投稿日:2024/06/11
(最終更新日:2024/06/28)

ワキガ手術はしない方がいいのか?後悔しないために。

ワキガ手術はしないほうがいいのか?

「ワキガ手術はしない方がいい」といった意見をブログやSNSで見かけることがあります。しかし、果たしてこれは本当に正しいのでしょうか?本記事では、ワキガ治療に20年以上携わり、手術療法から非手術療法まであらゆるワキガ治療を経験してきた筆者が、誠実な視点から詳しく解説します。ポジショントークではなく、患者さんにとって本当に有益な情報を提供することを目的としています。ワキガ治療について真剣に検討している方々が、後悔しないための正しい情報を得る手助けとなることを願い、このブログ記事を書きました。ワキガ手術のメリットやデメリット、手術を検討する際の重要なポイントなど、さまざまな角度から詳しくお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

「ワキガ手術はしない方がいい」理由①:傷が残る

ネットやSNS上で「ワキガ手術はしない方がいい」と言われる理由がさまざま掲載されています。このブログ記事ではまずその理由を一つ一つ列挙し、それぞれにについて検証します。まず一理由の一つに、「傷が残る」という点が一番よく挙げられます。確かに、手術を行えば切開するため傷跡が残るのは避けられません。どれだけ巧妙に縫合しても、完全に傷跡をなくすことはできません。しかし、多くの場合、時間が経つにつれて傷跡は目立たなくなります。また、手術方法や医師の技量によって、傷跡の目立ち具合には大きな差が出ます。そのため、「傷が目立つ」ことを避けるためには、経験豊富で技術の高い医師を選ぶことが重要です。

「ワキガ手術はしない方がいい」理由②:悲惨な手術跡

インターネットで「ワキガ手術の跡」と画像検索すると、非常に悲惨な手術跡の画像が多く見つかります。これらの画像を投稿しているのは、ほとんどがワキガ手術に反対する立場の医師たちです。これらの画像は、ワキガ手術が悪いという誤解を広めることを目的としており、手術自体の本質を歪めています。これは、下手な二重切開手術のアフター写真を見せて、「二重の切開手術を受けるとこんなに不自然になります」と主張するのと同じです。しかし、今や二重切開手術を受けると不自然な目になると考える人はほとんどいません。不自然な仕上がりになるのは、担当医の技術が不足しているためです。同様に、ワキガ手術で悲惨な跡が残るのも、手術を行った医師の技術不足が原因です。

適切な技術と経験を持った医師による手術であれば、手術跡はほとんど目立たなくなります。手術を検討する際は、医師の経歴や実績、実際の手術例を確認することが重要です。信頼できる医師とクリニックを選ぶことで、手術後の満足度は大きく向上します。また、手術後のケアやフォローアップも重要なポイントです。しっかりとしたアフターケアが提供されるクリニックを選ぶことで、リスクを最小限に抑えることができます。

「ワキガ手術はしない方がいい」理由③:安静が必要

ワキガ手術の手術方法にもよりますが、切開を伴うワキガ手術では、多くの場合、手術後に脇を1週間ほどガーゼでしっかりと固定する必要があります。この間、腕を水平以上に上げる動作が制限されるほか、運動や飲酒も厳禁です。そのため、日常生活にはかなりの制約が生じます。他のワキガ治療方法にはこうした厳しい制限がほとんどないため、手術後の安静期間は大きなデメリットと言えるでしょう。

例えば、非手術的な治療法であるボトックス注射やビューホット治療では、治療後の安静や日常生活の制限がほとんど必要ありません。そのため、仕事や家庭生活に大きな支障をきたすことなく治療を受けることができます。一方、切開を伴うワキガ手術では、しばらくの間日常生活に不便を感じることが避けられません。

「ワキガ手術はしない方がいい」理由④:手術なのに再発した

ワキガ治療にはビューホットやボトックス注射など、切開を伴わない方法も多く存在します。そのため、切開手術を選ぶ理由としては、「一度の手術で完全に治したい」という期待が大きいでしょう。しかし、手術を受けたにもかかわらず、ワキガの臭いが再発してしまった場合、その落胆は非常に大きなものとなります。

手術の結果は医師の技量によって大きく左右されるのは事実です。この点は他の治療法でも同様です。どのような治療法を選ぶにせよ、信頼できる医療機関と熟練した医師を慎重に選ぶことが極めて重要です。患者自身が情報を収集し、医師の実績や医師が発信している言葉等を調べることで、安心して治療を受ける環境を整えることが必要です。

