元神院長執筆 専門医と学ぶ美容医療ブログ

子供のワキガ手術:保険は適用される?年齢制限と費用を解説

更新日:2026/08/20

公開日:2025/02/25

「我が子の汗の臭いが気になる…もしかしてワキガかも?」
「思春期に入ってから急に臭いが強くなった気がする」

そんな不安を抱えている親御さんは少なくありません。ワキガ(腋臭症)は遺伝的な体質によるところが大きく、成長とともに現れやすい症状です。実際、小学生から高校生まで、幅広い年代のお子さんを持つ多くの保護者から相談を受けています。

本記事では、子どものワキガの特徴やメカニズム、家庭で取り組める対策や治療のポイントについて詳しく解説します。お子さんの体質を理解し、親子で無理なく向き合うためにも、ぜひ参考にしてください。

子どもや思春期のワキガについて

まず、子どもや思春期のワキガについて、5つの項目に分けて具体的に説明しましょう。

特徴とメカニズム

子どものワキガの特徴は、第二次性徴を迎える思春期頃から症状が現れやすくなることです。それまで臭いが気にならなくても、成長に伴ってアポクリン汗腺の働きが活発になるため、ワキガ特有の臭いが生じることもあるでしょう。

そのメカニズムに大きく関係しているのは、脇の下に多く存在するアポクリン汗腺です。このアポクリン汗腺から分泌される汗には、脂質やタンパク質などが含まれています。実は、汗そのものには、ほとんど臭いがありません。しかし、皮膚表面の常在菌によって汗の成分が分解され、ワキガ特有の臭いが発生するのです。

また、アポクリン汗腺から分泌される汗には、衣類の黄ばみの原因となる色素も含まれます。脇の臭いだけでなく、衣類の脇部分の黄ばみでお子さんのワキガに気づく保護者の方もいらっしゃるでしょう。

年齢

子どものワキガが発症しやすい年齢は、第二次性徴が始まる思春期頃の10~15歳が目安です。ただし、発症年齢には個人差があり、これより早い時期から臭いが気になり始めることもあります。

この時期は、性ホルモンの分泌が増え、その影響を受けてアポクリン汗腺の働きも活発です。小学校高学年から中学生頃にかけて、ワキガ特有の臭いが目立ち始めるお子さんもいらっしゃるでしょう。

ワキガの症状が現れる年齢は一人ひとり異なりますので、年齢だけで判断せず、臭いなどの変化に目を向けることも必要です。

遺伝

ワキガと遺伝の関係は深く、両親のどちらか、または両親ともにワキガ体質の場合は、ある程度の確率で子どもに遺伝するとされています。

このワキガ体質に関係しているのが、「ABCC11」という遺伝子です。このABCC11遺伝子でG型を持つ人は、A型の人に比べてワキガ体質になる可能性が高いとされています。日本人を含む東アジアではA型の割合が高いため、欧米よりワキガ体質の人は少ない傾向です。

また、ABCC11遺伝子は耳垢のタイプにも関係し、湿った耳垢の人ほどワキガ体質の割合が高くなります。といっても、遺伝だけでワキガかどうかを判断できるわけではありません。あくまで、お子さんの体質を知る一つの目安として考えるとよいでしょう。

地域

ワキガ体質の人の地域による割合は、世界的に差があります。一般的に、アフリカやヨーロッパではワキガ体質の人が多く、日本を含む東アジアでは少ないようです。

このような地域差には、各地域で暮らしている人々の遺伝や体質的な特徴が関係していると考えられています。ただし、地域による違いは集団全体で見られるものであり、お子さんの出身地やどの地域に住んでいるかによって、ワキガかどうかが決まるわけではありません。

性別

ワキガ体質には、性別による大きな違いはありません。しかし、症状が現れる時期には、男女差があるとされています。女子は男子より第二次性徴を迎える時期が早いため、ワキガの症状が早く現れるお子さんもいらっしゃるようです。

特に思春期は、自分の体臭を気にしやすい時期ともいわれています。実際の症状だけでなく、ワキガに対する悩み方で男女に違いが見られることもあるでしょう。

親子でできる5つのワキガ対策

この章では、親子でできる5つのワキガ対策について説明します。すぐに始められるものもありますので、ぜひ参考にしてください。

脇の下を清潔に保つ

脇の下を清潔に保つことは、子どもでも取り組みやすいワキガ対策のひとつです。ワキガの臭いは、アポクリン汗腺から分泌された汗の成分が皮膚表面の常在菌に分解されて発生します。汗をかいたらそのままにせず、こまめに拭き取りましょう。

汗を拭く際は、清潔な濡れタオルや無香料の汗拭きシートなどを使用します。なお、香料付きシートはワキガの臭いと混ざり、かえって臭いが気になることもあるため、無香料のものがおすすめです。

また、汗で湿った衣類は早めに着替え、入浴時には脇の下をやさしく洗って清潔な状態を保ちましょう。清潔なハンカチや汗拭き用のタオルなどを携帯すれば、学校でもケアしやすくなります。

デオドラント製品を活用する

デオドラント製品を活用するのもおすすめです。汗の量を抑える制汗剤や、臭いの発生を抑える成分を配合したものなど、用途に合わせた市販品も多く出回っています。

クリームやロールオンタイプは脇に直接塗布でき、スプレータイプは広い範囲に使用しやすいので、お子さんが無理なく使い続けられるものを選ぶとよいでしょう。

なお、子どもの肌は大人に比べて、とてもデリケートです。対象年齢や使用方法、注意事項を確認し、赤みやかゆみなどの異常が現れた場合は、すぐに使用を中止しましょう。

生活習慣を見直す

生活習慣の見直しは、お子さんの健康を保つうえで大切ですが、食生活や睡眠、運動などの生活習慣でワキガそのものが改善・悪化するという医学的な根拠は十分に確立されていません。

