「汗管腫」についての記事まとめ
2023/10/17
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汗管腫の不思議:その正体と最新の治療法「アグネス」
目の周りに現れる微細なプツプツ、あなたも気になったことはありますか?それらはニキビではありません。一見、ニキビのように見えますが、触れてみると潰れません。メイクで隠そうとしても、なぜかより目立ってしまうことも。病院で「治療は難しい」との回答を受けた方も多いかと思います。これは、汗管腫(カンカンシュ)という疾患の可能性が高いです。以前のブログ「目の周りのブツブツ、これ何?①汗管腫かも??」で紹介しましたが、今回は顔にできるブツブツ(汗管腫、稗粒腫、エクリン汗嚢腫、脂腺増殖症)の新しい治療法「アグネス」を紹介します。
そもそも汗管腫って何?
エクリン汗腺の細胞の過剰な増加が原因で出来る小さなイボ状の良性の肌の変化です。これらは痛みや痒みを伴わず、悪化することもありませんが、一度現れると自然に消えることは期待できません。主に目の周りに出現しますが、他の部位にも現れることがあります。女性に多いこの疾患は、遺伝の可能性も考えられますが、明確な原因はまだ解明されていません。
汗管腫の悩み
多くの方は、汗管腫ができ始めた頃はこの肌の変化をニキビやシワと勘違いします。ニキビのように潰せば治るかと思って、自己処置を行い、余計に悪化させてしまうこともあります。大きさが5mmにもなることもあり、メイクでは隠せないことが多いです。そのため、美容面での悩みを抱える方も少なくありません。
顔や目の周りによくできるブツブツの正体
顔や目の周りによくできるブツブツとして多いのが汗管腫、稗粒腫、エクリン汗嚢腫、脂腺増殖症です。下記にこれらのブツブツの簡単な見分け方を記載しました。
①汗管種(シリンゴーマ )
外観: 1-3ミリメートルの小さな、平坦な、肉色の隆起。
特徴: 色が均一で、滑らかな表面。
場所: 通常、下眼瞼や頬。
②稗粒腫(ミリア)
外観: 1-2ミリメートルの小さな、硬い、白または黄色の丘疹。
特徴: ケロイドのような硬さと真珠のような外観。
場所: 顔全体、特に目の周り。
③エクリン汗腺嚢腫
外観: 小さな、透明または青白い色の液体を含む嚢胞性のレジョン。
特徴: 暑い時期や高温・多湿の環境で増大することがあります。
場所: 主に顔、特に目の周り。
④脂腺増殖症
外観: 柔らかく、光沢のある肉色からわずかに黄色っぽい隆起。
特徴: 中央部分がへこんでいることがよくあります。
場所: 顔、特に額や頬。
革命的治療法「アグネス」の特長
従来、汗管腫の治療は炭酸ガスレーザーを使用していました。また稗粒腫、エクリン汗嚢腫、脂腺増殖症も炭酸ガスレーザーで治療するのが一般的でした。ですが、炭酸ガスレーザーはダウンタイムが長く、傷跡(瘢痕)のリスクも伴います。
しかし、新しい治療法「アグネス(Agnes)」はこれを一変させます。
RFエネルギー: アグネスは、特定の皮膚の深さにRF(無線周波または高周波)エネルギーを正確に送り込むことができるデバイスです。このエネルギーによって、ターゲットとする組織や皮脂腺に選択的に熱傷を与え、凝固・破壊することができます。
選択的治療: アグネスは特定の組織だけをターゲットにすることができるため、周囲の健康な皮膚組織にダメージを与えることなく治療を行うことが可能です。
確実な効果: 汗管腫の治療においては、アグネスの超微細な針を使用して、汗管腫の組織に直接RF(無線周波)エネルギーを送り込み、その組織を破壊します。これにより、汗管腫のサイズや数が減少することが期待されます。
ダウンタイム: 超微細な針を使用するため皮膚に最小限のダメージしか与えません。針穴はすぐに塞がります。治療後のダウンタイムもほぼなく、日常生活への影響も最小限です。ただし、赤みや腫れ、微細なかさぶたが数日間続くことがあります。
