ミラドライを3回受けても効果がなかった」という声も散見されます。これは、ミラドライがワキガ症に対しては基本的に無効であることを裏付けるものです。この治療法は多汗症に対しては効果的ですが、ワキガ症には適していないことが明確にされています。

ミラドライが多汗症に対しても再発する理由

ミラドライ治療は多汗症に対しても再発します。ミラドライ治療が多汗症に対して再発する理由については、エクリン汗腺の再生能力が重要な役割を担っています。エクリン汗腺が一度破壊された後に再生するかどうかについては、現在でも明確な結論が出ていません。ただし、深刻な熱傷などで皮膚組織が大きなダメージを受けた場合には、エクリン汗腺の再生が見られないことが確認されています。このことから、高温で完全に破壊されたエクリン汗腺は再生しない可能性が考えられます。しかし、ミラドライは60~70度の熱を用いて汗腺を破壊するため、この温度では完全な破壊には至らず、汗腺の機能を一時的に弱めるか部分的に破壊する効果が主であるとされています。その結果、ミラドライによってダメージを受けたエクリン汗腺は一時的に発汗機能を失いますが、数か月後には機能が回復し、やがてほぼ元の状態に戻ることが多いのです。このため、ミラドライによる多汗症への治療効果は、数か月という限られた期間に留まります。特筆すべきは、前述した審議会で提出されたミラドライの多汗症に対する臨床試験での患者の観察期間は最大1年であり、1年以上の効果については今後も調査する必要があるとしているところです。この審議会で、医薬品医療機器総合機構は以下のように発言しています。 「もう一つは、有効性の面です。(ミラドライは)A型ボツリヌス毒素に比べて長い効果が得られるというコンセプトで開発されているものですが、確かに臨床試験では、あくまでも1年間しかフォローアップされておりません。」 このことから、ミラドライ治療の1年以上の効果については、今後も継続的な調査が必要であることが明らかにされています。

ミラドライを受けて後悔する理由

ミラドライ治療を受けた後に後悔する主な理由の一つは、その効果に関する誤解です。ミラドライはワキガ症に対してほぼ効果がないとされており、また多汗症に対しての効果も永久的ではありません。具体的には、「腋の多汗症に対して最大1年程度の効果がある」とされており、これは汗の量が減少するという効果に限られます。この事実を事前に理解していれば、後悔することはないはずです。しかし、実際のところ、クリニック側が誤った説明をしている場合が少なくありません。多くの場合、「多汗症に対しては永久的な効果があり、再発もほとんどない。また、ワキガ症にも効果がある」と説明されることがあります。このような誤った情報に基づき、多汗症が再発しない、またはワキガ症が治ると期待してミラドライ治療を受けると、結果として後悔につながることがあります。

ワキガ症に対してはビューホットがおすすめです

ワキガ症の非手術的治療法として、ビューホットは優れた選択肢の一つとされています。以前のブログで詳述した通り、ビューホットの最大の特徴は、熱エネルギーを到達させる深度を調整できる点にあります。この能力は、ワキガ症の原因となる深い位置にあるアポクリン汗腺を確実に破壊することを可能にします。ビューホットは、特定の深さに熱エネルギーを集中させることができるため、アポクリン汗腺をターゲットにした治療に効果的です。これにより、ワキガ症の根本的な原因に直接作用し、症状の改善に寄与することができるのです。手術を避け、ダウンタイムがない非侵襲的な治療法を求める患者にとって、ビューホットは最もよい選択肢となります。

ミラドライのよくある質問

Q:ミラドライは1回で効果がありますか?

A:ミラドライは多汗症に対しては1回で効果がある可能性が高いですが、持続期間は1年程度です。

Q:ミラドライの欠点は何ですか?

A:ワキガ症に対して効果がない点と、多汗症に対しての効果もせいぜい1年程度という点です。

Q:ミラドライはワキガに効果がありますか?

