投稿日:2023/10/19
(最終更新日:2023/10/19)
目の周りのブツブツ、これ何?③エクリン汗嚢腫かも??
目の周りのブツブツにはさまざまな病態があります。以前のブログでは汗管腫、稗粒腫について紹介しました。今回はエクリン汗嚢腫の話です。
エクリン汗嚢腫(eccrine hidrocystoma) は、汗腺由来の良性の皮膚腫瘍で、特に顔の領域に出現します。以下はエクリン汗嚢腫に関する情報を詳しく説明します。
上の写真はエクリン汗嚢腫です
エクリン汗嚢腫の特徴と特性
エクリン汗嚢腫は、皮膚の汗腺に嚢胞性構造が形成されるタイプの皮膚病変です。この病変は通常良性であり、特に目の周り(眼の周辺部)でよく見られます。
エクリン汗嚢腫は、皮膚上に小さく、ドーム状の、透明または青色の嚢胞として通常現れます。通常、痛みはなく、症状も引き起こしません。嚢胞の大きさは変わり、数ミリメートルから1センチメートルの直径までの範囲になります。病変は単発性であることが多いですが、複数の嚢胞が存在することもあります。
エクリン汗嚢腫の特徴の1つは、透光性を持つことです。透光性とは、構造物を通過する光を指し、エクリン汗嚢腫の場合、嚢胞が光を通過させ、光源に対して見ると青色の外観を持つようになります。
エクリン汗嚢腫の発生機序
エクリン汗嚢腫の原因や発生機序は完全には理解されていませんが、エクリン汗腺の管の閉塞または拡張の結果として嚢胞が形成されると考えられています。日常の皮膚損傷や太陽への暴露が関連するとも言われています。また、過度の暑さや湿度も発生のリスクを増加させる可能性があります。
組織学的には、エクリン汗嚢腫は、立方上皮の二重層で覆われた嚢胞性構造の存在によって特徴付けられます。嚢胞は、エクリン汗腺が産生する汗と似た透明な液体で満たされています。周囲の組織は、病変の期間と重症度に応じて、炎症または線維症の兆候を示すことがあります。
エクリン汗嚢腫の発生頻度
エクリン汗嚢腫は比較的まれな疾患ですが、高齢者や成人に一般的に見られます。また、女性にやや多く見られる傾向がありますが、男性も罹患することがあります。具体的な男女比は研究によって異なる結果が報告されていることもあります。
エクリン汗嚢腫の症状
通常、透明または青白い色の小さな(数ミリメートルから1センチメートル程度)嚢胞性の腫瘍が顔の領域、特に眼の周りに出現します。
通常、痛みを伴わないが、視的な問題や不快感を引き起こすことがあります。
エクリン汗嚢腫と汗管腫との区別
目の周りにできるブツブツとして非常に酷似しているのが汗管腫です。ただ鑑別は可能です。色と形において汗管腫は肉色で半透明、エクリン汗嚢腫は透明または青みがかった色です。触感:においては汗管腫は固く、エクリン汗嚢腫は柔らかく動きやすいという特徴があります。
上の写真は汗管種です。
エクリン汗嚢腫の治療方法
経過観察(放置):エクリン汗嚢腫は通常良性で無症状であるため、治療が必要でない場合があります
外科的除去: エクリン汗嚢腫は外科的に除去できます。
レーザー治療: レーザーを使用してエクリン汗嚢腫を外科的除去と同様に治療することができます。
穿刺: 液体の部分を針で穿刺し、内容物を排出させることで腫瘍のサイズを小さくすることができますが、再発の可能性があります。
ボトックス: ボトックス(ボツリヌス毒素)は、エクリン汗腺からの汗の産生を減少させることで、嚢胞の形成や症状の悪化を予防または治療することが可能です。
エクリン汗嚢腫のまとめ
エクリン汗嚢腫は他の顔の多くのブツブツと同様に、無害のため除去が絶対必要ではありませんが、多発すると美容的側面で気になると思います。除去を希望される場合は経験豊富な美容外科医への相談をおすすめします。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
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