投稿日:2024/07/16
(最終更新日:2024/07/16)

膣がゆるいことの原因と膣の締まりを良くする方法

膣ゆるいことに悩む女性

「膣がゆるいことが気になる」という悩みは、多くの女性が抱える一般的な問題です。加齢や出産、ホルモンバランスの変化など様々な要因によって、膣の締まりが悪くなることがあります。このブログ記事では、膣のゆるみの具体的な原因と、その対策について詳しく解説します。日常生活に取り入れやすいエクササイズや、医療機関で行われる最新の治療法まで、多角的なアプローチを紹介し、膣の健康を取り戻す方法を紹介します。

ゆるみの原因:出産

出産による膣のゆるみの原因は、主に以下の要素によって引き起こされます。

■骨盤底筋への負荷と損傷

妊娠中、胎児の成長とともに子宮が拡大し、骨盤底筋に持続的な圧力がかかります。この圧力は、特に妊娠後期において顕著であり、骨盤底筋の過剰な伸展や負荷による筋肉疲労や損傷が引き起こされます。また、出産時には、骨盤底筋がさらに大きな負荷を受け、損傷することがあります。これらの筋肉は膀胱や子宮、直腸を支える役割を持ち、正常な機能を維持するためには強さと弾力性が必要です。しかし、分娩中の圧力や引っ張りによってこれらの筋肉が伸びたり断裂したりすることで、筋力が低下し、膣の締まりが悪くなることがあります​。

■膣の拡張

赤ちゃんの頭が通過する際、膣は大きく伸び広がります。このプロセスは膣口や骨盤底筋に大きな負担をかけ、これが膣のゆるみの一因となります。膣の伸展は出産の自然な一部ですが、この過程で膣口や筋肉に微細な損傷が生じることがあります​

■神経の損傷

分娩時には、骨盤底筋だけでなく、それらを支配する神経も損傷を受ける可能性があります。特に、陰部神経(Pudendal Nerve)は分娩時の圧力で損傷を受けやすく、この神経の損傷は尿失禁や排便障害などの原因となることがあります。

■骨盤臓器脱

出産後、骨盤内の臓器が正常な位置から下がる「骨盤臓器脱」が起こることがあります。これは、骨盤底筋や支持組織の損傷が原因で、膣がゆるむ一因となります。骨盤臓器脱は特に多産婦に多く見られ、膣の前壁や後壁、子宮が膣内に突き出ることがあります​​。

■分娩の方法

分娩の方法も膣のゆるみに影響します。自然分娩は、帝王切開に比べて骨盤底筋や神経に対する影響が大きく、膣のゆるみや尿失禁のリスクが高くなります。しかし、帝王切開も完全にリスクを回避できるわけではなく、手術に伴う他のリスクがあります​。

妊娠で膣がゆるむ

ゆるみの原因:加齢

加齢によって膣がゆるむ原因には、いくつかの要素があります。これらは骨盤底筋の衰え、ホルモンバランスの変化、結合組織の劣化などに関連しています。以下に、それぞれの要因について詳細に説明します。

■骨盤底筋の衰え

年齢とともに、骨盤底筋は自然に弱くなります。これらの筋肉は膀胱や子宮、直腸を支える役割を持っており、筋力の低下は膣のゆるみに直接影響します。筋肉の減少とともに筋繊維の質も劣化し、これが機能の低下につながります​ ​。

■ホルモンバランスの変化

加齢に伴うエストロゲンの減少は、膣の組織や骨盤底筋の健康に大きな影響を与えます。エストロゲンは膣壁の弾力性と潤滑性を維持するために重要です。エストロゲンが減少すると、膣壁が薄くなり、乾燥しやすくなり、弾力性が低下します​。

■結合組織の劣化

加齢により、顔の皮膚に張りがなくなるのと同じように、膣や骨盤底の結合組織も弱くなります。これはコラーゲンやエラスチンなどの構造タンパク質の生成が華麗で減少し、これにより組織の強度と弾力性が低下するからです。この結果、膣壁がゆるくなり、支持力が失われます​ ​。

■尿失禁と骨盤臓器脱のリスク

加齢による骨盤底筋の衰えと結合組織の劣化は、尿失禁や骨盤臓器脱のリスクを増加させます。尿失禁は、くしゃみや咳をした際に尿が漏れる状態であり、骨盤臓器脱は膀胱や子宮が通常の位置から下がる状態です​​。

ゆるみの原因:運動不足

運動不足が膣のゆるみを引き起こす理由について、以下のようなが要因あります。

■骨盤底筋の弱化

運動不足は骨盤底筋の弱化を招く主要な要因です。骨盤底筋は、膀胱、子宮、直腸を支える役割を持ち、これらの筋肉が弱まると、これらの臓器が下がりやすくなり、膣がゆるむ原因となります。特に運動不足により筋力が低下すると、膣の締まりも悪くなります​ ​。