A:ミラドライはワキガに対してほとんど効果がありません。これは、ミラドライがターゲットとするのが多汗症の要因であるエクリン汗腺であり、ワキガの主要原因であるアポクリン汗腺にはほぼ影響を与えないためです。ミラドライの技術はエクリン汗腺の活動を抑制することに特化しており、アポクリン汗腺に必要な深さまで効果的に作用することは困難です。

まとめ

騙されるな、ワキガ手術の保険適用

この記事では、「切らないワキガ多汗症手術」として広く知られるミラドライ治療について、インターネット上で見られる「ミラドライ 2回 効果なし」や「ミラドライ 後悔」といったネガティブな意見が多い理由を深く掘り下げました。その核心には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の違いの理解があります。ミラドライ治療は多汗症に対して最大1年程度の効果が期待できますが、ワキガ症に関しては、ビューホットなどの別の治療方法を選択する必要があることが明らかになりました。さらに、美容治療や自由診療を受ける際には、医師選びが非常に重要です。信頼できる、経験豊かな医師による適切な診断と治療が、ワキガや多汗症治療の成功において不可欠です。患者が正しい情報をもとに適切な医師を選ぶことは、治療の効果を最大化し、不必要な後悔を避けるための鍵となります。この記事を通して、ミラドライ治療の実態と、それに対する正しい理解を深めることができれば幸いです。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。ビューホットを日本にいち早く導入し、スソワキガに対するビューホット治療を日本で最初に行った。ワキガ、スソワキガの治療例はこれまで延べ1万人を超える。

【関連項目】

わきがのビューホットの相談はこちらへ

ビューホットとミラドライどっちがいいのか?両者の違いを比較

ブログTOPに戻る
▼ 続きを読む

2024/01/29

院長ブログトップ > 残留臭はいつまで?:ビューホットの様々な疑問への回答

残留臭はいつまで?:ビューホットの様々な疑問への回答

ビューホットの残留臭

切らないわきが治療の一つとして、ビューホットは現在、多くの患者にとって標準的な選択肢となっています。しかし、インターネット上では、「ビューホット後の残留臭はいつまで続くのか」、「痛みは伴うのか」、「保険適用の可能性はあるのか」といった様々な疑問が浮上しています。この記事では、2014年に国内でいち早くビューホットを導入し、現在まで500例以上の治療経験を持つ医師として、これらの疑問に基づいた詳細かつ具体的な情報を提供します。

ビューホット後の残留臭とは何ですか?

ビューホット治療は、ワキガの主要原因であるアポクリン汗腺を破壊することにより、その症状を軽減します。しかし、治療で破壊されたアポクリン汗腺の残骸が一時的に皮下組織に残ることがあり、これが原因で残留臭が発生することがあります。この残留臭は、破壊された汗腺の残骸から放出されるもので、時間とともに自然に減少します。この過程は、治療の影響が体内から徐々に消失していく過程と捉えることができます。

ビューホット後の残留臭はいつまで続きますか?

ビューホット治療後に発生する残留臭は、治療で影響を受けたアポクリン汗腺の残骸が体内に残ることに起因します。これらの残骸は約2週間程度で体内の代謝プロセスにより分解され、最終的に尿として排出されることが一般的です。そのため、ビューホットによる残留臭も通常は2週間程度で自然に軽減または消失する傾向にあります。

ビューホット 施術中の痛みはありますか?

ビューホットの施術中の痛みに関しては、初めに行われる局所麻酔の際に若干の痛みを感じることがありますが、麻酔が効いた後は痛みはほとんど感じられません。麻酔が効いている間は、治療中の不快感は大幅に軽減され、患者様は快適に治療を受けることができます。

ビューホット 施術後は痛いですか?

ビューホットの施術後には、針跡による軽度のヒリヒリ感を経験することがあります。この痛みは一時的で、多くの場合、施術翌日には大きく軽減されています。そのため、痛み止めを使用する必要は通常ありません。

ビューホットはどこの医療機関で受けても同じ効果がありますか?

ビューホット治療の成功は、医師の技術に大きく左右されます。この治療の主要な特徴は、その高いカスタマイズ可能性にあり、皮膚の厚さやワキガの強度に合わせて照射の深度や強度を細かく調整することができます。医師は患者の皮膚の厚さを確認し、2mmから6mmの範囲で針の深度を調節します。また、照射の強度も患者の状態に応じて適切に調整され、より強い臭いには強い照射が可能ですが、熱傷のリスクも考慮されます。このため、治療の効果は医師の経験と技術に依存し、医療機関や医師によって異なります。

ビューホットは保険適用ありますか?

ビューホット治療は、健康保険の対象外となっています。これは、保険診療として認められていない治療法であるためです。ミラドライ治療においても、同様に保険適用の対象外となっています。このため、ビューホットを含むこれらの治療を検討される場合は、自己負担になることを理解し、費用に関しても事前に確認することが重要です。

ビューホット治療は再発しますか?

