投稿日:2025/03/12
(最終更新日:2025/03/12)

切らない眼瞼下垂の治療法まとめ:保険適用は? 埋没法との違い

切らない眼瞼下垂治療について

近年、メスを使わずに糸のみで眼瞼下垂を改善する「切らない眼瞼下垂治療」が注目を集めています。二重埋没法と同様の手法を用いるこの治療法は、ダウンタイムが短く、傷跡が残らないというメリットがあります。また、まぶたの開きを改善し、目の印象を大きく変えることができるため、美容目的だけでなく、機能的な改善を求める人にも選ばれています。

しかし、この治療法はすべての眼瞼下垂に適応できるのでしょうか? また、保険は適用されるのでしょうか? 本記事では、切らない眼瞼下垂治療の効果や適応条件、埋没法との違い、さらには保険適用の有無について詳しく解説します。治療を検討している方に向けて、分かりやすくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

切らない眼瞼下垂治療とは?

「切らない眼瞼下垂治療」とは、メスを使用せずに医療用の糸のみを用いて眼瞼下垂を改善する治療法です。手術時に皮膚を切開しないため、ダウンタイムが短く、術後の腫れや内出血が少ないのが特徴です。一般的に、二重埋没法と似た技術が用いられるため、「埋没式眼瞼下垂手術」とも呼ばれています。

この治療法は、特に軽度から中等度の眼瞼下垂に適応され、まぶたの開きを改善し、目の印象をはっきりさせる効果が期待できます。また、傷跡が目立たず、施術時間も比較的短いため、忙しい方でも受けやすい点がメリットです。美容目的だけでなく、視界の改善を目的とした機能的な治療としても選ばれるケースがあります。

しかし、この方法がすべての眼瞼下垂に適応できるわけではなく、重度の眼瞼下垂には効果がほとんどありません。さらに、糸が緩んだり取れたりする可能性もあるため、持続性や仕上がりの安定性についても理解しておくことが重要です。

→切らない眼瞼下垂の動画解説はこちら

切らない眼瞼下垂治療のメリット

切らない眼瞼下垂治療には、メスを使用しないことで得られる多くの利点があります。切開手術に比べ、体への負担が少なく、手軽に受けられる点が魅力です。以下に、この治療法の主なメリットを詳しく解説します。

ダウンタイムが短く、日常生活に早く戻れる

切開を伴わないため、術後の腫れや内出血が最小限に抑えられ、通常数日〜1週間程度で回復します。仕事や学校を休みにくい方でも、比較的負担が少なく施術を受けることができます。

皮膚を切らないため、傷跡が残らない

この治療法はメスを使用しないため、皮膚表面に傷がつかず、術後に目立つ傷跡が残る心配がありません。そのため、自然な仕上がりを求める方にも適しています。

可逆性があり、元に戻せる

埋没法と同様に、糸を抜去すれば元の状態に戻せるため、「もし仕上がりが気に入らなかったらどうしよう」と不安な方にも安心です。切開手術のように永久的な変化ではないため、将来的に別の方法を選択することも可能です。

局所麻酔で施術できるため、身体的負担が少ない

この治療は局所麻酔のみで行うことができるため、全身麻酔の必要がなく、手術中のリスクが低いのが特徴です。施術時間も短く、比較的気軽に受けられるため、初めての美容医療としても選ばれやすい方法です。

切らない眼瞼下垂症例写真

↑切らない眼瞼下垂治療の治療前後の症例写真(筆者が術者)

→筆者による切らない眼瞼下垂のご相談はこちら

切らない眼瞼下垂治療と埋没法との違い

「切らない眼瞼下垂治療」と「埋没法」はどちらもメスを使わずに糸のみで施術を行う点で共通しています。しかし、糸を留める組織や施術の目的には少し違いがあります。

切らない眼瞼下垂治療では、眼瞼挙筋(まぶたを持ち上げる筋肉)やミュラー筋(役割は眼瞼挙筋と同じ)を糸で短縮することで、まぶたの開閉をスムーズにし、黒目の露出を増やすことを目的とします。具体的には、瞼板(まぶたの骨格)と挙筋を糸で固定し、引き上げる力を高めることで、視界の改善や目の開きの向上を図ります。同時に二重まぶたも形成されますが、このように切らない眼瞼下垂治療は単なる美容目的にとどまらず、機能的な改善効果も期待できます。

一方、埋没法は、二重を形成することが目的であり、まぶたの皮膚と瞼板、もしくは挙筋腱膜を縫合するのみのシンプルな手技です。埋没法では、二重のラインが作られることで目の印象が変わりますが、まぶたの開き自体を根本的に改善する効果はあまりありません。

切らない眼瞼下垂治療と埋没法の仕上がりの違い

手術後の結果を比較すると、埋没法は単に二重のラインを作るだけですが、切らない眼瞼下垂治療では、二重が形成されるだけでなく、目の開きも改善し、黒目の露出が増えるため、よりぱっちりとした印象になるのが特徴です。特に、「眠たそうな目」や「重たいまぶた」を改善したい人にとっては、切らない眼瞼下垂治療の方が適している場合があります。