再発の予防: アグネスによる汗管腫の治療は、再発率が低いとされています。これは、ターゲットとなる組織を確実に破壊することができるためです。
安全性: アグネスは、適切に操作される場合、高い安全性を持つとされています。ただし、専門的なトレーニングを受けた医師や医療従事者による適切な操作が必要です。
汎用性:アグネスは、汗管腫だけではなく、稗粒腫、エクリン汗嚢腫、脂腺増殖症にも非常に有効ですので、顔のブツブツをまとめて取りたい場合も一度の治療で対応できます。
汗管腫のアグネス治療の流れ
アグネス治療は以下のステップで進められます。
①表面麻酔:表面麻酔薬を塗布し、約30分間放置。
②余分な麻酔を取り除き、治療部位を消毒。
③超極細の針で患部に直接アクセスし、RFで治療。
④治療後は、炎症を抑える軟膏を数日塗ります。
アグネス治療後の変化とケア
治療後、周りの組織が腫れるため、一時的に汗管腫などの治療部位が目立って見えることもありますが、徐々にサイズダウンしていきます。2〜3ヶ月後に治療部位の縮小を実感。
治療後数日は、刺激の少ない洗顔料を使い、化粧水等はアルコール入りの刺激の強いものは避けてください。メイクは翌日から可能です。プをしてください。
特筆すべきは、この治療の副作用が非常に少ないこと。腫れや赤みは一時的で、すぐに目立たなくなります。
アクネスによる治療の頻度や経過
アグネス治療により汗管腫や顔のブツブツ(稗粒腫、エクリン汗嚢腫、脂腺増殖症)は確実に小さくなります。ただ、1回で完全に消えるわけではありません。アグネス治療により汗管腫や顔のブツブツ少しずつ小さくなります。小さいものは1回の治療でご満足できる場合もありますが、通常2~3か月おきに3回程度の回数をおすすめしております。
アクネスによる汗管腫治療の症例写真
上記写真は汗管腫(カンカンシュ)の治療前
上記写真は汗管腫(カンカンシュ)の治療後
その他の疑問解決!
汗管腫は漢方や塗り薬で治せる?→一般的には効果を期待できません。
アグネス治療のサプライズ効果は?→実は小じわの治療にも有効!皮下が引き締まることで目の周りのシワにも効果的です。
アクネスを受けた感想
先ほどの症例写真の患者のアグネス治療を受けた実際の患者のアンケートです。
アグネス施術を受けたキッカケ、 施術前のお悩みについて詳しく教えてください。
➡額と目の下のポツポツ
このクリニックを選んだ理由は何ですか?
➡インターネットで
カウンセリング・アグネス施術前の説明の内容、説明を受けた感想を教えてください。
➡ わかりやすく、施術を受けてみようと思った。
アグネス施術の内容・痛み・かかった時間などを教えてください。
➡思ったより痛かった。 時間は短かかった。
アグネス施術を受けた当日の、 来院から施術後までの様子を教えてください。
➡あっという間に終わった
アグネス施術後どのような経過を辿りましたか?
➡赤くなって傷になったのが、一週間くらいでほぼおさまった。
アグネスのアフターケアの内容とその感想について教えて下さい。
➡特にない
アグネス施術結果に対する感想 (満足度、良かった点など) を教えてください。
➡良くなったのが自分でもはっきりわかって満足です。
クリニック・スタッフやレポートの読者に向けたメッセージをご自由にどうぞ。
➡スタッフの みなさんはきれいで、おどろきました。余裕ができれば、もう一度治療を受けたいです。
まとめ
アグネス(Agnes)治療は、汗管腫やその他の顔のぶつぶつ(稗粒腫、エクリン汗嚢腫、脂腺増殖症)に悩む多くの方にとっての救世主と言えるでしょう。従来の治療よりもダウンタイムが少なく、副作用も最小限に抑えられています。治療を検討されている方は、まず経験がある医師による正確な診断を受け、適切な治療を選ぶことをおすすめします。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。
【関連項目】
アグネス治療解説ページ
2023/10/16
院長ブログトップ > 目の周りのブツブツ、これ何?①汗管腫かも??
