投稿日:2024/07/23
(最終更新日:2024/07/23)
モナリザタッチの効果と研究論文の紹介:萎縮性膣炎の確実な治療法
女性の加齢に伴う膣萎縮によるさまざまな症状、いわゆる萎縮性膣炎には、モナリザタッチが非常に効果的です。モナリザタッチは、米国FDA(日本の厚生労働省に相当する公的機関)によって承認された治療法であり、膣萎縮症(萎縮性膣炎)に対する有効性が広く認められています。本記事では、モナリザタッチに関する最新の研究結果を基に、その効果について詳しく解説します。また、治療の具体的な流れやモナリザタッチに関するさまざまな疑問にもお答えします。モナリザタッチがどのようにして膣萎縮による不快な症状を緩和し、女性の生活の質を向上させるかについて、科学的なエビデンスを交えてご紹介します。
モナリザタッチとは
モナリザタッチは、膣および外陰部のアンチエイジングを目的とした革新的な炭酸ガスフラクショナルレーザー治療です。この治療法は、顔のリフトアップやたるみ改善に使用される技術を応用し、膣の粘膜を若返らせることを目指しています。モナリザタッチは、膣粘膜に微細なエネルギーパルスを照射することで、コラーゲンやエラスチンの生成を促進し、膣組織の再生を促します。
具体的には、炭酸ガスフラクショナルレーザーを用いることで、膣の粘膜層に微小な傷をつけ、自然治癒力を活性化させます。このプロセスにより、新しい血管が形成され、組織の再生が促進されます。その結果、膣内の潤滑が改善され、乾燥やかゆみ、性交時の痛みなどの不快な症状が緩和されます。また、膣の弾力が回復し、全体的な膣の健康状態が向上します。
モナリザタッチの治療は、非侵襲的であり、麻酔を使用せずに短時間で完了するため、患者の負担が少ないのが特徴です。さらに、この治療法はホルモンを使用しないため、ホルモン療法が適用できない患者にも適しています。
モナリザタッチは、閉経後の女性やホルモン依存性のがん治療を受けた女性など、膣萎縮症に悩む多くの女性にとって、非常に有効な治療法となっています。
モナリザタッチの効果を裏付ける研究論文の紹介
モナリザタッチの効果について、以下にいくつかの重要な研究論文を紹介します。これらの研究は、モナリザタッチが膣萎縮症(外陰膣萎縮症)に対して有効であり、安全に使用できることを示しています。
■ランダム化二重盲検プラセボ対照試験
原文タイトル:MonaLisa Touch Randomized Double-Blind Placebo Controlled Study
この研究では、モナリザタッチの有効性が評価されました。34人の参加者がランダムに治療群と非治療群に分けられました。結果として、モナリザタッチを受けたグループは、膣のコラーゲン生成と保湿において有意な改善を示しました。この研究は、モナリザタッチが膣内の健康を維持し、膣萎縮による不快な症状を軽減する効果を実証しました。
■長期臨床試験
原文タイトル::Long-term clinical and histological safety and efficacy of the CO2 laser for treatment of genitourinary syndrome of menopause: an original study
2023年に発表されたイタリアの研究では、モナリザタッチが萎縮性膣炎の治療において非常に安全かつ効果的であることが確認されました。この研究は、膣内および外陰部のコラーゲン成長、組織の再水和、血流の正常化を促進することを示しました。これにより、患者の膣内環境が改善され、生活の質が向上することが示されました 。
■短期効果の研究
原文タイトル::The short-term efficacy and safety of fractional CO2 laser therapy for vulvovaginal symptoms in menopause, breast cancer, and lichen sclerosus
2021年のこの研究では、モナリザタッチが閉経後の女性、乳がん患者、硬化性苔癬患者の膣症状を短期間で効果的に改善することが示されました。膣内および外陰部のかゆみ、灼熱感、乾燥、性交時の痛みが改善され、性的機能の向上も報告されています。
■比較試験
原文タイトル::A randomized clinical trial comparing vaginal laser therapy to vaginal estrogen therapy in women with genitourinary syndrome of menopause
この研究では、モナリザタッチを受けた女性とエストロゲン腟クリームを使用した女性における6ヵ月の有効性と安全性を比較しました。結果として、モナリザタッチを受けた女性の85.8%が「良くなった」または「非常に良くなった」と評価し、78.5%が「満足した」または「非常に満足した」と報告しました。エストロゲン腟クリーム群よりも高い満足度と効果が示されました 。
モナリザタッチの治療対象となる膣萎縮症の具体的症状
モナリザタッチは、以下のような萎縮性膣炎の症状に対して非常に効果的な治療法です。
膣の乾燥:エストロゲンの減少により膣の潤いが失われ、乾燥感を引き起こします。
痛みを伴う性交(性交痛):膣の乾燥と粘膜の薄化により、性交時に痛みを感じることがあります。
頻繁な尿路感染症:膣の自浄作用が低下することで、感染症のリスクが高まります。
尿失禁:膣および骨盤底の筋肉が弱くなり、尿失禁を引き起こすことがあります。
膣のかゆみや灼熱感:膣の環境変化により、かゆみや灼熱感が生じます。
特に、エストロゲン療法が効果を示さなかった女性や、乳がん、卵巣がん、子宮がんの治療歴があるためホルモン療法を避けたい女性にとって、モナリザタッチは非常に適しています。この治療法は、ホルモンを使用せずに膣粘膜の健康を回復させ、生活の質を大幅に向上させることができます。
