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スプリングスレッドとは?安全性・持続効果・デメリットを徹底解説
更新日:2026/07/29
公開日:2025/05/03

年齢にともない、「深いほうれい線を解消したい」「たるんだフェイスラインをもう少しシャープにしたい」という方も多いのではないでしょうか。
これらの症状を、メスを使わずに改善する施術方法が、スプリングスレッドです。近年は、比較的安全性が高く長期間の効果を期待できることから、フランス製のものが美容医療業界でも注目を集めています。
本記事では、医学的根拠に基づき、「切らないフェイスリフト」として支持されているスプリングスレッドの安全性や持続効果、デメリットについて詳しく解説します。
スプリングスレッドとは
スプリングスレッドとは、名前の由来通り、「ばね(スプリング)のようなしなやかさ」を持った医療用の糸(スレッド)のことです。フランスで開発され、従来の糸リフトとは異なる形状をしています。
施術の概要
ほうれい線やフェイスラインなどを改善するため、医療用の糸を皮膚の下に挿入し、組織を引き上げる施術です。
特徴
スプリングスレッドの特徴は、自然な表情を保ちながら、顔のたるみの改善を図れることです。また、体内に残る非吸収性の糸は、万が一、感染などのトラブルが起きた際に抜去・除去できます。
素材と構造
素材には、医療用シリコンでコーティングしたポリエステル樹脂を使用します。体内で安定しやすく生体適合性の高い素材で、安全性に配慮されている点も特徴です。この特殊な複合構造によって、糸自体の柔軟性と伸縮性も高くなっています。
弾力
スプリングスレッドは、顔の筋肉の動きに合わせて柔軟に伸び縮みし、自然な表情を損なわないよう設計されています。施術直後から突っ張り感が少なく、表情を動かした時の違和感もほとんどありません。
リフト力
スプリングスレッドは、糸の特殊構造によって皮膚組織をしっかり支え、たるみを引き上げます。顎下や首、フェイスラインなどの深いたるみのほか、体の引き締めにも応用可能です。

スプリングスレッドのビフォーアフター
スプリングスレッドの安全性
スプリングスレッドの安全性は、素材面・臨床面の両方から確認されています。
海外での実績
スプリングスレッドは、世界40か国以上で使用され、安全性の高さが報告されています。実際、2020年にトルコの形成外科学術誌に掲載された研究でも、スプリングスレッドを用いた14人の顔のたるみ治療で全員が問題なく治癒し、合併症は一時的な軽い顔面神経麻痺の1例のみでした。
また、ヨーロッパではCEマーク認証を取得しており、スプリングスレッドは安全基準を満たした医療機器といえます。従来の糸リフトは、感染や肉芽腫などの合併症も報告されましたが、新世代のスプリングスレッドでは、素材改良により合併症リスクは低減しています。
アレルギー反応についても、イギリスではほとんど確認されていません(2024年時点)。あるクリニックでは「通常5年程度の効果が続き、2〜4年ごとにメンテナンス目的で追加施術を受ける患者もいる」と紹介されています。このように、海外においても、スプリングスレッドは安全性と持続効果の観点から評価されている糸リフトといえるでしょう。
参照元:New Combinations of Threads with Surgical Methods for Facial Rejuvenation
スプリングスレッドの持続効果
スプリングスレッドの魅力の一つが効果の持続力です。非吸収性で体内に残るため、約3〜5年間、リフトアップ効果が持続するケースも多くみられます。
一般的な吸収糸のスレッドリフトでは、ポリジオキサノン(PDO)糸が体内で約6ヶ月ほどで溶け始めるため、一時的にコラーゲン生成が促されても、効果は長くても1〜2年程度です。個人差はあるものの、スプリングスレッドは、一般的な吸収糸のスレッドリフトよりも長期間のリフトアップ効果を期待できます。
メカニズム
スプリングスレッドのメカニズムについて説明しましょう。効果を長く持続しやすい理由は、大きく分けて3つあります。
- 非吸収性の糸がたるみを支え続ける
- コラーゲンの生成も促される
- 必要に応じて追加施術ができる
スプリングスレッドは、「糸が溶けない」という特徴によって体内に半永久的に残存し、物理的にたるみを支え続けます。糸自体も優れた弾力性があり、時間経過による「たるみ戻り(糸の緩み)」が起こりにくい設計です。
また、糸リフト全般にいえますが、特にスプリングスレッドでは、コラーゲンの増生によって施術後2〜3ヶ月頃から皮膚のハリ・弾力が高まる「リジュビネーション効果」を期待できます。自己組織によるサポートと、糸の物理的な支えとの相乗効果によって長く安定するのです。
ただし、スプリングスレッド自体は溶けずに残りますが、加齢現象そのものを止められるわけではありません。5年ほど経過すると、周囲組織のさらなる老化で効果は徐々に薄れていきます。そのような場合は、糸を追加して効果を高めるか、必要に応じて外科的なフェイスリフトに移行することも可能です。

