投稿日:2024/08/19
(最終更新日:2024/08/18)
乳首の臭い、乳輪の臭いが気になる?チチガの可能性について
乳首や乳輪の臭いに悩む女性は少なくありません。特にこのエリアは、親密なシーンでパートナーが接触する機会が多く、臭いや味に敏感になりやすい部分です。このブログでは、乳首や乳輪に感じる独特な臭いの原因について詳しく説明し、独特の臭いを発生させるチチガ(乳頭・乳輪のワキガ症)のついても考察します。多くの女性が抱えるこの悩みに対する理解を深め、より快適な日常生活を送るための知識を得てください。
乳首臭や乳輪臭とは
乳首臭や乳輪臭とは、乳首およびその周囲の乳輪から発生する特有の香りのことを指します。乳首と乳輪の皮膚には、通常の皮膚と同様にエクリン汗腺や皮脂腺(油分を分泌する腺)が存在しますが、この部位には他にも、ワキや陰部に見られるアポクリン汗腺があることもあります。これらのアポクリン汗腺は、個人差があるものの、分泌物が皮膚上の常在菌(バクテリア)と結びつくことで、独特の匂いを発生させることがあります。さらに、乳首や乳輪の香りは、衛生状態、食生活、ホルモンの変動、そして全体的な健康状態によっても大きく影響を受けます。
正常な乳首臭や乳輪臭とは
通常、アポクリン汗腺があまり発達していない場合、乳首や乳輪にはほとんど臭いがなく、無臭であることが一般的です。しかし、アポクリン汗腺が発達している場合、乳首や乳輪から特有の香りが発生することがあります。これは、麝香(ジャコウジカ)のような独特の香りに例えられることがあり、他の人に比べて強く感じられる場合もあります。このような特定の香りが強く出る状態は「チチガ」と呼ばれ、乳頭や乳輪周辺に特有のワキガ症状を指します。チチガの強さや感じ方は個人差があり、これが気になる場合には、適切なケアや治療が推奨されます。
アポクリン汗腺とは?
アポクリン汗腺(アポクリン腺)は、体臭の生成において非常に重要な役割を果たしています。特に、乳輪周辺での臭いの発生に関わるこの汗腺は、独特な分泌物を生成し、体の一部に特有の香りをもたらします。以下に、アポクリン汗腺と体臭の関係について詳しく説明します。
■ アポクリン腺の存在部位
アポクリン腺は、脇の下、鼠径部、乳輪など、特定の部位に集中して存在します。これらの腺は、全身に分布するエクリン汗腺とは異なり、より大きな構造を持ち、特定の分泌物を生成します。
■ アポクリン腺の分泌物の特徴
アポクリン腺から分泌される液体は、エクリン腺が分泌する水っぽい汗とは異なり、濃厚で乳白色の液体です。この液体には高濃度のタンパク質と脂質が含まれており、皮膚表面に存在する常在菌によって分解されると、特有の強い臭いが発生します。
■ アポクリン腺とチチガ臭の関係
乳輪に存在するアポクリン腺からの分泌物は、その周辺に特有の臭いを生み出す原因となります。特に、分泌された液体が皮膚上の細菌と反応することで、個人差はあるものの、非常に目立つ臭いが発生することがあります。この臭いは「チチガ」として知られ、乳頭・乳輪周辺の特有のワキガ症状を指します。
■ アポクリン腺の活性化要因
アポクリン腺は思春期を迎える頃から活発化し、主に精神的なストレスや性的刺激、そしてホルモンの変動によってその活動が促進されます。特に、月経周期、妊娠、授乳などのホルモン変化が著しい時期には、アポクリン腺の活動がさらに強まり、結果として乳輪部の臭いがより一層強くなることがあります。
モンゴメリー腺は関係ない
乳輪に見られる目立つ小さな突起は「モンゴメリー腺(乳輪腺)」と呼ばれる特殊な皮脂腺ですが、これをアポクリン汗腺や臭いの原因と混同している方もいらっしゃいます。しかし、モンゴメリー腺はチチガ(乳頭・乳輪わきが)とは無関係です。モンゴメリー腺の主な役割は、乳輪と乳頭を保護する皮脂を分泌することであり、これは授乳時に赤ちゃんが乳首を見つけやすくする役割も果たしていると考えられています。この皮脂は保湿と潤滑を目的としており、臭いの発生には寄与しません。したがって、乳頭・乳輪周辺の臭いについて心配されている方は、モンゴメリー腺ではなく、アポクリン汗腺を原因とする点に注意が必要です。
チチガ(乳頭・乳輪ワキガ)かどうかのセルフチェック方法
