投稿日:2024/09/11
(最終更新日:2024/09/10)

光老化対策とシミ・肝斑の早期予防の方法

日傘で紫外線対策

老化と聞くと、誰もが加齢が原因だと考えがちです。しかし、肌に現れる老化現象例えばシミ、シワ、たるみなどの約80%は、紫外線による「光老化」によるものだとされています。紫外線が肌に与える影響は想像以上に深刻で、知らず知らずのうちに肌を傷つけています。本記事では、光老化がどのようにしてシミや肝斑を引き起こすのか、そのメカニズムをわかりやすく解説します。また、シミや肝斑を防ぐために日常的に取り入れられる具体的で効果的な予防方法についても詳しくご紹介します。

光老化とは

光老化は「フォトエイジング」とも呼ばれ、紫外線(UV)に長期間さらされることによって引き起こされる皮膚の老化現象を指します。肌に現れるシミは、この光老化の代表的な症状の一つです。光老化によってシミが形成されるメカニズムについて、以下に詳しく説明します。

1.紫外線の影響
紫外線にはUVAUVB2種類があり、それぞれ肌に異なる影響を与えます。

UVA(紫外線の約95%)は、皮膚の深部である真皮層にまで到達し、コラーゲンやエラスチンを破壊します。この破壊によって、肌の弾力が失われ、長期的にはくすみやしわが現れやすくなります。

UVB(紫外線の約5%)は表皮層に強く作用し、メラニン色素を生成するメラノサイトという細胞に働きかけます。これは、紫外線から肌を守るための自然な防御反応ですが、過剰なメラニン生成がシミやそばかすの原因になります。

2.メラニンの過剰生成
紫外線を浴びると、肌は自らを守るためにメラニンを生成します。本来、メラニンは紫外線を吸収して肌を保護する役割を果たしますが、過剰に生成されるとメラニンが蓄積し、シミとして肌に現れます。特に、紫外線に頻繁にさらされる顔や手の甲などは、シミができやすい部位です。

3.活性酸素の影響
紫外線を浴びると体内で活性酸素が発生し、これが肌の細胞にダメージを与えます。活性酸素は細胞の再生能力を低下させ、肌のターンオーバーを遅らせることで、メラニンが排出されにくくなり、結果的にシミやくすみの原因となります。

出典元:Sunscreens and Photoaging: A Review of Current Literature

光老化によるシミの特徴

紫外線による光老化は、さまざまなタイプのシミを引き起こすだけでなく、既存のシミを悪化させる主な原因の一つです。特に、顔に現れるシミは、紫外線ダメージが長年にわたって蓄積されることで目立ちやすくなります。ここでは、光老化によって引き起こされる代表的なシミの特徴を解説します。

■老人性色素斑
老人性色素斑は、光老化による典型的なシミで、長期間にわたる紫外線の影響で生じる茶色い斑点です。特に40代以降にその発生率が高まりますが、紫外線にさらされる頻度が多い人では、若い年齢でも現れることがあります。顔だけでなく、手の甲やデコルテなど、日光にさらされやすい部位にも多く見られる特徴があります。

■肝斑
肝斑は、遺伝的な要因やホルモンバランスの乱れに加え、紫外線が主な誘因となるシミの一つです。肝斑は特に30代から40代の女性に多く見られ、紫外線を浴びることでさらに濃くなり、広がることが知られています。

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どの年代でも紫外線ケアは不可欠

「子どもや若者はシミとは無縁で、紫外線対策を気にする必要はない」「いくら日焼けしても問題ない」というのは大きな誤解です。確かに若い頃は新陳代謝が活発で、日焼けしてもすぐに肌が元の状態に戻り、シミやダメージが目に見える形で残ることは少ないかもしれません。しかし、実際には若い時期に浴びた紫外線の蓄積が、年齢を重ねた後にシミやシワ、その他の肌トラブルとして現れることがよくあります。

紫外線によるダメージは目に見えなくても確実に蓄積され、時間が経過してからその影響が表面化します。したがって、どの年代でも紫外線ケアは必要不可欠です。若いうちからの対策が、将来の肌の健康と美しさを守る鍵となります。

