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プロアクティブは効果がない?商品は悪質?その理由解説
更新日:2025/12/19
公開日:2024/03/02

ニキビのホームケア商品としてプロアクティブが有名です。プロアクティブは、その宣伝において過去には著名人を起用し、特に旧ジャニーズ事務所の村上信五さんが出演していた広告が印象に残っている方も多いのではないでしょうか。彼の肌の顕著な改善は、多くの注目を集め、製品の魅力を伝える強力なメッセージとなりました。しかし、インターネット上でのユーザーレビューを見ると、この製品に対する満足度は必ずしも一様ではないようです。本稿では、プロアクティブの成分と効果に焦点を当て、ニキビケアにおけるその実効性について詳しく探求します。また、なぜこの製品が一部のユーザーにとって効果的でない可能性があるのかについても考察を加えます。
プロアクティブの歴史
プロアクティブ(Proactiv)は、アメリカの皮膚科医Katie RodanとKathy A. Fieldsにより開発されたスキンケアブランドで、1995年にダイレクトマーケティング会社Guthy-Renkerによって発売されました。プロアクティブ(Proactiv)は日本で言うテレビショッピングであるインフォマーシャルという形式で販売を開始し、インフォマーシャルを通じて広く知られるようになりました。また、米国内で多くの著名人を宣伝に起用し、世界中の消費者から注目を集めました。その成功の要因は、医薬品を混合するという革新的な製品開発と著名人を利用したマーケティング戦略にあります。また、洗顔料・トナー・ローションを組み合わせた3ステップケアを採用している点が特徴ですが、成分構成を見る限り、洗顔料単体でもスキンケアとして一定の役割を果たすケースもあります。その上で、複数アイテムを組み合わせたセット販売とすることで、トータルケアとしての使用感や継続性を訴求し、単品購入よりも価格帯が高く設定されています。このような販売形態は、スキンケア市場全体でも一般的に見られる手法の一つです。
日本市場では2003年からの展開が始まり、日本の薬事法に合わせた製品開発が行われています。プロアクティブは、その発売以来、芸能人を利用した宣伝戦略により、ニキビケア製品の中でも特に認知度が高いブランドとしての地位を確立しています。
↑ジャスティンビーバーを宣伝に使っているプロアクティブの過去ホームページ
アメリカ版プロアクティブの成分とその効能
アメリカ版プロアクティブには「過酸化ベンゾイル(BPO)」が有効成分として使用されています。「過酸化ベンゾイル(BPO)」は、ニキビ治療において一定の効果を発揮する成分です。この成分は、日本国内では医薬品に分類されており、ニキビ治療用の外用薬「ベピオゲル」にも含まれています。ベピオゲルは、2015年より尋常性ざ瘡(一般的にニキビと呼ばれる状態)の治療薬として、保険適用の下で処方されるようになりました。過酸化ベンゾイルの特長は、顔のニキビを引き起こす主要因であるアクネ菌に対し、抗菌作用を発揮することにあり、その結果、多くのニキビ治療において効果を見せています。さらに、2017年にはプロアクティブMD(ProactivMD)という商品ががアダパレンを配合して発売されました。アダパレンも過酸化ベンゾイルと同様に日本では医薬品で、ディフェリンゲルという商品名で処方されています。
アメリカ版プロアクティブの有効成分の過酸化ベンゾイルやアダパレンとは
アメリカ版プロアクティブに含まれる過酸化ベンゾイルやアダパレンは、ともに尋常性痤瘡(一般的にニキビと呼ばれる状態)治療において、日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」で高い推奨度を得ている成分です。このガイドラインにおいて、過酸化ベンゾイルとアダパレンはともに「行うよう強く推奨する」カテゴリーのAランクに位置付けられています。私自身、日々の臨床でニキビ患者に対して直接ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)やディフェリンゲル(アダパレン)を処方することもありますが、その効果は診察の中で明らかに見て取れます。日本では医療用薬品として扱われるこの成分が、アメリカ版プロアクティブに含まれていることは大きな驚きです。過酸化ベンゾイルの効能は、発売当初のアメリカ版プロアクティブの売れ行きにも大きく寄与しており、プロアクティブの人気は日本市場にも波及し、こちらでも発売されるに至りました(ただし、違う日本版は違う成分)。
日本版プロアクティブはサリチル酸
日本版プロアクティブとアメリカ版プロアクティブの間で最も顕著な差異は、それぞれの製品に含まれる主要な有効成分にあります。アメリカ版には過酸化ベンゾイル(BPO)が含まれていますが、日本版プロアクティブではその成分を使用しておらず、代わりにサリチル酸が主要成分として採用されています。サリチル酸は皮膚ケア製品において広く使用される成分で、特にピーリング石鹸などの製品で見られます。この成分は、古い角質層や余分な皮脂を取り除くことによって、新しい肌細胞の生成を促します。その結果、肌のトーンを明るくし、ニキビや黒ずみなどの皮膚トラブルの改善に効果を発揮すると言われています。

