投稿日:2025/01/30
(最終更新日:2025/01/30)

ふくらはぎを細くする治療:神経切断手術・高周波熱凝固法のリスク

ふくらはぎの神経切断手術とは

美しい脚のラインを求め、ふくらはぎのボリュームを減らしたいと考える方は少なくありません。特に日本や韓国などのアジア圏では、スリムでしなやかな脚が理想とされる傾向が強く、ふくらはぎの筋肉を抑える治療法への関心が高まっています。

その中でも、「神経切断手術」や「高周波アブレーション(高周波熱凝固法)」といった外科的手法が、一時期注目されました。しかし、これらの治療は 深刻な副作用や長期的なリスク を伴うことが判明し、現在では施術を提供するクリニックが大幅に減少しています。

本記事では、それぞれの治療法の仕組みやリスクを詳しく解説するとともに、なぜ推奨されなくなったのかを明らかにします。さらに、より安全で効果的な代替治療についてもご紹介します。

ふくらはぎの神経切断手術とは

ふくらはぎの神経切断手術(腓腹筋神経切断術)は、腓腹筋(ふくらはぎの主要な筋肉)を支配する神経を外科的に切断し、筋肉の萎縮を促すことで脚のボリュームを減らす手術です。この手術は主に韓国で流行しましたが、現在では深刻な副作用やリスクが指摘され、施術を行うクリニックは韓国においてもほとんどありません。

ふくらはぎ神経切断手術の流れ

麻酔の施行:麻酔は一般的に全身麻酔で行われます。

切開:膝裏やふくらはぎの上部に約34cmの切開を行います。

神経の特定と切断:腓腹筋を支配する神経を慎重に特定し、選択的に切断します。

縫合と閉鎖:切開部を縫合し、手術を終了します。

手術後、切断された神経に支配されていた筋肉は、約36ヶ月かけて徐々に萎縮し、ふくらはぎのサイズが減少します。この効果は半永久的とされています。

ふくらはぎ神経切断手術の副作用・リスク

不可逆的な筋力低下:神経を切断することで、対象となる筋肉は萎縮し、機能を失います。これにより、階段の上り下りが困難になったり、スポーツや運動能力の低下、長時間の歩行に支障をきたすなど、日常生活に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

歩行障害:腓腹筋の筋力低下により、歩行時のバランスが崩れ、ぎこちない歩行やつま先歩き、足の疲労感の増加などが生じることがあります。

アンバランスなふくらはぎの形態:腓腹筋が萎縮する一方で、ヒラメ筋など他の筋肉が過剰に発達し、ふくらはぎの形状が不均衡になるリスクがあります。

回復困難な後遺症:神経は一度切断されると自己修復しないため、元の状態に戻すことは不可能です。この不可逆性が、現在この手術が行われなくなった主な理由の一つです。

さらに、手術後の感染リスクや内出血、腫れ、知覚障害、引き攣れなどの合併症も報告されています。

これらの合併症やリスクの点から、ふくらはぎの神経切断手術は現在ではほとんど行われなくなりました。

☛安全なふくらはぎボトックスの動画解説

ふくらはぎの高周波アブレーション(高周波熱凝固法)施術とは

ふくらはぎの神経切断手術に伴う深刻な合併症が多く報告されたことから、代替治療法として注目されたのが高周波アブレーション(高周波熱凝固法)です。この手法は、神経を完全に切断するのではなく、高周波エネルギーを用いて神経を部分的に焼灼し、その機能を一時的に低下させることで、ふくらはぎの筋肉の収縮を抑制し、結果として脚のボリュームを減少させることを目的としています。

ふくらはぎ高周波アブレーション施術の流れ

神経の位置特定:まず、電気的な神経刺激を用いて、腓腹筋を支配する神経の大まかな位置を特定します。

局所麻酔:施術部位に局所麻酔を施します。

針の挿入:神経の走行に沿って、皮膚に細い針を慎重に挿入します。

高周波エネルギーの適用:挿入した針を通じて高周波電流を流し、神経組織を加熱・焼灼します。これにより、神経の伝達機能が一時的に低下し、筋肉の収縮が抑制されます。

針の抜去と終了:施術が完了したら、針を抜き、必要に応じて処置部位を保護します。

この方法は外科的な切開を伴わないため、手術痕が残らず、回復が比較的早いとされています。しかし、実際にはかなりの副作用やリスクが報告されています。

ふくらはぎ高周波アブレーション施術の副作用・リスク

効果の一時性:高周波アブレーションによる神経の焼灼効果は永久的ではなく、時間の経過とともに神経が再生し、筋肉の収縮が再び強くなる可能性があります。そのため、効果を維持するためには複数回の施術が必要となる場合があります。

神経痛・感覚障害:高周波エネルギーの適用により、周囲の神経組織が損傷を受けることがあります。これにより、ふくらはぎだけでなく、足の裏やつま先にまで広がる慢性的な痛みやしびれ、感覚の鈍麻などの症状が現れることがあります。

歩行障害:神経への過度なダメージや筋肉の過度な萎縮により、歩行時のバランスが崩れ、ぎこちない歩行やつま先歩き、足の疲労感の増加などが生じる可能性があります。特に、韓国ではかかとを床に下ろせなくなるなどの歩行障害が多発したケースが報告されています。

固定性尖足変形(足関節の拘縮):一部の患者では、足首を中立位に戻せない状態(尖足)が報告されています。この状態は、日常生活における歩行や立位に深刻な支障をきたし、変形を矯正するためにアキレス腱の外科的延長術を必要とする場合もあります。

筋肉の線維化:筋肉組織の壊死が進行し、筋肉が線維化することで、筋力低下や可動域の制限が生じる可能性があります。これにより、日常生活や運動時に支障をきたすことがあります。

これらのリスクを考慮すると、高周波アブレーションは神経切断手術と比較して低侵襲であるものの、同様の副作用や合併症が発生する可能性があるため、日本でこの施術を行うクリニックはほとんどありません。

安全な代替法:ふくらはぎボトックスとは?