■血行不良と組織の劣化

定期的な運動は血行を促進し、組織の健康を維持するために必要な酸素や栄養を供給します。運動不足により血行が悪化すると、骨盤底筋や膣の組織の健康が損なわれ、弾力性や強度が低下します。これも膣のゆるみの原因となります​。

■運動不足による全身の影響

全身の筋力低下や姿勢の悪化も、骨盤底筋に負担をかけます。日常的な運動不足は、体幹の筋力や安定性を低下させ、骨盤底筋への負荷が不均一になりやすいです。これにより、膣のゆるみが進行します​​。

ゆるみの原因:肥満

肥満よる膣のゆるみ

肥満が膣のゆるみを引き起こす理由について、以下の要因があります。

■慢性的な腹圧の増加

肥満は腹部脂肪の増加によって腹腔内圧が常に高くなります。この慢性的な圧力増加は、骨盤底筋に対するストレスを増大させ、筋肉や結合組織の疲労と損傷を引き起こします​。

■骨盤底筋の機能低下

肥満は骨盤底筋の機能低下を招きます。過剰な体重が骨盤底筋に持続的な負担をかけるため、筋肉が弱まり、これが膣のゆるみの原因となります。また、肥満によって筋肉の質が劣化し、弾力性が失われることも影響します​​。

■神経損傷

肥満は神経機能にも影響を及ぼすことがあります。特に、肥満による糖尿病などの合併症が神経の機能を損なうことがあり、これが骨盤底筋の制御に悪影響を及ぼします​​。

■骨盤臓器脱と尿失禁のリスク増加

肥満は骨盤臓器脱や尿失禁のリスクを増加させます。過剰な体重が膀胱や子宮、直腸にかかる負荷を増大させ、これらの臓器が正常な位置から下がるリスクが高まります。また、尿失禁の発生率も肥満者で高いことが報告されています​​。

膣のゆるみ対策4つ

■骨盤底筋トレーニング

骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)は、膣のゆるみ対策として効果的な方法です。このトレーニングは、尿道、膣、肛門周辺の筋肉を強化することで、膣の締まりを改善します。具体的には、これらの筋肉を収縮させて数秒間保持し、ゆっくりと緩める動作を繰り返します。毎日数回のセッションを行うことで、筋力が徐々に向上し、膣のゆるみや尿失禁の改善が期待できます。継続的なトレーニングが重要です。

ケーゲル体操と骨盤底筋トレーニング

■モナリザタッチ

モナリザタッチ(MonaLisa Touch)は、女性の膣の健康を改善するためのレーザー治療機器です。特に、更年期や出産後の女性に効果的です。この治療法は、炭酸ガスフラクショナルレーザー(CO2レーザー)を使用し、膣の内壁に微細な傷をつけることで、コラーゲンの生成を促進し、組織の再生を助けます。これにより、膣の弾力性や潤滑性が改善され、乾燥や痛み、膣のゆるみなどの症状を軽減します。

出典元:

https://www.monalisatouch.com/

■膣縮小手術

膣縮小手術(会陰形成術)は、膣のゆるみ対策として効果的な外科手術です。この手術では、膣壁やその周辺の筋肉を引き締め、膣の入口を狭くすることを目的とします。主に出産後の女性や加齢により膣の弾力が失われた女性に適用されます。手術は一般的に短時間で行われ、局所麻酔や全身麻酔を使用します。術後は数週間の回復期間が必要ですが、性交時の快適さや尿失禁の改善が期待できます。

■膣壁のヒアルロン酸注入

膣壁へのヒアルロン酸注入は、膣のゆるみを改善する非侵襲的な治療法です。ヒアルロン酸を膣壁に注入することで、膣の弾力性と締まりを向上させます。手術は短時間で、痛みが少なく、即効性があります。効果は数ヶ月から1年程度持続し、その後は再注入が可能です。安全性が高く、副作用のリスクも低いです。効果を持続させるためには定期的な治療が必要です。

まとめ

膣のゆるみは多くの女性が抱える共通の悩みです。恥ずかしさから医療機関への相談をためらいがちですが、現代の医療技術により改善が可能です。特に、ヒアルロン酸注入や膣縮小手術は劇的な改善効果が期待できます。膣のゆるみが気になる場合は、信頼できる医療機関や美容外科での相談を強くおすすめします。早期の対策により、より快適な生活を取り戻すことができます。このブログ記事が、皆さまの悩み解決の一助となることを願っています。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。女性器、男性器の整形手術を多く行っている。

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