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投稿日:2025/01/23
(最終更新日:2025/01/23)

ニキビ跡のクレーターを自力で治せる?自力治療の限界と正しい治療法

「ニキビ跡のクレーターは自力で治らないの?」
「市販の化粧品で何とかならないの?」

このような悩みを抱える方は少なくありません。特に若い方を中心に、自力での改善方法を探している方が多いのが現状です。

しかし、クレーター状のニキビ跡は、肌の奥深くまでダメージが及んでいる状態であり、自然治癒や自力での改善が難しい症状です。

この記事では、なぜクレーター跡の自力改善が困難なのか、そしてどのような治療法が効果的なのかを詳しく解説していきます。

クレーター状のニキビ跡とは

クレーター状のニキビ跡は、ニキビによる炎症が真皮層にまで及び、肌の組織が破壊されてしまった結果として残る凹みのことを指します。ニキビの炎症や化膿によって、毛穴周辺の組織が破壊され、肌を内側から支えることができなくなった状態です。

症状と特徴

ニキビ跡には「赤み」「色素沈着」「クレーター」など複数の種類がありますが、中でもクレーターは最も治療が難しいとされています。これは、ダメージが表皮だけでなく、自然治癒の難しい真皮層にまで及んでいるためです。

真皮層へのダメージが主な原因

クレーター跡ができる主な原因は、炎症による真皮層のコラーゲン繊維や皮膚組織の破壊です。真皮層は血管や神経、リンパ管が通っている部分で、一度傷つくと再生することが困難な層となっています。

なぜ自然治癒が難しいのか

真皮層(肌の深い層)は、表面の肌と違って自然に生まれ変わることが難しい層です。そのため、一度ダメージを受けると、自力での回復がほとんど期待できません。表皮では肌を再生するターンオーバーが働きますが、真皮層から奥ではほとんど行われないため、凹んだ状態が続いてしまいます。

【クレーター状のニキビ跡については詳しい説明はこちらをご確認下さい】

自力での改善が難しい理由

クレーター跡の自力改善が難しい理由について、クレーターのタイプごとに詳しく説明していきます。

クレーターのタイプと特徴

・ローリング型(画像左)
ローリング型は、へこみが緩やかにカーブしており、直径が4~5mm程度の比較的大きな範囲に及ぶクレーターです。表皮から真皮層にかけて広範囲にダメージが生じており、自然治癒やセルフケアでの改善は期待できません。

・アイスピック型(画像真ん中)
アイスピック型は、へこみ口が小さく深い穴状のクレーターです。炎症による毛穴の変形によって生じ、真皮層だけでなく皮下組織にまでダメージが及ぶことがあります。セルフケアでの改善は極めて困難で、医療機関での治療においても難しい種類とされています。

・ボックス型(画像右)
ボックス型は、へこみの底が平らで、水疱瘡の跡に似た形状のクレーターです。真皮層に及ぶダメージにより、自力での改善は困難です。深いボックス型の場合は、真皮層のかなり深部までダメージが及んでいる状態です。

【ニキビ跡のクレーター治療については詳しい説明はこちらをご確認下さい】

市販品での限界

市販の化粧品には肌の表面を整える程度の働きしかなく、深いクレーターを治すことはできません。スキンケア製品での対応では、表皮層への作用に限られるため、真皮層のダメージを修復することは難しいのが現状です。

むしろ悪化させてしまう危険なケア

・市販のピーリング剤の過度な使用
・強いマッサージによる刺激
・スクラブ入り洗顔料の使用
・熱いお湯での洗顔
・必要以上の回数の洗顔

これらは肌に過度な負担をかけ、炎症を引き起こす恐れがあります。特に、クレーター跡がある部分は通常よりも肌が脆弱になっているため、優しいケアを心がけることが重要です。

カウンセリング予約メール相談はこちら

クレーター跡の効果的な治療法

クレーター跡の改善には、医療機関での適切な治療が必要です。以下に、効果的な治療法をご紹介します。

サブシジョン治療

サブシジョンは、クレーターの底と皮膚内側の癒着を医療用の専用針を使ってはがし、内側へ引っ張られる状態をなくす治療法です。

・治療方法
医療用の専用針を皮膚表面から刺し、皮膚深部の硬い線維を直接ほぐすことにより、肌のくぼみの改善が期待できます。当院では、細い針でありながら癒着のみをはがすことができる専用針を使用しています。

・期待できる効果
特に深いクレーター等の重度のにきびあと治療に効果的です。深いくぼみの場合は、サブシジョンとヒアルロン酸注入との組み合わせにより、より効果的な治療が可能です。

【サブシジョンついては詳しい説明はこちらをご確認下さい】

フラクショナルレーザー治療

フラクショナルレーザーは、非常に細かい照射径のレーザーを照射することで、皮膚に微細な穴をあけ、皮膚本来の再生能力(自然治癒力)によってコラーゲンを増生させる治療法です。皮膚を入れ替えることで美肌効果も期待できます。