目の周りのブツブツ、これ何?①汗管腫かも??
目の周りのブツブツにはさまざまな病態があります。その中でも汗管腫(シリンゴーマ腫 syringoma)は皮膚の良性腫瘍として知られ、特に女性に多く見られる疾患です。この記事では、汗管腫の原因、特徴、そして最新の治療方法について詳しく解説します。なお、エクリン汗孔腫Eccrine Poromaとは全く別物です。
上記の写真が汗管腫です。
汗管腫の原因と特徴
汗管腫はエクリン汗腺由来の良性の皮膚腫瘍です。なお、汗管腫はの正確な原因や発生機序は完全には解明されていません。
目の下の頬部や上眼瞼に、多数の小さな肉色の小突起として現れることが一般的です。
女性に多く、特に目の周りに現れることが一般的です。
汗管腫が目の周りに多い理由
①汗腺の分布: 目の周りには多くのエクリン汗腺が分布しており、汗管腫はこのエクリン汗腺から発生するため、目の周りに発生しやすいと考えられます。
②皮膚の薄さ: 目の周りの皮膚は他の部位に比べて薄く、細やかな変化や小さな腫瘍も目立ちやすくなります。このため、汗管腫のような小さな腫瘍が存在しても、目の周りでは特に顕著に見える可能性があります。
汗管腫の発生とホルモンとの関連性
汗管腫の正確な原因は未だに不明ですが、女性ホルモンの変動が関与する可能性が考えられています。特に思春期や妊娠、更年期などのホルモンの変動が激しい時期に、汗管腫が発生するケースが報告されています。一部の研究では、エストロゲンが皮膚のエクリン汗腺に影響を与える可能性が指摘されています。エストロゲンは女性ホルモンの一つであり、このホルモンの影響によってエクリン汗腺の変化や汗管腫の発生が促される可能性が考えられます。
エクリン汗嚢腫、稗粒腫、脂腺増殖症との鑑別
目の周り周辺にできる粒状の皮膚隆起で汗管腫と非常に似ているブツブツとしてエクリン汗嚢腫、稗粒腫(ミリア)、脂腺増殖症があります。下記の違いから専門医であれば容易に鑑別が付きます。
色と形: 汗管腫は肉色で半透明、エクリン汗嚢腫は透明または青みがかった色、稗粒腫は白いまたは肉色の硬い結節、脂腺増殖症は肉色から黄色がかった丘疹として現れます。
触感: 汗管腫は固く、エクリン汗嚢腫は柔らかく動きやすい、稗粒腫は硬い。
上記の写真がエクリン汗嚢腫です。
上記の写真が稗粒腫(ミリア)です。
上記の写真が脂腺増殖症です。
汗管腫の治療法
汗管腫は良性であり、通常は治療を必要としません。しかし、外見上の問題やコンプレックスとして治療を希望する場合があります。
電気焼灼: 小さな電流を用いて腫瘍を焼灼し、取り除く方法。
レーザー治療: CO2レーザーやエルビウムレーザーを使用して、汗管腫を蒸発させる。
外科的切除: 腫瘍を直接外科的に除去する方法。
ピーリング: TCA(トリクロロ酢酸)を使用して皮膚を軽くピーリングすることで、腫瘍を減少させる方法。
最新の治療方法:アグネス治療
今では「アグネス」という無線周波(RF)デバイスを使用した治療が人気を集めています。
アグネスは、特定の皮膚の深さに無線周波エネルギーを正確に送り込むことができ、汗管腫の組織を選択的に熱傷を与え、凝固・破壊します。
ダウンタイムは比較的短く、効果も持続的であると評価されています。
まとめ
汗管腫は良性の皮膚腫瘍であるため、健康上のリスクは低いとされています。しかし、外見上の問題やコンプレックスとして気にされる方も多いでしょう。アグネス治療など、最新の治療法を適切に選択し、汗管腫を効果的に治療することで、より自信を持って生活することが可能となります。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。
【関連項目】
アグネス治療解説ページ
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