元神院長執筆 専門医と学ぶ美容医療ブログ

アリシアクリニック倒産!行ってはいけない美容外科とは

更新日:2026/01/25

公開日:2024/12/10

アリシアクリニック倒産

20241210日、医療レーザー脱毛専門の大手美容外科「アリシアクリニック」がついに倒産しました。このニュースに接し、筆者としては「またか」と思わざるを得ません。というのも、アリシアクリニックのような脱毛専門クリニックは、これまでもしばしば倒産や事業譲渡の対象となってきたからです。2023年には男性脱毛専門クリニックの「ウルフクリニック」が倒産したばかりであり、さらに「リゼクリニック」や「ゴリラクリニック」が湘南美容クリニックに買収されたという話も記憶に新しいでしょう。本記事では、美容外科クリニックを20年以上にわたって運営している筆者が、こうした美容外科の倒産や経営破綻の背後にある理由を深掘りし、さらに倒産するような美容外科と契約してトラブルに巻き込まれないための具体的な6つのチェックポイントをお伝えします。美容医療を受ける前にぜひお読みいただき、賢い選択をする一助となれば幸いです。

参照元:債権者数は9万1800名で過去最大規模の消費者被害 医療脱毛サロン「アリシアクリニック」展開の美実会が破産

アリシアクリニックとは

「アリシアクリニック」は、医療法人社団美実会と一般社団法人八桜会が運営していた医療脱毛専門クリニックです。その最盛期には、芸能人(神田沙也加さんや見上愛さん等)を起用した派手なテレビCMを展開し、広く知名度を獲得。20214月期には、年間収益約1631500万円を記録するなど、業界を代表する存在として一時は大きな成功を収めていました。しかし、実際には美容脱毛サロン「銀座カラー」を運営していた(株)エム・シー・ネットワークスジャパンのグループ法人として事業を展開していました。

「銀座カラー」は、202312月に破産したことで大きな話題となりましたが、医療法人社団美実会と一般社団法人八桜会は、その直前である202311月に銀座カラーグループを離脱しており、一時的に破産を免れた形です。しかし、その時点で資金繰りが著しく悪化していたことは容易に推測できます。また、アリシアクリニックはテレビCMだけでなく、SNS広告やアフィリエイトを活用した集客にも注力していました。しかし、これらの広告費が急増し、結果的に財務状況をさらに圧迫したことが、経営の行き詰まりを招いた一因とされています。多額の広告費用やグループ経営の負担が、アリシアクリニックの破綻を加速させたと考えられます。

銀座カラー破綻のブログ記事はこちら

参照元:医療脱毛専門のアリシアクリニック 初のイメージキャラクターに神田沙也加さんを起用!

見上愛アリシアクリニックCM

↑見上愛さんのインスタより

破綻への道筋は見えていた

アリシアクリニックの経営破綻は、ある意味では避けられない結果だったと言えるでしょう。同クリニックの親会社である銀座カラーが2023年に倒産し、その親会社自体もすでに破綻している状況では、子会社であるアリシアクリニックの資金繰りが悪化していたことは明白でした。銀座カラーグループからの離脱によって一時的には倒産を回避していたものの、その影響は経営全体に深刻な影を落としていたと考えられます。

筆者自身、2023年に男性専門の脱毛クリニック「ウルフクリニック」が破綻した事例を見て、アリシアクリニックの破綻も時間の問題だと予測していました。今回の結果は、そうした業界全体の動向と一貫しており、特に高額な広告費用や薄利多売のビジネスモデルを抱えた多店舗展開のクリニックが抱えるリスクを改めて浮き彫りにしたと言えるでしょう。

ウルフクリニック破綻

倒産したクリニック、未消化分の施術代は?

