投稿日:2025/03/15
(最終更新日:2025/04/17)

中学生・高校生に最適なワキガ治療とは?最適な治療法と予防策

ワキガ症に悩む中学生と母親

ワキガの症状は、一般的に10歳前後から現れ始めることが多く、これは思春期特有の身体の変化である「第二次性徴」と深く関係しています。

中学生・高校生になると、周囲との違いをこれまで以上に意識するようになり、自身の体臭に悩む子どもも少なくありません。特に多感なこの時期、できるだけ早く、そして目立たずに対処したいと考えるのは自然なことです。

かつてはワキガ治療といえば手術が主流でしたが、近年では「切らずに治療できる方法」など、より負担の少ない選択肢が増えています。そのため、学校生活に支障をきたすことなく治療を受けられるケースも多くなりました。

本記事では、中学生・高校生でも受けられるワキガ治療の選択肢について、ワキガ治療に精通した専門医の視点から詳しく解説します。

中学生・高校生でもワキガ治療は可能?最適な方法を選ぶためのポイント

ワキガ治療は基本的に年齢制限がなく、中学生・高校生でも受けることが可能です。しかし、治療法によっては入院や通院が必要になる場合があり、再発のリスク、傷跡が残る可能性、術後の生活制限などの影響を考慮する必要があります。そのため、自分の体の状態を正しく把握し、それぞれの治療法のメリット・デメリットを理解した上で、適切な方法を選ぶことが重要です。

まずは専門医の診断を受け、ワキガの程度を正しく評価してもらいましょう。臭いの強さや体質によって適した治療法は異なるため、医師の説明をもとに慎重に選択することが、後悔のない治療につながります。

また、ワキガに関する正しい知識を身につけることも大切です。間違った情報に惑わされず、適切な対処を行うために、次の項目でワキガとその治療方法について詳しく学んでいきましょう。

「ワキガは一時的なもの?」思春期の変化と体質の真実

ワキガは遺伝的な体質であり、その原因は優性遺伝によって親から子へと受け継がれます。両親のどちらかがワキガ体質である場合、約50%の確率で子どもも同じ体質になるとされています。日本人全体では、約10人に1人がワキガ体質を持つとされ、特に思春期(中学生前後)に症状が顕著に現れることが多くなります。

思春期は性ホルモンの分泌が急激に増える時期であり、このホルモン変化がアポクリン汗腺を刺激することで、一時的にワキの臭いが強くなることがあります。しかし、これは一時的な現象ではなく、ワキガ体質が本格的に表面化する時期と考えられます。成長や生活環境の変化によって、臭いが弱まることはあるものの、ワキガ体質自体が自然に治ることはありません。

そのため、ワキガの症状が強く日常生活に支障をきたす場合は、できるだけ早い段階で適切な治療や対策を検討することが重要です。ワキガの悩みを長引かせず、自信を持って過ごせるよう、思春期のうちから治療の選択肢を知り、適切なケアを取り入れることをおすすめします。

「治療が怖い」不安を和らげる最新ワキガ治療法

「皮膚を切開する」、「高周波で汗腺を破壊する」と聞くと、治療への不安を感じるのは当然です。特にワキガ治療では局所麻酔がよく使われますが、敏感なワキに注射をすることに恐怖を感じる人も少なくありません。予防接種とは違い、治療を受ける際の心理的なハードルは高くなりがちです。

しかし、現在では治療時の痛みや精神的な負担を軽減するために、細い針を使った注射や二段階麻酔が採用されているほか、マスク麻酔や静脈麻酔を用いた「眠ったまま受けられる治療」を行う医療機関も増えています。

ワキガ治療を検討する際には、治療そのものの効果だけでなく、痛みや恐怖への対策がどの程度充実しているかも重要なポイントになります。事前に病院の麻酔方法や施術の工夫を確認し、できるだけ安心して受けられる環境を選ぶことが、治療に対する不安を和らげるカギとなるでしょう.

→動画解説「ビューホットによるワキガ 治療」

治療法によって異なる日常生活への影響

ワキガ治療を受けた後の日常生活への影響は、選択する治療法によって大きく異なります。特に、体への負担(侵襲性)が高い治療ほど、回復期間が長く、日常生活に制限が生じる傾向があります。

最も制限が厳しいのは、ワキを切開する手術です。術後は、ワキの患部を「タイオーバー」と呼ばれる圧迫固定で保護する必要があり、この期間は入浴が制限されるだけでなく、腕の動きも制限されます。特に、運動や腕を上げる動作は23週間控える必要があり、学校の体育や部活動に影響を与える可能性があります。

一方、切開を伴わない治療法(ビューホットやミラドライなど)は、術後の回復が早く、施術当日からシャワーが可能です。さらに、翌日には通常の生活に戻れるため、学業や部活動に支障をきたしにくいのが特徴です。

治療を選ぶ際には、効果の持続性だけでなく、治療後の生活への影響も考慮することが大切です。特に、中学生・高校生の場合は学校生活や運動への影響を最小限に抑えることが重要なポイントになります。

ワキガ治療は本当に効果が続く?再発の可能性と対策

ワキガ治療を受けても、時間が経つとまた臭いが戻るのでは? という不安を感じる人は少なくありません。特に、中学生・高校生のうちに治療を受けると、その後の成長とともにアポクリン汗腺が発達し、再び臭いが出る可能性があるのではと心配されることもあります。