また、埋没法は比較的手軽に受けられるものの、眼瞼下垂の改善効果はほぼないため、まぶたの開きが気になる人には不向きです。一方で、切らない眼瞼下垂治療は目の開きをしっかりサポートできるため、視界が広がり、目が大きく見える効果も期待できます。

切らない眼瞼下垂治療の保険適用の有無と費用

切らない眼瞼下垂治療は、健康保険の適用外の自由診療となります。これは、糸を用いた非切開の術式が、保険適用されない手術方法だからです。したがって、保険を利用して治療を受けることはできず、全額自己負担となります。

一方で、切開を伴う眼瞼下垂の標準的な治療法である「挙筋前転術」は、眼瞼下垂が医学的に診断され、視界の確保などの機能的な改善を目的とする場合に限り、健康保険が適用されます。ただし、この場合も、美容目的での手術であると判断された場合は保険適用外となるため、事前に医師と十分に相談することが重要です。

切らない眼瞼下垂治療の費用相場

自由診療であるため、施術を行うクリニックによって費用は異なりますが、一般的な価格帯は20万円~30万円程度です。、医師の技術力、クリニックの立地や設備などによって料金がクリニックにより料金が違うため、事前にカウンセリングを受け、費用や施術内容をしっかり確認することが大切です。

また、切らない眼瞼下垂治療は埋没法と同様、永久的な効果を保証するものではなく、数年後に糸が緩んだり取れたりする可能性があります。そのため、将来的に再手術が必要になる場合の費用についても考慮し、適切なクリニックを選ぶことが重要です。

切らない眼瞼下垂治療の効果の持続期間とリスク

効果の持続期間:医師の技術がカギを握る

切らない眼瞼下垂治療の持続期間は、施術を担当する医師の技術によって大きく異なります。 経験が浅く、技術が未熟な医師が行った場合、糸の固定が不十分で1年以内に効果が消失することもあります。一方、熟練した医師が適切な手技で施術を行えば、5年以上の持続が可能とされています。

しかし、埋没法と同様に「糸のみ」で固定する手法であるため、切開法と比較すると持続力には限界があります。時間が経つにつれて、糸が緩んだり、組織が変化することで効果が薄れる可能性があるため、長期的な視点で治療法を選ぶことが重要です。

切らない眼瞼下垂治療の主なリスク

この治療法はメスを使わず手軽に受けられる一方で、いくつかのリスクや注意点も存在します。

1. 持続力が劣る
切らない眼瞼下垂治療は、糸のみで固定するため、切開法に比べて持続性が低いのがデメリットです。糸が緩んだり、取れたりすることで、数年後に効果が弱まる可能性があります。そのため、将来的に再施術が必要になることを視野に入れておく必要があります。

2. 重度の眼瞼下垂には適さない
この治療法は、軽度から中等度の眼瞼下垂に対しては効果を発揮しますが、重度の眼瞼下垂には十分な改善が見込めません。 眼瞼挙筋の機能が著しく低下している場合、糸での補強だけでは十分な開瞼効果が得られず、根本的な改善には切開手術(挙筋前転術など)が必要となるケースが多いです。

3. 再手術が必要になる可能性がある
糸が緩んだり、左右差が生じたりすることにより、仕上がりに満足できない場合は、再手術を検討する必要があります。 糸の締め直しや追加の処置が必要になることもあり、最初の施術時に適切な固定ができていなければ、短期間で再施術が必要になることもあります。

切らない眼瞼下垂治療はこんな人におすすめ! 適応症例の紹介

✅ 切らない眼瞼下垂治療が向いている人

✔ 軽度~中等度の眼瞼下垂がある方
 眼瞼挙筋の機能がある程度保たれている場合、糸での補強により目の開きがスムーズになり、視界の改善や目元の印象を変える効果が期待できます。

✔ ダウンタイムを最小限に抑えたい方
 手術後の腫れや内出血が少なく、数日〜1週間程度で回復するため、仕事や日常生活に早く復帰したい方に適しています。

✔ 切開手術に抵抗がある方
 メスを使わないため、傷跡が残る心配がなく、切開法に比べて心理的なハードルが低いのが特徴です。美容整形に慣れていない方や、将来的に他の方法を検討する可能性がある方にも向いています。

✔ まずは試験的に治療を試したい方
 「本格的な切開手術をする前に、まずは軽い施術でどれくらい改善されるのか試してみたい」という方にもおすすめです。埋没法と同じく、糸を抜けば元に戻せるため、可逆性のある治療を求める方にも適しています。

✔ 二重埋没法を受ける際に、目の開きも改善したい方
 二重整形(埋没法)と同時に施術することで、二重のラインを整えるだけでなく、まぶたの開きを良くし、より目力のある仕上がりを目指すことが可能です。

 切らない眼瞼下垂治療と切開手術の比較:どちらが最適?