契約していた美容クリニックが破綻した場合、未施術のコース料金が返金されることを期待するのは残念ながら現実的ではありません。答えは厳然たる「NO」。契約時に前払いしていた施術代の未消化分は、破産手続きの中で「破産債権」として扱われます。

破産債権とは、破産法の定めに基づき、破産者の財産を配当手続きによって分配される権利のことです。しかし、破産した企業のケースでは、財産がほとんど残っていないことが多く、実際に配当が行われる見込みは皆無です。そのため、未施術分の返金が行われる可能性は全くないと言わざるを得ません。

このようなリスクを避けるためにも、契約時にはクリニックの経営状況や信頼性を慎重に調査し、リスクを最小限に抑える方法を検討することが重要です。破綻リスクを知ることで、安心して施術を受けられるクリニック選びに繋がります。

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クリニック選びのポイント①:一般社団法人に注意!

現在の美容外科業界では、「一般社団法人」という法人形態で運営されるクリニックが増加しています。日本では、医療機関は本来「利益」を追求してはならないという法的な原則があります。そのため、医療機関の開設が許されるのは、医師個人または医療法人に限られてきました。株式会社が医療機関を運営できないのも、利益追求を目的とする法人形態が医療の理念と相容れないからです。

ところが、法律の盲点を突く形で、利益を追求しないとされる「一般社団法人」が医療機関の運営に参入する道が開かれました。この「一般社団法人」形式の医療機関は、2000年代以降、美容外科分野で急速に増加しています。しかし問題なのは、これらの法人の経営者の多くが医師ではないという点です。医療の本質である「患者の苦痛の除去」や「患者の幸福を最優先とする理念」ではなく、純粋に利益を追求する商業的な目的で運営されているのが実情です。

「一般社団法人」の形態を持つ美容外科では、患者の利益よりも法人の利益が最優先されている実情を知っておくべきです。経営者が医療の専門家でない場合、施術やサービスの質が低下するリスクも否定できません。クリニック選びの際は、運営法人の形態や理念についても確認し、安心して任せられる医療機関を選ぶよう心がけましょう。

クリニック選びのポイント②:脱毛専門クリニックに注意!

医療脱毛を専門とするクリニックは、2010年代以降急速に増加しました。今回経営破綻したアリシアクリニックもその波に乗り、同時期に設立されたクリニックのひとつです。当時は、医療脱毛が現在の相場よりもはるかに高額だったため、脱毛を専門にすることで初期投資を抑え、莫大な利益を得ることが可能でした。このビジネスモデルが成功を収めたことで、同様の脱毛専門クリニックが次々と市場に参入し、競争が激化しました。

しかし現在では、競争の結果、医療脱毛の価格が大幅に低下し、脱毛は非常に利益率の低い分野となっています。このため、多くの脱毛専門クリニックが薄利多売の運営を余儀なくされ、経営の安定性が失われつつあります。さらに、脱毛専門クリニックは多店舗展開をしているケースが多く、運転資金が逼迫すると、一気に経営が行き詰まるリスクが高まります。実際、今回のアリシアクリニックの経営破綻も、このような背景が影響していると考えられます。

現在脱毛専門クリニックとして展開しているクリニックにはリゼクリニック、ゴリラクリニック、レジーナクリニック、フレイアクリニック、エミナルクリニック、ルシアクリニック、ブランクリニックなどがあります。

クリニック選びの際には、「脱毛専門」という言葉に惑わされず、その経営形態や財務的安定性についてもしっかりと確認することが重要です。

クリニック選びのポイント:安すぎる価格には裏がある!