1回のビューホット治療でアポクリン汗腺が破壊される割合は7割前後です。残留臭もなくなったあと、手術後1か月後までは物理的にほぼすべてのアポクリン汗腺がダメージを受けているため、ワキガ臭がほとんどない状態になります。その後治療後に残った3割のアポクリン汗腺が機能を回復し、ワキガ臭を発することがあり得ます。しかし、その臭いも治療前に比べて著しく軽減されることが多いです。完全な再発は理論的に起こり得ないです。

重度のワキガに対してもビューホットは有効ですか?

表層から深いところにあるアポクリン汗腺に対してビューホットではハイパワーによる照射が可能です。このためワキガに対してビューホットはかなり効果あります。しかしながら、密室では部屋にワキガ臭が充満してしまうほど臭いが重度のワキガ臭の場合、1回のビューホット治療では満足な治療効果が得られない場合があります。これは1回目の治療で残った3割の数が多かったり、機能が強烈だったりした場合はこの臭いを強く感じることあるからです。残った3割のアポクリン汗腺に対して再度ビューホットを受けることは可能です。ただ、臭いが強烈なワキガの場合は最初から筆者がすすめるシェービング法による手術がよい場合もあります。

ビューホットは多汗症に対しても有効ですか?

ビューホットは、多汗症の治療にも効果的です。多汗症は、表層近くに存在するエクリン汗腺の過剰な活動によって引き起こされる病態です。ビューホット治療では、針の深度を調整することによって、これらのエクリン汗腺を破壊することが可能です。この治療法により、多汗症による過度の発汗を効果的に抑制することができます。

ビューホットは重症の多汗症に対しても有効ですか?

ビューホット治療は、重症の多汗症に対して効果を発揮する可能性がありますが、安全性の観点から注意が必要です。多汗症は、表層近くのエクリン汗腺の活動が活発であることが原因ですが、これらの汗腺を効果的に破壊するためには高い熱が必要とされます。ビューホットは高出力での治療が可能ですが、過度の熱により正常な皮膚への影響や熱傷のリスクが考慮される必要があります。そのため、安全性を優先すると、重症の多汗症に対するビューホットの効果は限定的になることがあります。

 ビューホットは実際の治療はどのような治療ですか?

剣山のような 36本の細い針がついた医療用スタンプで治療します。針の先端だけより高熱が放出される構造をしており、これにより皮膚及び皮下のエクリン汗腺とアポクリン汗腺を効果的に破壊することできます。。この熱による破壊作用が、多汗症及びワキガ治療の主要なメカニズムとなっています。

ビューホットの原理

 何歳から治療を受けられますか?

ビューホット治療を受ける適切な年齢については、自覚と治療への希望がある場合、基本的にいつでも可能です。一般的には、小学校4年生または5年生から治療を受けることができるとされています。美容治療を検討する際には、年齢だけでなく、個々の成長段階や状況を考慮することが重要です。

ビューホットは 若いと再発しますか?

ビューホット治療を若年層で行った場合の再発については、成長過程で体が成長し、ホルモンバランスが変化することにより、アポクリン汗腺が再び成長する可能性があります。特に20歳までの若年層では、体の成長とホルモンの変化に伴い、すべてのワキガ多汗症に共通して言えることですが、治療後の再発リスクが高くなる傾向があります。

 過去に別の方法で治療を受けたのですが、ビューホットによる再治療は受けられますか?

以前に他の方法で治療を受けた方がビューホットによる再治療を検討する場合、多くのケースで治療が可能です。ただし、最終的な判断は医師の診察に基づくため、具体的な状況や治療歴について医師に相談することが重要です。

ビューホット治療後 に日常生活において制限はありますか?

ビューホット治療後の日常生活における制限はほとんどありません。治療当日から通常の通勤や通学、スポーツ活動が可能です。また、治療後すぐにシャワーを浴びることもできます。ただし、施術部位を強くこする行為は、最初の3日間は避けるようにしてください。

ビューホット治療後  においはすぐに消えますか?

ビューホット治療後の臭いの減少については、治療直後から汗の減少という効果が見られることが一般的です。ただし、ワキガ特有の臭いについては残留臭が発生することもあり、これが完全に消失するまでには、多少時間を要することがあります。

 ビューホット治療後 傷痕は残りますか?

ビューホット治療後の傷痕については、恒久的なものは残りません。治療直後は皮膚に赤みが生じ、その後一時的に茶色のカサブタが形成されますが、これらは時間が経つにつれ自然と薄くなり、消失します。

ビューホットの傷跡

ビューホット治療後の腫れや内出血などはありますか?

