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ハイフ・ウルセラで顔面神経麻痺!治るのか?
更新日:2025/09/27
公開日:2025/09/28

こんにちは。美容外科専門医の元神賢太です(青山セレスクリニック・船橋中央クリニック院長)。美容外科医として20年以上の経験があり、特にリフトアップ治療を専門としています。今回は「ハイフ・ウルセラで顔面神経麻痺!治るのか?」というテーマについて、医師の視点からわかりやすく解説いたします。
ハイフ(HIFU)治療、とりわけその代表機器であるウルセラでごく稀に起こりうる「顔面神経麻痺」という合併症について、その原因や予防法、そして仮に起きてしまった場合に治るのかどうかを詳しく見ていきましょう。
ハイフ(HIFU)とウルセラとは?

まず、ハイフ(HIFU)とはHigh Intensity Focused Ultrasound(高密度焦点式超音波)の略称で、皮膚や皮下組織に超音波エネルギーを集中させることでリフトアップ効果(たるみ改善効果)を得る美容医療機器です。メスを使わずに皮膚の奥深く(SMAS層など)に熱エネルギーを点状に与え、コラーゲン産生を促進して肌を引き締めます。そのため「切らないフェイスリフト」とも呼ばれ、近年とても人気が高まっています。
ハイフ治療はダウンタイムがほとんどなく、安全性も高いとされています。
ウルセラ(Ulthera)は、2009年に米国で初めて登場したハイフ治療機器で、ハイフによるたるみ治療の元祖かつゴールドスタンダードと言える存在です。ウルセラは高いエネルギーを正確に照射できる特徴があり、ウルセラは超音波画像で組織の深さを確認しながら照射できる唯一のHIFU機器で、このリアルタイムイメージングによりエネルギーを狙った層(SMASなど)に正確に集中させることが可能です。特に4.5mmの深度でSMAS(表在性筋膜)に作用することで優れたリフトアップ効果を発揮します。
他のHIFU機器(ウルトラセル、ダブロなど)も登場していますが、ウルセラの出力パワーは群を抜いて強力であり、その効果の高さと持続力で知られています。私自身も日本でウルセラが販売された当初からウルセラを導入し、現在もハイフにおいてはウルセラのみを使用しています。 ウルセラは強力な分、施術時の痛みが強いことでも知られます。
しかし当院ではマスク併用し、全く痛みを感じないよう患者様が完全に寝ている間に、最大パワーで照射しています。そのため、痛みによってエネルギーを弱めて効果が不十分になることなく、ウルセラ本来の高いリフトアップ効果を引き出すことが可能です。
↑ウルセラがSMASと皮膚を引き上げる様子を現した動画
ウルセラの強力さと顔面神経麻痺のリスク

ウルセラのパワーが強力であるがゆえに、照射する部位や深さを誤ると顔面神経を傷つけてしまうリスクがあります。顔面神経は顔の表情筋を支配する重要な神経で、耳の前あたりから枝分かれして顔全体に張り巡らされています。その中でも特に下顎縁のあたりを走る「下顎枝」や、こめかみ付近を走る「側頭枝」は皮膚の浅いところを走行しており、ハイフのエネルギーが届きやすい部分です。
もし誤ってこれらの神経近くに強い超音波エネルギーを照射してしまうと、一時的にその神経の働きが低下し、対応する顔の筋肉が動かなくなる可能性があります。例えば下顎枝が麻痺すると下唇を引き下げる筋肉(口角下制筋など)が一時的に麻痺し、笑った時に片方の口角が下がったように見える症状が生じます。実際、ウルセラで顔面神経麻痺(顔の筋肉の麻痺)が起きたケースが国内外で報告されています。
もっとも、ハイフによる神経麻痺の頻度は非常に低く、起こるのはごく稀です。国内でもウルセラ導入初期には何例も顔面神経麻痺の症例があったといわれますが(ウルセラ販売元からの非公式情報)、これは当時は施術者の経験不足などもあったためでしょう。
日本の厚労省該当する米国のFDAのデータベースに蓄積されたウルセラの副作用報告106件を分析した報告によれば、神経障害(顔面神経麻痺や感覚鈍麻など)が最も多く報告された合併症だったとされています。しかしこれらはあくまで報告ベースであり、実際の発生率としては全治療件数の0.2%程度と推定されています。つまり1000人に1~2人起こるかどうかというレベルで、極めて稀な副作用です。
ちなみに、ウルセラの販売元からは「世界累計50万件以上の治療で永久的な神経損傷は一例も報告されていない」との公式見解も出されています。言い換えれば、仮に神経に炎症が起きてもそれは一時的であり、時間経過とともに必ず改善するものだということです。
参照元: mdpi.com、pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

