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偽性女性化乳房の原因とは?肥満のせい?
更新日:2025/11/10
公開日:2025/11/11

胸が女性のように膨らんでしまいお悩みではありませんか?男性なのに乳房がふくらんで見える状態を「女性化乳房」と呼びますが、その中でも脂肪の蓄積によって胸が膨らむタイプを「偽性女性化乳房」と言います。
一方、乳腺そのものが発達してしまうタイプは「真性女性化乳房」と呼ばれます。偽性女性化乳房は見た目こそ女性のような胸ですが、乳腺組織の肥大がない点が真性(本当の)女性化乳房とは異なります。
この記事では、美容外科医である筆者が、偽性女性化乳房の原因について海外の最新の医学研究も参照しながら解説します。特に「肥満のせいなのか?」という疑問に答え、原因と対処法について患者様に寄り添ってお話しします。
偽性女性化乳房とは何か?真性との違い

上記:女性化乳房の治療前(女性の乳腺に見えますが、男性です)

上記:女性化乳房の治療後約6か月
偽性女性化乳房(ぎせいじょせいかにゅうぼう)とは、男性の胸部に脂肪組織が過剰に蓄積し、女性の乳房のように膨らんで見える状態を指します。英語では「pseudogynecomastia( lipomastiaリポマスチアとも呼びます)」と呼ばれ、日本語では「脂肪性女性化乳房」と表現されることもあります。文字通り「偽りの女性化乳房」という意味で、乳腺自体は発達していない点が重要です。
実際、医学的にも乳腺組織が増大する真性女性化乳房と区別されており、診察の際には乳腺のしこりの有無で鑑別します。真性女性化乳房は乳腺そのものが肥大しているため触ると硬いしこり状に感じられることが多いのに対し、偽性女性化乳房は脂肪による柔らかな膨らみである点が特徴です。
女性化乳房は思春期の男子にもよくみられる現象ですが、この多くは一過性で自然に治る「生理的女性化乳房」です。
一方で大人になっても胸の膨らみが気になる場合、乳腺の発達を伴う真性女性化乳房か、脂肪が原因の偽性女性化乳房か、あるいは両方の要素を併せ持つ混合型かを判断する必要があります。偽性女性化乳房は病気ではなく脂肪太りの一種とも言えますが、見た目の問題から本人にとって精神的負担となり得ます。
事実、「男性のおっぱい」は本人の自尊心を低下させたり社会不安を高めたりすることが報告されており、決して侮れない悩みです。
偽性女性化乳房の原因

偽性女性化乳房の直接的な原因は、胸部への脂肪の過剰な蓄積です。では、なぜ男性の胸に脂肪がついてしまうのでしょうか?主な要因を以下にまとめます。
肥満(過体重)
最大の原因は肥満による脂肪蓄積です。体重が増えると体脂肪が全身につきますが、特に胸周りに脂肪がつくと乳房が膨らんだように見えます。
実際、乳腺ではなくその周囲の脂肪が増加する偽性女性化乳房は肥満体型の男性によく見られることが知られています。余分なエネルギー摂取と運動不足による脂肪増加が背景にあり、いわゆるメタボ体型の方は要注意です。
生活習慣(食生活・運動習慣)
上記の肥満とも関連しますが、高カロリーな食生活や運動不足は体脂肪増加の主因です。ジャンクフードや甘い飲み物の過剰摂取、アルコールの飲み過ぎなどは皮下脂肪を蓄積しやすくします。
胸部も例外ではなく、こうした生活習慣の乱れが結果として偽性女性化乳房の発生に関係する可能性があります。運動不足だと胸筋が衰えるため、相対的に脂肪の膨らみが目立ちやすくなる点も一因です。
年齢とホルモン変化
加齢に伴う体質変化も影響します。一般に男性は30代以降になると基礎代謝が低下して脂肪がつきやすくなりますし、男性ホルモン(テストステロン)の分泌も徐々に減少します。
その結果、中年以降は胸部に脂肪がつきやすくなる傾向があります。もともと胸に脂肪がつきやすい体質の人が年齢とともにさらに脂肪量が増えると、より明らかに「おっぱい」のような膨らみになってしまいます。
また肥満自体がホルモンバランスに影響し、脂肪組織でのアロマターゼ活性により男性ホルモンがエストロゲン(女性ホルモン)に変換されてしまいます。その結果、肥満はホルモン環境の面からも女性化乳房を促すことが分かっています。
加齢や肥満によるホルモン変化は真性女性化乳房(乳腺の発達)も引き起こし得ますが、同時に脂肪の付き方にも女性的な偏りをもたらし、偽性女性化乳房の要因となり得ます。
遺伝的要因
脂肪の付き方には個人差や遺伝的傾向があります。家族や血縁者で同じように胸部に脂肪がつきやすい体型の方がいる場合、自分も胸に脂肪がつきやすい可能性があります。
例えば「父親も中年以降胸が出ていた」などの例です。遺伝的要因そのものはコントロールできませんが、太りやすい体質の方は若い頃から体重管理に気を付ける必要があります。
幼少期・思春期の肥満
子供の頃や思春期に肥満傾向だった場合、その時期に胸部に脂肪が付きやすく脂肪細胞も増えているため、成人後に痩せても胸の脂肪が残りやすいと考えられます。
思春期の男性は一時的に女性化乳房(乳腺の腫大)になることが珍しくありませんが、通常は2年以内に自然に治ります。しかし思春期に太っていたり乳房が大きかった人の多くは、その後乳腺の腫大自体は治まっても脂肪だけが残るケースが報告されています。
実際、ドイツの研究では思春期に女性化乳房で来院した男子の65%が数年後には脂肪性の膨らみ(偽性女性化乳房)だけ残ったとされています。逆に言えば、思春期の乳房の腫大が持続するか脂肪だけ残るかは体重の増減に左右され、追跡調査では体重を減らしたことが胸の膨らみ改善に最も有効だったと報告されています。
以上のように、偽性女性化乳房の根本原因は脂肪太り(肥満)ですが、その背景には年齢やホルモン、生活習慣など様々な要因が絡んでいます。特に肥満は真性・偽性両方の女性化乳房に関与しており、肥満男性では乳腺組織の肥大と脂肪蓄積の「混合型」になっているケースも多いです。
そのため専門的には、男性の胸のふくらみを評価するとき真性か偽性かを厳密に分けることも重要ですが、実際は両者が程度の差で混在することもあります。
参照元:pubmed.ncbi.nlm.nih.gov、andrologyacademy.net、pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
偽性女性化乳房への対処法:まずは減量を