ビューホット治療後の身体的反応について、通常、腫れはほとんど発生せず、内出血の発生も非常にまれです。

ビューホット治療後 、わき毛はなくなりますか?

ビューホット治療による脱毛効果に関しては、脱毛治療を目的としていないため、特に顕著な脱毛効果は期待されません。

ビューホット治療後 、術後のケアはどのようにしたら良いでしょうか?

ビューホット治療後のアフターケアに関しては、特別な手入れを行う必要は通常ありませんが、針跡によって生じるカサブタが原因で痒みを感じることがある場合、保湿クリームを塗ることが効果的です。

まとめ

このブログ「残留臭はいつまで?:ビューホットの様々な疑問への回答」では、ビューホット治療についての多くの疑問に、専門的な知見をもって答えました。特にビューホットの大きな利点は、日常生活への影響が少なく、ワキガ症状の確実な改善が期待できることです。ただし、この機器の適切な扱いには専門的な訓練が必要で、治療効果は医師の技術に大きく依存します。治療を検討している方々が適切な医師を見つけ、安心して治療を受けられるよう、この記事が役立つことを願っています。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。ビューホットを日本にいち早く導入し、スソワキガに対するビューホット治療を日本で最初に行った。ワキガ、スソワキガの治療例はこれまで延べ1万人を超える。

 

【関連項目】

ビューホットの相談はこちらへ

ビューホットは効果なし?:効果の真実を探る

ビューホットとミラドライどっちがいいのか?両者の違いを比較

ビューホットの「傷跡」について:後遺症についても

ワキガ多汗症治療のビューホットは再発するの?

ブログTOPに戻る
▼ 続きを読む

2024/01/28

院長ブログトップ > ビューホットは効果なし?:効果の真実を探る

ビューホットは効果なし?:効果の真実を探る

ビューホットに効果がないことは真実か?

「ビューホット 効果なし」というネット上の声。グーグル検索ではこのような疑問を呈するキーワードが頻出しています。実際に検索してみると、ビューホットに否定的な記事が数多く上位にランキングされています。これらの記事は、ほぼ例外なくビューホットとミラドライを比較し、ビューホットの効果を疑問視しつつ、ミラドライを優れた治療法として推奨しています。しかし、これらの内容は果たして公平な評価なのでしょうか、それともミラドライの宣伝が目的なのでしょうか?本記事では、ビューホットに否定的な見解を示す記事の背後にある真実を探り、その問題点や間違いについて解説し、ビューホットの実際の効果について正確な情報を提供します。

ビューホットの実際の効果:患者の体験からの考察

2014年よりビューホット治療を国内でいち早く導入した私のクリニックでは、これまで500人以上の患者に治療を施し、その経験からビューホットの実際の効果について考察を深めてきました。開院から20年以上の歴史の中で、私は治療効果が感じられない場合には無料のアフターケアを提供してきました。この方針により、治療に満足しない患者からのフィードバックがなされますが、500例以上の治療を行ってきた中で、ビューホットの効果を否定する声は一切ありませんでした。これは、ビューホットの実際の効果を物語るものです。

「ビューホットの治療効果はありません」

最近、インターネット上で「ビューホットの治療効果はありません」と主張する医師が書いた記事を目にしました。その記事は、ビューホットを批判し、代わりにミラドライを高く評価しています。しかし、このような情報が医師によって発信されることは、極めて問題があり、看過できません。ビューホットの効果を支持する多くの医師がいる中で、このような一方的な意見は、誤解を招く恐れがあります。ミラドライを推進する目的があるとしても、誤った情報を流布することは適切ではありません。ここでは、そうした誤解を解き、ビューホットの実際の効果について正確な情報を提供します。

ビューホットの治療効果がない.

↑ブログではこのような大文字で「ビューホットの治療効果はありません」と書いています。

ビューホットは危険?

ミラドライが優れていると記載している記事で多いのが、「ミラドライ」が日本の厚生労働省やFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を得ているため治療における安全性が高いとしている一方で、ビューホットは認可を得ていないという事実が安全性への懸念として指摘している点です。ミラドライには照射部位を効果的に冷却するシステムが備わっており、たしかにビューホットより患部の冷却については優れています。そして、ビューホットを効果的に治療するには医師の熟練が大切です。厚生労働省やFDAの認可を受けるには、「どんな医師でも安全に簡単に使えること」が重要なポイントとして挙げられます。その点において、ビューホットは簡単な機器ではなく、治療効果をしっかり出すには医師の修練が非常に大事であるため、今後も厚生労働省やFDAの認可を受けるのは難しいかもしれません。ですが、厚生労働省やFDAの認可がないこととその安全性や効果とは全く関係ないことをここでは強調します。

ビューホットは認可されていないから効果がない?