自分がチチガ(乳頭・乳輪ワキガ)かどうかを簡単にセルフチェックできるポイントをご紹介します。以下の項目に一つでも当てはまる場合、チチガの可能性があるかもしれません。
□ブラジャーに黄ばみができる
乳輪周辺のアポクリン汗腺から分泌された汗が衣類に付着し、時間が経つと黄ばみとして現れることがあります。
□特有の体臭がする
服を脱いだときに感じる強い臭いは、アポクリン汗腺からの分泌物が皮膚表面の常在菌と反応し、独特の体臭を生じることが原因です。
□セックス時に苦い味がすると言われたことがある
これは、汗や皮脂腺からの分泌物が舌に触れることで感じられる苦味が、アポクリン汗腺由来の分泌物に起因している可能性があります。
□湿った耳垢がある
湿った耳垢は、アポクリン汗腺が活発であることの指標です。この特徴を持つ人は、他の部位でも同様の汗腺活動が活発である可能性が高いです。
□脇の臭いに悩んでいる
ワキガとチチガは、どちらもアポクリン汗腺の過剰分泌が原因となるため、両方に悩むことが多いです。
□家族にワキガの人がいる
ワキガは遺伝する可能性が高いため、家族にワキガ体質の人がいる場合、自分にも同様の体質があるかもしれません。
これらの項目に一つでも当てはまる場合、チチガである可能性が考えられます。もし心配であれば、専門医に相談することで、正確な診断と適切な対策を講じることができます。
筆者が回答した記事は☛“おっぱいのワキガ”、チチガって知ってた!?その原因と対処法
チチガの治療方法の紹介
チチガ(乳頭・乳輪ワキガ)を根本的に治療するためには、美容外科における専門的な施術が最も効果的です。日本国内の美容外科や医療機関で提供されている治療法には、主に「ビューホット」「ミラドライ」「ボトックス注射」があります。それぞれの治療法について詳しく解説します。
■ ミラドライはチチガには適さない
ミラドライを推奨するクリニックもありますが、実際にはチチガに対する効果はほとんど期待できません。ミラドライは、厚生労働省により脇の多汗症治療機器として承認されていますが、ワキガ症に対する臨床試験では無効であると結論付けられています。さらに、不適切な使用による死亡例が報告されており、チチガやワキガ症の治療には適していません。
■ ボトックス注射の効果とその限界
ボトックス注射は、チチガの治療として一般的に行われていますが、その効果は限定的です。ボトックスは主にエクリン汗腺からの発汗を抑制するもので、アポクリン汗腺にはほとんど作用しないため、チチガの特有の臭いを十分に抑えることは難しいとされています。
■ ビューホットが最良の選択肢
ビューホットは、チチガ治療において最も効果的とされる方法です。この治療法は、局所麻酔を使用した上で、皮膚に針を挿入し、フラクショナルRF(ラジオ波)を用いてアポクリン汗腺を破壊します。皮膚表面の冷却システムにより、治療中に熱傷を防ぐことができ、また、照射深度を0.1mm単位で調整できるため、個々の皮膚の厚さに応じた精密な治療が可能です。この技術により、チチガに対する効果的かつ安全な治療が期待できます。
まとめ
チチガは乳輪周囲のアポクリン腺から発生する特有の臭いが原因で、これが皮膚上の細菌による分解と相まって特徴的な香りを生み出します。特に、性的興奮時にはこの臭いが強くなることがあり、親密なシーンで悩みの種となることがあります。
チチガに悩んでいる方には、「ビューホット」という治療法が非常に効果的です。この治療法はダウンタイムがほとんどなく、施術後もパートナーに気づかれることなく、自然に臭いを改善することができます。ただし、ビューホット治療の効果は施術を行う医師の経験に大きく依存します。そのため、チチガの治療を検討する際には、ビューホットの豊富な経験を持つ信頼できる医師に相談することが重要です。
このブログが、乳首や乳輪の臭いに悩んでいる女性にとって、有益な情報源となり、適切な治療を選択する手助けとなれば幸いです。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。ビューホット治療を日本にいち早く導入。ビューホットにおけるスソワキガ・チチガ治療は日本で初めて行った。これまでのスソガ、チチガ、わきが治療例は延べ1万人を超える。【関連項目】
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