ふくらはぎの筋肉を細くするための治療法として、ふくらはぎボトックスは安全性と効果の両面で高い評価を得ています。この方法は、外科的手術に代わる非侵襲的な施術として、多くの方に選ばれています。

ふくらはぎボトックスは、ボツリヌストキシン製剤をふくらはぎの腓腹筋やヒラメ筋に注射することで、筋肉の過度な収縮を抑制し、筋肉を徐々に萎縮させる治療法です。これにより、ふくらはぎのボリュームを減らし、よりスリムな脚のラインを実現します。神経を傷つけることなく筋肉の動きを調整するため、安全性が高いとされています。

☛合わせて読みたい「ふくらはぎボトックスの本当の効果」

ふくらはぎボトックスの施術の流れ

カウンセリング:医師が患者のふくらはぎの状態を評価し、筋肉の発達具合や脂肪の量を確認します。この際、ボトックスが適切な治療法であるかを判断します。

施術準備:痛みを軽減するため、施術部位を冷却します。必要に応じて、局所麻酔やマスク麻酔を使用することもあります。

注射:極細の針を使用して、ボトックスをターゲットとなる筋肉に注入します。施術時間は左右合わせて約5分程度と短時間で終了します。

術後ケア:施術後は特別なケアはほとんど必要ありません。当日からシャワーも可能で、日常生活に支障をきたすことはほとんどありません。

ふくらはぎボトックスの効果

注射後、約1ヶ月で効果が現れ始め、筋肉の動きが抑制されることで、ふくらはぎのサイズダウンを実感できます。

ふくらはぎボトックスのメリット

非侵襲的:手術を伴わないため、体への負担が少なく、傷跡も残りません。

短いダウンタイム:施術後すぐに通常の生活に戻ることができ、仕事や日常生活に支障をきたしません。

自然な仕上がり:筋肉の動きを徐々に抑制するため、自然な脚のラインを形成します。

ふくらはぎボトックスのデメリット

効果の一時性:ボトックスの効果は永久ではなく、時間の経過とともに元の状態に戻るため、効果を維持するには定期的な施術が必要です。

一時的な歩行の違和感:筋肉の動きを抑制するため、施術後に一時的に歩行がぎこちなく感じることがありますが、通常は数日から数週間で改善します。

内出血や腫れ:注射部位に赤みや内出血が生じることがありますが、これらは一時的なもので、適切なアフターケアにより早期に改善します。

元に戻らない「元神メソッド」

ふくらはぎボトックスの効果を長期間持続させるための方法として、筆者が考案した「元神メソッドが注目されています。これは、」短期集中的高容量のボトックスを注射する方法です。1ヶ月ごとに合計3回の注射を行う方法で、筋肉の萎縮を促進し、効果が半永久的に持続することが期待できます。この方法により、筋肉が元の状態に戻らなくなり、長期間にわたりスリムなふくらはぎを維持することが可能とされています。 

ふくらはぎボトックスビフォーアフター

まとめ

ふくらはぎのボリュームを減らすために、神経切断手術や高周波アブレーション(高周波熱凝固法)といった外科的手法が韓国などの海外では一時的に流行しました。しかし、これらの治療は歩行障害や感覚異常、筋肉の線維化、不可逆的な筋力低下といった深刻な副作用を伴うことが判明し、現在では施術を提供するクリニックも大幅に減少しています。

一方で、ふくらはぎボトックスは、非侵襲的かつ安全性が高いことから、現在最も推奨される治療法として広く普及しています。特に筆者が提案する「短期集中高容量ボトックス注射(元神メソッド)」では、従来のボトックスの欠点であった効果の一時性を克服し、半永久的なふくらはぎの縮小効果を期待することができます。この方法は、神経や筋肉を損傷することなく、自然な形でふくらはぎを細くすることが可能であり、さらに、ふくらはぎの骨の縮小にも寄与する可能性が示唆されています。

ふくらはぎを細くしたいと考える際には、単に効果の大きさだけを重視するのではなく、リスクと安全性を十分に理解した上で、最適な方法を選択することが極めて重要です。長期的な健康や機能性を犠牲にすることなく、美しくバランスの取れた脚を目指すためには、リスクの少ない治療法を選ぶべきでしょう。その点で、ふくらはぎボトックスは最も現実的かつ安全な選択肢であり、特に元神メソッドによる施術は、理想的なふくらはぎを半永久的に維持する可能性を秘めた革新的な治療法として注目されています。

ふくらはぎを細くする治療を検討する際には、リスクと効果のバランスを考え、安全性を最優先にした選択を行うことを強くおすすめします。

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