厚労省の認可の有無の違いで、ミラドライは効果が保証されているとしている一方で、ビューホットは認可されていないので効果が保証されていないという記載も時々ネット記事に見受けられます。ここで見落としてはいけない事実として、厚労省が治療器として認可しているのは「多汗症治療」であり、ワキガ症ではありません。多汗症とワキガはともに汗腺が活発であることは共通していますが、両者は明確に病態に違いがあります。前者は表層から浅いエクリン汗腺が要因である一方、後者は表層からより深い部分に存在するアポクリン汗腺が要因です。ミラドライが認可されているのはあくまでもエクリン汗腺に対する効果です。これはミラドライの照射エネルギーは表層から近い部分に存在するエクリン汗腺までしか到達しないからです。一方、ビューホットは厚労省に認可はされていませんが、熟練した医師が行えば、針の深度を調整することで皮下の深層にあるアポクリン汗腺を破壊させることが可能です。

ビューホットは照射範囲が狭い?

一部の情報源では、ビューホットの照射範囲が狭いとの見方が示されていますが、これは正確な情報とは言えません。これらの情報ではビューホットは、針による施術であるために狭い範囲にしか熱破壊が及ばないと主張しますが、熟練した医師によっては、針を広範囲に効果的に照射することが可能です。ミラドライがマイクロ波により広範囲をカバーするのに対し、ビューホットも適切に施術すれば、広範囲にわたる汗腺に効果的にアプローチできます。このため、ビューホットの照射範囲が狭いという見解は、技術的な実践に基づかない誤解に過ぎないのです。

ビューホットは傷が目立つ?

ミラドライは傷が残ることはなく、ビューホットでは傷が残ってしまう可能性があるからミラドライがよいと推奨する記事があります。確かにビューホットはミラドライと比較してハイパワーであるため、ミラドライと比較して針跡がしばらく残ることがあります。また、ミラドライの冷却システムが優れている一方で、ビューホットでは皮膚を冷却させるためのプレートを皮膚に確実に密着させるために工夫が必要とされ、ミラドライと比較して熱傷のリスクはビューホットのほうが高いのも事実です。しかしながら、適切な施術ではビューホットも通常は傷が残ることはありません。

ミラドライとビューホットを比較したウソの比較表

↑ミラドライとビューホットを比較したウソの比較表(ネット上より抜粋)

ビューホットは痛い?

ビューホットにおける痛みに関する誤解を解き明かします。確かに、ビューホットは針を使用するため、一部の患者が疼痛を感じることがあるという報告はあります。しかし、美容医療の多くは痛みを伴うものであり、ミラドライも例外ではありません。医療行為における痛みの存在を過度に強調し、不安を煽るような情報は誤解を生む可能性があります。痛みは個人差があり、適切な施術と麻酔の使用で軽減可能です。

ビューホットは重度の多汗症に不向き?

ビューホットに関して、「重度の多汗症には不向き」とする意見が一部にありますが、この見方には留意が必要です。実際には、ビューホットもミラドライも、一度の治療でエクリン汗腺を完全に破壊することは難しく、重度の症例に対しては複数回の治療が推奨されています。この点は、ビューホットだけでなくミラドライにも当てはまる事実であり、それぞれの治療法が持つ特性を理解することが重要です。重度の多汗症に対しても、適切な治療計画と施術によって、効果を期待できる可能性はあります。

 ビューホットは一度の施術で確実に効果を得られない?