スプリングスレッドのビフォーアフター
スプリングスレッドのデメリット
ここでは、スプリングスレッドの施術で知っておきたい3つのデメリットを紹介します。
施術直後の見た目の変化
まず、施術直後には見た目に変化が表れます。具体的には、主に次の3つの症状です。
- フェイスラインが引き上がりすぎる
- 皮膚の表面がデコボコになる
- 刺入部が陥没する
初期段階は、しばしば顔のたるみが過度に引き上がる傾向があります。特に高いリフト効果を希望される方に顕著な症状です。通常は、1週間から1か月ほどで自然な見た目に落ち着いていきます。
また、皮下脂肪の少ない方や皮膚の薄い方は、過矯正による引き上げで顔の表面に凹凸が生じることがあります。しかし、これも約1週間〜1か月程度で自然な状態に戻ることが多く、凹凸が目立つ場合は一時的にヒアルロン酸を注入して目立たなくすることも可能です。針穴の刺入部に陥没が生じることもありますが、多くは1か月程度で徐々に改善されます。
ダウンタイム中に見られる症状
施術後のダウンタイム中は、一時的に次の4つの症状がみられることがあります。
- 突っ張り感がある
- 痛みがある
- 腫れる
- 内出血が起こる
スプリングスレッドの高い引き上げ効果により、施術直後に皮膚が引っ張られるような突っ張り感を覚える方もいらっしゃるようです。また、引き上げの度合いによって痛みや腫れが術後2〜3日程度みられることもありますが、多くは時間の経過とともに改善します。針穴の周囲に内出血が生じる場合も、術後数日~1週間程度で自然に治癒することがほとんどです。
まれに起こる感染リスク
スプリングスレッドでは、まれに糸が原因で感染が生じることがあります。原因不明のケースもありますが、主に手術中に体内に混入した髪の毛や、ニキビなどの皮膚感染による糸への波及などが一因と考えられます。感染すると、刺入部に腫れや痛みが表れ、まれに糸が皮膚から露出することもあるため、注意が必要です。
感染が確認された方には抗菌薬を投与し、必要に応じて感染した糸を抜去します。症状に応じて、抜去時は局所麻酔またはマスク麻酔を併用して処置をおこないます。
スプリングスレッドは感染リスクを含め、重い副作用は比較的少ないといわれていますが、経験豊富な医師が在籍する医療機関で施術を受け、術後の指示を守ることが大切です。少しでも異常を感じたら、速やかに受診しましょう。
ほかのPDO・PCL糸との違い
この章では、スプリングスレッドと、PDO(Polydioxanone)やPCL(Polycaprolactone)素材を使用したほかの糸リフト製品との違いを整理してみましょう。
素材
素材の最大の違いは、吸収性の有無です。スプリングスレッドは、体内で溶けない非吸収性のポリエステルとシリコンの複合素材で作られています。
一方、外科手術の縫合糸にも使われるPDOや、PDOより新しいPCLは、体内で徐々に吸収される合成樹脂の素材です。通常、PDO糸は施術後約6〜8ヶ月、PCL糸は約1〜2年かけて体内に吸収されます。
このように、体内に残留するスプリングスレッドは、吸収性の糸と比べて素材そのものの長期安定性が根本的に異なるのです。
リフト力・仕上がり
スプリングスレッドは、先述のとおり、柔軟性と強力な支持力を両立しています。シリコン由来のしなやかさで突っ張り感が少なく、リフトアップ効果を保ちながら自然に仕上がる点も特徴です。
これに対し、PDOなど一般的な吸収糸は細くてやや硬い糸が多く、強度はあるものの引きつれ感があるため、顔の表情も不自然な印象を与えることがあるようです。
つまり、素材特性の違いにより、スプリングスレッドと一般的な吸収糸では、リフト力や仕上がりも異なります。
リスク・副作用
スプリングスレッドは非吸収性のため、まれに糸の一部が触知できたり、糸先が飛び出したりする可能性があります。一方、PDOやPCLなどの吸収糸は体内に残らないぶん、異物反応のリスクは少ない傾向です。
とはいえ、いずれの糸リフトでも、内出血・腫れ・軽い痛みなどの副作用が生じることはあります。適切な術後ケアで軽減できますので、施術後は医師の指示に従い、適切に対処しましょう。
以上の比較をまとめると、スプリングスレッドは、PDO・PCL吸収糸などに比べて素材の安定性と効果持続に優れています。症例や目的によっては吸収糸で十分な場合もありますが、「より確実にリフトアップし、効果を長持ちさせたい」という方にとって、スプリングスレッドは有効な選択肢となるでしょう。
スプリングスレッドに関するよくある質問
スプリングスレッドに関するよくある質問を紹介します。
感染などで糸を抜去すると、たるみは元に戻る?
感染による糸の抜去は、通常、施術後にある程度の時間が経過してからおこなわれるため、この時点で抜去しても、すぐにたるみが元に戻ることは少ないでしょう。理由は、糸の抜去時には、すでに糸自体の張力に依存しているわけではなく、糸によって引き上げられた状態が繊維組織によって維持されているからです。
感染していない糸の抜去のリスクは?
感染していない糸の抜去は身体への負担も大きく、メリットも限られるため、基本的にはおこないません。 糸には突起が付いているため、容易に引き出すことはできず、無理に引き抜くと大きな痛みや出血、神経損傷の危険があります。
まとめ
フランス製スプリングスレッドは、安全性と長期にわたるリフトアップ効果から、新しいエイジングケア法として注目を集めています。メスを使わず短時間で施術できるため、「切開はしたくないが、若々しい印象を取り戻したい」方に適した施術といえるでしょう。
一方で、効果には個人差があり、ダウンタイムやまれに起こる感染リスクについても十分な理解が必要です。重度のたるみには、従来型の外科的フェイスリフトのほうが適している場合もあります。お悩みや症状・ご希望に合わせ、信頼できる医師と十分に相談したうえで、ご自身にベストな施術方法を選びましょう。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。切らないフェイスリフトのウルセラも日本国内に導入直後から取り入れており、第107回日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。
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