元神院長執筆 専門医と学ぶ美容医療ブログ

【挙筋前転術の全容】切開による眼瞼下垂治療について

更新日:2024/05/18

公開日:2024/05/17

眼瞼下垂挙筋前転術とは

目の開きを良くする「切らない眼瞼下垂手術」が広く支持されていますが、加齢により眼瞼下垂が進行した場合や、中等度以上の先天性眼瞼下垂の場合には、切らない手術だけでは十分な効果を得られないことがあります。このようなケースでは、従来の切開による眼瞼下垂治療が根本的な解決策として選ばれることが多いです。特に「挙筋前転術(挙筋前転法)」は、眼瞼下垂治療の中で最も一般的に行われる手術の一つです。本ブログでは、挙筋前転術の具体的な手術手順や効果、リスクについて詳しく解説し、読者の皆様が適切な治療法を選択するための参考にしていただけるよう、情報を提供します。

眼瞼下垂とは

眼瞼下垂(がんけんかすい)は、上まぶたが正常な位置よりも下がり、瞳孔を部分的または完全に覆ってしまう状態・症状を指します。この状態は視覚機能や外観に影響を及ぼし、日常生活に支障をきたすことがあります。眼瞼下垂は一つの症状として現れるものであり、その原因や程度によって分類されます。

■眼瞼下垂の分類

眼瞼下垂は、大きく先天性と後天性の2つに分類されます。

  1. 先天性眼瞼下垂

先天性眼瞼下垂は、生まれつきの状態で、遺伝的要因や出生時の発育異常が原因です。この場合、眼瞼挙筋の発育不全や神経の異常が主な原因となります。

眼瞼下垂挙筋前転術前後

↑生まれつき右目のみ眼瞼下垂を筆者が治療した例

  1. 後天性眼瞼下垂

後天性眼瞼下垂は、後から発症するもので、以下のようにさらに分類されます。

・老人性眼瞼下垂: 加齢による筋肉(眼瞼挙筋)の弱化や皮膚のたるみが原因です。

・コンタクトレンズ眼瞼下垂:長期間のコンタクトレンズの使用によるものです。

・神経性眼瞼下垂: 神経の異常(例: 第三脳神経麻痺、重症筋無力症)によるものです。

・筋原性眼瞼下垂: 筋肉の疾患(例: 筋ジストロフィー)が原因です。

・機械性眼瞼下垂: 外傷や腫瘍、瘢痕などによる物理的な要因でまぶたが重くなり下がるものです。

■眼瞼下垂の症状

・視界の遮断: 上まぶたが下がることで視界が狭くなり、視野が遮られることがあります。

・審美的問題: まぶたの位置が下がるため、顔の外観に影響を及ぼします。

・眼精疲労: 額の筋肉を使ってまぶたを持ち上げようとするため、疲れや痛みが生じることがあります。

・頭痛: 眼精疲労が原因で頭痛が発生することがあります。

・首の痛みや肩こり: 視界を確保するために、首を後ろに引く姿勢をとることが多くなり、これが首や肩の筋肉に余計な緊張を生み出し、首の痛みや肩こりを引き起こす原因となります。

眼瞼下垂の原因と治療方法

眼瞼下垂の原因は多岐にわたりますが、特殊なケース(神経性眼瞼下垂、筋原性眼瞼下垂、機械性眼瞼下垂)を除けば、主な原因はまぶたを開ける筋肉(眼瞼挙筋)の機能低下や、まぶたの厚みが影響するものが大半を占めます。加齢による筋肉の衰えや眼瞼挙筋の異常が典型的な原因です。また、まぶたのたるみや脂肪の増加も影響を与えることがあります。眼瞼下垂の原因やその重症度に応じて、適切な治療方法が選ばれます。軽度の眼瞼下垂には糸による非手術的なアプローチが推奨されることが多いですが、中等度から重度の症例では、切開による手術が最も効果的です。