「ワキガ手術はしない方がいい」場合①:多汗症

わきが手術

ワキガ手術には術後のさまざまな制限が伴うため、手術に向いていない場合やライフスタイルがあるのも事実です。ここでは、ワキガ手術を避けたほうが良い場合について考えてみましょう。まず、手術を受けないほうが良いケースの一つとして、「わきが症ではなく、実は多汗症」の場合が挙げられます。

ワキガはアポクリン汗腺の活動が活発であるために起こる症状ですが、ワキの多汗症はエクリン汗腺の活動が過剰であることが原因です。このように、ワキガと多汗症では病態が異なります。エクリン汗腺は皮膚の表面に近い浅い層に存在するため、手術で完全に除去することは困難です。そのため、多汗症の場合、手術のメリットは大幅に減少します。

多汗症に対しては、ボトックス注射やビューホットといった非手術的な治療法が効果的です。これらの方法は、エクリン汗腺の活動を抑制し、多汗の症状を改善するのに役立ちます。ただし、多汗症とワキガを併発している場合には、ワキガ手術を検討する価値はあります。

「ワキガ手術はしない方がいい」場合②:仕事や学校で体を動かす人

どんなワキガ手術後はかならず1週間のガーゼ固定が必要です。この間は、腕を水平以上に上げないようにする必要があるため、腕を使用する仕事をしている人や学校の体育など体を動かす人にはこの固定期間中は支障が生じてしまいます。もしこの固定期間中に激しく体を動かし、ガーゼ固定が外れた場合、患部の血種が発生する可能性があります。血種が発生した場合は、前述したような「悲惨な跡」になる可能性があるため、1週間の固定期間中の制限は非常に重要なのです。

ワキガ手術を受けた後、ほとんどのケースで1週間のガーゼ固定が必要です。この期間中は、腕を水平以上に上げることができないため、体を頻繁に動かす仕事や学校の体育活動に従事する人にとっては、大きな支障をきたす可能性があります。この固定期間中に激しい動きをすると、ガーゼが外れてしまうリスクがあります。ガーゼが外れると、患部に血腫が発生する可能性があり、それが前述の「ワキガ手術はしない方がいい」理由②で解説した「悲惨な跡」となる原因となります。そのため、術後の1週間の固定期間中にどれだけ安静にできるかが、手術の成功とその後の仕上がりに大きく影響します。

ガーゼ固定の期間中は運動や重い物を持つこと、激しい動作は厳禁です。これらの制限が日常生活に大きな影響を及ぼすため、仕事や学校で体を動かさざるを得ない人にはワキガ手術は適していないと言えます。もしワキガ手術を検討する場合は、手術後のリスクを最小限に抑えるためにも、事前にしっかりとスケジュールを立て、術後の安静期間を確保することが重要です。このような制約が難しい場合は、ボトックス注射やビューホットなどの非手術的な治療法を検討するのが良いでしょう

「ワキガ手術はしない方がいい」場合③:少しの跡も気になる神経質な人

手術後の傷跡は、どれだけ熟練した医師がきれいに縫合しても完全に消えるわけではありません。時間の経過とともに傷跡は目立たなくなりますが、完全に消えることはありません。特に、わずかな傷跡でも気になる神経質な方にとっては、この事実は大きな問題となるでしょう。どれほど技術的に優れた手術でも、手術の痕跡がまったくなくなるわけではないため、切開を伴うワキガ手術は避けたほうが良いでしょう。

傷跡が気になる方には、非手術的な治療法を検討することをお勧めします。例えば、ボトックス注射やビューホットなどの方法は、皮膚を切開することなくワキガの症状を改善することが可能です。これらの方法なら、術後の傷跡に悩むこともなく、日常生活への影響も最小限に抑えることができます。

「ワキガ手術はしない方がいい」場合④:軽度のワキガ症

軽度のワキガ症の場合、切開を伴わない治療法であるビューホットが非常に効果的です。ビューホットは、皮膚を切開することなくワキガを改善できるため、傷跡が残る心配がありません。さらに、術後の回復期間中も日常生活に制限がないため、仕事や学校への影響も最小限に抑えることができます。

一方、切開を伴うワキガ手術では、術後1週間のガーゼ固定が必要です。この期間中は、腕の動きが制限されるだけでなく、運動や入浴にも注意が必要です。特に、医師の技術が未熟な場合、手術跡が目立つことや、予期せぬ合併症が発生するリスクもあります。このようなリスクと制限を軽度のワキガ症で負うことは、賢明な選択ではありません。

