投稿日:2024/07/04
(最終更新日:2024/12/17)
【アートメイクの除去方法とリスク】アートメイクで失敗しないために
眉や唇のアートメイクが大変人気を集めています。しかし、アートメイクは医療用の塗料を使用し、皮膚の深層にまで塗料を注入するため、タトゥーや刺青と同様に簡単には除去することができません。このブログ記事では、アートメイクの除去方法とリスクについて詳しく解説します。また、記事の文末ではアートメイクで失敗しないための方法についてアドバイスをいたします。
アートメイクを除去したい理由
アートメイクを除去したい理由は人それぞれ異なりますが、一般的には以下のような理由が挙げられます。
■デザインの変化
最初に選んだデザインが後になって気に入らなくなったり、ファッションのトレンドが変わることがあります。アートメイクは一度施術すると長期間残るため、その時の自分の好みや流行に合わなくなることがあります。
■色あせや変色
時間が経つにつれて、アートメイクの色が褪せたり、変色することがあります。また、色が左右で不均一に退色することもあり、見た目に不満を感じることがあります。このため、最初の美しい仕上がりが長続きしない場合があります。
■技術の進化
美容業界は日々進化しており、新しい技術や手法が次々と登場します。現在のアートメイクが古く感じられるようになり、新しい技術を取り入れたいと感じることがあります。例えば、より自然な仕上がりを実現する最新の技術に興味を持つことがあります。
■就職や社会的理由
特定の職業や社会的な環境では、アートメイクが適さない場合があります。職場の規定や社会的な期待により、ナチュラルな見た目を求められることがあります。そのため、アートメイクを除去することで、よりプロフェッショナルな外見を維持したいと考える人もいます。
■健康上の理由
アートメイクに使用される色素や針に対してアレルギー反応が出る場合や、施術後に皮膚トラブルが発生することがあります。健康上のリスクを回避するために、アートメイクの除去を考えることがあります。また、皮膚の状態が変わることで、アートメイクが不自然に見えることもあります。
■ライフスタイルの変化
ライフスタイルや個人の価値観が変わることで、ナチュラルな見た目を求めるようになることがあります。例えば、スポーツやアウトドア活動が増えた場合、自然な見た目を維持したいと感じることがあります。
■失敗や不満
アートメイクの仕上がりが思い通りにならなかった場合や、技術者のスキル不足により満足できない結果となった場合には、除去を検討することがあります。特に、施術後に後悔することなく自分の外見を楽しむためには、再度の施術や他の美容方法を選ぶことが求められます。
アートメイクの除去方法
アートメイクを除去するためには、いくつかの方法があります。以下に、代表的な方法を詳しくご紹介します。
■レーザー治療
レーザー治療は最も一般的なアートメイクの除去方法です。特殊なレーザーを使用して、皮膚の中にある色素を破壊し、体内に吸収させることで色素を薄くします。この方法は通常、数回の施術が必要で、完全に除去するまでには時間がかかることがあります。レーザーの種類や強度、個々の皮膚の状態に応じて異なる反応が見られるため、専門医による適切なカウンセリングが重要です。
■リムーバー(色素溶解剤)
色素溶解剤を使用する方法も一般的です。特別なリムーバーを使用して、皮膚に注入された色素を分解し、自然に皮膚から排出させる方法です。この方法も数回の施術が必要で、施術間隔や回数は個々の状態によります。レーザー治療に比べて皮膚への負担が少ないとされていますが、効果の現れ方には個人差があります。
■外科的切除
小さな部位のアートメイクを除去する場合、外科的切除が選択されることがあります。皮膚を切除してアートメイクを物理的に取り除く方法ですが、傷跡が残るリスクがあるため、主に他の方法が効果的でない場合に限られます。この方法は特に眉毛や小さなタトゥーの除去に用いられることが多いです。
■化学ピーリング
化学ピーリングは、強い酸を使用して皮膚の上層を剥離し、色素を除去する方法です。この方法は皮膚に対する負担が大きいため、慎重に行う必要があります。施術後のケアも重要で、皮膚の回復を促進するための特別な処置が必要です。肌の状態によっては、この方法が最も適している場合もありますが、医師との相談が欠かせません。
出典元:
Cleveland Clinic – Micropigmentation
アートメイクのレーザー除去の詳細
アートメイクの除去には、現在レーザー治療が一般的に使用されています。他の方法と比べて確実に色素を薄くすることができるため、多くの方がこの方法を選んでいます。ここでは、レーザー除去の詳細なプロセスについて解説します。
■数回の施術が必要
アートメイクの除去には、ピコレーザーやヤグレーザーといったレーザーが用いられます。しかし、一回の施術で完全に除去できるわけではありません。アートメイクの色や濃さに依存しますが、一般的には色を薄くするために2~3回、完全に除去するためには3~5回の施術が必要です。このため、複数回の通院が求められることになります。