一部の情報源では、ビューホットは一度の治療で確実な効果が得られないとされ、これに対しミラドライは一回の施術で半永久的な効果があるとの主張がなされています。しかし、これは全く事実ではありません。実際には、ビューホットとミラドライの両方とも、重症度によっては複数回の治療が必要になることがあります。エクリン汗腺が完全に破壊されなければ、再生する可能性があるため、ミラドライの効果が半永久的であることはありません。

 まとめ

このブログ「ビューホットは効果なし?」で、ビューホットにまつわる誤解と事実を徹底的に分析しました。ビューホットとミラドライの比較については、両者にはそれぞれの特長があり、前者がワキガ症、後者が多汗症により適していることは前回のブログ記事でも書きました。美容治療のネット上の記事では医師が書いた記事であっても、間違った内容であったり、書き手の都合のよい内容に事実を曲げた記事もありますので、注意が必要です。ビューホットに限らず、美容治療の情報収集に際しては、インターネットだけでなく実際に医療機関に相談し、診察を通して信頼できる医師を見つけることが今後は重要と考えます。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。ビューホットを日本にいち早く導入し、スソワキガに対するビューホット治療を日本で最初に行った。ワキガ、スソワキガの治療例はこれまで延べ1万人を超える。

 

【関連項目】

ビューホットの相談はこちらへ

ビューホットとミラドライどっちがいいのか?両者の違いを比較

 

 

ブログTOPに戻る
▼ 続きを読む

2024/01/27

院長ブログトップ > ビューホットとミラドライどっちがいいのか?両者の違いを比較

ビューホットとミラドライどっちがいいのか?両者の違いを比較

脇汗が気になる

ワキガと多汗症の治療において、ビューホットとミラドライは注目されています。これらの治療機器はそれぞれに高い治療効果を謳っていますが、情報が多くて煩雑に感じることもあります。この記事では、ビューホットとミラドライの特徴を詳細に掘り下げ、ワキガや多汗症の治療において、どちらが最適な選択肢なのかを比較・解析します。また、これら二つの治療機器がどのように異なるのか、その違いについても明確に説明していきます。

ミラドライの特徴

■ミラドライの作用原理

ミラドライはマイクロ波エネルギーを用いて、腋窩(わきの下)に存在する汗腺(主にエクリン汗腺)を破壊します。

■選択的破壊

マイクロ波は特に水分に反応するため、水分を多く含む汗腺に効果的に作用します。このエネルギーは、汗腺が集中している真皮の下部から皮下組織の上部にかけての層に特化して照射されます。

■確実な冷却システム

ミラドライ装置には冷却システムが組み込まれており、皮膚表面を冷却しながら治療を行うことで、熱傷を防ぎます。

■作用する深さ

ミラドライのマイクロ波は、皮膚の真皮下部から皮下組織の脂肪の境界面に到達し、この範囲に集中して熱エネルギーを発散します。ただし、具体的な深さ(ミリメートル単位)については、明確には示されていません。また、深さ(エネルギー到達深度)を調整することはできません。

■ミラドライの弱点①

ミラドライからの発するマイクロ波は60~70度の熱で汗腺を破壊する原理ですが、この熱では完全に汗腺を破壊するには至りません。汗腺の機能を弱める効果や汗腺を一部破壊する効果ありますが、熱の温度の高さが汗腺を破壊するには不十分です。

■ミラドライの弱点②

作用する深さは公式では「皮膚の真皮下部から皮下組織の上部にかけての層」と記載されていますが、皮膚の厚さは個人差が大きく、特に男女の間でも数mmの違いがあります。このため、自由にエネルギーの到達深度を調整できないミラドライでは、深度が不十分のために治療効果が弱くなる可能性が高いです。

■ミラドライの長所

皮膚の冷却を確実に行うために照射する機器のハンドピース側に組織を固定する吸引機能があります。また、皮膚の温度をモニタリングする機能も搭載しております。これらの2点のハンドピースの機能により皮膚が火傷する危険性は大幅に小さくなります。

ミラドライの原理

上記イラストはミラドライ販売元公式ホームページより抜粋

 

ビューホットの特徴

■ビューホットの作用原理

ビューホットは皮膚表面より針を刺し、針の先端のみから発せられる高熱(フラクショナルRF)により皮膚内及び皮下組織にある汗腺(エクリン汗腺とアポクリン汗腺)腺を破壊します。

■安全性の確保

ビューホットはミラドライと同様に冷却システムが組み込まれており、皮膚表面を冷却しながら治療を行うことで、熱傷を防ぎます。

■選択的に深度を変更

ビューホットの特徴は照射深度を手動で調整できる点です。皮膚表面より0.1mm間隔で調整が可能で、6㎜以上の深さも照射可能です。

■ビューホットの弱点①

ミラドライにあるような機器のハンドピースの吸引機能や皮膚温度のモニタリング機能がないため、ミラドライより皮膚の熱傷リスクが高くなります。

■ビューホットの弱点②

針の到達深度を調整することができますが、使い捨ての針を交換するたびに針の深さが微妙にかわることがあります。そのため、医師の肉眼による調整が必須となり、医師の技量が効果を左右します。