眼瞼下垂の治療法には、大きく分けて「挙筋前転術(切開法)」と「切らない眼瞼下垂治療(埋没式眼瞼下垂手術)」の2種類があります。それぞれの手術方法には特徴があり、患者の症状や希望に応じて適切な選択をすることが重要です。

手術の原理と方法の違い

項目

挙筋前転術(切開法)

切らない眼瞼下垂治療

原理

眼瞼挙筋腱膜を短縮・前転して瞼板に固定し、まぶたの開きを改善

糸で眼瞼挙筋やミュラー筋を補強し、まぶたの開きをサポート

アプローチ

皮膚を切開し、内部の組織を直接調整

皮膚を切らずに、糸のみで固定

手技

挙筋腱膜を剥離し、前転固定する

糸を通して引き上げる

 適応の違い

項目

挙筋前転術(切開法)

切らない眼瞼下垂治療

適応

重度~中等度の眼瞼下垂(挙筋機能が低下している)

軽度~中等度の眼瞼下垂(挙筋機能がある程度保たれている)

皮膚の状態

皮膚が厚い・余剰皮膚が多い場合にも対応可能

皮膚が薄く、たるみが少ない場合に適応しやすい

持続性

半永久的な効果が期待できる

数年程度で糸が緩み、効果が弱まる可能性がある

重度の眼瞼下垂

適応可能

不適

切開眼瞼下垂症例写真

↑切開眼瞼下垂症例写真の治療前後(筆者が術者)

手術の負担とダウンタイムの違い

項目

挙筋前転術(切開法)

切らない眼瞼下垂治療

手術時間

1時間~1.5時間

1530

ダウンタイム

24週間(腫れや内出血が強い)

数日~1週間(比較的軽度な腫れ)

痛み

術後数日間は強い痛みが出る可能性あり

軽度の痛みが数日続く程度

術後の違和感

まぶたの開閉に慣れるまで数週間~数ヶ月

数日~1週間で馴染む

仕上がりの安定性の違い

項目

挙筋前転術(切開法)

切らない眼瞼下垂治療

仕上がりの安定性

長期的に安定(半永久的)

数年で変化する可能性あり(糸が緩むリスク)

二重のデザイン

高い自由度(術中調整可能)

比較的自由度はあるが、制限もある

修正の容易さ

再手術が必要(修正には切開が必要)

糸を抜けば元に戻せる

どちらを選ぶべきか?(適応の目安)

条件

挙筋前転術(切開法)が適している

切らない眼瞼下垂治療が適している

眼瞼下垂の重症度

重度の眼瞼下垂(まぶたが大きく下がっている)

軽度~中等度の眼瞼下垂

まぶたの皮膚の厚さ

厚い・たるみが多い

薄い・たるみが少ない

持続性

半永久的な効果を求める

数年程度の改善でも良い

ダウンタイムの許容度

2週間以上のダウンタイムを取れる

短期間で回復したい

傷跡の有無

多少の傷跡があってもよい

傷跡を残したくない

修正のしやすさ

修正が難しい(再手術が必要)

糸を抜けば元に戻せる

 どちらが最適?

✅ 「挙筋前転術(切開法)」は、重度の眼瞼下垂の根本治療に適しており、半永久的な効果を求める人向け。ただし、ダウンタイムが長く、修正が難しいというデメリットがあります。

✅ 「切らない眼瞼下垂治療(埋没法)」は、軽度~中等度の眼瞼下垂に適しており、ダウンタイムが短く、傷跡が残らないのがメリット。ただし、持続性が低く、糸が緩むリスクがあるため、長期的な解決には向かない。

自分の症状やライフスタイル、求める仕上がりに応じて最適な方法を選び、医師と相談しながら決定することが重要です。

切らない眼瞼下垂症例写真

↑切らない眼瞼下垂治療の治療前後の症例写真(筆者が術者)

まとめ

切らない眼瞼下垂治療は、メスを使わずに糸のみでまぶたの開きを改善できる画期的な方法です。ダウンタイムが短く、傷跡が残らないというメリットがあり、特に軽度~中等度の眼瞼下垂の方や、手軽に施術を受けたい方に適しています。一方で、効果の持続性には限界があり、糸が緩むことで数年後に再施術が必要になる可能性があるため、長期的な解決を求める場合は注意が必要です。

また、重度の眼瞼下垂や皮膚のたるみが強い場合には、根本的な治療が可能な「挙筋前転術(切開法)」の方が適しているケースもあります。切開手術はダウンタイムが長いものの、半永久的な効果が期待でき、安定した仕上がりが得られる点が魅力です。そのため、どの治療法が最適かは、眼瞼下垂の程度やライフスタイル、希望する仕上がりによって異なります。

治療を検討する際は、信頼できる医師としっかり相談し、自分の症状や目的に合った方法を選ぶことが重要です。特に、施術を行う医師の技術によっても結果が大きく変わるため、実績や経験を確認し、納得のいく治療を受けることをおすすめします。

 

【関連項目】

切らない眼瞼下垂のご相談はこちら

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