投稿日:2023/10/16
(最終更新日:2023/10/19)
目の周りのブツブツ、これ何?①汗管腫かも??
目の周りのブツブツにはさまざまな病態があります。その中でも汗管腫(シリンゴーマ腫 syringoma)は皮膚の良性腫瘍として知られ、特に女性に多く見られる疾患です。この記事では、汗管腫の原因、特徴、そして最新の治療方法について詳しく解説します。なお、エクリン汗孔腫Eccrine Poromaとは全く別物です。
上記の写真が汗管腫です。
汗管腫の原因と特徴
汗管腫はエクリン汗腺由来の良性の皮膚腫瘍です。なお、汗管腫はの正確な原因や発生機序は完全には解明されていません。
目の下の頬部や上眼瞼に、多数の小さな肉色の小突起として現れることが一般的です。
女性に多く、特に目の周りに現れることが一般的です。
汗管腫が目の周りに多い理由
①汗腺の分布: 目の周りには多くのエクリン汗腺が分布しており、汗管腫はこのエクリン汗腺から発生するため、目の周りに発生しやすいと考えられます。
②皮膚の薄さ: 目の周りの皮膚は他の部位に比べて薄く、細やかな変化や小さな腫瘍も目立ちやすくなります。このため、汗管腫のような小さな腫瘍が存在しても、目の周りでは特に顕著に見える可能性があります。
汗管腫の発生とホルモンとの関連性
汗管腫の正確な原因は未だに不明ですが、女性ホルモンの変動が関与する可能性が考えられています。特に思春期や妊娠、更年期などのホルモンの変動が激しい時期に、汗管腫が発生するケースが報告されています。一部の研究では、エストロゲンが皮膚のエクリン汗腺に影響を与える可能性が指摘されています。エストロゲンは女性ホルモンの一つであり、このホルモンの影響によってエクリン汗腺の変化や汗管腫の発生が促される可能性が考えられます。
エクリン汗嚢腫、稗粒腫、脂腺増殖症との鑑別
目の周り周辺にできる粒状の皮膚隆起で汗管腫と非常に似ているブツブツとしてエクリン汗嚢腫、稗粒腫(ミリア)、脂腺増殖症があります。下記の違いから専門医であれば容易に鑑別が付きます。
色と形: 汗管腫は肉色で半透明、エクリン汗嚢腫は透明または青みがかった色、稗粒腫は白いまたは肉色の硬い結節、脂腺増殖症は肉色から黄色がかった丘疹として現れます。
触感: 汗管腫は固く、エクリン汗嚢腫は柔らかく動きやすい、稗粒腫は硬い。
上記の写真がエクリン汗嚢腫です。
上記の写真が稗粒腫(ミリア)です。
上記の写真が脂腺増殖症です。
汗管腫の治療法
汗管腫は良性であり、通常は治療を必要としません。しかし、外見上の問題やコンプレックスとして治療を希望する場合があります。
電気焼灼: 小さな電流を用いて腫瘍を焼灼し、取り除く方法。
レーザー治療: CO2レーザーやエルビウムレーザーを使用して、汗管腫を蒸発させる。
外科的切除: 腫瘍を直接外科的に除去する方法。
ピーリング: TCA(トリクロロ酢酸)を使用して皮膚を軽くピーリングすることで、腫瘍を減少させる方法。
最新の治療方法:アグネス治療
今では「アグネス」という無線周波(RF)デバイスを使用した治療が人気を集めています。
アグネスは、特定の皮膚の深さに無線周波エネルギーを正確に送り込むことができ、汗管腫の組織を選択的に熱傷を与え、凝固・破壊します。
ダウンタイムは比較的短く、効果も持続的であると評価されています。
まとめ
汗管腫は良性の皮膚腫瘍であるため、健康上のリスクは低いとされています。しかし、外見上の問題やコンプレックスとして気にされる方も多いでしょう。アグネス治療など、最新の治療法を適切に選択し、汗管腫を効果的に治療することで、より自信を持って生活することが可能となります。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。
【関連項目】
アグネス治療解説ページ
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