■ビューホットの長所

ビューホットの最大の長所は、その高度なカスタマイズ性にあります。これにより、皮膚の厚さやワキガの強度に応じて、照射する深度や強度を精密に調整することが可能です。治療中、医師は患者の皮膚の厚さを触診し、針の深度を2㎜から6㎜の範囲で微調整します。また、ワキガの強度や皮膚の厚みに応じて、照射の強度も適切に調整されます。これにより、臭いが強い場合はより強い照射が可能ですが、それに伴い熱傷のリスクが増すことも考慮されます。ミラドライには見られる吸引機能がビューホットにはないため、照射時にはハンドピースの冷却プレートが皮膚に確実に密着するよう配慮が必要です。このように、ビューホットの治療効果は、医師の経験と技術に大きく依存します。慎重な操作と患者の個別の状況への適応が、治療の成功の鍵を握るのです。

ビューホットの原理

↑ビューホットの作用のイメージ

汗腺の深さを知る

わきが・多汗症に対する治療において、非常に重要なポイントは汗腺が存在する皮膚の構造における位置です。皮膚は表面より表皮、真皮、皮下組織(脂肪)の順に深くなります。また脇の皮膚(表皮と真皮)の厚さは2㎜~4mm程度で、このように皮膚の厚さの違いには個人差が大きいのです。

■エクリン汗腺

・エクリン汗腺の位置

エクリン汗腺は全身の皮膚表面に存在し、主に真皮内に位置します。真皮にある巻き上がった管状の構造を持ち、その導管は皮膚表面に開口します。

・エクリン汗腺は多汗症の原因

エクリン汗腺の活動が活発の場合、多汗症になります。エクリン汗腺からの汗自体には臭いがないため、多汗症は通常はそれほど臭いが強くないです。

・エクリン汗腺は再生する

エクリン汗腺の特徴は破壊されたり、機能が熱により弱まったとしても、ある一定の時間が経過すると、再生されたり、機能が復活したりします。

■アポクリン汗腺

・アポクリン汗腺の位置

アポクリン汗腺は、主に腋窩(わきの下)、陰部、乳輪周辺などの毛が密集している部位に関連して存在します。 アポクリン汗腺はエクリン汗腺よりも大きく、深い位置にあり、時には真皮から皮下組織にまで達することがあります。 アポクリン汗は通常、毛包に関連しており、その導管は毛包に開口します。

・アポクリン汗腺はワキガ症の原因

アポクリン汗腺活動が活発の場合、ワキガ症(腋臭症)になります。アポクリン汗からの汗は強烈な臭いがあるため、ワキガは体臭の一番の要因となります

・アポクリン汗腺は再生しない

一度完全に破壊されたアポクリン汗腺は再生されません

■エクリン汗腺とアポクリン汗腺の深さ

汗腺の深さに関する具体的な数値は明確に明記されていないものの、エクリン汗腺が真皮に、アポクリン汗腺が真皮から皮下組織にかけての深い位置にあります。

エクリン汗腺とアポクリン汗腺の違い

多汗症治療における冷却の重要性

多汗症の治療では、エクリン汗腺の活動を抑制または破壊することが鍵となります。これらの汗腺は、皮膚の浅い部分、特に真皮に存在するため、治療に使用される機器の熱がこの部位に届くことが重要です。しかし、浅い皮膚層は血流が少なく、熱による熱傷のリスクが高まります。したがって、エクリン汗腺をターゲットとしながら周囲の皮膚組織を保護し、効果的に冷却することが不可欠です。この点で、ミラドライはビューホットに比べて優れていると言えます。ミラドライのマイクロ波技術は、ビューホットのフラクショナルRFと比較して、エクリン汗腺をより選択的に破壊する能力があります。また、ミラドライのハンドピースには吸引機能が備わっており、これにより皮膚を確実に冷却し、熱傷を予防します。この冷却機能は多汗症治療において、治療の安全性と効果を高める重要な要素です。

