投稿日:2024/05/03
(最終更新日:2024/05/04)
目の下のたるみ取り手術での失敗例とは?後悔するケースについて
目の下のたるみ取り手術は、加齢による顔の変化に対処するための効果的で人気のアンチエイジング治療ですが、その成功は手術を行う医師の技術に大きく依存します。目の下のたるみ取り手術には高い技術が要求されるため、適切な医師の選択が不可欠です。残念ながら、すべての手術が成功するわけではなく、場合によっては重大な失敗に繋がることもあります。このような失敗や後悔の例を避けるためには、手術前の十分な情報収集が重要です。この記事では、目の下のたるみ取り手術における失敗例とその原因、そして後悔する事態をどのようにして防げるかを詳しく解説します。また、失敗を避け、後悔しないための適切な医師の選び方や、事前に行うべき準備についてもアドバイスを提供します
目の下のたるみ取り手術の失敗例①:誤った手術方法の選択
目の下のクマとたるみの症状は似ているものの、それぞれの原因と適切な治療方法は異なります。目の下にクマがある場合、通常は脂肪の蓄積が主な原因です。この場合、経結膜的脂肪除去手術を行い、目の裏側の結膜から脂肪を除去することでクマを改善することができます。しかし、目の下のたるみが主な問題の場合には、この手法では効果が限定的です。実際には、目の下のたるみには皮膚や筋肉の緩みが関与しており、単に脂肪を除去するだけでは根本的な改善が期待できません。その結果、手術後もたるみが残る可能性があり、患者は手術の失敗や後悔を感じることが多いです。
目の下のたるみ取り手術の失敗例②:シワが増えた
目の下のたるみの治療には、その原因となる三つの要因を的確に理解し、それぞれに適した治療方法を選択することが重要です。具体的には、目の下の脂肪の膨張、皮膚のたるみ、そして皮膚下の筋肉の弛緩が挙げられます。これらの問題を総合的に解決することが、成功への鍵となります。目の下の脂肪除去手術、特に経結膜的脂肪除去では、主に脂肪のみが対象となるため、皮膚や筋肉の問題は解決されません。この手法で脂肪だけを取り除くと、風船がしぼむように、皮膚が余ってしまい、結果的にシワが増えることがあります。同様に、裏ハムラ法でも皮膚の除去を行わないため、シワの問題が残り、患者が手術後にさらなるシワの増加を感じることがあります。
出典元:blepharoplasty
目の下のたるみ取り手術の失敗例③:術後すぐに再びたるみが現れた
他院で目の下のたるみ取り手術、特に表ハムラ法として知られる手術を受けた患者から、初期の改善後に数ヶ月で再びたるみが目立ち始めたという例があります。この問題は、手術で皮膚のみを切除した場合によく見られる現象です。目の下のたるみを効果的に治療するためには、皮膚の下にある眼輪筋という筋肉も同時に処理することが極めて重要です。具体的な手順としては、皮膚と筋肉のわずかな間を剥離し、1mm以下の厚さの眼輪筋を眼窩外側縁の骨膜に固定します。この方法により、眼輪筋は永続的に引き上げられ、同時に剥離された皮膚も筋肉と一体となって持ち上げられます。この眼輪筋の骨膜固定により、皮膚は重力に対抗する強力な支持を得ることが可能となり、たるみの再発を効果的に抑制します。一方で、眼輪筋の処理を行わない皮膚のみの切除では、重力の影響で短期間でたるみが戻るリスクが高くなります。そのため、失敗や後悔を避けるためにも、手術前には医師としっかりとしたカウンセリングを行い、どのような手術方法が行われるのかを理解すること大切です。
目の下のたるみ取り手術の失敗例④:目の下がくぼんだ
目の下のたるみ取り手術において、経結膜的脂肪除去で脂肪だけ除去した場合、過度に脂肪を取り除くことで目の下が不自然にくぼんで見えるという問題が発生することがあります。このような状況は、シワが増えるだけでなく、顔の表情にも影響を与えることから、患者にとって大きな失敗となり、深い後悔の原因となります。また、脂肪除去と同時に皮膚除去や骨膜固定を行った場合でも、目の下がくぼむ現象が起こることがあります。これは、元々頬骨の上に位置していた脂肪が加齢によって下方に移動し、元の位置に適量の脂肪が残らないためです。このような場合には、手術後に脂肪注入やヒアルロン酸注入が推奨されます。これにより、目の下のくぼみを自然に補正し、より若々しく、健康的な印象を取り戻すことが可能です。
目の下のたるみ取り手術の失敗例⑤:腫れが引かない
目の下のたるみ取り手術後に、非常にまれに見られるが重大な問題として、持続的な腫れがあります。これは血種が形成された場合に起こり得ます。血種は、血液が手術部位に溜まることで起こり、手術においては避けられない合併症の一つです。特に、目の下の皮膚を切開し筋肉を剥離する手法(表ハムラ法など)では、筋肉が多くの血流と血管を持つため、出血しやすく、血種の形成リスクが増加します。このような問題が発生することは稀ですが、手術による腫れが長期間にわたって引かない場合は、患者の日常生活に大きな影響を与え、深い後悔につながることがあります。そのため、手術を行う際は経験豊富な医師を選び、合併症のリスクを最小限に抑えることが非常に重要です。
目の下のたるみ取り手術の失敗例⑥:アッカンベーが治らない
