投稿日:2024/08/24
(最終更新日:2024/08/30)
ニキビの種類と治療方法:早期治療がカギ
ニキビは軽症であっても、自己流の自宅療法に頼るだけでは思わぬ結果を招くことがあります。軽度のニキビでも、適切なケアを怠ると跡が残ったり、放置することで悪化し、治療が長引くケースも少なくありません。間違った治療を続けることで、さらに深刻な肌トラブルに悩むことになることもあります。このブログでは、正しいニキビの知識と治療方法をお伝えし、皆さんが健康で自信を持てる肌を取り戻し、ストレスのない生活を送れるようお手伝いしたいと思います。
ニキビとは
ニキビは、医学的には「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれ、一般的には「アクネ」とも言われます。この皮膚疾患は、主に思春期以降に発症し、顔や胸、背中などの毛包脂腺に生じるものです。ニキビの発生には、脂質代謝の異常、ホルモンの影響、角質の異常、そして細菌の増殖などが複雑に絡み合っており、これらが引き起こす慢性的な炎症性疾患として定義されています。
ニキビやニキビ跡の種類
ニキビは、毛包脂腺系で発生し、初期段階では「面皰(コメド)」と呼ばれる状態から始まります。その後、炎症が加わると、赤く腫れた「紅色丘疹」や「膿疱」へと進行し、さらに悪化すると「結節」や「硬結」、「囊腫」など、より深刻な形態へと変化します。これらの炎症を伴うニキビは、治癒後に瘢痕(ニキビ跡)を残すことがあり、その種類も多岐にわたります。代表的なニキビ跡には、赤みを帯びた「紅斑」、色素沈着による「色素沈着」、そして肌が凹んでしまう「萎縮性瘢痕」などがあり、これらは見た目にも影響を与えます。
出典元:
微小面皰(マイクロコメド)について
微小面皰(びしょうめんぽう)は、近年提唱されたニキビの新しい概念で、痤瘡(にきび)の発症前に見られる病理組織学的な変化を指します。肉眼での識別が難しい場合もありますが、これは毛穴の出口(毛包漏斗部)が閉塞し、毛包内に皮脂が蓄積している状態です。この微小面皰は、臨床的な症状が現れなくても、ニキビの皮疹の周囲に存在することが知られています。近年の研究では、コメドや炎症性ニキビが改善した後も、この微小面皰に対する適切な治療(アグネス)を継続することで、ニキビの再発を防ぐ維持療法の重要性が強調されています。
面皰(コメド)について
面皰(めんぽう)は、一般的に「コメド」とも呼ばれ、非炎症性のニキビの一種です。これは、脂腺性毛包における皮脂の分泌が過剰になり、毛穴の出口(毛包漏斗部)の角化が進行することで、皮脂が毛包内に蓄積する状態を指します。コメドには、毛穴が閉じている「閉鎖面皰(白ニキビ)」と、毛穴が開いている「開放面皰(黒ニキビ)」の2種類があります。
■白ニキビ
白ニキビは医学的には「閉鎖面皰」または「白色面皰」と呼ばれ、皮膚の表面に小さな白い隆起として現れます。これは、毛穴の中に皮脂、死んだ皮膚細胞、細菌が詰まることで形成されます。毛穴が閉じているため、詰まった内容物は空気に触れず、酸化することなく白い状態を保ちます。白ニキビは特に顔の額、鼻、顎の周りに現れやすく、注意が必要です。
↑白ニキビ
■黒ニキビ
黒ニキビは、医学的には「開放面皰」または「黒色面皰」と呼ばれ、皮膚の表面に見える黒い点として現れます。毛穴が開いているため、詰まった皮脂や老廃物が空気に触れ、酸化して黒くなるのが特徴です。黒ニキビは顔のTゾーン(額、鼻、顎)や、背中、胸などに頻繁に見られます。酸化による色の変化は目立ちやすいため、特に気になるニキビかもしれません。

↑黒ニキビ
炎症性皮疹について
コメド(面皰)が進行すると、炎症を伴うふくらみへと変化し、炎症性皮疹が形成されます。炎症性皮疹には、赤く腫れた紅色丘疹(赤ニキビ)や、膿が溜まった膿疱(黄ニキビ)が含まれます。さらに、直径5mmを超える大きな丘疹は、結節や硬結と呼ばれることもあります。
■赤ニキビ
赤ニキビは、皮膚に小さな赤い隆起を伴う炎症性のニキビで、膿を含まないのが特徴です。紅色丘疹とも呼ばれ、毛穴内で皮脂や細菌が詰まり、この局所の感染に対して白血球が動員される免疫反応が引き金となって炎症が起こります。この段階では、炎症が皮膚表面に赤い隆起として現れ、痛みを伴うことが多いですが、膿はまだ形成されていません。赤ニキビの赤い色は、炎症によって血流が増加しているためです。

↑赤ニキビ
■黄ニキビ
黄ニキビは、赤ニキビがさらに進行し、炎症が深まった結果、毛穴内に白や黄色の膿が溜まった状態を指します。医学的には膿疱と呼ばれ、中央に白または黄色の膿が見える赤い隆起として現れます。膿は、白血球がアクネ菌と戦った結果として形成されるもので、炎症が進行しているため、痛みを伴うことが一般的です。