モナリザタッチ治療の流れと術後のケア
モナリザタッチの治療は、外来で行われる非侵襲的な治療です。麻酔は通常必要なく、治療自体はわずか数分で完了します。以下に治療の流れと実施手順について詳しく説明します。
■治療の流れ
モナリザタッチの治療は外来で行われ、膣内のみ照射では麻酔を必要としません。外陰部の照射も希望される場合は、必要に応じて麻酔クリームを使用します。通常、3回の治療が推奨され、それぞれ1か月ごとに行われます。その後は年1回のメンテナンスが推奨されています 。治療自体は数分で完了し、ダウンタイムもほとんどありません。
■治療後のケア
治療後、患者はすぐに日常生活に戻ることができますが、治療後3日間は性交を避ける必要があります。また当日は入浴を控えることが推奨されています。
■効果と副作用
多くの患者が1回目の治療から症状の改善を実感し、治療の回数を重ねるごとに効果が増す傾向があります。具体的には、膣の潤滑性が向上し、乾燥やかゆみ、性交時の痛みが軽減されます。一般的な副作用は軽度で、一時的な膣の不快感や軽い出血、腫れなどが報告されています、通常は数日以内に改善します 。
モナリザタッチの臨床効果が分かる写真とデータ
上記写真において、治療前の膣粘膜は、上皮が薄く、ひだが扁平化し、潤いが不足している状態です。しかし、モナリザタッチによる治療後には、粘膜がピンク色で潤いに富み、厚みのある健康的なひだに改善されていることが確認できます。
上記が表示しているように萎縮性膣炎の症状はモナリザタッチの治療を受けるごとに着実に改善します。具体的には、治療を重ねることで膣の灼熱缶、かゆみ、乾燥、性交痛、ゆるみが軽減されています。
上記が表示しているように、排尿症状に関しても、モナリザタッチを3回受けた患者の約70%が改善を実感していることが分かります。
モナリザタッチ体験者の声
モナリザタッチを受けた多くの患者様から、次のような喜びの声が寄せられています。この治療法は、多くの女性にとって生活の質を向上させる転機となりました。
■乾燥によるかゆみの解消
モナリザタッチを受けてから、腟内の乾燥によるかゆみが気にならなくなりました。日常生活が非常に楽になりました。」
■性交痛の改善
「治療を受けてから、性交痛が劇的に改善し、パートナーとの関係がより良好になりました。再び親密な時間を楽しむことができています。」
■湯船での快適さ
「お風呂で湯船に浸かった後、腟からのお湯の漏れがなくなり、非常に快適です。」
■パートナーからの変化の指摘
「パートナーから、治療後に変化を指摘され、分泌液の量が増えたことに驚きました。」
■臭いの軽減
「おりものの臭いが軽減し、自信を持って過ごせるようになりました。」
■セックスの快適さ
「パートナーから、以前より腟内性交が気持ち良いと言われ、自分自身もその違いを感じています。」
■尿漏れの改善
「尿漏れが改善し、日中の活動が快適になりました。尿もれ感がほとんどなくなり、安心して過ごせます。」
モナリザタッチのよくあるご質問
Q:モナリザタッチの照射は膣内のみですか?
A:モナリザタッチは膣内だけでなく、膣口周辺や大陰唇などの外陰部にも照射が可能です。この治療は、炭酸ガスフラクショナルレーザーを用いてコラーゲン生成を促進し、外陰部の皮膚を再生させます。これにより、潤いと弾力が回復し、乾燥やかゆみなどの不快な症状が軽減されます。
Q:モナリザタッチ治療が受けられない人はいますか?
A:重度の全身性疾患がある方や外陰部に現在炎症がある方を除き、ほとんどの方が治療を受けることができます。一般的には閉経期の女性が対象ですが、若年層の女性でも症状の改善を目的としてモナリザタッチを受けることが可能です。
Q:モナリザタッチ治療はどのような人に適していますか?
A:モナリザタッチは、女性ホルモンの減少による膣萎縮に悩む女性に最適です。従来の外科治療や投薬治療に比べて、手軽で副作用が少ないため、多くの女性にとって理想的な治療法と言えます。
Q:モナリザタッチの治療の利点はどんなところですか?
A:モナリザタッチは、閉経前後の女性に多く見られる膣萎縮とそれに関連する様々な症状を改善するために開発されました。この治療により、膣の乾燥、脆弱性、粘膜の弾力性の欠如などが改善され、不快なかゆみ、刺激、性交痛が軽減されます。レーザーの作用で膣壁内のコラーゲン再生が刺激され、膣組織の機能が回復します。
Q:モナリザタッチの治療のリスクはありますか?
A:治療は外来で行われ、軽微な下腹部痛やごく微量の出血などの一時的な不快感が報告されていますが、これらの症状は通常1~3日以内に消失します。
まとめ
モナリザタッチ治療は、非侵襲的で麻酔を使用せずに短時間で完了するため、患者の負担が非常に少ないのが特徴です。治療後の回復も早く、通常の生活にすぐに戻ることができます。また、ホルモンを使用しないため、ホルモン療法が適用できない患者にも適しています。
特に、閉経後の女性やホルモン依存性のがん治療を受けた女性など、膣萎縮症に悩む多くの女性にとって、モナリザタッチは非常に有効な治療法です。最新の研究によれば、モナリザタッチは患者の生活の質を大幅に向上させ、長期的な効果が期待できることが確認されています。
モナリザタッチは、従来の治療法に満足できなかった多くの女性に新たな希望をもたらす革新的な治療法です。この治療法の効果と安全性についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。皆様のお問い合わせをお待ちしております。
筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。女性器、男性器の整形手術を多く行っている。モナリザタッチを日本にいち早く導入し、これまでのべ1000人以上の患者様を治療している。【関連項目】
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