元神院長執筆 専門医と学ぶ美容医療ブログ

あいみょんタトゥー騒動で除去も殺到?後悔とタトゥー除去の現実

更新日:2025/09/02

公開日:2025/09/04

人気シンガーソングライターのあいみょんさんが最近、自身のタトゥーを隠すことなく公開し、大きな話題になりました。7月にネット上で公開した写真で左腕に線のようなものが見え、8月8日発売のファッション誌「GINZA」9月号の表紙では左上腕に明らかなタトゥーの絵柄が確認されました。さらに8月下旬の野外フェス出演時には、左腕だけでなく右上腕にもタトゥーが入っている姿がノースリーブ衣装からはっきり見えたそうです。

これに対しネット上では賛否両論の大論争が巻き起こり、「可愛い」「似合っている」といった肯定的な意見がある一方で、タトゥーに対する抵抗感や不快感を表明する声も少なくありませんでした。アーティストのタトゥーは今や珍しくない風潮かと思いきや、想像以上に批判的な声が集まっていたのは事実で、日本社会に根強い“タトゥーアレルギー”が浮き彫りになったと言えるでしょう。こうした状況に、私も美容外科専門医として日本のタトゥー観について改めて考えさせられました。

実は海外でも最近は“クリーンガール”ブームなどの影響で「タトゥーの無い綺麗な肌」が見直されつつあり、タトゥー除去が世界的なトレンドになりつつあります。フランスの雑誌によれば、世界ではタトゥーを入れた人の約23%が除去を望んでいるとの調査もあり、これは年間約1000万人規模にも上るそうです。あいみょんさんのタトゥー公開を巡る騒動は、日本だけでなく世界的にも「入れたタトゥーを消したい人」が増えている現実を映し出しているのかもしれません。

参照元: “あいみょん騒動”で分かった根強い“タトゥー”アレルギー 美容専門医が明かす「年間5000人が除去施術」「若気の至りと後悔する人は多い」知られざる実態

日本でタトゥーが忌避される理由

日本では古くから入れ墨・タトゥーに対する抵抗感が強く、今もそれは根強く残っています。実際、多くの温泉や銭湯、プール、スポーツジムなど公共施設ではタトゥーお断りのルールがありますし、タトゥーが見えるだけで周囲から「怖い人」「反社会的勢力の関係者ではないか」と見なされることもあります。事実、私のクリニックにいらっしゃる患者様からも「子供をプールに連れて行けない」「温泉旅行に行けない」「就職で不利になるかも」といった社会生活上の不都合を理由にタトゥー除去を決意される声を多く聞きます。

若いうちは友人関係など狭い社会で生きているため、タトゥーを入れても支障を感じにくいかもしれません。しかしいずれ進学や就職、結婚、子育てなど人生のライフステージの変化とともに広い社会に関わるようになると、タトゥーが思わぬ障壁になることがあります。例えば、就職先でタトゥーが見つかったら大問題になりかねませんし、子供と一緒にプールで遊べないという現実にも直面します。

こうした人生の節目で「若気の至りで入れてしまった」とタトゥーを後悔する人は少なくないのです。私自身、美容外科医として「タトゥーを入れるな」と頭ごなしに否定するつもりはありません。ただし、「将来後悔する可能性があること」は是非知っておいてほしいと強調したいのです。実際、10代の少女が軽い気持ちでタトゥーを入れ、後になって「こんなはずじゃなかった」と慌てて除去に駆け込んできたケースも経験しました。タトゥーは入れるのは簡単ですが、消すのは本当に大変です。その現実を踏まえ、軽い気持ちで入れることのないよう熟慮していただきたいと思います。

年間5000人がタトゥー除去に来院する現実

近年、日本でもタトゥーを消したいと望む人が確実に増えています。私のクリニックでも過去20年以上で非常に多くの刺青・タトゥー除去症例を手がけてきましたが、ここ数年は特に来院数が増えている印象があります。背景には上述したような社会的要因での後悔に加え、最近では芸能人やスポーツ選手がタトゥーを入れている影響で若年層が影響を受けたものの、いざ自分が社会に出る段になって現実と折り合わなくなった、というケースも多いように感じます。