ワキガ治療における深度の重要性

ワキガ症の根本的な原因は、エクリン汗腺よりも深く、皮下組織に位置するアポクリン汗腺にあります。特に男性の場合、アポクリン汗腺は皮膚表面から約5㎜の深度に位置することがあります。この深い位置にあるアポクリン汗腺を効果的に破壊するには、深度調整が可能なビューホットが適しています。ビューホットは、皮膚の深い部分にあるアポクリン汗腺に対して高熱を適用することで、熱傷のリスクを低減しつつ治療を行うことができます。一方、ミラドライは発する熱が比較的弱く、深度も浅いため、アポクリン汗腺の破壊には限界があります。このため、ワキガ治療においてはビューホットがミラドライよりも有効と言えます。ただし、ビューホット治療の成功は医師の技術に大きく依存するため、経験豊かな医師を選ぶことが非常に重要です。この深度の適切な管理が、ワキガ治療の成果に直結するため、正確な判断と熟練した技術が求められます。

ビューホットとミラドライの違いを比較

ビューホットとミラドライは、どちらも熱エネルギーを利用して汗腺を部分的に破壊し、機能を低下させるという共通点があります。しかし、そのアプローチには顕著な違いがあります。ビューホットはより表層から深い層にまで高熱が到達する一方、ミラドライは表層から浅い層に周囲の皮膚を極力熱傷が生じないよう照射できるように工夫されている機器です。この両者の違いにより、ビューホットはワキガ治療により適しており、ミラドライは多汗症治療により適していると言えます。

また、ビューホットの使用には、手動での深度や強度の調整が必要であり、医師の技量によって治療効果に大きな差が出ることがあります。これに対して、ミラドライは冷却機能や温度モニタリング装置が備わっている点でより精密な機器と言える一方で、医師の技量が関与しない治療です。

ダウンタイムにも両者には違いがあり、ビューホット治療後には点状の跡が数ヶ月間残ることがあるのに対し、ミラドライでは皮膚の発赤などのダウンタイムが短いという特徴があります。このように、ビューホットとミラドライは、それぞれの特性により、ワキガ治療や多汗症治療において異なる適応が見られます。どちらの機器が適切かは、個々の症状や治療目的によって異なります。

まとめ:ビューホットとミラドライ、どちらがいいか比較

元神写真

多汗症とワキガ症治療におけるビューホットとミラドライの効果を理論的に比較して解析しました。結論として、多汗症にはミラドライの選択を、ワキガ症にはビューホットの使用を推奨します。ただし、多汗症治療においては、エクリン汗腺は再生するため、ボトックス注射と比較して機器を用いた治療の長期的な優位性は限定的です。また、ビューホットに関しては、その治療効果は大きく医師の技量に依存します。深度と強度の精密な調整が必要であり、特にワキガ治療においては、経験豊かな医師の選択が治療の成否を左右する重要な要素となります。このように、ビューホットとミラドライはそれぞれに特徴があり、患者の状態や治療目的に応じて適切な選択が求められます。最終的には、患者のニーズと期待に応じた治療法を選択することが、最良の結果を得るための鍵となります。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。20年以上の経験があり、ワキガ、スソワキガの治療例はこれまで延べ1万人を超える。

 

【関連項目】

ビューホットの相談はこちらへ

当院のビューホットのこだわりについて

すそわきが治療が受けられる医療機関

 

ブログTOPに戻る
▼ 続きを読む
ブログTOP

当院は開設20年以上の歴史を持つ医療法人社団セレスのグループクリニックです。
千葉船橋院:千葉県船橋市(JR総武線・横須賀総武快速線、東武野田線、京成本線船橋駅)、東京青山院:東京都港区北青山(地下鉄銀座線外苑前駅)がございます。
年間で累計約4万人の患者様にご来院いただいており、国内屈指の症例数がございます。
様々な治療のご相談をお受けし、施術を行っておりますのでどうぞ安心してお任せください。

千葉エリアで治療をご希望の方はこちら

船橋中央クリニックmap

〒273-0005
千葉県船橋市本町6-4-15
グラン大誠ビル 2F
責任者:元神賢太
最終学歴:H11年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H15年船橋中央クリニック開業

東京エリアで治療をご希望の方はこちら

青山セレスクリニックmap
詳細地図はこちら

青山セレスクリニック
東京青山院

フリーダイヤル 0120-010-099

〒107-0061
東京都港区北青山2-7-26
ランドワーク青山ビル7F
(旧ヒューリック外苑前ビル)
責任者:高林洋一
最終学歴:S43年慶応義塾大学医学部卒業
勤務歴:H28年青山セレスクリニック管理者

メニューを開く

ライン相談をする 相談/予約

希望される
クリニックを選択して下さい。

どちらも元神医師が診察しています。

フリーダイヤル フリーダイヤル相談/予約

希望される
クリニックを選択して下さい。

どちらも元神医師が診察しています。