膣痙攣でペニスが抜けなくなるか

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2023/12/21

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膣痙攣によりペニス捕捉は起きるか

性行為中に膣痙攣（膣痙）が起こると、ペニスが抜けなくなるという言い伝えがありますが、これについて女性器・男性器を問わず、多くの性器の美容外科手術を行っており男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」が人気の元神医師が医学的に検証します。

ペニス・キャプティバス（陰茎捕捉）とは

性交時に膣痙攣が起こり、その結果ペニスが膣内で挟まれて抜けなくなる事例は非常に稀ですが、理論上はあり得ます。これは「ペニス・キャプティバス（Penis Captivus）」、「陰茎捕捉」として知られる現象で、膣の筋肉が性交中に非常に強く収縮することでペニスが膣内で挟まれる状態を指します。ただし、この現象は非常にまれで、医学界でもペニス・キャプティバスはほぼ伝聞に基づくもので、実際の発生に関する記録は非常に稀です。医学文献においてもほとんど報告されていません。1979年に「British Medical Journal」で公開されたレビュー記事では、F. Kräupl Taylor博士がペニス・キャプティバスに関する文献をレビューし、医学出版物や教科書に記載されているほとんどすべてのペニス・キャプティバス（陰茎捕捉）に関する記述は伝聞やうわさに基づいていると結論づけました。現代ではペニス・キャプティバス（陰茎捕捉）に関する報告は完全に消滅したと考えられています。

陰茎捕捉は起こる得るのか？

性的興奮時、膣壁は弛緩し、外陰部は性交に備えて潤います。膣壁は筋肉組織でできており、性交中には筋肉が弛緩と収縮を繰り返しています。オーガズム時には膣壁の筋肉の収縮が非常に強くなり、時には通常よりもかなり収縮が強くなることもあります。そして筋肉の収縮が強くなりすぎて、ペニスをとらえて離さないこともあります。これにより、男性側が離れることが困難になることもあります。男性側はこの一瞬を陰茎が捕捉された（ペニス・キャプティバス）と感じるかもしれません。このように一瞬ペニスが抜けなくなる現象は稀なことでなく、多くのカップルが経験しています。

一瞬のペニス・キャプティバスの後

オーガズムに達したあと、膣の収縮は通常はずっと続くわけではなく次第に収縮が収まり、膣壁は弛緩します。この弛緩までの時間は時と場合によりかなり変わります。。一方男性側も最終的にはペニスの勃起が終了し、ペニスは小さく柔らかくなります。このように例え一時的にペニス・キャプティバス（陰茎捕捉）が起こったとしても、女性側の膣壁の弛緩、男性側の勃起の終了で、パートナーは離れることができるはずです。ペニス・キャプティバス（陰茎捕捉）に関する現象について医学的な報告は不足していますが、発生した場合でも一時的な現象であると考えて問題ないと結論づけられます。

陰茎捕捉が起こったらどうする？

では、もしより深刻な陰茎捕捉（ペニス・キャプティバス）が発生してなかなかペニスが抜けたなかった場合はどのように対処すべきでしょうか。ペニス・キャプティバスが発生し始めたと感じた場合、まずはどちらのパートナーも落ち着くように努めるべきです。緊張が増すと筋肉もより収縮し、現象が長引く可能性があります。また、男性側はペニスを膣から無理に引き出そうとしないことが重要です。無理をすると、どちらかが傷つく可能性あります。また、膣を無理に広げたり、ペニスを手で引き剥がそうとしたりしないことも重要です。深呼吸などしたり、冗談を言い合ったりしたら、落ち着くかもしれません。そうすれば、緊張を和らげ、性器の興奮を減少させることができます。そしてお互いの筋肉が弛緩すれば、スムーズにペニスが抜け、問題なく解決することができます。

膣痙とは

ペニス・キャプティバス（陰茎捕捉）は、オーガニズムとは関係なく、膣痙（vaginism；バジニズム）と呼ばれる状態から生じる可能性があります。膣痙（ちつけい）は膣痙攣と同義で使用されることもありますが、女性の骨盤底筋の不随意的な痙攣状態のことを言います。膣痙により、タンポンの挿入などの活動が困難または不可能になることもあります。また、膣痙により性行為を中断せざるを得ないこともあります。

膣痙の症状は人によって大きく異なります。症状は、軽症では性行為中のわずかな灼熱感だったりしますが、重症では膣口が完全に閉じるまで収縮し、激しい痛みを伴うこともあります。膣痙は、通常は性交の挿入が始まる前に発生することが多く、性交時のペニスの挿入が困難になる状態になってしまうものであり、ペニスが挿入された後に起こることは珍しいとされています。ただ、膣痙がもしペニスの挿入中に発生した場合、ペニスが膣内で一時的に挟まれ、ペニス・キャプティバス（陰茎捕捉）が発生する可能性はあります。ただ、このようなケースでも前述のとおり、男女のどちらかの性的な興奮が終息すれば、容易にペニスは抜けるはずです。

膣痙の原因はさまざまで、身体的、感情的、心理的要因、またはこれらの組み合わせが関係している可能性があります。膣痙が頻繁に起こる場合は医療のサポートが不可欠になってきます。

まとめ

ペニス・キャプティバス（陰茎捕捉）は非常に稀な現象で、多くの人々がそれを神話または都市伝説だと考えています。医学的エビデンスの不足を考慮すると、ペニス・キャプティバスがどれほどの頻度で発生するかを確実に言うことは不可能ですが、この稀な状態の事例があれば、医師はそれを報告する可能性が極めて高いため、実際には世界で深刻なペニス・キャプティバスの発生は起こっておらず、今後も発生することもないと考えて問題はないです。また、オーガニズムからペニスが捕捉されたと感じた場合でも、おそらく数秒から数分間しか続かないでしょう。冷静を保ち、膣とペニスの筋肉をリラックスさせることで問題が解決し、カップルは離れることができます。

筆者：元神　賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医（日本外科学会認定）。美容外科専門医（日本美容外科学会認定）。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。また、女性器、男性器を問わず、多くの性器の美容外科手術を行っている。男性向けの性講座Youtube「元神チャンネル」は好評を博している。

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