偽性女性化乳房は病的な乳腺腫瘤ではなく脂肪太りですので、基本的には生活習慣の改善で十分に対処可能です。まず取り組むべきは減量(ダイエット)です。食生活を見直して摂取カロリーを適正化し、糖質や脂肪分の多い食品を控えましょう。
野菜やたんぱく質中心のバランスの良い食事が望ましいです。また定期的な有酸素運動(ジョギング、サイクリング、水泳など)は全身の脂肪燃焼に効果的で、胸に限らず体脂肪率の減少につながります。筋力トレーニングも有用です。
特に大胸筋を鍛える運動(腕立て伏せ、ベンチプレス等)を行えば、胸部の見た目を引き締める効果が期待できます。筋肉がつけば同じ脂肪量でも外見上のたるみが軽減するからです。
こうしたライフスタイルの改善によって多くの場合、胸の脂肪は徐々に減少し偽性女性化乳房は改善します。実際、前述の思春期男子の研究でも体重を減らすことで胸の直径が縮小したとの結果が示されています。ただし、人によっては胸の脂肪だけがなかなか落ちにくかったり、減量しても皮膚のたるみが残って思うような見た目にならないこともあります。
特に長年かけて蓄積した脂肪は頑固で、食事や運動だけでは完全に平坦な胸板に戻らないケースも少なくありません。
そのような場合、最終的な選択肢として美容外科での治療(脂肪吸引や乳腺・脂肪の切除)があります。偽性女性化乳房で乳腺の発達が脂肪と比較して少ない場合、余分な脂肪と乳腺組織を吸引除去する脂肪・乳腺同時吸引が有効です。脂肪吸引により胸部の余分な脂肪と乳腺組織を取り除けば、膨らみは平らになりスッキリと男性らしい胸板になります。
一方、脂肪でなく乳腺組織の割合が多い場合では、脂肪吸引と同時に乳腺組織の外科的切除を組み合わせて行います。手術法の選択は膨らみの程度や皮膚のたるみ具合によりますので、専門医と相談して決めるとよいでしょう。
まとめ
偽性女性化乳房は肥満が大きく関与する胸の脂肪蓄積であり、「肥満のせい?」という問いに答えるなら「はい、主に肥満のせいです」と言えます。
胸が女性のように膨らむと精神的にも辛いものですが、ご自身でできる対策としては減量と筋トレが有効です。適切な食事管理と運動習慣で体脂肪を減らせば、多くの場合は胸の膨らみも改善していきます。
実際に専門家も、偽性女性化乳房の主因である脂肪はライフスタイルの変更で改善可能だと述べています。
それでも思うように改善しない場合は、無理に悩み続ける必要はありません。美容外科や形成外科の専門医に相談すれば、現在の状態が脂肪によるものか乳腺の発達なのかを的確に診断してもらえます。診断の結果によっては、適切な治療プラン(脂肪吸引や乳腺切除手術など)を提案してくれるでしょう。
「男なのにおっぱいがある…」という悩みは決して珍しいものではなく、ある研究では若い男性の約17%に脂肪性の胸部膨隆(偽性女性化乳房)がみられたとの報告もあります。
一人で抱え込まず専門家を頼ることも大切です。胸の膨らみの原因と対処法を正しく理解し、前向きに改善に取り組みましょう。専門医としても、皆様が自信を持って日常を過ごせるよう親身にサポートいたします。
参照元:nwmedj.org
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。
1999年慶応義塾大学医学部卒。
外科専門医(日本外科学会認定)。
美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。
美容外科医師会理事。
美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療、女性化乳房修正手術を得意としている。
日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。
また、形成外科学会での勉強会においても講演をおこなっている。
ウルセラについても日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。
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