日頃から行うべき紫外線対策

紫外線対策は、シミや光老化を防ぐために欠かせません。日常生活の中で簡単に取り入れられる効果的な紫外線対策を、以下にご紹介します。

1.日焼け止めの使用
日焼け止めは、最も基本的かつ効果的な紫外線対策です。以下のポイントを押さえて、毎日の習慣に取り入れましょう。

SPFとPAの確認:SPFUVB(肌の表面にダメージを与える短波長紫外線)を防ぎ、PAUVA(肌の奥深くに影響を与える長波長紫外線)を防ぐ指標です。日常生活ではSPF30PA++以上のものが目安です。屋外活動が多い場合や、特に紫外線が強い季節には、より高い数値のものを選びましょう。

毎日使用する:晴れた日だけでなく、曇りの日や冬場でも紫外線は肌にダメージを与えます。室内でもUVAは窓ガラスを通過して肌に影響を与えるため、外出しない日も日焼け止めを使用することが推奨されます。

こまめに塗り直す:汗や皮脂、摩擦で日焼け止めは落ちやすいため、理想は23時間おきに塗り直すことです。メイクをしている場合、ファンデーションの上からも使えるスプレータイプの日焼け止めを活用するのも一つの手です。

顔以外の部位も忘れずに:首、手、腕など、日常的に露出する部位にも日焼け止めをしっかりと塗ることで、全身の紫外線対策が可能です。

2.UVカットアイテムの活用
外出時には、物理的に紫外線を遮断できるアイテムを活用すると、さらなる対策になります。

帽子:つばの広い帽子を選ぶと、顔や首を効果的に紫外線から守れます。特に、紫外線カット加工が施された帽子はおすすめです。

サングラス:目からも紫外線は吸収されるため、UVカット機能がついたサングラスを着用しましょう。これにより、目元のシワやシミの予防にも役立ちます。

日傘:遮光率が高い日傘は、全身の紫外線を大幅にカットしてくれます。特に、遮光率100%の日傘を選ぶと効果的です。

UVカット衣類:UVカット加工された衣服やアームカバーを使うことで、さらに対策が強化されます。長袖やロングパンツも有効です。

3.外出時間の調整
紫外線の強さは時間帯によって変わるため、外出時間を調整することも重要です。

紫外線が強い時間帯:特に10時~14時の間は紫外線が最も強くなるため、この時間帯の外出を控えるか、しっかり対策を講じましょう。

屋内にいる際も油断しない:紫外線は窓ガラスを通過して室内にも入り込むため、窓際で過ごす際はカーテンを閉めたり、日焼け止めを塗っておくことが大切です。

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肝斑の予防とケア

肝斑を予防し、悪化を防ぐためには、紫外線対策だけでなく、日常のスキンケアにおけるちょっとした工夫が重要です。以下のポイントを参考に、肝斑への影響を最小限に抑えるケアを心がけましょう。

強い力でのゴシゴシ洗顔を避ける
洗顔時に肌をこすりすぎることは、肝斑を悪化させる原因となります。左右の手を入れ替えるなどして、摩擦を最小限に抑え、優しく洗うよう工夫しましょう。

フェイスローラーの使用は控えめに
フェイスローラーは便利ですが、肝斑のある肌には過度な使用は禁物です。短時間の使用を心がけ、肌に余分な負担をかけないようにしましょう。

シャワーの水圧に注意する
洗顔時にシャワーを直接顔に当てるのは避けましょう。シャワーの水圧は想像以上に肌への刺激が強く、肝斑の悪化につながる可能性があります。手やタオルを使って優しくすすぐのがおすすめです。

刺激の少ない洗顔料を使用する
肝斑が気になる場合は、低刺激の洗顔料を選びましょう。スクラブ入りの洗顔料を使う場合も、極力優しいタッチで洗うことが大切です。肌に余計な刺激を与えないよう、成分や使用感に注意を払いましょう。