目の下のたるみ取り手術、特に皮膚切除を伴う表ハムラ法において、外反という合併症が発生することがあります。この状態は、手術で皮膚が外向きに反転してしまい、まるでアッカンベーをしているように見えるものです。外反は主に、皮膚の引き上げが過度に行われたり、切除する皮膚の量が多すぎたりした場合に起こります。この問題は、軽度であれば数ヶ月の経過観察で自然に解決することが多いですが、重度の場合は症状が持続し、患者の外見に大きな影響を与え、深刻な後悔につながることがあります。そのため、外反が強い場合には、再手術が必要となることもあり、これは失敗の一因となり得ます。
目の下のたるみ取り手術の失敗例⑦:傷跡が目立つ
目の下のたるみ取り手術、特に表ハムラ法においては、手術による傷跡が目立つことが一つの失敗例として挙げられます。この手術では、下まつ毛の生え際に近い部分に切開を行うため、理論上は傷跡がシワに隠れて目立たないはずです。しかし、実際には、特に目尻で皮膚の切除が適切でない場合、その部分の皮膚が突出し、傷跡が顕著になることがあります。このように傷跡が目立ってしまうと、手術を受けた本人は見た目に対して強い不満を持ち、深い後悔につながる可能性があります。これは、手術の美的な失敗だけでなく、患者の精神的な負担を大きくする原因ともなり得ます。
↑黄色矢印の先に傷跡がありますが、一般的にはこのように目立ちません
目の下のたるみ取り手術を失敗・後悔しないために①:ダウンタイムに関する正しい理解
目の下のたるみを取り除く手術では、特に皮膚を切開する方法は、経結膜的脂肪除去手術に比べてダウンタイムが長くなる傾向にあります。具体的には、手術後の初期段階で抜糸を行うのは約1週間後ですが、その後も内出血の解消や外反状態の改善にはさらに数週間を要することが一般的です。患者は通常、3~4週間のダウンタイムを予測する必要があります。手術のダウンタイムを過小評価したり、術後の腫れの程度に驚いたりすると、結果的に手術に対して後悔することになりがちです。そのため、手術を受ける前には、ダウンタイムや可能性のある合併症について医師との間で十分なカウンセリングを行い、適切な理解を深めることが非常に重要です。このアプローチにより、手術に関連する不安や誤解を減らし、予期せぬ失敗や後悔のリスクを低減することが可能となります。
目の下のたるみ取り手術を失敗・後悔しないために②:経験豊富な医師の選択
目の下のたるみ取り手術は、高度な技術と繊細な処置を要求される医療行為です。そのため、手術を成功に導くためには、医師の経験と技術が非常に重要な役割を果たします。手術の質、効果、さらには傷跡の目立たなさは、施術を行う医師の技術に大きく左右されます。手術による失敗や後悔のリスクを最小限に抑えるためには、医師の経験豊かさや技術力を事前に確認し、信頼できる医師に手術を依頼することが極めて重要です。これにより、手術後の予期せぬ結果による後悔を避け、期待に沿った治療結果を得ることが可能となります。
目の下のたるみ取り手術を失敗・後悔しないために③:安いクリニックへの警戒
目の下のたるみ取り手術において、非常に安い価格を提示するクリニックに対しては注意が必要です。手術の費用はクリニックによって大きく異なるため、極端に安価な表示価格には、しばしば隠れたリスクや追加費用が存在する可能性があります。安い価格には二つの理由が考えられます。まず一つ目は、医師が経験不足であり、多くの手術を行い技術を磨くために安価に設定している場合です。この場合、医師の技術が未熟であるために手術の失敗が起こりやすく、結果的に患者が深く後悔することに繋がります。二つ目の理由は、最初に安い費用を提示して患者を引き寄せ、その後、カウンセリングで根拠の薄い追加手術を提案するアップセールスを行うケースです。これにより、最終的には当初の見積もりから大幅に超える費用が発生し、患者の負担が増大します。このような手法は、患者に不利益をもたらすことが多く、手術に対する後悔や失敗感を強く感じさせる原因となります。したがって、目の下のたるみ取り手術を検討する際には、クリニックの評判や医師の経験、事前のカウンセリングを通じて信頼性を確認することが重要です。安価な治療を選ぶことのリスクを理解し、質の高い医療サービスを提供する信頼できるクリニックを選択することが、後悔しない手術のために不可欠です。
まとめ
このブログ記事では、芸能人の目の下のたるみ取り手術も手がける筆者が、手術における失敗例や後悔について詳細に説明しています。目の下のたるみ取り手術を考えている方は、手術が成功し後悔を避けるために、医師の選定に特に注意を払う必要があります。適任の医師による正確な診断と詳細な説明は、自然な仕上がりと満足のいく結果を得るための重要な第一歩です。さらに、手術前にクリニックの評判や医師の経験、実際の症例写真などを細かくチェックし、質の高い医療を提供する信頼できる医師を選ぶことが肝心です。手術の安全性と効果に重点を置き、価格だけでなく提供される医療の質を見極めることが、後悔しない選択をするための鍵です。この記事が、目の下のたるみ取りを検討されている皆様にとって、より良い決断をするための参考となることを心から願っています。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。切らないフェイスリフトのウルセラも日本国内に導入直後から取り入れており、第107回日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。
【関連項目】
目の下のたるみ, 目の下のクマ, 目の下のたるみたるみ除去, 目の下のたるみ取り, ハムラ法
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