医療レーザー脱毛の施術には、高額な設備投資とランニングコストがかかります。医療用レーザー機器は1台あたり1000万円以上することが一般的で、さらに消耗品の費用も発生します。そのため、医療レーザー脱毛を提供するクリニックは、これらのコストをカバーできる価格設定を行わなければ、持続的な経営が難しいのです。

その一方で、市場には他のクリニックより極端に安い料金を掲げるクリニックが存在します。しかし、こうしたクリニックでは、無理な価格競争により経営が圧迫されている可能性が高いと言えます。例えば、表向きの施術料金を低く抑える一方で、以下のような問題が発生することが少なくありません。

追加料金の強要

 表示価格だけで施術が完了することは稀で、複数の施術やオプションを強引に勧められることがあります。

予約の取りづらさ

極端に安い料金で顧客を集めるため、予約が集中して取りづらくなり、早く施術を受けたい場合には追加料金を求められるケースもあります。

施術の質の低下

コスト削減のために、スタッフの経験不足や設備の老朽化など、施術の質が低下するリスクも否定できません。

安すぎる価格設定は、クリニックの経営方針や顧客対応に問題があることを示唆している場合があります。美容医療は価格だけで判断するのではなく、適正価格と施術内容、クリニックの評判や運営状況を総合的に見極めることが重要です。信頼性の低い安価なクリニックを選ぶことで、結果的に追加料金や低品質の施術で損をするリスクを避けましょう。

クリニック選びのポイント:院長の経歴をしっかり確認!

クリニック選びで失敗しないためには、院長の経歴やクリニックの運営形態を確認することが重要です。特に、医師自身が経営しているクリニックは、一般社団法人などの外部経営者による運営に比べて信頼性が高いと言えます。医師が経営に携わっている場合、利益だけを追求する無理な経営や多額の借り入れによるリスクを避け、患者第一の運営方針が取られていることが多いからです。

では、医師が実際にそのクリニックを経営しているかどうかは、どのように判断できるのでしょうか?外見や広告からは分かりづらい場合があるため、以下のポイントを確認することをお勧めします。

ホームページやSNSの情報をチェック

クリニックの公式サイトや院長のSNSを確認することで、院長の経歴や運営方針についての手がかりを得ることができます。医師の専門分野やキャリアが明確に記載されているクリニックは、信頼度が高い傾向があります。

診察時に直接質問する

診察時に院長に会う機会があれば、「雇われ院長」なのか、それともクリニックの実質的な経営者なのかを確認してみましょう。質問を通じて、院長がクリニック全体の運営にどれだけ関与しているかを判断することができます。

口コミや評判を調べる

インターネットの口コミや評判サイトを参考にするのも一つの方法です。特に「対応が親切」「院長が直接診察に携わる」といったコメントが多いクリニックは、患者第一の姿勢が期待できます。

院長の経歴や経営方針を確認することで、信頼できるクリニックを見極める助けになります。安さや広告の派手さに惑わされることなく、医師の専門性と経営の健全性に注目して選ぶことが、満足のいく医療を受けるための第一歩です。

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クリニック選びのポイント:設立間もないクリニックには注意!

美容外科業界では、ここ数年で新規開業するクリニックが急増しています。その一方で、経営が軌道に乗らないまま23年程度で閉院や倒産に追い込まれるケースも少なくありません。こうした短命のクリニックに契約してしまうと、途中で施術を受けられなくなり、未施術分の料金が返金されないなど、患者側が被害を受けるリスクが高まります。

クリニック選びにおいて、「設立からの年数」は重要な判断基準の一つです。設立から長く運営されているクリニックは、それだけで一定の実績や信頼を築いてきた証と言えます。特に、美容外科のような高度な技術や細やかな対応が求められる分野では、長期にわたる運営実績が施術の安全性やサービスの質を裏付ける重要な指標となります。

設立間もないクリニックが抱えるリスクとしては、以下の点が挙げられます:

1.経営基盤の脆弱性
開業直後のクリニックは、顧客の確保や資金繰りの安定化に苦労する場合が多く、経営が不安定になりがちです。特に、多額の広告費用を投じている場合は、収益が伸びないとすぐに経営危機に陥るリスクがあります。

2.スタッフや設備の未熟さ
設立間もないクリニックでは、スタッフの技術やサービスの質がまだ成熟していない場合があります。また、必要な医療機器や設備が十分に揃っていないケースも考えられます。