「脂質の多い食事などが体臭に影響する」という説もありますが、通常の食生活であれば過度に気にする必要はないでしょう。

「特定の食品を避ければワキガが治る」などと考え、お子さんの食事を必要以上に制限すると、思春期のお子さんにとってストレスとなる場合もあります。ワキガ対策にとらわれすぎず、お子さんが心身ともに健康的な生活を送れるよう心がけましょう。

「みょうばん水」を試す

みょうばん水を試すことも、子どものワキガ対策になります。みょうばんは、アルミニウムなどを含む無機塩のひとつです。一般的に、食品添加物として漬物の色止めや煮崩れ防止などに使われます。また、みょうばんには収れん作用や防腐作用があり、制汗などを目的として利用されてきました。

みょうばん水は、このみょうばんを水やぬるま湯に溶かして作り、スプレーボトルなどに入れて脇に使用します。比較的手軽な対策のひとつですが、お子さんの肌に赤みやかゆみなどが現れた場合は使用を中止しましょう。

腋毛を処理する

思春期のお子さんの場合は、腋毛を処理するのもひとつの方法です。腋毛が多いと汗や皮脂などが付着して蒸れやすく、臭いがこもる原因にもなります。脇を清潔に保つためにも、定期的に処理するとよいでしょう。

自宅で処理する際は、毛抜きで1本ずつ抜くより、肌への負担に配慮しながら電気シェーバーなどで剃る方法をおすすめします。毛を抜く処理は毛穴に負担がかかり、特に肌がデリケートなお子さんは注意が必要です。

脇毛の処理には、医療レーザー脱毛も選択肢として考えられます。ただし、子どもの肌の状態や年齢などにも配慮する必要があるため、希望する場合は医療機関に相談しましょう。

 ワキガ治療のポイント

この章では、お子さんのワキガ治療について事前に知っておきたい3つのポイントについて説明します。

タイミング

子どものワキガ治療のタイミングは、年齢だけでなく、本人の希望を踏まえ、アポクリン汗腺の発達や症状の程度で判断することが大切です。学校生活や日常生活に大きな支障がなければ、まずはセルフケアを続けながら様子を見る方法もあります。

一方、お子さんがワキガの臭いを強く気にしていたり、臭いが原因でからかわれたりしている場合は要注意です。そのままにしておくと、いじめにつながるおそれもあり、学校生活や人間関係に影響が出ることも考えられます。

お子さんがどの程度悩んでいるのか、治療を希望しているのかを確認したうえで、医師と相談しながら適切なタイミングで治療を始めましょう。

治療法の選定

子どものワキガ治療法を選定する際は、症状の程度だけでなく、年齢や身体への負担、学校生活への影響なども考慮しなければなりません。また、症状によっては、制汗剤などによるセルフケアのほか、切開を伴わない治療や外科手術なども検討すべきでしょう。

子どもの治療法としては、ビューホットがおすすめです。高周波の熱によってアポクリン汗腺に働きかける治療法で、皮膚を切開しないため、傷跡やダウンタイムを抑えられます。手術直後の生活上の制限も少なく、翌日から学校生活を送れる点は、メリットといえるでしょう。

一方、汗腺を取り除く外科手術は、術後に脇を圧迫固定する期間を要します。日常生活でも、腕を上げるなどの動作を控える必要があるため、状況に応じて体育や部活動などを控えることになるでしょう。腋臭症で手術の適応があると診断された場合は、健康保険が適用される可能性もありますが、お子さんの治療法は、心身に与える負担への考慮が不可欠です。

ビューホット

思春期と再発のリスク

お子さんのワキガ治療では、思春期以降の再発リスクについても理解しておく必要があります。特に、思春期は性ホルモンの影響を受け、アポクリン汗腺からの汗の分泌が活発になる時期です。実際、この時期に「急に脇の臭いが強くなった」と感じる方もいらっしゃいます。

一度取り除いたアポクリン汗腺が再生するわけではありません。ただし、思春期以降の成長に伴って治療後のワキガの臭いが再び現れることがあります

お子さんに治療を受けさせる際は、思春期後に再び臭いが気になる可能性があるため、注意が必要です。治療後に臭いが気になるようになったときは、再治療が必要かどうかも含めて医師に相談しましょう。

当院のワキガ治療についてのご案内はこちら

まとめ

子どものワキガは遺伝的な体質との関係が深く、成長に伴って臭いが気になり始めることがあります。日常生活でお子さんの脇の臭いが気になり始めたら、まずは脇を清潔に保つ、デオドラント製品を活用するなど、ご家庭でできる対策から始めましょう。

また、思春期は、性ホルモンの影響によってアポクリン汗腺からの汗の分泌が活発になり、臭いの強くなる時期です。子どものうちに治療を検討する場合は、その後の再発リスクにも配慮する必要があります。

お子さんがワキガに悩み、学校生活や友人関係などに影響が出ていると感じたら、本人の気持ちを尊重したうえでクリニックや医療機関に早めに相談し、親子で納得できる方法を選びましょう。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。20年以上の経験があり、ワキガ、スソワキガの治療例はこれまで延べ1万人を超える。

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