↑日本のプロアクティブホームページに掲載されている3ステップの商品
出典元:
日本版プロアクティブに含まれるサリチル酸の特徴とその効果
日本版プロアクティブに配合されているサリチル酸は、医療機関や美容皮膚科においてニキビ治療に広く用いられている成分です。特に、ケミカルピーリングの主要成分としての役割を担っています。ただし、ケミカルピーリングに使用されるサリチル酸は、石鹸などの日常的な皮膚ケア製品に配合されるものと比較して、はるかに高濃度です。この濃度の差が、その効果に大きな影響を与えます。さらに、サリチル酸の効果は個人差が非常に大きいという点が特筆すべきです。ある人には顕著な効果がある一方で、別の人にはほとんど効果がない場合もあります。このため、日本皮膚科学会が発表している「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023」では、サリチル酸を使用したケミカルピーリングの推奨度はC1(治療の選択肢として考慮されるレベル)とされています。一般に市販されているピーリング石鹸に含まれるサリチル酸の濃度は、医療用のケミカルピーリングに比べて格段に低いです。市場には「スキンピールバー ハイドロキノール(サンソリット)」や「フォトホワイトC ホワイトソープ(ドクターシーラボ)」など、多くのピーリング石鹸が存在しますが、これらの製品もまた、効果を実感する人とそうでない人の間で大きな差があるのが現実です。
日本版プロアクティブの効果
日本市場において販売されている日本版プロアクティブは、その主成分としてサリチル酸を含んでいます。この点において、サリチル酸を主成分とする洗顔料やピーリング系製品は市場に多数存在しており、その作用機序自体は共通しています。そして、使用感や実感できる変化の程度には、製品の配合設計だけでなく、肌質や使用方法、生活習慣などさまざまな要因が影響します。日本版プロアクティブについても、使用によって肌状態の改善を実感する人がいる一方で、期待した変化を感じにくいと感じるケースがあるのは、こうした個人差や背景要因によるものと考えられます。
特に、アメリカ版プロアクティブの大きな成功とその反響を背景に、多くの消費者が日本版に対して高い期待を抱いていました。しかし、肝心の効果に関しては、これらの期待とは異なる結果となることがあります。この違いの根底には、アメリカ版と日本版プロアクティブの成分の相違があります。アメリカ版の主成分である過酸化ベンゾイル(またはアダパレン)と、日本版のサリチル酸では、その作用機序や効果に大きな違いがあるため、同等の結果を期待することは難しいのです。この事実は、消費者にとって大きな落胆の原因となり得ますが、それは製品の成分の違いに基づくものであり、その効果の範囲や限界を理解することが重要です。したがって、日本版プロアクティブを使用する際には、これらの点を踏まえた上で、現実的な期待を持つことが肝要と言えるでしょう。
プロアクティブは悪質?
プロアクティブの価格設定については、使用されている成分構成や販売形態を踏まえ、さまざまな見方が存在します。主要成分の一つであるサリチル酸は、ピーリング作用を目的として多くの洗顔料やスキンケア製品に広く用いられている成分です。
プロアクティブでは、この成分を含む洗顔料・化粧水・クリームといった複数のアイテムを組み合わせ、トータルケアとして提案しています。そのため、それぞれの単一アイテムと比較した場合、価格帯が高く感じられることもあるかもしれません。
一方で、化粧品市場全体を見渡すと、製品価格には成分だけでなく、ブランドの考え方やサポート体制、販売方法など、さまざまな要素が影響することが一般的です。そのため、プロアクティブの価格が高めに設定されているからといって、直ちに製品が悪質であると断じることはできません。
最終的には、それぞれの製品が自分の肌質や目的に合っているか、その効果と価格に納得できるかどうかを基準に、消費者自身が選択することが重要だと考えられます。
ニキビは「アグネス治療」をオススメします
どうして「アグネス」がいい?専門医が丁寧に動画で解説します。
まとめ

この記事を通じて、日本市場におけるプロアクティブの特徴と効果について詳細に解説しました。プロアクティブに含まれるサリチル酸は、一定の効果を持つことは間違いありません。この点を踏まえ、プロアクティブ製品自体を全面的に否定する意図はありません。しかしながら、多くの著名人がメディアやCMを通じてプロアクティブを紹介する中で、その発信内容が、あたかも「プロアクティブの使用だけでニキビが劇的に改善した」と受け取られる可能性がある点については、専門家の立場から見過ごすことはできません。(芸能人を利用した過去のプロアクティブのCMについてはこちらを参照)
プロアクティブが一部の人にとって効果的である可能性はありますが、それが万人に当てはまるわけではありません。この記事を読むことで、プロアクティブに関する正確な情報と、現実的な期待を持つことができたのであれば、これ以上の幸せはありません。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。
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