■施術間隔と時間
レーザー照射後、次の施術までには最低でも2か月間の間隔を空ける必要があります。これは、皮膚が十分に回復し、副作用のリスクを減少させるためです。間隔を十分に取らずに次の照射を行うと、赤みが長引いたり、照射部が肥厚性瘢痕(皮膚が盛り上がる状態)を形成したりすることがあります。そのため、治療には時間がかかることを理解し、計画的に進めることが重要です。
■除去の限界
レーザー治療は非常に効果的な方法ですが、すべてのアートメイクに対して万能ではありません。特定の色、例えば水色や薄い色は、レーザーでの除去が難しい場合があります。また、白色のアートメイクはレーザーではほとんど効果がありません。このような場合には、他の除去方法を検討する必要があるかもしれません。
■施術後のケア
レーザー除去後は、施術部位のケアが非常に重要です。照射後の皮膚は敏感であり、感染症のリスクが高まるため、清潔を保ち、医師の指示に従って適切なアフターケアを行うことが必要です。適切なケアを怠ると、色素沈着や瘢痕のリスクが高まる可能性があります。
アートメイク除去のリスク
アートメイクの除去には、いくつかのリスクが伴います。以下に、その詳細を説明します。
■色素の不均一な除去
アートメイクの色素が不均一に除去されることがあります。その結果、肌に斑点やまだら模様が残ることがあり、見た目に影響を及ぼす可能性があります。このような場合、さらに追加の治療が必要となることもあります。
■脱毛のリスク
特に眉のアートメイク除去では、一時的に脱毛が生じることが一般的です。通常、約1~2か月で毛は再生しますが、レーザーによる影響で眉毛が永久に生えなくなるリスクもあります。毛根に存在するメラニン色素がレーザーの影響を受けることが原因です。レーザー照射の時間は短いため通常は脱毛効果は限定的ですが、最悪の場合を考慮しておく必要があります。
■皮膚の損傷
レーザーやその他の除去方法によって皮膚が損傷することがあります。この結果、赤みや炎症、さらには瘢痕が残るリスクがあります。特に皮膚が敏感な方や既に皮膚トラブルを抱えている方は、慎重に除去方法を選ぶことが重要です。
■色素の変色
一部の色素はレーザーに反応して予期せぬ変色を引き起こすことがあります。例えば、オレンジやグレーなどの不自然な色に変わることがあり、これが新たな美容上の問題となることがあります。このため、使用されている色素の種類を事前に確認し、適切な対応を取ることが求められます。
■不完全な除去
多くの場合、1回の施術では完全にアートメイクを除去することは難しく、複数回のセッションが必要となることがあります。これにより、時間と費用がかさむことが予想されます。さらに、何度も施術を受けることで皮膚への負担も増えるため、慎重な計画が必要です。
■感染症のリスク
施術後のケアが不十分であった場合、感染症のリスクも高まります。施術後は清潔を保ち、医師の指示に従った適切なアフターケアが求められます。感染症が発生すると、治療が長引き、さらなる皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。
まとめ
このブログ記事では、アートメイクの除去方法について詳しく解説しました。アートメイクの除去にはダウンタイムが伴い、様々なリスクが存在することを理解していただけたかと思います。そのため、最初からアートメイクの除去が必要な事態を避けるためには、信頼できる医療機関で、経験豊富な施術者と十分に相談しながら進めることが非常に重要です。
アートメイクは長期間にわたり顔の印象を左右するため、デザインや色の選択に慎重になることが求められます。施術前には、自分のライフスタイルや将来の計画を考慮し、後悔のない選択をすることが大切です。信頼できる専門家の意見を参考にし、最適なデザインを選ぶことで、満足のいく結果を得ることができます。
また、アートメイクを施術する際には、最新の技術やトレンドに詳しい医療機関を選ぶことも一つのポイントです。最新の設備と技術を駆使した施術を受けることで、より自然で美しい仕上がりを期待することができます。
この記事が、皆さんがアートメイクの除去を避け、初めから納得のいく結果を得るためのガイドとして役立つことを心から願っています。信頼できる医療機関と施術者を選び、慎重に計画を立てることで、後悔のない美しいアートメイクを楽しんでください。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、二重治療、眼瞼下垂治療、逆さまつ毛治療、リフトアップ治療を得意としている。【関連項目】
ヤグレーザー, アートメイク除去, 眉アートメイク, アートメイク
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