さらに冒頭で触れた通り、海外でも「脱タトゥー」の潮流が出てきています。特にコロナ禍以降、“清潔感”や“ヘルシー志向”が見直される中で「タトゥーの入っていない綺麗な肌」が美徳とされる風潮も一部で生まれました。例えばフランスでは若い女性の間でタトゥーのない白い肌が美しいとする動きがあり、欧米でタトゥーを入れた著名人がレーザーで除去する例も増えていると報じられています。日本とは文化背景は異なりますが、「タトゥーは入れたけれど消したい」と感じる人が増えている点では共通していると言えるでしょう。

タトゥー除去の方法とその難しさ

「タトゥーは簡単には消えない」――これは私たち専門家の共通認識です。実際に除去施術を行った患者さんでも、「完全に消し去るのは思った以上に大変だった」と感じる方は多いです。では、タトゥー除去には具体的にどんな方法があり、どれほど難しいのでしょうか?主なタトゥー除去の方法は4つあります。

以下にそれぞれの特徴と現実を解説します。

レーザー除去

最も一般的な方法です。レーザー除去はタトゥーの色素に反応する特殊なレーザー光を照射し、インク粒子を破壊して体内の免疫で排出させます。ただし一度の照射で完全に消すことは難しく、複数回の照射が必要です。例えば、自分で入れた浅い黒色のタトゥーなら約3回程度でかなり薄くできるケースもありますが、プロの彫り師による濃い黒色のタトゥーでは5回以上、場合によっては7~8回前後の照射を重ねてようやくインクが見えなくなることもあります。

特に色付きのタトゥーは黒よりレーザーが反応しにくく、赤や黄色なら10回近く、淡い水色や黄緑など明るい色だと10回以上当てても少しずつしか薄くならないため、非常に長期の治療が必要になります。白色インクに至っては光をほとんど吸収しないためレーザーではほぼ除去不可能で、白が残ってしまうケースもあります。このように、タトゥーの色や濃さによって必要な照射回数は大きく異なりますし、たとえ最新レーザーを駆使しても完全に元の肌状態に戻すのは容易ではないのが現実です。レーザー除去後、うっすら跡が残ってしまうこともあり、「タトゥーは簡単には消えない」と肝に銘じていただきたい理由がここにあります。

▲当院での治療例

▶️ 刺青のレーザー除去についてはこちら

外科的切除(切除縫縮)

メスで刺青の入った部分の皮膚を直接切り取り、周囲の皮膚を縫い寄せて閉じる方法です。物理的にタトゥーを取り除くので、一度の手術で完全除去できる可能性がある唯一の方法と言えます。小さいタトゥーであれば1回の手術で切除可能で、傷跡は細い一本線になり時間とともに目立ちにくくなります。

私のクリニックでも、ワンポイントタトゥーや数cm程度の小さな刺青は一度の手術できれいに取り除いてきました。一方で、絵柄が大きい場合は一度にすべて切り取ることができないため複数回に分けた分割切除を行います。例えば手のひら大(約10cm程度)のタトゥーなら2回以上の手術で段階的に除去するケースが一般的です。

実際に私が担当した症例でも、前腕に及ぶ大きな刺青を2回の分割手術で除去したことがあります。ただし背中一面や胸いっぱいに広がるような非常に大きなタトゥーになると、皮膚を広範囲に切除して縫合するのは現実的に難しくなります。その場合はレーザー治療など他の方法を検討する必要があります。切除法は一度で消せる可能性が魅力ですが、手術跡(傷)が必ず残る点は避けられません。

また、切除後の皮膚の突っ張り感やダウンタイム(回復期間)も伴います。傷跡をできるだけ目立たなく仕上げるには高度な縫合技術や皮膚デザインの工夫が必要であり、医師の熟練した技量が仕上がりを大きく左右します。私も常に最善のデザインと縫合を心がけ、なるべく少ない回数(可能なら2回程度)の手術で全て除去しきれるようプランニングしています。外科的切除は私が特に得意とする治療法で、多数の症例実績があります。傷跡は残りますが、「確実に早くタトゥーを消したい」という方には有力な選択肢です。

タトゥー切除の分割切除例の写真

▲当院での治療例①

▲当院での治療例②

剥削(皮膚削皮)