↑黄ニキビ
■結節と硬結
結節や硬結は、赤ニキビがさらに大きく、深刻化した状態で、直径5mmを超える大きな隆起です。これらは皮膚の深部に発生する硬くて大きな腫れであり、通常、強い痛みを伴います。見た目は赤く、深く腫れており、しこりのような感触があります。赤ニキビや黄ニキビが放置されると、結節や硬結に発展することがあります。

↑ニキビの結節
囊腫について
囊腫は、ニキビの中でも最も重症なタイプの一つで、皮膚の深部に形成される大きく痛みを伴う炎症性の隆起です。この状態は、皮膚の深層に液体や半固体の膿が溜まり、袋状の構造を形成することで生じます。膿の主成分は、死んだ細胞、細菌、そして白血球の残骸です。
囊腫は見た目にも明らかに大きく、赤みを帯びた隆起として現れます。内部に膿が溜まっているため、触れると柔らかく、強い痛みを感じることが多いです。通常のニキビよりもはるかに目立ち、炎症が激しいため、皮膚が紫色や青紫色に変色することもあります。このような場合、通常は外科的な処置として、切開して膿を排出させる必要があります。
■紫ニキビ
赤ニキビや黄ニキビがさらに進行し、結節や硬結、囊腫へと発展すると、赤みを帯びていたニキビが赤紫色や青紫色に変色することがあります。この状態は「紫ニキビ」と呼ばれ、ニキビが最も進行した重症の段階を示します。紫ニキビは、早期の治療を怠ると深刻な瘢痕を残す可能性が高いため、速やかな治療が必要です。

↑嚢腫の紫ニキビ
炎症後の紅斑と色素沈着について
炎症性のニキビが改善し、炎症自体は治まった後でも、皮膚に一時的に赤みが残ることがあります。これを「紅斑」と呼びます。紅斑は通常、時間とともに薄れていきますが、その過程で色素沈着が生じることがあります。
■茶ニキビ
ニキビが治癒した後に残る茶色や褐色の色素沈着は、一般に「茶ニキビ」と呼ばれます。これは、炎症後の色素沈着(PIH: Post-Inflammatory Hyperpigmentation)によるもので、ニキビの炎症によって生成されたメラニンが皮膚に残ってしまう状態です。茶ニキビは通常、時間とともに薄れていきますが、場合によっては長期間残ることもあります。

↑茶ニキビと炎症後紅斑
線維化病変と瘢痕について
囊腫や硬結などの強い炎症を伴うニキビが改善した後に残るしこりは、線維化病変と呼ばれます。この状態は、炎症が治まった後でも皮膚にしこりとして残り、通常の皮膚組織とは異なる硬さを持つことが特徴です。
また、ニキビの炎症やその他の皮疹が治癒した後に生じる皮膚の変化を総称して瘢痕と呼びます。瘢痕には、皮膚が凹んだ状態の「萎縮性瘢痕」や「陥凹性瘢痕」、逆に皮膚が盛り上がった「肥厚性瘢痕」や「ケロイド」、さらに色素沈着による変色が含まれます。これらの線維化病変や瘢痕は、すべてニキビ跡の一部であり、見た目に影響を与えることが多いです。
ニキビの最善の治療方法
ニキビは、軽症であっても放置すると消えないニキビ跡(瘢痕)を残すことがあります。近年の研究によると、軽度のニキビであっても早期に適切な治療を行うことで、瘢痕の発生を予防できることが示されています。ニキビは、患者の生活の質(Quality of Life: QOL)に大きな影響を与えることがあり、特に中高生にとっては、いじめの原因となることもあるため、早期かつ積極的な治療が非常に重要です。
保険診療では、限られた薬のみの処方が主であり、患者の治療満足度が必ずしも高くない状況が続いています。これは、保険診療で使用できる薬が限られているためです。筆者は、軽度の面皰(白ニキビ・黒ニキビ)から重症の炎症性ニキビ(赤ニキビ・黄ニキビ・紫ニキビ)まで、効果的に治療できるアグネス治療を強くお勧めします。
■アグネス治療
アグネス治療は、ニキビの原因である皮脂腺をターゲットにした画期的な治療法です。高周波(RF)エネルギーを用いて、過剰な皮脂腺を選択的に破壊することで、ニキビの発生を抑制します。この治療は、軽症のニキビから難治性のニキビ、繰り返し発生するニキビに対しても効果的であるとされています。さらに、ダウンタイムが比較的短く、皮膚の表面を傷つけることなく治療が行える点も特徴です。アグネス治療は、あらゆるニキビ治療の中でも最善の選択肢と言えるでしょう。
まとめ
この記事では、ニキビの種類とその治療方法について詳しく解説しました。たとえ軽度の白ニキビであっても、放置すれば悪化し、深刻な瘢痕を残すことがあります。また、炎症性ニキビを繰り返すと、クレーター状の萎縮性瘢痕(陥没性瘢痕)が残るリスクが高まります。そのため、筆者はニキビが軽症の段階であっても、早期にアグネス治療を行うことを強く推奨します。アグネス治療は、一度の治療で劇的にニキビを改善できる効果的な方法です。ただし、この治療を検討する際には、信頼できる医療機関での施術を受けることが重要です。
この記事が、ニキビに関する正しい知識を得るための一助となり、皆様の肌の健康に役立つことを願っています。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。【関連項目】
ニキビは軽症でも早めの治療を!皮膚科に行っても治らない理由とその対策
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