3.施術後のアフターフォローが不十分になる可能性
美容外科の施術には、術後のフォローが非常に重要です。短期間で閉院した場合、術後のケアが受けられなくなる可能性があります。

そのため、クリニックを選ぶ際には、設立からの年数を必ず確認するようにしましょう。また、設立年が浅い場合は、医師の経歴や運営母体の信頼性についても慎重に調査することが重要です。設立間もないクリニックがすべて悪いわけではありませんが、より慎重な選択がリスク回避につながります。信頼できるクリニックを見つけるためには、実績と経営の安定性をしっかりと見極めましょう。

クリニック選びのポイント:求人サイトの口コミで実情をチェック!

美容クリニックを選ぶ際、求人サイトに掲載されているスタッフの口コミを活用するのは、意外にも重要なポイントです。今回経営破綻したアリシアクリニックを運営していた一般社団法人八桜会の口コミを見てみると、内部の実態が浮き彫りになっています。求人サイトでは実際に勤務していた社員がリアルな経験を投稿しており、そこからクリニックの運営方針や内部環境を推測することができます。

例えば、ある求人サイトには以下のような口コミが寄せられていました:

「閑散期はカウンセリング自体少ない為楽ですが、繁忙期になると契約率が悪いと上司から問い詰められ、勉強会をさせられます。 また、延長や美容治療も契約を取らなければならないのでよく分からないものもお客様に勧めていました。 責任者が急に退職したり体調不良で暫く休暇を取る人も結構居ました。なので、急に他の院に出勤させられることもザラにあります。 医師も皮膚科専門の人はとても少ないです。なので服用中の薬について伺っても曖昧で不安になります。 本部はとにかく契約率や売り上げの事しか考えてないので無茶を言ってきます。」

求人サイトの口コミ

↑求人サイトの実際の口コミ

 

この口コミからは、以下のような問題点が浮かび上がります:

1.利益最優先の経営姿勢
売り上げや契約率を重視しすぎるあまり、患者の信頼を損なう運営が行われていたことが分かります。

2.医師やスタッフの不安定な環境
医師や責任者が頻繁に退職・休職し、現場が混乱している状況は、安定した医療提供が難しいことを示唆しています。

3.専門性の欠如
医師の専門性が十分でないため、患者にとって不安を感じる場面が多かったと考えられます。

求人サイトの口コミは、内部スタッフが経験した現場の実情を知る貴重な情報源です。広告や公式サイトでは分からない内部事情を垣間見ることができ、クリニック選びの際の大きなヒントになります。実際に働いた人の声から、表面的な華やかさに惑わされず、信頼性の高いクリニックを見極めることが大切です。信頼できるクリニックを選ぶための一歩として、求人サイトの情報を賢く活用しましょう。

名医:元神賢太

まとめ

 アリシアクリニックの倒産は、美容外科業界の抱える課題とリスクを浮き彫りにしました。利益追求型の運営や広告競争の過熱、多店舗展開による経営の脆弱性など、同業他社にも共通する問題が顕在化しています。このような状況の中で患者が安心して医療を受けるためには、クリニック選びの基準をしっかりと持つことが不可欠です。

信頼できるクリニックを選ぶためには、以下のポイントを押さえましょう。まず、法人形態や経営者の実態を調べ、一般社団法人経営のクリニックには特に注意が必要です。また、設立年数や運営実績がある程度長いクリニックは、経営の安定性が高い傾向があります。さらに、院長の経歴を確認し、医師自身が経営に携わっているかを判断することも重要です。加えて、求人サイトの口コミや価格設定の適正さなど、内部情報や運営方針を知るための情報収集も欠かせません。

美容外科は患者にとって一生に関わる大切な選択です。広告の華やかさや料金の安さに惑わされることなく、慎重に調査を行い、信頼性の高い医療機関を見極めましょう。このブログで紹介したポイントを参考に、後悔しない選択をしてください。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。また、形成外科学会での勉強会においても講演をおこなっているウルセラについても日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

 

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