■まぶたを開ける筋肉(眼瞼挙筋)の作用が弱い場合

ごく軽度の場合:埋没法

二重埋没法ビフォーアフター

軽度の場合:切らない眼瞼下垂

中~重度の場合:挙筋前転術

眼瞼下垂挙筋前転術手術前後

■まぶたの厚みやたるみが原因に主な原因がある場合

軽度~中等度の場合:眉下切開

眉下切開手術

↑軽度の眼瞼下垂は眉下切開で眼瞼下垂が課s

重度場合:眉下切開+埋没法(または挙筋前転術)

眼瞼下垂挙筋前転術

↑皮膚のたるみと眼瞼挙筋の作用も弱い例。手術は挙筋前転法を行ったが、この後に更に眉下切開を受けるのが理想です。

(まだ皮膚のたるみがあるため)

 

挙筋前転術とは

眼瞼下垂手術の一つである挙筋前転術は、上まぶたの挙上を改善するための手術です。この手術は、上まぶたの開閉の役割を担う眼瞼挙筋を前方に移動させることで、上まぶたに対してこの筋肉が正常に作動するように調整します。以下に、挙筋前転術の詳細を説明します。

  1. 手術の適応

挙筋前転術は、以下のような症状を持つ患者に適しています:

・先天性眼瞼下垂

・後天性眼瞼下垂(加齢、コンタクトレンズなどが原因)

・審美的な理由でまぶたの位置を改善したい場合

  1. 手術の手順

麻酔: 局所麻酔または静脈麻酔が用いられます。通常は局所麻酔のみが選ばれることが多いです。

デザイン:患者の希望の二重幅を考慮したうえで、二重のラインとなる切開線を決定します。

切開: 上眼瞼の二重のラインになる部位に切開を行います。

挙筋の露出: 出血が最小限になるように注意しながら、眼瞼挙筋を露出させます。

脂肪の除去:必要に応じて、眼窩脂肪の除去をします。ただし、過剰な除去は術後のくぼみ目の要因となるので、細心の注意をしながら脂肪を適度に除去します。

前転: 挙筋を適切な位置に前転(前方に移動)させ、瞼板(まぶたの裏側)に固定します。これにより、まぶたに対して筋肉が正常に作用するようになります。

縫合: 縫合したラインに二重ができることを確認しながら、切開部を縫合し、手術を終了します。

  1. 術後のケア

痛みの管理: 術後、軽度の痛みや腫れが生じることがあります。痛み止めや冷却が推奨されます。

経過観察: 数週間から少なくも3ヶ月までは定期的な経過観察が必要です。なぜならダウンタイムは最長3か月程度になるからです。

活動制限: 1週間程度は重い運動や飲酒は避けるように指導されます。

  1. 合併症とリスク

出血: 術後に稀に出血が起こることがあります。この場合は大きく腫れます。

再発: 切開する治療においても、時折、眼瞼下垂が再発することがあります。

非対称性: 両眼のまぶたの高さや形が一致しないことがあります。

瘢痕形成: 二重のライン上に傷跡が残ることがありますが、通常は目立たない程度です。

眼瞼下垂挙筋前転術手術前後

眼瞼下垂のよくあるご質問

Q: 眼瞼下垂をそのままにしておいたり、放っておくとどうなりますか?

A:眼瞼下垂は進行性の疾患であり、放置すると症状は徐々に悪化します。具体的には、まぶたがさらに垂れ下がり、視野が狭くなることで日常生活に支障をきたす可能性が高まります。また、まぶたを持ち上げようとするために額の筋肉を過度に使う結果、額のシワが深くなることが多いです。これにより、見た目の老化が加速するだけでなく、眼精疲労、頭痛、肩こりといった二次的な症状も現れることがあります。これらの症状は日常生活の質を著しく低下させるため、眼瞼下垂が疑われる場合は早期の治療が推奨されます。

Q:眼瞼下垂はテープで治せますか?

