投稿日:2024/07/19
(最終更新日:2024/07/19)
膣の緩いことによる症状と膣の締まりを良くする対策
膣のゆるみは、日常生活に多くの不便や不快感をもたらす問題です。具体的には、尿失禁、性交時の満足度低下、膣内の乾燥や感染症のリスク増加などが挙げられます。このブログ記事では、膣のゆるみによって生じる具体的な症状を詳述し、それらに対する効果的な対策について解説します。膣の健康を維持し、生活の質を向上させるためのエクササイズや治療法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
膣のゆるみで起こること①:パートナーの遅漏
多くの男性は、パートナーの女性の膣がゆるいと感じても、そのことを女性に伝えることをためらいます。これは、女性を傷つけたくないという思いからです。しかし、実際には膣がゆるいことで射精が難しくなることがあります。この現象は、射精までの時間が長くなることを指し、「遅漏」と呼ばれます。遅漏の厳密な定義はないものの、膣内性交が20分を超えても射精に至らない場合、一般的には遅漏と見なされます。男性の遅漏の原因は多岐にわたりますが、女性の膣がゆるいこともその一因となります。男性が最も性的快感を得るのは亀頭であり、膣がゆるいと亀頭への圧力が低下し、摩擦が減少します。これにより、亀頭への刺激が不十分となり、男性は射精しづらくなります。膣のゆるみが遅漏に及ぼす影響を理解することは、カップルが互いに満足できる性生活を営むために重要です。
膣のゆるみで起こること②:セックスが気持ちいいと感じない
男性の性的な快感だけでなく、女性が感じる性的な快感も膣圧に大きく依存します。膣がゆるい状態では、亀頭や陰茎が膣の壁を十分に刺激できず、女性は満足感を得にくくなります。具体的には、空間がスカスカに余り、刺激が不十分なため、女性はセックスを気持ちよく感じられないのです。多くの女性が出産後、セルフプレジャー用のマシーンに満足する傾向がありますが、これはパートナーとの性交に問題があるのではなく、膣がゆるくなったことで膣内性交が気持ちよくないからです。
膣のゆるみで起こること③:くしゃみで尿漏れする
膣圧の低下は尿漏れの原因となります。多くの方は、尿漏れを加齢による自然な現象と考えがちですが、実際には出産などによる骨盤底筋の損傷や衰えが主な原因です。骨盤底筋は会陰部に位置する重要な筋肉群で、これらの筋力が低下すると、腹圧がかかる際に尿漏れが発生しやすくなります。例えば、くしゃみをしたときや笑ったときなどに不意に尿漏れが起こることがあります。
膣のゆるみで起こること④:膣にお湯がたまる・空気が入る
膣のゆるみは、膣口の広がりを引き起こし、これがさまざまな問題を生じさせます。特に膣口が広がると、入浴時や水中にいる際に水が膣内に入り込みやすくなります。膣口がしっかり閉じていないため、自然な防御機能が働かず、水が容易に侵入してしまうのです。
また、膣の密閉性が低下することにより、水だけでなく空気も膣内に入りやすくなります。これにより、膣内に溜まった空気が漏れる際に「チナラ」(膣のおなら)と呼ばれる音が発生することがあります。これは、座った際や性交時に膣内へ空気が入り、その後空気が外に出る際に起こります。膣がゆるくなると、こうした現象が頻繁に起こりやすくなります。
膣のゆるみで起こること⑤:膣内性交が痛い
膣のゆるみは、膣の乾燥や性交痛にも深く関係しています。膣のゆるみは、骨盤底筋の弱化や膣壁の弾力性低下によって引き起こされますが、これらの変化により膣内の血流が悪化し、潤滑液の分泌が減少します。潤滑液は膣の健康を保つために必要不可欠であり、その分泌が不足すると膣が乾燥しやすくなります。さらに、エストロゲンの減少もこのプロセスに寄与します。
潤滑液の分泌が不十分な状態では、膣内が乾燥し、性交時に必要な潤滑が得られず、摩擦が増加します。この摩擦が膣の組織に刺激を与え、痛みを引き起こします。膣の乾燥が続くと、膣内に微小損傷や炎症が生じ、性交痛がさらに悪化する可能性があります。
膣のゆるみで起こること⑥:性病への感染
膣のゆるみは、性病(STD)への感染リスクを高める要因にもなります。膣がゆるむと、膣壁が緩み、膣口が広がることで物理的なバリアが弱まり、病原体が侵入しやすくなります。通常、膣の「締まり」がある構造は、病原体の侵入を防ぐ役割を果たしますが、膣がゆるむことでこの防御機能が低下します。
さらに、膣のゆるみは膣内のpHバランスや微生物のバランスにも影響を与えます。正常な膣内環境は酸性であり、これが病原体の増殖を抑制します。しかし、膣のゆるみやそれに伴う乾燥などによってこのバランスが崩れると、病原体が繁殖しやすくなり、感染リスクが高まります。