確かに体の成長に合わせて、腋の皮膚の範囲も広くなり、アポクリン汗腺が治療後に発達することはあります。しかし、どのような治療法であっても、治療によって一度破壊されたアポクリン汗腺は再生しません。つまり、治療を受けることでワキガの原因となる汗腺の数は確実に減少し、治療しなかった場合と比べると、臭いの軽減が期待できます。

したがって、「治療が無駄になるのでは?」という心配は不要です。むしろ、ワキガに悩み続けて学校生活や人間関係に悪影響を及ぼすリスクを考えると、早めの対策が有効だといえます。治療のタイミングや方法は慎重に選ぶべきですが、ワキガに悩む時間を少しでも短くするために、適切なアクションを起こすことには大きな意味があります。

ワキガ 多汗症に悩む中学生

中学生・高校生でも受けられるワキガ治療:負担の少ない方法から手術まで

ワキガの治療法にはさまざまな選択肢があり、症状の程度やライフスタイルに合わせて選ぶことができます。特に中学生・高校生の場合、学校生活に支障をきたさない治療法を選ぶことが大切です。以下に、現在受けることができる主要な治療法を、負担の少ないものから順に紹介します。

1.外用薬(塗り薬)

外用薬は、汗腺の出口をふさいで汗の分泌を抑えることで、ワキガの臭いを軽減する方法です。塗るだけで効果が得られる手軽さが最大のメリットですが、汗の分泌自体を完全に止めるわけではないため、効果は限定的です。

処方される主な薬剤には、

  • エクロックゲル
  • パースピレックス
  • 塩化アルミニウム溶液

などがあります。費用は1本あたり2,000〜4,000円程度で、多汗症の診断があれば保険適用となる場合もあります。ごく軽度のワキガの人に向いている治療法です。

2.ボトックス注射

ボトックス(A型ボツリヌストキシン)をワキに注射することで汗の分泌を抑える治療です。ボトックスは神経伝達物質「アセチルコリン」の働きを抑制し、汗腺の活動を一時的に弱めることでワキガの臭いを軽減します。

  • 施術時間:約10
  • ダウンタイム:ほぼなし(当日から通常生活可能)
  • 持続期間:36カ月

ただし、効果が一時的なため、継続的な治療が必要になります。費用は薬剤量や種類によって異なり、8万円程度。保険適用外ですが、多汗症の診断がある場合は適用の可能性があります。

3.ビューホット(切らないワキガ治療)

「ビューホット」は、ワキに剣山型の針を刺し、高周波の熱でアポクリン汗腺を破壊する治療法です。

  • 切開不要で傷跡が残らない
  • 当日からシャワーOK、翌日から運動OK
  • 半永久的な効果が期待できる

ダウンタイムがほぼなく、中学生でも通学しながら受けられる治療として人気があります。ただし、医師の技術によって結果に差が出るため、経験豊富なクリニックを選ぶことが重要です。費用は約30万円で、保険適用はありません。軽度~中等度のワキガに適した治療です。

 4.ミラドライ(多汗症向け治療)

「ミラドライ」は、マイクロ波を照射して汗腺を破壊する治療法です。本来は多汗症の治療機器として開発されましたが、ワキガ治療にも応用されています。

  • 切開なしでダウンタイムがほぼない
  • 通院回数は23回程度
  • 当日からシャワーOK

ただし、アポクリン汗腺への効果は限定的なため、ワキガよりも多汗症の治療に向いています。費用は約30万円で、保険適用はありません。

 5.切開剪除法(ワキガ手術)

ワキガ治療の中でも最も確実な方法とされるのが、外科的にアポクリン汗腺を除去する「切開剪除法」です。

  • ワキのシワに沿って5cmほど切開し、アポクリン汗腺を直接取り除く
  • 医師の目視で汗腺を除去するため、効果が最も確実
  • ワキガが重度の場合に適した治療

デメリットとして、

  • 傷跡が残る
  • 術後1週間は圧迫固定が必要
  • 1カ月以上、運動や腕を上げる動作に制限がかかる
  • 術後の安静が難しかった場合は、血種などトラブルが発生することがあり、結果的に瘢痕が目立つことがある

などが挙げられます。費用は保険適用で約5万円ですが、重度のワキガと診断されないと適用されません。

→動画解説「ビューホットによるワキガ 治療」

美容外科医専門医元神賢太医師

まとめ

ワキガは思春期に発症しやすく、中学生や高校生にとって学校生活や人間関係に影響を及ぼす繊細な問題です。体質的な要因が強く、自然に治ることは期待できないため、早めに専門医に相談し、自分に合った治療を選択することが大切です。

現在では、症状の程度やライフスタイルに応じた多様な治療法が存在します。外用薬やボトックスによる軽度な対策、ビューホットやミラドライなどの切らない治療法、そして切開手術による根本的な治療まで、選択肢は幅広くあります。特に、学業や部活動への影響を最小限に抑えながら最も効果を期待できる治療法として、筆者はビューホットを推奨します。

本記事が、ワキガに悩む中学生・高校生や、その親御さんの治療選択の一助となれば幸いです。正しい知識を持ち、最適な治療法を選ぶことで、自信を持って快適な日常を取り戻しましょう。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。20年以上の経験があり、ワキガ、スソワキガの治療例はこれまで延べ1万人を超える。

 

【関連項目】

ビューホットの相談はこちらへ

当院のビューホットのこだわりについて

何歳から手術可能?保険適用は?子供のワキガ対策について

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