結論として、軽度のワキガ症であれば、無理に切開手術を選ばず、まずは非侵襲的なビューホット治療を試してみることをお勧めします。

ワキガの手術をしたほういい場合①:重度のワキガ症

ワキガ手術にはさまざまなデメリットがありますが、それでも手術が適しているケースがあります。それは重度のワキガ症の場合です。では、どのように自分が重度のワキガ症かどうかを判断すれば良いのでしょうか?一つの基準として、洋服を着ている状態でも臭いが脇から感じられる場合や、換気の悪い狭い部屋で臭いが充満する場合などが挙げられます。

中等度のワキガ症であれば、ビューホットなどの非手術的な治療法でも十分に改善が見込めます。ビューホットは皮膚を切開することなく、効果的にワキガの症状を軽減するため、まずはこの方法を試すことが推奨されます。しかし、重度のワキガ症の場合は、ビューホットを複数回受けても臭いが完全には消えないことがあります。

重度のケースでは、初めからワキガ手術を検討することが最も効果的です。経験豊富な医師によるワキガ手術では、アポクリン汗腺を直接完全に取り除くため、1回の治療で完全に臭いを解消することができます。

ワキガの手術をしたほうがいい場合②:1回で完全にワキガを治したい

切開しないワキガ治療でも最も効果があるのはビューホット治療ですが、ビューホット治療でも1回のアポクリン汗腺除去率が最大70%程度であるため、ワキガ症の改善も70%程度です。このため中等度のワキガ症の場合は、1回にビューホット治療では治療後も臭いが気になる可能性はあります。このように治療後に臭いが残ることが嫌なかたはワキガ手術がおすすめです。わきが手術を選択した場合は、手術方法や医師の選別が非常に重要ですが、わきが手術は1回の治療で完全に治すことが可能です。

切開を伴わないワキガ治療の中でも、最も効果が高いとされるのはビューホット治療です。しかし、ビューホット治療では1回の施術でアポクリン汗腺の除去率が最大70%程度にとどまります。そのため、治療後のワキガの改善率も約70%となり、中等度のワキガ症では1回のビューホット治療では臭いが完全に消えない可能性があります。

このように、治療後に臭いが残ることを避けたい方には、ワキガ手術が適しています。ワキガ手術はアポクリン汗腺を直接取り除くため、1回の治療で高い効果が期待でき、完全にワキガを治すことが可能です。ただし、手術方法や医師の技術によって結果が大きく左右されるため、信頼できる医療機関と経験豊富な医師を選ぶことが非常に重要です。

ワキガ手術の選択:メリットとデメリットを天秤にかける

わきが手術について悩む女性

結論として、「ワキガ手術はしない方がいいのか?」という疑問に対する答えは、まず自身のワキガ症の重症度をしっかりと判定することから始まります。軽度のワキガ症の場合、手術を受けない方が賢明でしょう。一方、中等度以上のワキガ症であれば、ワキガ手術のメリットとデメリットを天秤にかけて慎重に判断する必要があります。特に重度のワキガ症の場合は、手術を初めから検討するのが適切です。

まとめ

「ワキガ手術はしない方がいいのか?」という疑問に対して、SNS上の情報はポジショントークに満ちています。ボトックス注射を勧める医師や、ワキガ手術を提供できない医師は、手術に対して否定的な意見を発信しがちです。しかし、筆者はあらゆるワキガ治療に精通し、どの治療法も提供できる立場から、偏りのない視点でこの疑問にお答えしました。

ワキガ手術を検討する際には、本文でも触れたように、医師の技量が手術の効果や術後の跡に大きく影響することを理解することが重要です。そのため、手術を決断する前に、十分な情報収集を行い、信頼できる医師を選ぶことが必要です。適切な医師とクリニックを見つけることで、ワキガ手術のリスクを最小限に抑え、満足のいく結果を得ることができるでしょう。

手術の選択は重大な決断ですので、自分の症状やライフスタイルに最適な治療法を見極めるためにも、信頼できる医師との相談を重ねてください。後悔しないためにも、納得のいく選択をすることが大切です。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。腋臭多汗症治療はこれまで延べ1万人を超える。

【関連項目】

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【最善のワキガ手術とは】全てのワキガ手術の分類と解説

ビューホットは効果なし?:効果の真実を探る

ワキガ手術のすべて:成功の秘訣と再発のリスク

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