タトゥーを入れた皮膚の表面を機械的に削り取る方法です。削った後に残ったインクをレーザーで照射することで色素を除去していきます。主にタトゥーの範囲が広い場合や、レーザーでは消しにくい赤・黄色などの色素を除去する目的で使われることがあります。

削皮を行うと、その部分の皮膚は火傷の痕のような傷跡になります。傷の治癒過程で皮膚が再生しますが、色素を含む表皮ごと削るためかなり侵襲の大きい治療です。広範囲のタトゥーを短期間で薄くしたい場合や、どうしてもレーザーで反応しない色素が残ってしまった場合に限り、慎重に適応を判断して行います。

植皮(皮膚移植)

刺青の入った部分の皮膚を切り取り、代わりに他の部位(太ももや背中など)の皮膚を移植して塞ぐ方法です。外科的切除では皮膚が足りないような広範囲の刺青に対して検討される手段ですが、移植した皮膚はやけど痕のような質感になりやすく、またドナー部位にも傷跡が残るなど美容的な負担が大きいです。そのため日本の美容外科でタトゥー除去のために植皮が行われることはほとんどありません。

私自身、過去に植皮を検討せざるを得なかった症例はごくわずかで、極力レーザー治療との併用や分割切除で対応するようにしています。以上が主な除去法ですが、多くの場合はレーザー治療が第一選択となり、必要に応じて外科的切除と組み合わせる形で治療計画を立てます。重要なのは、タトゥー除去は一人ひとり状況が異なり万能な方法はないということです。だからこそ経験豊富な専門医とよく相談し、自分の刺青に最適な方法を選ぶことが大切です。

▶️ 刺青除去のポイントについてはこちら

タトゥー除去の現場から伝えたいこと

美容外科医として長年タトゥー除去に携わってきた立場から、最後にどうしても伝えたいことがあります。「入れるのは簡単、消すのは難しい」──これはタトゥーに関わるすべての人に知っておいていただきたい現実です。現在、レーザー技術の進歩や外科的手法の工夫により、以前に比べれば確実にタトゥーを消せるケースは増えてきました。

私自身、日々研鑽を積み重ね、来院される患者様が少しでも満足いただける結果を得られるよう全力を尽くしています。しかしそれでもなお、完全になかったことにするのは容易ではないのです。レーザーで丁寧に除去しても薄く跡が残ってしまうことがありますし、傷が一切ない元の肌そのものに戻すことはできません。だからこそ、「入れる前に将来のことまで本当に考えただろうか?」と、一度立ち止まってほしいのです。

幸い、あいみょんさんご本人はタトゥーを後悔している様子は現状ありません。ファンからの賛否両論の声にも特に言及せず、アーティストとして自己表現を貫いているように見えます。タトゥーは本来、個人の自由であり自己表現の一つです。しかし日本という社会で生きていく上では、その自由が時に不利益や制約を伴うことも事実です。

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まとめ

本記事のタイトルに「除去も殺到?」とつけましたが、実際問題としてタトゥーを後悔して除去を検討する人は確実に増えていると感じます。もし現在タトゥーを入れていて「消そうかどうか」悩んでいる方がいれば、そして何よりこれから入れようか迷っている方がいれば、ぜひ今回お伝えした後悔と除去の現実を参考にしていただければと思います。

 

タトゥーそのものを否定するつもりはありませんが、安易な判断が後の大きな後悔につながり得ること、そしていざ消すとなった時に大変な思いをすること――この二点だけは強調しておきたいのです。もちろん、どうしても消したいタトゥーがある場合は、適切な方法で除去することは可能です。

 

私たち専門クリニックではレーザー治療から手術まで幅広い選択肢を用意し、一人ひとりに合わせた最善の治療計画を提案しています。大切なのは、諦めずに信頼できる専門家に相談することです。タトゥー除去は一人で悩まず、ぜひ経験豊富な私たち美容外科医にご相談ください。あなたの大切な肌を取り戻すお手伝いを全力でさせていただきます。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。
日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。
また、形成外科学会での勉強会においても講演をおこなっている
ウルセラは日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。
外科専門医を取得しており、外科の切開切除手術を得意としている。

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