・治療の仕組みと効果
細かな点状のレーザーで真皮層に穴を開け、創傷治癒を活性化させることで、凹んでクレーターになっている部分を再生させます。治療後は約1週間程度で徐々に肌が改善していきます。

・適応症例
クレーターの種類や深さによって、治療効果や必要な治療回数が異なります。一般的には月1回の頻度で3~5回の施術を受けることで、肌質が滑らかになっていくことが期待できます。

【フラクショナルレーザーついては詳しい説明はこちらをご確認下さい】

ダーマペン治療

ダーマペンは、微細な針が付いた医療用器具で、皮膚のコラーゲン再生を促進する治療法です。

・治療の特徴
皮膚をダーマペンで物理的に刺激することにより、皮膚のコラーゲンの再生を促し、ニキビ跡を改善します。当院では、炭酸ガスレーザーとの併用や、ヒアルロン酸注射との組み合わせによる効果的な治療を提供しています。

・効果的な使用方法
細胞成長因子を付加することで、より高い効果が期待できます。当院では、成長因子の薬剤を塗布しながら施術を行うことで、さらなる効果向上を図っています。

【ダーマペンついては詳しい説明はこちらをご確認下さい】

クレーター跡を防ぐために

クレーターは、炎症によるダメージが真皮層にまで及んだ結果として発生します。特に以下のような場合は要注意です。

・深い炎症性のニキビができている
・ニキビを無理に潰してしまった
・炎症が長引いている
・複数のニキビが同時に発生している

クレーター跡を作らないための対策

炎症の深刻化を防ぐことが最も重要です。以下の点に特に注意が必要です:

1.炎症期の正しい対処

・むやみにニキビに触れない
・化粧品の油分が毛穴を塞ぐ可能性があるため、ニキビ部分のメイクは控える
・どうしてもメイクが必要な場合は、油分の多いコンシーラーは避け、パウダーで軽く抑える程度に
・その日のメイクは必ず落とし、肌を清潔に保つ

2.にきびの早期の治療

・にきび治療の経験豊富な医師の診察
・早めのアグネス治療
・市販薬(プロアクティブ)は使用しない

関連記事:【プロアクティブにあまり効果がない理由】商品は悪質?

専門医の受診を検討するタイミング

以下のような場合は、早めの受診をお勧めします。

・ニキビの炎症が2週間以上続く
・市販薬での改善が見られない
・すでに軽度の凹みがある
・同じ箇所に繰り返しニキビができる

このような状態が続く場合は、クレーター跡になる前の早期治療が重要です。一度クレーター跡になってしまうと治療が困難になり、より多くの時間と治療が必要になる可能性があります。症状が軽いうちに専門医に相談することで、最小限の治療での改善が期待できます。

【当院のにきび跡治療についてはこちらをご確認下さい】

よくある質問

Q1. ニキビ跡のクレーターは自力で治せますか?
A1. クレーターは皮膚の深層(真皮層)にまでダメージが及んでいるため、自力での完全な治療は難しいのが現状です。市販品や自己ケアでは表面的な改善しか望めず、むしろ不適切なケアは症状を悪化させる可能性があります。確実な改善を目指すには、医療機関での専門的な治療が必要です。

Q2. クレーター肌は時間が経てば自然に治りますか?
A2. 通常、クレーター肌は時間が経過しても自然には改善しません。これは、クレーターが肌の深い層(真皮層)の損傷によって起きており、この層は自然な治癒力だけでは回復が難しいためです。症状の改善には、早期の適切な治療が重要となります。

Q3. ニキビを放置するとクレーターになりやすいですか?
A3. はい、ニキビを放置すると炎症が深部まで進行し、クレーターになるリスクが高まります。特に、炎症が強いニキビや、同じ箇所に繰り返しできるニキビは、クレーター化しやすい傾向にあります。クレーター予防のためには、ニキビの早期治療が重要です。

Q4. にきび跡(ニキビ跡)の色素沈着を消すことはできますか?
A4. 保存的療法、内服薬により時間はかかりますが、消すことも可能です。

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まとめ

クレーター状のニキビ跡は、真皮層にまでダメージが及んでいるため、自力での改善は極めて困難です。市販品での対処や自己流のケアでは効果が限られ、むしろ症状を悪化させてしまう可能性もあります。

効果的な改善のためには、早期に専門医に相談し、症状に応じた適切な治療を受けることが重要です。フラクショナルレーザー、サブシジョン、ダーマペンなど、様々な治療選択肢がありますが、それぞれの特徴を理解し、医師と相談しながら最適な治療法を選択することをお勧めします。

クレーター跡でお悩みの方は、諦める前に、まずは専門医への相談をご検討ください。適切な治療により、肌の状態を改善できる可能性があります。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。
日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。
また、形成外科学会での勉強会においても講演をおこなっている
ウルセラについても日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

 

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