膣のゆるみ対策①:膣トレーニング
膣のゆるみによる様々な症状を改善する方法として、最も効果的で医学的なエビデンスもあるのが骨盤底筋トレーニングです。一般的に「膣トレ」や「膣トレーニング」と呼ばれるこの方法は、多くの女性が取り入れている健康法です。
膣トレーニングの主な目的は、骨盤底筋を強化し、膣の締まりを改善することです。これにより、尿漏れや性交痛、性病リスクの低減など、さまざまな健康上のメリットが期待できます。
■トレーニング方法
準備: 仰向けになり、膝を楽な状態に曲げます。両足は肩幅程度に開いてリラックスしましょう。
骨盤底筋の意識: 骨盤底筋(尿道・肛門・膣周りの筋肉)を締めることを意識します。これが膣トレーニングの核心部分です。
締めて緩める: 骨盤底筋を4秒間締め、その後ゆるめます。これを数回繰り返します。最初は2回から3回程度で始め、慣れてきたら回数を増やしていきましょう。
時間の延長: 締める時間を少しずつ延ばしていき、最終的には10秒間締められるようにトレーニングを続けます。これは筋力の向上に伴って徐々に行うことが重要です。
■継続の重要性
骨盤底筋トレーニングは、継続的に行うことで効果を発揮します。毎日のルーティンに組み込むことで、膣の締まりが改善され、尿漏れの予防や性交時の快感の向上が期待できます。また、骨盤底筋が強化されることで、出産後の回復も早まるとされています。
■専用器具の活用
さらに効果を高めるためには、膣トレーニング用の専用器具を使用することもおすすめです。これらの器具は、筋力を効率的に鍛えるためのサポートをしてくれます。初心者から上級者まで、様々なレベルに対応した製品が市場に出回っているので、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
膣のゆるみ対策②:医療機関での治療
膣の内腔の広がりによってお湯が入るなどの症状が現れる場合、筋肉を鍛えるだけでは解決できません。このような場合、医療機関での治療が必要となります。当院では、膣のゆるみに対して以下の3つの治療方法を提供しています。
■膣縮小手術
膣のゆるみを根本的に解消したい方におすすめなのが「膣縮小手術」です。この手術は会陰形成術とも呼ばれ、膣粘膜を切開・切除し、肛門挙筋を縫い縮めることで膣の締まりを改善します。この手術は根本から症状を解消し、その効果は半永久的です。膣のゆるみが原因で悩んでいる方には最適な選択肢です。
■モナリザタッチ
次に紹介するのが、レーザー機器による膣の引き締め治療「モナリザタッチ」です。モナリザタッチは炭酸ガスレーザーを膣内全体に照射することで、膣粘膜のコラーゲン再生を促進します。これにより、膣粘膜に厚みが増し、膣の内腔が狭くなることで膣が縮小されます。この治療は痛みが少なく、ダウンタイムも短いため、忙しい女性にも適しています。
■ヒアルロン酸注入
最後に、膣粘膜にヒアルロン酸を注入する治療法があります。ヒアルロン酸注入は、膣の締まりを良くするだけでなく、「数の子天井」や「ミミズ千匹」といった名器と呼ばれる膣を作ることも可能です。この治療法は比較的簡単で即効性があり、短期間で効果を実感できるため、多くの女性に人気です。
まとめ
膣のゆるみは、多くの女性が抱える悩みですが、適切な治療を受けることで、その多くは改善可能です。骨盤底筋トレーニングや手術、レーザー治療、ヒアルロン酸注入など、様々なアプローチを組み合わせることで、個々の症状に最適な対策が見つかります。これにより、身体の不快感が解消され、自信を取り戻すことができるでしょう。
当院では、各患者様の状態に合わせた最適な治療法をご提案し、膣の健康と快適さを取り戻すためのサポートを行っています。膣のゆるみが原因で日常生活に支障をきたしている方や、性生活の質に不満を感じている方は、ぜひ当院にご相談ください。経験と実績を持つ専門医が、親身になって対応し、最適な治療プランを提供いたします。
健康な膣を維持することは、女性の全体的な健康や生活の質にも大きく影響します。適切なケアと治療を受けることで、快適な日常生活を取り戻し、より豊かな人生を送ることができます。膣のゆるみでお困りの方は、一人で悩まずに、ぜひ一度専門医の診察を受けてみてください。きっとご自身に合った解決策が見つかるはずです。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。女性器、男性器の整形手術を多く行っている。【関連項目】
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