A:眼瞼下垂をテープでまぶたを持ち上げることで、一時的に症状を緩和することはできますが、根本的な治療にはなりません。テープを使用することで視界が改善し、日常生活が少し楽になることがありますが、長期間の使用は皮膚にかぶれや炎症を引き起こすリスクがあります。また、テープを頻繁に使用することで、まぶたの皮膚がさらに伸びたり、下垂が悪化する可能性もあります。

Q:眼瞼下垂は痩せたら治りますか?

A:眼瞼下垂は、主に眼瞼挙筋の機能低下やまぶたの皮膚のたるみが原因で発生します。そのため、体重を減らすことで眼瞼下垂が治ることはありません。痩せることでまぶたの脂肪が減少し、外見に若干の変化が見られることはありますが、眼瞼挙筋の機能が回復するわけではないため、根本的な解決にはなりません。

Q:眼瞼下垂は勝手に治ったり、自分で治せたりしますか?

A:眼瞼下垂が自然に治ることはありません。また、自分で治療することもできません。眼瞼下垂は、眼瞼挙筋の機能低下や皮膚の過剰によって引き起こされるため、適切な治療が必要です。放置すると、症状は徐々に悪化し、視界の遮断や眼精疲労、頭痛、肩こりなどの二次的な症状を引き起こす可能性があります。

Q:眼瞼下垂はマッサージで治せますか?

A:眼瞼下垂はマッサージでは治すことはできません。眼瞼下垂の原因は、主に眼瞼挙筋の機能低下やまぶたの皮膚のたるみにあります。そのため、マッサージでこれらの根本的な問題を解決することはできません。さらに、まぶたをマッサージしたり、目を強くこすったりすることは、眼瞼挙筋を傷つける可能性があり、これにより眼瞼下垂が悪化するリスクもあります。

Q:眼瞼下垂は手術しない方がいいですか?

A:眼瞼下垂は、視界の遮断や眼精疲労、頭痛、肩こりなどの症状を引き起こす可能性があるため、放置せずに適切な治療を受けることが重要です。多くの場合、手術による治療が最も効果的で持続的な改善が期待できます。ただし、どの手術方法が最適かどうかは、個々の症状の重症度や原因によって異なります。

Q:眼瞼下垂は何科に行けばいいですか?

A:眼瞼下垂は眼科、美容外科、形成外科で治療できますが、眼瞼下垂の治療において見た目の美しさを重視する場合、美容外科を選択することが推奨されます。美容外科では、審美的な観点からまぶたの治療が行われるため、より自然で美しい仕上がりが期待できます。

Q:眼瞼下垂の原因はストレスですか?

A:眼瞼下垂の原因としてストレスは直接関係ありません。ストレスは、一般的に筋肉の緊張や眼精疲労、頭痛などの症状を引き起こすことがありますが、眼瞼下垂の直接的な原因にはなりません。眼瞼下垂が疑われる場合は、専門医の診察を受けて原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。

眼瞼下垂挙筋前転術ビフォーアフター

まとめ

本ブログ記事では、眼瞼下垂に対する効果的な治療法である挙筋前転法について詳しく解説しました。挙筋前転法を用いることで、多くの患者さんが視覚機能の改善や審美的な満足度を得ています。ただし、手術の結果は個々の状態や医師の技術により異なるため、術前に十分な説明を受けること、そして経験豊富な医師を選ぶことが非常に重要です。眼瞼下垂は見た目だけでなく、生活の質にも大きな影響を与えるため、適切な治療を受けることが大切です。本記事が、眼瞼下垂の治療を検討されている方々にとって有益な情報となり、正しい選択をする一助となれば幸いです。専門医との相談を通じて、最適な治療法を見つけていただければと思います。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、二重治療、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。切らないフェイスリフトのウルセラも日本国内に導入直後から取り入れており、第107回日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

【関連項目】

挙筋前転法のご相談はこちら

眼瞼下垂・目頭切開モニターインタビュー【症例写真あり】

眼瞼下垂・目頭切開を受けて喜ぶ森田真奈美さん【症例写真あり】

切開による眼瞼下垂治療

片目の生まれつきの眼瞼下垂

 

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