↑顔面神経の走行
安全に治療を行うためには医師の熟練が不可欠

このようにハイフ治療で顔面神経麻痺が起こるのはごく稀ですが、起こるケースの多くは照射の方法や設定に問題があったと考えられています。裏を返せば、適切な知識と技術を持って施術を行えば神経麻痺などの重大な合併症はほぼ防げるということです。特に顔には複雑な解剖学的構造があり、重要な神経や血管が走行しています。
どの層にエネルギーを与えれば効果的か、逆に当ててはいけない危険な部位はどこか、それらを正確に把握した上で照射しなければなりません。 なお、ハイフの合併症としては顔面神経麻痺のほかに、皮下脂肪が減りすぎてしまう(脂肪組織の萎縮)や皮膚表面の熱傷(火傷)なども報告されています。これらもエネルギー出力の過不足や照射方法の誤りによって起こるもので、正しい設定・手技で行えば回避可能です。
しかし現状では、残念ながらハイフ施術を医師ではなく、看護師に任せているクリニックも少なくありません。ハイフは一見簡単に見える施術ですが、上記のように高度な解剖知識と経験が要求される繊細な治療です。経験や専門知識の不足したオペレーターが担当すると、エネルギー設定を誤ったり、適切でない部位に照射したりしてしまうリスクが高まります。
実際、海外の研究論文でも「施術者の専門性・熟練度がハイフの安全性の鍵」であることが強調されています。医療機関でハイフを受ける際は、経験豊富な医師が施術しているクリニックを選ぶことが大切です。なお、HIFUは本来医療行為であり、エステサロンなど医療機関以外で無資格者が施術することは違法です。こうした場所で安易に受けるのは大変危険ですので、必ず医療機関で治療を受けるようにしてください。
私のクリニック(青山セレスクリニック・船橋中央クリニック)では、すべて私(医師)がHIFU照射を担当しています。そのため、これまでウルセラによる顔面神経麻痺などの重大な合併症は一度も起こしていません。患者様に安心して治療を受けていただくためにも、専門医による丁寧で正確な施術を常に心がけています。
ハイフで顔面神経麻痺が起きたら治るのか?

最後に、一番気になる点である「万が一ハイフで顔面神経麻痺が起きてしまった場合、治るのか?」について解説します。結論から言えば、適切に対処すればほぼ100%回復すると考えられます。その理由は、ハイフによる神経麻痺は神経が完全に切断されるような重篤な損傷ではないからです。
ハイフの熱エネルギーで神経に一時的な障害(いわば「神経の打撲」のようなもの)が起きても、神経そのものが物理的に切れてしまう(神経断裂)ケースは考えにくく、多くは神経の一過性の機能不全の範囲に留まります。これは、例えば肘を強くぶつけた時に一時的に指先が痺れて動かしにくくなるようなもので、時間とともに感覚や動きが元に戻る現象に近いと考えられます。
実際、海外の報告でもウルセラ治療後に生じた顔面神経の麻痺・知覚鈍麻は全て時間とともに自然回復していることが示されています。例えば、ある症例ではウルセラ施術7日後に口元の軽度のしびれが出ましたが、1ヶ月以内に自然に消失しました。別の報告では22人中4人に顎ラインの一時的なしびれが見られましたが、いずれも2~3週間で回復しています。
多くの場合、遅くとも施術後1ヶ月もすれば麻痺は完全に改善すると考えて良いでしょう。私自身、幸いこれまで患者様で顔面神経麻痺を経験したケースはありませんが、仮に起きてしまっても過度に心配しすぎず経過を見守ることが大切です。ただし、麻痺の程度が強い場合は回復に数週間以上かかる可能性もあります。
海外には、口周りの筋肉を動かす神経に麻痺が起こり回復に6~8週間を要したケースの報告もあります。このように症状が強い場合でも、適切な神経再生を促す処置(ビタミンB12等の神経修復を促すビタミン剤の投与など)を行いながら経過を追えば、多くは時間とともに改善に向かいます。現在までのところ、ウルセラによる顔面神経麻痺が永久に残ってしまったという報告は世界的に見てもありません。
ほぼ必ず治るものではありますが、もし施術後に口元の違和感や動かしにくさを感じた場合は、念のため施術を受けたクリニックに相談してください。
参照元: researchgate.net
まとめ
- ウルセラはHIFU治療機器の中でも最も高いエネルギーを出力でき、優れたリフトアップ効果を発揮します。その反面、照射方法を誤ると顔面神経を一時的に麻痺させてしまうリスクがあります。
- ハイフによる顔面神経麻痺は極めて稀な合併症であり、正しい手技で行えば防げるとされています。リスク部位(下顎沿い、こめかみ等)を避け、エネルギー設定や照射深度を適切に調整することが重要です。
- 施術者の専門性が安全性に直結します。ハイフは医師が直接行うべき治療であり、解剖知識の乏しいスタッフに任せるのは非常に危険です。経験豊富な医師による照射であれば、顔面神経麻痺などの重大なトラブルは起こりにくくなります。
- 仮にウルセラ施術で顔面神経麻痺が起きてもほとんどの場合は自然に回復します。軽度であれば2~3週間ほどで改善し、1ヶ月も経てばほぼ完全に元通りになるケースが大半です。現在までのところ後遺症として麻痺が残った例は報告されていません。
ハイフ(ウルセラ)は効果の高い施術ですが、正しい知識と技術のもとで行うことが何より重要です。信頼できる専門医のもと、安全に施術を受けていただければと思います。万一トラブルが起きても適切に対処すれば回復が見込めますので、過度に心配しすぎず医師に相談してください。
この記事が皆様の不安解消や治療理解の一助になれば幸いです。万全の準備と信頼できる医師の施術のもとで、安心してハイフ治療をお受けください。 このように、ハイフ治療は正しい方法で行えば安全かつ効果的な美容施術です。適切な知識を持って、安心して美容医療をご検討ください。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。切らないフェイスリフトのウルセラも日本国内に導入直後から取り入れており、第107回日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。- ウルセラはHIFU治療機器の中でも最も高いエネルギーを出力でき、優れたリフトアップ効果を発揮します。その反面、照射方法を誤ると顔面神経を一時的に麻痺させてしまうリスクがあります。
たるみ, フェイスリフト, ウルセラ, ハイフ, 顔面神経麻痺
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