重ね塗りや強いふき取りに注意する
スキンケアやメイクアップの際、肌に触れる回数をできるだけ減らし、シンプルに済ませることが肝斑の悪化を防ぐ鍵です。美白効果や化粧下地の役割を兼ね備えた多機能製品を選ぶことで、スキンケアの手順を省略し、肌への負担を軽減することができます。

その他にできる光老化と肝斑の予防方法

光老化や肝斑を効果的に予防するには、外部からの紫外線対策だけでなく、スキンケアや食生活を通じた内側からのアプローチも非常に重要です。以下の方法を日常生活に取り入れることで、より効果的な予防が期待できます。

■スキンケアの見直し
紫外線の影響を最小限に抑えるためには、適切なスキンケアが不可欠です。

ビタミンC配合のスキンケア:ビタミンCはメラニンの生成を抑え、シミを防ぐ効果が期待できます。特にビタミンC誘導体を含む美容液やクリームは、毎日のスキンケアに手軽に取り入れられ、予防効果を強化します。

保湿の徹底:乾燥した肌は、紫外線ダメージを受けやすくなります。日中は軽めの保湿ジェルを使い、夜はリッチなクリームで肌をしっかり保湿しましょう。潤いを保つことで、バリア機能が強化され、紫外線ダメージから肌を守ります。

夜のアフターケア:日中に受けた紫外線ダメージを修復するため、夜のスキンケアでは抗酸化成分を積極的に取り入れましょう。ビタミンEやビタミンC配合の製品は、肌の回復をサポートし、ダメージを軽減します。

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■健康的な食生活
紫外線対策は、外部からだけでなく、体の内側からもサポートすることが大切です。

抗酸化作用のある食品を積極的に摂る:ビタミンC、ビタミンEβカロテンを豊富に含む食材は、紫外線による活性酸素のダメージを軽減します。柑橘類、トマト、ニンジン、ナッツ類などは、特におすすめです。

十分な水分補給:肌の乾燥は紫外線ダメージを加速させます。日々の水分補給を心がけ、肌が健やかで潤いを保てるようにしましょう。

ビタミンCイオン導入で叶える効果的なシミ予防

ビタミンイオン導入

ビタミンCイオン導入は、シミの予防に効果的な美容治療の一つです。ビタミンCには、メラニンの生成を抑制し、肌を明るく整える作用があり、スキンケアにおいて欠かせない成分とされています。この治療法では、イオン導入の技術を使用してビタミンCを肌の深層まで効果的に届けることで、通常の外用製品よりも高いシミ予防・改善効果が期待できます。

イオン導入を活用することで、ビタミンCの浸透力が飛躍的に向上し、メラニンの生成を根本から抑えながら、肌の透明感と美白効果を高めることが可能です。シミの予防だけでなく、肌全体のトーンアップを目指す方にもおすすめの施術です。

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まとめ

このブログでは、シミや肝斑の予防方法について詳しく解説してきました。紫外線対策がシミの基本的な予防策である一方で、特に肝斑の予防には、肌に余分な刺激や摩擦を与えない優しいスキンケアが非常に重要です。紫外線ケアに加えて、日常の洗顔やスキンケアの際にも、できるだけ肌への負担を減らす工夫が求められます。さらに、クリニックで提供されているビタミンCイオン導入は、シミや肝斑の予防や改善に効果的な治療法としておすすめです。

美しい肌を保つためには、紫外線対策だけでなく、内外からのアプローチが大切です。このブログ記事が、皆様のシミや肝斑の予防に役立ち、健やかな肌を長く保つための一助となることを願っています。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医として20年以上の経験がある。美容外科医でありながら、肌治療にも精通している。万能のニキビ治療機器アグネスを日本にいち早く導入し、これまでアグネスの治療は延べ1万人を超える。シミ治療、にきび、ニキビ跡治療に定評がある。

【関連項目】

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肝斑治療にはビタミンCのイオン導入併用が最適な理由

肝斑にレーザートーニングが効く理由:最も効果的な肝斑治療

肝斑の原因とリスク要因:知られざる様々な原因について

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